3系統の業務系ストレージを総容量400TBのHP 3PAR StoreServに統合
SSDとSASを組み合わせたデータ階層管理により高い性能と投資対効果を実現

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「クラウドのテクノロジーを利用した運用の自動化に注目しています。2020年を見据えた成長戦略を支えるIT環境として、また、その先のハイブリッドクラウド環境への布石としてもHP 3PAR StoreServがクラウド基盤に対応していることは重要なことです」

−株式会社 豊田自動織機
情報システム部 システム企画第一室
第1グループ グループ長
青木 健二 氏

 

自社運用が可能な統合ストレージ基盤を実現

豊田自動織機が、仮想サーバー環境を重視した統合的なストレージ基盤を構築した。プライマリーストレージとしてHP 3PAR StoreServ 7400を採用し、3系統の従来型ストレージにより運用されてきた環境を統合。NetApp 8060A(NASヘッド: FlexArray)とHP 3PAR StoreServ 7400 / 7200を組み合わせ高性能なNAS環境も構築した。SSD/SASのデータ階層管理やシンプロビジョニングにより投資対効果を高めるとともに、ストレージ運用の内製化も実現。2020年を見通した成長戦略を支え、クラウド基盤にも対応する次世代ITインフラへの布石となるストレージ環境の実現である。

業種

製造


目的

3系統の従来型ストレージシステムを刷新し単一のストレージ基盤に統合、同時にDR環境を構築する。機器構成のシンプル化と運用管理性の改善により、外部ベンダーに依存せざるをえなかったストレージ運用管理の内製化を推進する。


アプローチ

仮想サーバー(約450VM)環境を重視した統合ストレージ基盤を新たに設計するとともに、高度な自律運用機能を備えたストレージ製品を採用して運用管理の内製化を実現する。


ITの効果

  • HP 3PAR StoreServ 7400(4コントローラー機)を採用し高性能・高信頼かつ運用管理性に優れた400TBのプライマリー統合ストレージ環境を実現
  • SSDとSASを搭載しHP 3PAR Adaptive Optimization(データ自動階層化機能)によりパフォーマンス・容量・コストを最適化
  • シンプロビジョニングを全面的に採用し、従来環境で60%程度にとどまっていた容量効率を大幅に向上させるとともに物理容量への先行投資を抑制
  • NetApp 8060A(NASヘッド)とHP 3PAR StoreServ 7400 / 7200を組み合わせたNAS環境を構築

ビジネスの効果

  • 仮想サーバー環境の柔軟性とスピード感に適応しビジネス要求にタイムリーに応える仮想化基盤を実現
  • 運用管理の内製化により予測困難だったメンテナンスコストを大幅に削減
  • 旧環境で10ラックを占めていたスペースを3ラック未満に削減するとともに消費電力量も大幅に削減
  • クラウド基盤への対応を含め5年先までを見通したインフラ整備への布石に

 

チャレンジ

仮想サーバー環境の拡大によりストレージの課題が顕在化

豊田自動織機の歴史は1926年まで遡る。自動織機の製造・販売からスタートし、繊維機械、自動車、産業車両、エレクトロニクス、物流ソリューションまで多様な事業をグローバルに展開。「トヨタL&F」(ロジスティクス&フォークリフト)のブランドで知られるフォークリフト事業は、世界・国内ともにトップシェアを誇る。トヨタ自動車の源流企業でもある。

「さらなるビジネス成長、バリューチェーン拡大、グローバル化を掲げた『2020年ビジョン』を全社で推進しています。私たちのミッションは、全社戦略を支えるIT環境はどうあるべきか、ビジネス要求に応えるIT基盤をどう実現するかを考え、具体化していくことにあります」と情報システム部 システム企画第一室 第1グループ グループ長の青木健二氏は話す。

豊田自動織機では、メインフレームとUNIXシステム、x86サーバーが混在する業務システムを長年にわたり利用してきたが、2010年から導入を始めた仮想サーバー環境がストレージシステムに様々な課題を顕在化させたという。

「従来は、物理サーバーを調達してユーザー環境を用意するまで数カ月を要していましたが、仮想サーバー環境ではこれが数日に短縮されました。サーバー仮想化の最大のメリットはこの圧倒的な迅速性です。しかし、ストレージ側に物理設計や手作業が残っており、サーバー側のスピード感に対応できなくなってきたのです」(青木氏)

豊田自動織機では、従来型の物理ストレージシステムを3系統運用してきた。サーバー側はおよそ450VMの仮想マシンを稼働させており、今後さらに増加することも明らかだった。

「さらに大きな問題は、同一ブランドのストレージシステムでありながら管理性がまるで違っていたこと、運用管理のほぼ全てをストレージベンダーに依存しなければならなかったことでした。サポートを依頼するたびにコストが発生するだけでなく、いつどれだけサポートが必要になるか予測できないため予算化が難しいという問題もありました」(青木氏)

