HPEコンサルティングサービスがMicrosoft LyncおよびExchangeの導入をトータルに支援
多様なコミュニケーションニーズに応えユーザーの機動力と生産性向上に寄与

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「Exchange / Lyncの導入は、豊田通商グループ企業を結ぶグローバルなコミュニケーション基盤の確立に向けた大きな一歩であることは間違いありません。グループシナジーの創出に向けた取り組み、お客様に新しい価値をご提供するための本当のチャレンジはこれから始まります」
−豊田通商株式会社 IT戦略部 部長 清野 耕司 氏

 

グローバルビジネスを支える統合的なコミュニケーション基盤


豊田通商が、社内およびグループ企業300社が利用可能な統合的なコミュニケーション基盤の構築を進めている。Microsoft Lync / Exchangeをオンプレミスで導入し、Office 365を利用する豊田通商グループ各社とのタイムリーかつ効果的な連携をめざす。音声通話、メール、TV会議など個別に構築されてきた環境の統合を進めるとともに、スマートデバイスの活用、インスタントメッセージ、手軽なオンラインミーティングといった新しいメリットも享受。HPEコンサルティングサービスがMicrosoft Lync / Exchangeの短期間での導入を全面的に支援した。

業界

  • 商社

目的

  • グローバルなビジネスを支えるコミュニケーション環境を刷新し、豊田通商グループ300社とのシナジー創出をめざす。個別に整備されてきた「TV会議システム」や「受付・予約システム」などの合理的な運用をめざすとともに、「メールシステム」を刷新してスマートデバイス活用を含むユーザーの利便性向上を図る。

アプローチ

  • Microsoft Lyncを採用し、既存TV会議システムとの連携や音声通話のIP化を検討。メールシステムはMicrosoft Exchange / Outlookによる多機能なメールクライアント環境に移行し、スマートデバイスからの快適なアクセスを可能にしてユーザーの機動力を高める。

ITの効果

  • Lyncにより既存のTV会議システムよりも手軽にオンラインミーティングを実施可能に
  • Lyncによる在席確認/インスタントメッセージにより即時のコミュニケーションが容易に
  • Exchange / Outlook環境への移行によりPCとスマートデバイスからメールやスケジューラー等の利用がより容易に
  • 会議室予約および受付支援システムをExchangeのアドオン機能として統合

ビジネスの効果

  • 豊田通商とグループ企業を結ぶコミュニケーション基盤が確立され、シナジー創出に向けた取り組みがより容易に
  • TV会議システムの一部を移行するなど、統合化されたコミュニケーション基盤上で多様な機能を活用可能に
  • グローバルで共通化されたコミュニケーション基盤実現の第一歩に
  • HPEコンサルティングサービスによる全面的な支援により短期間での構築・移行を実現
 

総合商社の生命線とも言えるコミュニケーション環境

豊田通商は1948年に設立されたトヨタグループ唯一の商社である。国内および世界60以上の国と地域に独自のネットワークを構築。金属、グローバル部品・ロジスティクス、自動車、機械・エネルギー・プラントプロジェクト、化学品・エレクトロニクス、食料、生活産業を軸に広範なビジネスを展開しており、豊田通商グループ企業は実に500社を超える。2020年に到達すべき目標像を『GLOBAL 2020 VISION』として策定し、モビリティ、アース&リソース、ライフ&コミュニティの3領域で成長戦略を推進中だ。

「世界中に展開するグループ各社のビジネスを成功に導き、総合商社として持続的に発展していくために、豊田通商グループ企業間のコミュニケーションをより高度化していく必要がありました」とIT戦略部 部長の清野耕司氏は話す。

24時間365日止まることなく世界中の顧客や取引先とタイムリーに情報を交換し、社内やグループ間の密な連携を支える―「情報が命」と言われるとおり、総合商社である豊田通商におけるコミュニケーション環境は文字通りビジネスクリティカルな役割を担う。これまで豊田通商のビジネスを支えてきたのは、「メールシステム」「音声通話システム」「TV会議システム」と、独自に開発してきた「アドレス帳」やパッケージの「スケジューラー」などのWebアプリケーション群である。

