国内外で適材適所のクライアントセキュリティを実現
ジェーシービーが、2014年4月のWindows XPサポート終了を前に、全社クライアント環境をWindows 7に移行した。海外19拠点200ユーザーに仮想デスクトップ(VDI)によるシンクライアントを採用。また、国内の7,500ユーザーには従来型PCを採用し、Windows Serverの標準機能を利用してクライアントセキュリティを強化。2年に及ぶ移行プロジェクトにおいて、HPEのコンサルティングチームがセキュアなクライアント環境の全社展開をトータルに支援した。
Windows XPサポート切れ問題への対応
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株式会社ジェーシービー
システム本部 インフラ開発部
次長(ネットワーク・ OAインフラグループ担当)
須崎 謙祐 氏
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ジェーシービー(以下、JCB)は、会員数8,660 万*1、年間取扱高18 兆9,348 億円*2を誇る国内カード最大手である。世界190 カ国にサービスを展開し、日本の旅行者やビジネスマンが安心してカード決済を利用できる環境を整えている。「JCBカード」は日本発のカードとして唯一、5大国際ブランドのひとつにも数えられる。
「2014年3月、全社およそ7,700台のPCをWindows XPからWindows 7へ移行する作業を完了させました。国内本支店の約7,500台に加え、海外19拠点の約200台のPC環境を刷新する2年がかりのプロジェクトでした」とシステム本部 インフラ開発部 次長の須崎謙祐氏は話す。
背景には、2014年4月に迫ったWindows XPのサポート終了があった。いわゆる“2014年問題”への対応だ。移行にあたっての方針を須崎氏は次のように紹介する。
「2012年初頭から、『Windows XPサポート終了への確実な対応』『クライアントセキュリィの強化』の2つをテーマに、新しいクライアント環境のあるべき姿の検討を始めました。当初、私たちが想定したのは仮想デスクトップ(VDI)です。一部の海外拠点で導入していたこともあり現実的な選択と考えていました」
シンクライアントを利用しクライアントセキュリティを強化できるVDIは、多くの企業で導入が進んでいる。だが、性能向上が著しい最新のWindows PCと同等のレスポンスや使い勝手をVDIで実現するには、インフラ側に相応の構成が必要だ。7,700台という大規模VDI環境では、インフラ関連コストは大きく膨らむ。
「私たちは、次期クライアント環境の要件を整理して複数のベンダーに提案を求めました。Windows 7への移行とクライアントセキュリィの強化がその柱です。大半のベンダーがVDIによるシンクライアント化を推奨してきたのに対し、HPEの提案は“シンクライアントとファットクライアントを適材適所で使い分ける”というユニークなものでした」(須崎氏)
HPEの提案のポイントは、国内7,500台の環境に「マネージドクライアント」を適用することにあった。一般のWindows PC(ファットクライアント)を使いながら、Windowsの標準機能により“ユーザー側にデータを残さない仕組み”を実現するソリューションである。
*1:2014年9月末日現在 *2:2013年度
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