「一度割り当てたボリュームは事実上拡張することができず、数年間の運用を見通して余裕を持った容量を確保しておかなければなりませんでした。その結果、容量効率は60%程度にもかかわらずシステムによっては容量不足が発生するという状況も起こっていました」と情報システム部 システム企画第一室 第1グループの久保田祐輔氏は話す。

仮想サーバー環境とのミスマッチ、運用管理をストレージベンダーに依存せざるをえないことによる高コスト、容量拡張が困難なことによるムダ―従来環境でのすべての問題を解決するために、青木氏らが選択したのは「HP 3PAR StoreServ 7400」だった。クラウド事業者のサービス基盤、企業の統合的な仮想化基盤において、世界中で大きな支持を獲得しているストレージ製品だ。提案したのは、HP 3PAR StoreServ導入における豊富な経験を持ち、自営保守のサービス体制を整えている伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)である。

株式会社 豊田自動織機 青木健二氏

株式会社 豊田自動織機
情報システム部
システム企画第一室
第1グループ グループ長
青木 健二 氏

株式会社 豊田自動織機 久保田祐輔氏

株式会社 豊田自動織機
情報システム部
システム企画第一室
第1グループ
久保田 祐輔 氏

 

ソリューション

HP 3PAR StoreServ 7400を採用し統合ストレージ基盤を構築

青木氏、久保田氏に、IT子会社である豊田ハイシステム ITインフラ部の舟橋拓郎氏を加えたプロジェクトチームは、ストレージ環境の刷新に際して次のように基本方針を定めた。

@3系統ある既存ストレージシステムを一本化し、高性能かつ高信頼な統合ストレージ基盤を構築する
A仮想サーバー環境との親和性を重視し、仮想化のメリットを最大限享受できるストレージ製品を選定する
B自社運用を支援する機能を備えたストレージ製品を選定し、運用の内製化を進める

「ひとつ大きな決断だったのは、接続可能なストレージが極めて限られるメインフレームを切り離し、オープン系サーバーに特化したことです。これにより選択の幅が大きく広がりました」(青木氏)

CTCが提案したHP 3PAR StoreServストレージは、プロジェクトが示した要件に見事に合致するものだった。

「およそ450VMの仮想サーバーに加え、データベース等の物理サーバーも接続するプライマリーの統合ブロックストレージ環境です。私たちは、ハイエンド製品に匹敵するHP 3PAR StoreServ 7400 の信頼性と、予期しない障害に対してもサービスを継続できる可用性、様々なワークロードが混在しても高い性能を維持できる能力を評価しました」(久保田氏)

HP 3PAR StoreServ 7400 は、ミッドレンジ製品でありながら4つのコントローラーをメッシュ状に接続して高い性能と耐障害性を実現している。コントローラーすべてをActiveで稼働させ、障害発生時にはコントローラー間でフェイルオーバーを実行。縮退時でもサービスへの影響を最小化できる。

「実際に運用してみて、HP 3PAR StoreServの『ディスクをきれいに使い切る能力』には驚かされました。システムに搭載するディスク全体に自動的にデータを分散配置してくれますので、特定の領域に負荷が集中することがなく常に高い性能を維持することができます」と舟橋氏は話す。

システムワイドストライピングと呼ばれるこの機能をはじめ、HP 3PAR StoreServが備える様々な機能は、コントローラーのCPUとは別に用意された「第4 世代HP 3PAR ASIC」により高速にハードウェア処理される。

「HP 3PAR StoreServ 7400には高速なSSDと高信頼なSAS HDDを搭載し、パフォーマンスと容量・コストの最適バランスを図ります。I/Oの多いデータをSSDに自動配置して高負荷の処理を行い、それ以外のデータをSASに移動させる『データ階層管理機能』がこれを可能にしました」(舟橋氏)

この「HP 3PAR Adaptive Optimization」を実行するのもHP 3PAR ASICである。メインのCPUに負荷をかけないので、ストレージ本来のI/O性能に影響を及ぼすことはない。ソフトウェアによって機能を実装するストレージ製品とHP 3PAR StoreServの大きな違いだ。

アイシン・インフォテックス株式会社 舟橋拓郎氏

豊田ハイシステム株式会社
ITインフラ部
ITインフラ2課 1グループ
舟橋 拓郎 氏

優れた自律運用性により運用管理を内製化

サーバー仮想化による「迅速性」というメリットをシステム全体で享受するには、ストレージ環境のプロビジョニングや容量変更をスピーディかつ柔軟に行えることが必須だ。HP 3PAR StoreServは「仮想ストレージプール」をいち早く実用レベルで使用可能にした製品であり、高速かつ自動的なプロビジョニングや、容量効率を高める実用的な機能が高く評価されている。

