カスタマーセンターを支えるCRMシステム基盤をHPE製品で刷新。
「RHEL AUS(6年長期サポート)」※の利用により長期にわたってリスクを回避。

※RHEL(Red Hat Enterprise Linux) Advanced Mission Critical Update Support(以下、「RHEL AUS」)
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総合メディアカンパニー、ジュピターテレコム(J:COM)は、全国12カ所、約3,400名のオペレーターの業務を支えるCRMシステムのインフラをHPE製品で刷新しました。同システムの構築では、お客様との接点となるカスタマーセンターのインフラとなるためセキュリティと安定稼働を重視。ストレージに「HPE 3PAR StoreServ」を導入し、ディスクの暗号化により情報漏えい対策の強化を図っています。またRHELの長期安定運用を可能にする「RHEL AUS」によりセキュリティインシデントへの迅速な対応を実現。今後、現在と将来の安定稼働に向けて備えを強化したインフラをベースに、お客様サービスの向上やオペレーターの負荷軽減など次世代CRMシステムの発展を図っていきます。

 

業界

  • メディア

目的

  • カスタマーセンターを支えるCRMシステムの長期安定運用

アプローチ

  • CRMシステムのインフラのベースとなるストレージに安定性と将来性を備えた「HPE 3PAR StoreServ 7400」を採用。またHPEブレードサーバーを導入しRHEL AUS」によりRHELの長期安定運用を実現。カスタマーセンターの業務を止めないインフラを構築

ITの効果

  • 「HPE 3PAR StoreServ 7400」のシンプロビジョニングにより初期投資の抑制、容量効率の向上、保守費の削減などTCOを大幅に削減
  • 「RHEL AUS」により、バージョンアップすることなくセキュリティインシデントへの対応を実現

ビジネスの効果

  • 「HPE 3PAR StoreServ 7400」のディスクの暗号化により情報漏えい対策を強化
  • Linuxのセキュリティインシデントが増加する中、「RHELAUS」により最大6年間の長期にわたってリスクを回避
  • 構築、運用を担当したSCSKとHPEの密な連携により安定稼働を実現し、カスタマーセンターの業務を支える
  • 今後、次世代CRMシステムをベースに、お客様サービスの向上やオペレーターの負荷軽減に向けた取り組みを展開
 

日本最大のケーブルテレビ事業を支えるカスタマーセンター

ケーブルテレビ事業とメディア事業を展開し日本の放送・通信業界をリードするジュピターテレコム(J:COM)。2014年4月、同社は業界第2位のJCNグループと統合し「新生J:COM」として新たなスタートを切った。

統合後、新生J:COMのケーブルテレビ事業は全国70局以上を統括運営しサービス総加入世帯数は500万世帯を超える。光ファイバーによるブロードバンドネットワークを通じてケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話サービスに加え、宅内Wi-Fi接続によるタブレットとの連携でテレビの楽しみ方を広げるスマートテレビサービス、多彩な番組をいつでも好きなときに観られるJ:COMオンデマンド、外出先でも番組視聴が可能となるJ:COMアプリなど様々なサービスを提供。またメディア事業は日本最大級の映画専門チャンネルや国内最大のスポーツチャンネルなど特色のある専門チャンネルに出資・運営し多チャンネル時代を牽引している。札幌、仙台、関東、関西、九州・山口エリアでサービスを提供するケーブルテレビ事業の特徴は、地域に根差しface to faceでお客様ひとりひとりに合ったプランを提供しているという点だ。地域密着型のビジネスは全国12カ所に設置された自社運営のカスタマーセンターが支えており、約3,400名のオペレーターが加入申し込みからリモコンの操作方法まで幅広いお問い合わせに365日対応している。

「カスタマーセンターはお客様との接点となるため常に安定してサービスの提供を続けることが求められます。2014年、カスタマーセンターの業務を支えるCRMシステムがリプレイスを迎えました。次世代CRMシステムでも長期にわたる安定稼働は必須要件です。またウイルス感染や不正アクセスなどセキュリティインシデントが増加する中で、お客様情報を扱うCRMシステムのセキュリティ強化も重要なポイントとしました」とジュピターテレコム 情報システム本部長兼 システム統括部長 岡田壮祐氏は話す。