「2006年に構築したUNIXベースのメールシステムを刷新して、スマートフォンへの最適化を含め、営業部がより使いやすい環境に変えていきたいというテーマがまずありました。さらに、音声通信をIP化できないか、という課題も同時に検討しました」とIT戦略部 インフラグループ グループリーダーの内野慎一氏は話す。

内野氏らが描いたのは、長年にわたって個別に構築・最適化されてきた複数のコミュニケーション環境の統合化と連携の強化である。IT戦略部 インフラグループ 課長職であり、本件のプロジェクトマネージャーを務めた石川進吾氏は次のように振り返る。

「2013年半ばから、メールシステムのMicrosoft Exchange / Outlookへの移行、音声通信とTV会議システムをMicrosoft Lync上で実現できるか検討を始めました。そして、同年10月に本件のPoC(Proof of Concept)を日本ヒューレット・パッカードのコンサルティングチームに依頼しました」

翌年5月、プロジェクトはPoCの結果を踏まえて、日本ヒューレット・パッカードをシステム構築のパートナーに選定。Microsoft Exchange / Lyncの導入プロジェクトがスタートした。

豊田通商株式会社 IT戦略部 部長 清野 耕司 氏

豊田通商株式会社
IT戦略部 
部長
清野 耕司 氏


 

メールシステムをMicrosoft Exchange / Outlookへ移行

コミュニケーション環境の移行・統合にあたって、プロジェクトは次のように基本方針を定めた。

1.個別に導入・運用されてきたメール・電話・TV会議システムを全体最適の視点から見直し機能統合を進める
2.これにより、豊田通商グループ企業間でのグローバルなコミュニケーションの円滑化・快適化に寄与する
3.さらに、営業部の機動力強化を中心に、新しいワークスタイルへの変革の基盤として活用する

「メールシステム」に関しては、UNIXベースの旧システムからMicrosoft Exchangeに移行するとともに、メールクライアントのOutlookへの切り替えを決めた。スマートフォンの全社導入と足並みを揃えた格好だ。

「Exchangeではスマートフォンに最適化されたインターフェースが利用できるとともに、多機能なOutlookに既存のメーラーやスケジューラー、アドレス帳などを統合可能です。たとえば、メールで関係者に会議通知を配信すれば、PCでもスマートフォンでも、通知を受信した人が『承諾』ボタンを押すだけで自動的にスケジュール表に予定が組み込まれます。営業部に使いやすいコミュニケーション環境を提供し、機動力を強化するという目的に適った選択でした」(石川氏)

会議室予約システム/受付支援システムとExchangeの連携も可能になる。日本ヒューレット・パッカードは、両システムの刷新並びに、システム間連携の作り込みも担当した。

「従来は、会議出席者の予定確認から、会議室の予約、スケジュール確定の連絡まで、予約システムやスケジュール管理システム、メールシステムを行き来する必要がありました。これが、予約システムから一度の手続きで完了でき、システム連携によってExchange / Outlookスケジュールに反映されるようになります。お客様の来訪を伴う場合は、どの会議室に案内すべきか自動的に受付スタッフへ通知されます」(石川氏)

Exchange / Outlookという製品選定に関しては、石川氏は次のように話す。

「世界規模でのコミュニケーションを支える基盤として、グローバル標準のテクノロジーや製品を選択することを考慮しました。これは、豊田通商グループ各社が採用しやすいという視点からも非常に重要です」

また、内野氏も「トヨタグループ全体の方針として、コミュニケーション基盤を統一化していこうという大方針がありましたので、豊田通商としてもその役割を担っていく考えです。ただし、あくまでも豊田通商のグローバル戦略を支え、ビジネスの原動力である情報流通とコミュニケーション活性化が可能なことを前提に選定しました」と語った。