「HP 3PAR StoreServは、接続するサーバーの台数やボリュームサイズなどを事前に定義する必要はなく、プロビジョニングを2〜3のパラメーター設定により数分で完了できます。スピード感は劇的に変わりました。また、ストレージ運用の内製化というテーマに対しては、仮想ストレージプールの実用性が高いことに加え、日々の運用負荷を軽減できること、稼働状況を監視できることが重要ですが、HP 3PAR StoreServはこの条件を全て満たしていました」(舟橋氏)

日常的なストレージ運用に関しては、HP 3PAR StoreServでは先に紹介したデータの動的な最適配置を含めほぼ自動化されている。また、システムの稼働監視も単一のコンソールから統合的に行える。

「実際、ブラックボックスだった従来の環境とは大きく変わりました。システムのリソースやパフォーマンス状況が一目瞭然になり、日常的な運用の80〜90%は内製化できる見込みです。また、容量の増設もムダなく計画的に行えるようになるでしょう」(舟橋氏)

豊田自動織機では、1年に20TBのペースでデータ量が増加していたという。容量拡張を柔軟に行えなかった従来のストレージ環境では、数年後を見通した容量を確保しておき、足りなくなった場合は筐体のアップグレード(上位機種への入れ替え)で対応するしかなかった。

「HP 3PAR StoreServはスケールアウトによる柔軟な対応が可能で、ディスクやコントローラーの増設もオンラインで行えます。必要なときに容量を拡張できるため計画的な増強が可能になりました。さらに、シンプロビジョニングを利用することで、事前に大きな容量を確保しておく必要がなくなり先行投資も抑えられます」(舟橋氏)

統合ストレージ基盤の構築と機種選定にあたって、プロジェクトは「シンプロビジョニング」を全面的に利用することを想定していたという。HP 3PAR StoreServは、シンプロビジョニング(容量予約)やシンパーティステンス(容量返却)などの革新的な機能を2000年代前半に実現。10余年を経て他の追随を許さない水準にまで実効性能を高めてきた。

「高度なストレージ機能を使いながら、パフォーマンスや信頼性を損なわない。そうしたHP 3PAR StoreServの基礎的な能力の高さを評価しました」(青木氏)

優れた自律運用性により運用管理を内製化
 

ベネフィット

NetAppとHP 3PAR StoreServ 7400/7200でNAS環境を構築

統合ストレージ基盤には、NetApp製NASヘッドを備えたHP 3PAR StoreServ 7400 / 7200も同時に導入された。そして、HP 3PAR StoreServ 7400の筐体内でスナップショットを取得、HP 3PAR StoreServ 7200にリモートコピーし、バックアップアプライアンスの重複排除機能を利用してDRサイトでデータを保護する仕組みを整えた。

「NetApp 8060A(NASヘッド)とHP 3PAR StoreServ 7400 / 7200によるNAS環境に、データベースのバックアップ、メールやログ等を管理する領域を確保しました。信頼性が高く、かつ使い勝手の良いNAS環境を実現できました」−舟橋氏

ストレージサービスにHP 3PAR StoreServ(RAID 6で冗長化)を採用し、NAS環境をNetApp製品で実装(RAID 0で高速化)するこの仕組みは、それぞれの製品機能のメリットを引き出すことが可能だ。もちろん、HPが公式にサポートしている構成である。

新しい統合ストレージ基盤は、2015年6月より本番運用を開始している。12月の完全移行をめざしてデータ移行作業を進行中だ。現時点での成果を、久保田氏は次のように話す。

「ストレージ環境がHP 3PAR StoreServに統合されたことで、仮想サーバー環境のスピード感に適応し、ビジネス要求にタイムリーに応える仮想化基盤が実現されました。運用管理の内製化がさらに進めば、保守コストを大きく削減できるはずです。また、旧環境で10ラックを占めていたスペースが、3ラック未満に削減される見込みです。消費電力量も大幅に削減されるでしょう」

最後に青木氏が次のように語って締めくくった。

「クラウドのテクノロジーを利用した運用の自動化に注目しています。2020年を見据えた成長戦略を支えるIT環境として、また、その先のハイブリッドクラウド環境への布石としてもHP 3PAR StoreServがクラウド基盤に対応していることは重要なことです。現在、日米欧の3極体制でグローバルなIT環境を構築・運用していますが、日本発で世界標準のサービス基盤を確立したいと考えています」

詳しい情報
HP 3PAR StoreServについてはこちら
www.hpe.com/jp/3par

 

会社概要

株式会社 豊田自動織機

所在地:愛知県刈谷市豊田町2-1

URL:http://www.toyota-shokki.co.jp/ 

株式会社 豊田自動織機

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