安定稼働のもと、お客様サービスのさらなる向上を支援する次世代CRMシステムのインフラはHPE製品が担っている。今回、重要なテーマとなったのはセキュリティ強化と長期安定化の大きく2点だった。

株式会社ジュピターテレコム 情報システム本部長 兼 システム統括部長 岡田 壮祐 氏

株式会社ジュピターテレコム
情報システム本部長
兼 システム統括部長
岡田 壮祐 氏


 

重要な個人情報も扱うためストレージの採用ではディスクの暗号化を重視

同社は、次世代CRMシステムのインフラ選定において安定稼働の観点から既存CRMシステムでの実績と、実績に基づく信頼を重視した。既存CRMシステムは、お客様企業のニーズに応じて幅広いITサービスを提供するSCSKが構築、運用を担当しており、インフラを担っていたのがHPE製品だった。

「SCSKさんとは当社の設立当時からのおつきあいです。MSO(Multiple System Operator、ケーブルテレビの統括運営会社)として導入すべきシステムに関して、当社の立場に立って様々な提案をしていただいています。当社の事業に欠かせないシステムを支えているのがSCSKさんです」(岡田氏)。

HPEについて岡田氏は「既存CRMシステムの製品選定で当社が重視したのが、長期的かつ安定的に製品を提供できるという観点でした。コスト面も含めて長くおつきあいができるベンダーとしてHPEさんを採用しました」と話す。

次世代CRMシステムは、同社とSCSK、HPEの3社が一体となり既存CRMシステムの安定稼働を支えてきた体制や、これまで築き上げてきた信頼関係の延長線上にあった。

今回、HPE製品の導入でトピックとなったのが「HPE 3PAR StoreServ 7400」である。ジュピターテレコムでは重要なデータが保存されるストレージのさらなるセキュリティ強化を重要なテーマとして位置づけていた。「当社はお客様情報を大量に保持しており、それらの安全性を確保するための対策の強化に日々取り組んでいます。その一環として次世代CRMシステムではHPE 3PAR StoreServのディスクの暗号化を採用しました。ドライブへの書き込み時に自動的にデータが暗号化されるため、ディスク盗難などに伴う情報漏えいのリスクを回避できます」とジュピターテレコム 情報システム本部 システム運用部 マネージャー 丹羽幸生氏は話す。

またTCO削減の観点からシンプロビジョニングも重要なポイントとなった。「これまでは最初からピーク時に備えた容量を割り当てることが必要でした。シンプロビジョニングは、サーバー側にはピーク時に備えた容量があると見せかけて実際にはデータの増加に伴ってディスクを追加していくことができます。初期投資の抑制はもとより容量効率の向上、保守費の削減などTCOの大幅削減を実現します」(丹羽氏)。

さらに「HPE 3PAR StoreServ 7400」がハイエンドモデルの機能や性能を継承しながらミッドレンジ向けにコストパフォーマンスを最適化している点も高く評価された。

運用の観点からSCSKの通信システム事業部門 メディアシステム事業本部 ブロードネット第二部長 島田聡氏は次のように話す。「HPE 3PAR StoreServ 7400はコストパフォーマンスが優れているため、本番機だけでなく開発機にも導入しました。開発機でテストし、稼働確認できたものを本番機に適用するといった運用が行えるため、構成変更などのリスクも軽減できます。また24時間365日のリモート監視により、障害予兆を迅速に検知し、事前の障害回避を実現できる点も運用面では重要なポイントでした」。