豊田通商株式会社 IT戦略部 インフラグループ グループリーダー 内野 慎一 氏

豊田通商株式会社
IT戦略部
インフラグループ
グループリーダー
内野 慎一 氏


豊田通商株式会社 IT戦略部 インフラグループ 課長職 石川 進吾 氏

豊田通商株式会社
IT戦略部
インフラグループ
課長職
石川 進吾 氏

 

Microsoft Lyncによる新しいコミュニケーションの可能性

次に、Microsoft Lync導入について聞こう。日本ヒューレット・パッカードのコンサルティングチームは、音声通信をMicrosoft Lync上で実現するための検証と、Lyncと既存のTV会議システムとの連携方法の検討を慎重に進めた。その結果、今後に期待できる複数のメリットを手に入れる確証が得られたという。

「ひとつは、既存のTV会議利用の一部をLyncで置き換えられる見通しができたこと。さらに大きな変化として、Lyncによりプレゼンテーション資料を共有しながら、音声通話を含め手軽にオンラインで情報交換を行えるようになったことがあります」と内野氏は話す。

豊田通商では、国内外の主要拠点や関係会社を結ぶTV会議システムを早期から整備してきた。だが、専用装置を予約しなければならず「社員の誰もがいつでも自由に使える環境」では必ずしもなかった。誰もが手軽にオンラインでの情報交換を行えるLyncには、コミュニケーションを活性化させビジネススピードを加速させるポテンシャルがある。

「Lyncでは、相手がいま自席にいるか、連絡できるかをオンラインで確認できます。また、日常会話をするようにインスタントメッセージ(チャット)を使えるようになりました。状況に合わせて柔軟かつタイムリーなコミュニケーションが可能になったのです。こうした環境を豊田通商グループに展開することで、グローバルな情報交換をより円滑化することができるはずです」(石川氏)

 
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豊田通商グループ企業は300社との連携を目指す

2015年1月、Exchange / Outlookにより統合され利便性を高めたメール環境、そしてLyncによる新しい可能性を秘めたコミュニケーション基盤の運用が開始された。

「私たちIT戦略部がサポートする豊田通商グループ企業は300社近くあります。その大半は事業会社ですから、グループ内に構築された共通基盤を有効に活用してもらいたいと考えています。私たちがExchangeおよびLyncによるサービスの基盤部分を提供し、グループ各社にはOffice 365などのクラウドから連携するモデルが理想的です」(内野氏)

2013年後半から着手したPoCを皮切りに、インフラ設計と構築、アプリケーションの実装、メールシステムのデータ移行、Webアプリケーションとの連携まで、本プロジェクトで日本ヒューレット・パッカードが果たした役割は広範に及ぶ。また、ヒューレット・パッカードは世界最大級のExchange / Lyncのユーザー企業でもある。

「ExchangeやLyncのシステム構築実績が豊富なことは重要ですが、私たちにとっては総合商社という業態におけるプロジェクト経験やノウハウに期待しました。実質的に半年という厳しいタイムスケジュールの中、強い責任感を持って本プロジェクトを完遂してくれたことに感謝します」(石川氏)

清野氏は、「新しいツールを導入したからといって、即座に成果を生み出せるとは思っていません。会社の制度、働き方に対する考え方、利用にあたっての関係者への配慮など、議論を始めなければならないことはたくさんあります」と前置きしつつ、次のように語って締めくくった。

「Exchange / Lyncの導入は、豊田通商グループ企業を結ぶグローバルなコミュニケーション基盤の確立に向けた大きな一歩であることは間違いありません。グループシナジーの創出に向けた取り組み、お客様に新しい価値をご提供するための本当のチャレンジはこれから始まります」

 

豊田通商株式会社

URL:http://www.toyota-tsusho.com/ 

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ソリューション概略

導入ハードウェア

  • HPE BladeSystem
  • HPE ProLiant BL460c Gen8
  • HPE ProLiant DL380p Gen8
  • HPE 3PAR StoreServ 7200

導入ソフトウェア

  • Microsoft Exchange 2013
  • Microsoft Lync 2013

導入サービス

  • Microsoft Lync 機能検証サービス
  • Exchange 2013 設計構築サービス
  • Lync 2013設計構築サービス

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