HP 3PAR StoreServを中核に仮想化基盤を構築、DRサイトへのリモートコピーにより確実なデータ保護を実現

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「従来のシステム基盤構築から5年が経過し、刷新のタイミングでインフラ全体を大きく見直しました。大きな柱は、仮想化基盤を構築して基幹業務システムを全面移行すること。もうひとつは、災害対策(DR)システムの構築です」

− 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境安全本部 情報基盤部
次長 工学博士 正木篤氏

 

基幹業務システムのインフラ刷新と事業継続

日本の産業を多角的な研究開発によって支える産業技術総合研究所が、約1万人の所内ユーザが利用する基幹業務システムの仮想化基盤上への全面移行を推進している。共有ストレージに「HP 3PAR StoreServ 7400」を採用し、安定的なサービス品質を確保するとともに運用効率を向上。さらに、HP 3PAR StoreServのリモートコピー機能を利用して遠隔地へのデータバックアップを行い災害時の事業継続にも対応する。

業種

官公庁・研究機関


目的

研究者約1万人の活動を支える基幹業務システムのインフラ刷新。物理環境の機器台数を削減するとともに運用負荷の軽減を図る。合わせて、災害時における確実なデータ保護・事業継続を可能にするDRシステムを構築する。


アプローチ

仮想化技術を全面的に採用してサーバー/ストレージを集約。リソースの利用効率を高めるとともに、機器構成をシンプル化して運用も効率化する。仮想化環境におけるサービス品質の維持を重視し、共有ストレージがボトルネックにならないよう配慮する。


ITの効果

  • 共有ストレージに「HP 3PAR StoreServ 7400」を採用し高いレスポンスを確保
  • HP 3PAR StoreServの自律運用機能によりストレージの運用負荷を軽減
  • HP独自の"フラットSAN構成"によりサーバー=ストレージ間の接続をシンプル化
  • HP 3PAR StoreServのリモートコピー機能によりDRサイトへのバックアップを日次で自動実行
  • 障害予兆の検知とサポートサービス「HPプロアクティブケア」の連携により未然の障害対応を可能に

ビジネスの効果

  • 物理機器の削減とリソース有効活用により、投資対効果に優れたシステム基盤を実現
  • DRサイトへの自動バックアップにより事業継続と情報資産の保護を可能に
  • 業務に影響するシステム障害発生のリスクを最小化
 

チャレンジ

仮想化基盤を構築し基幹業務システムを全面移行

産業技術総合研究所(以下、産総研)は、我が国における最大級の公的研究機関である。環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・製造、計測・計量標準、地質の6つの産業領域で研究を推進。産学官が有機的に連携する"オープンイノベーションハブ"として、国内産業の競争力を強化するミッションも担う。東京本部、つくばセンターに加え、9つある研究拠点では、所属研究員と大学や企業の研究者、合わせて約1万人が幅広いテーマで共同研究に従事している。

「私たちの役割は、この1万人の研究者の活動をICT基盤の提供によって支えることです」と産総研 情報基盤部 次長の正木篤氏は話す。

情報基盤部は、産総研全体で利用する通信・ネットワーク基盤、サーバーシステム、アプリケーション、クライアントPCまで、多様なICT環境の企画・構築・運用を支えている。情報基盤部 情報基盤特任チームの久保真輝氏は、業務上の課題を次のように説明する。

「基幹業務システムを構成する物理サーバーだけで100台近くを運用しています。複数のベンダーが構築から保守までを担当する従来の環境では、メンテナンスの依頼もシステム単位で行う必要がありました。大規模化・複雑化したシステム環境が、情報基盤部の業務負荷を高める大きな要因になっていたのです」

Linux、UNIX、Windowsのシステムが混在するマルチベンダー環境では、セキュリティ情報の収集やパッチの適用だけで多くの工数が発生する。物理機器の数が増えるほど、障害ポイントが増えることも無視できない。

「従来のシステム基盤構築から5年が経過し、刷新のタイミングでインフラ全体を大きく見直しました。大きな柱は、仮想化基盤を構築して基幹業務システムを全面移行すること。もうひとつは、災害対策(DR)システムの構築です」(正木氏)

全国の研究拠点は本部の基幹業務システムを利用しており、システムの安定稼働は研究活動とその関連業務にとって必須の条件だ。事業継続計画(BCP)への取り組みと研究成果を含む知財の保護は、東日本大震災前からの検討事項だった。

複数のITベンダーが入札に参加。2013年5月、契約を獲得したのは日商エレクトロニクスである。

独立行政法人 産業技術総合研究所 正木篤氏

独立行政法人 産業技術総合研究所
環境安全本部 情報基盤部
次長 工学博士
正木 篤 氏

 

ソリューション

日商エレクトロニクスの提案はHP 3PAR StoreServ

産総研が提示した基幹業務システム刷新の要旨は、次の通りだ。

  1. サーバー仮想化によりハードウェアを削減し、リソース利用率の向上を図ること
  2. 同時に運用負荷軽減を含めTCOを削減して、システムの投資対効果を高めること
  3. シンプルな機器構成とし、業務要求の変化にも適応できるシステム構成とすること
  4. DRサイトへのデータバックアップを安全・確実に実行すること

これに対して、日商エレクトロニクスはどのような提案で臨んだのか。同社 エンジニアリング本部 ソリューションエンジニアの八木直久氏は、次のように話す。

「大きなテーマである"投資対効果の向上"を図るには、より多くのシステムを集約することが早道ですが、サービス品質を低下させては意味がありません。私たちは、真の意味で高いコストパフォーマンスを達成するために、新システムがどうあるべきか慎重に検討しました。そして、HP 3PAR StoreServ 7400とHP BladeSystemを中核とする仮想化基盤システムを提案しました」