株式会社ジュピターテレコム 情報システム本部 システム運用部 マネージャー 丹羽 幸生 氏

株式会社ジュピターテレコム
情報システム本部
システム運用部
マネージャー
丹羽 幸生 氏


SCSK株式会社 通信システム事業部門 メディアシステム事業本部 ブロードネット第二部長 島田 聡 氏

SCSK株式会社
通信システム事業部門
メディアシステム事業本部
ブロードネット第二部長
島田 聡 氏


SCSK株式会社 ロゴ
 

セキュリティの脅威に対し「RHEL AUS」により長期にわたってリスクを回避

長期安定化の観点から「RHEL Advanced Mission Critical Update Support(6年長期サポート)(以下、RHEL AUS)」を導入している点も特徴的だ。

「RHEL AUS」を導入した理由について「昨今、Linuxにおいても多くのセキュリティインシデントが発生していますが、通常、RHEL( Red Hat Enterprise Linux)のマイナーリリースの標準サポート期間は約半年間です。これではあまりに短く、その後のセキュリティ対策をどうすべきか、非常に悩ましいところです。RHEL AUSの導入により最大6年間、重大影響度のセキュリティパッチやバグ修正パッチの提供が受けられます。長期にわたってリスクを回避できる点を高く評価しました」と丹羽氏は話す。

またアップデートを伴わずに修正パッチを適用できる点もメリットが大きいという。「セキュリティパッチだけならピンポイントであてることができますが、バージョンアップは大幅な改修を伴うケースがあります。バージョンアップの内容の精査やテストが必要ですし、システムも止めなければなりません。バージョンアップは頻繁に行えるものではなく、セキュリティインシデントに対して迅速な対応も現実的には不可能です」とSCSKの島田氏は話す。

今回、導入したRHEL6.4の標準サポートは約半年間、2年サポートの「RHEL Extended Update Support(EUS)」は2015年2月に延長サポートが終了した。「RHEL AUS」の利用によりRHEL6.4において最大2019年2月までサポートの提供が受けられる。

サーバーは既存CRMシステムでの実績を評価し、HPEのサーバーを選択。RHELからストレージ、サーバーまでHPEがワンストップ・サポートを行うことによりシステム障害時の切り分け負担の軽減、障害対応の迅速化も図っている。

 
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お客様サービスのベースとなる次世代CRMシステムに高い信頼と大きな安心を実現

既存システムに引き続き次世代CRMシステムの構築を担当したSCSKについて「システムに障害が起きる場合、その原因には様々なインシデントがありますが、表面にでてくるのはシステムが止まってしまうといったことです。その原因を迅速に解明し適切な対策を講じていくために、SCSKさんにはアプリケーションとインフラの両面をワンストップでサポートしていただいています。すべてを任せられるという面で、SCSKさんを高く評価しており全幅の信頼を寄せています」と岡田氏は話す。

本稼働は2015年7月だが、導入後の効果について「HPE 3PAR StoreServによるディスクの暗号化や、RHEL AUSの長期サポートを利用したセキュリティインシデントへの迅速な対応など、安定稼働に向けて現在と将来に向けての備えを強化できました」と丹羽氏は話す。

今後の展望について「今回、長期にわたり次世代CRMシステムの安定稼働を実現するインフラを構築できました。今後は、SNSやLINEなどお客様とのコミュニケーションの手段を増やしたり、サービスの増加に対応が追いつかないオペレーターをナレッジ面で支援するツールをつくったり、次世代CRMシステムを発展させていきたいと考えています。HPEさんにはこれからも製品の安定供給やSCSKさんと連携したサポートはもとより、先進的な提案にも期待しています」と岡田氏は話す。

成長を続ける総合メディアカンパニーとして、地域に根差した生活サポート企業として、J:COMの地域社会で果たす役割がますます大きくなっていく中で、HPEとSCSKが支える次世代CRMシステムの重要性も一層高まっていく。

 

株式会社 ジュピターテレコム(ブランド名 J:COM)

設立
1995年1月18日
本社所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館
資本金
376億円(2013年11月1日現在)
従業員数
グループ総計13,854名( 2014年3月末現在)
主な事業内容
・ケーブルテレビ局の統括運営を通じた有線テレビジョン放送事業及び電気通信事業
・ケーブルテレビ局及びデジタル衛星放送向け番組供給事業統括

URL:http://www.jcom.co.jp/corporate/aboutus/ 

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