日商エレクトロニクスの提案のポイントを整理しよう。

  1. VMware vSphereにより仮想化した「HP BladeSystem」上に約50システムを集約
  2. 共有ストレージに高性能な「HP 3PAR Store Serv 7400(SSD/SAS搭載)」を採用
  3. 「HPバーチャルコネクト」によりシンプルな機器構成で柔軟なLAN / SAN環境
  4. 能動的な保守サポート「HPプロアクティブケア」により運用負荷を軽減
  5. HP 3PAR StoreServの「リモートコピー機能」を利用したDRサイトへのバックアップ

「基幹業務を支える仮想化基盤において、サーバーの集約率を高めながらサービス品質を維持するには、ストレージシステムを重視すべきと考えました。HP 3PAR StoreServは、複数のサーバーからアクセスが集中して高負荷になっても、高いI/O性能を維持し続ける能力を評価しての提案です。さらに、本番サイトのシステムでは高速なSSDとSASをバランスよく組み合わせて、より高いパフォーマンスを追求しながらコストとの最適化を図っています」と八木氏は説明する。

HP 3PAR StoreServでは、システムワイドストライピング(搭載するディスク全体でのデータ最適配置)によってディスクアクセスを効果的に分散させる。また、SSD−SAS−ニアラインSASを組み合わせ、データへのアクセス頻度に応じて自動的に最適な階層にデータを移行させることも可能だ。これらの機能は独自の「HP 3PAR ASIC」によりハードウェア処理されるため、ストレージのパフォーマンスに影響を与えない。

「SSD領域は、主に負荷の高いデータベースに割り当てることでサービス品質を維持できると期待しました」と久保氏は語る。

「また、HP BladeSystemのブレードエンクロージャー内に収容する『HPバーチャルコネクトFlexFabric』を利用し、サーバーとストレージ間をダイレクトに接続しています。これにより高価なSANスイッチやHBAが不要になりました」(八木氏)

HPでは、このシンプルなサーバー/ストレージ間接続を"フラットSAN構成"と呼んでいる。HPバーチャルコネクトによるI/O仮想化は、柔軟な構成変更を可能にするうえ、物理機器を減らして障害ポイントを削減するメリットももたらす。

日商エレクトロニクス株式会社 八木直久氏

日商エレクトロニクス株式会社
エンジニアリング本部 第一システム
・エンジニアリング部 第二グループ
ソリューションエンジニア
八木 直久 氏

独立行政法人産業技術総合研究所 久保真輝氏

独立行政法人 産業技術総合研究所
環境安全本部 情報基盤部
情報基盤特任チーム
久保 真輝 氏

基幹業務システムを支える仮想化基盤

基幹業務システムを支える仮想化基盤
 

ベネフィット

障害予兆を検知しプロアクティブな問題解決を可能に

HP 3PAR StoreServでは、すべてのディスクを単一のストレージプールとして管理し、ボリュームを"切り出す"だけの手順でサーバーへの割り当てが可能だ。しかも、RAID設計もチューニングも不要で高いパフォーマンスを発揮する。さらに、スケールアウトによる容易な拡張、柔軟なリソース提供と高度に自動化された管理、ストレージ容量をムダなく使いきる高効率性などメリットは多い。

正木氏は、「運用負荷を軽減してコストを下げたい、業務要求の変化にも柔軟に対応できるようにしたい、という要件に関しては、各ベンダーから様々なアイディアを出してもらうことを期待していました」と話す。

HP 3PAR StoreServは、この要求に対しても有効なソリューションとなった。

「HP 3PAR StoreServなら日常的なストレージ運用はほぼ自動化され、運用にかかる負荷は大幅に軽減されます。また、事前の容量設計を不要にし、必要時点で容量を拡張できるシンプロビジョニングも、変化する業務要求に対して有効にお使いいただけます」と日商エレクトロニクス ソリューションパートナー営業本部の寺倉史雄氏は言う。

HP 3PAR StoreServは、仮想ディスク上で削除されたデータを検出して領域を解放し、物理容量として再利用可能にするテクノロジー「シンパーシステンス」を実装している。これにより、シンプロビジョニングでボリュームを予約して物理容量を節約し、シンパーシステンスで使わなくなった容量を返却する、といった運用も可能になる。

「また、システムに何らかの問題が発生した際に、サービスに影響を与えるような障害になる前に手を打つこと、すなわち"プロアクティブな対応"を重視しました。本システムでは、サーバー/ストレージ機器の保守・運用支援のために、障害予兆の自動検知機能と24時間365日対応のオンサイトサポートを組み合わせた、HPプロアクティブケアサポートによって万全を期しています」(八木氏)

たとえば、HP 3PAR StoreServがディスク上の不良ブロックを検知すると、即座にデータを退避させるとともにHPへ自動通報する。4時間以内にHPの技術者が現地対応するが、データ退避が完了していれば、RAIDを再構成することなくディスク交換だけで復旧が可能だ。またHPプロアクティブケアサポートで提供される様々な情報によって、潜在的な課題に事前に手を打つことが可能になり、サーバー/ストレージ機器に起因する障害の可能性を最小化できる体制が整えられている。

日商エレクトロニクス株式会社 寺倉史雄氏

日商エレクトロニクス株式会社
ソリューションパートナー 営業本部
第二営業部 第二グループ
寺倉 史雄 氏

災害対策システムの自動運用を実現

本プロジェクトにおいて、もうひとつの大きなテーマは"災害対策システム"の実現である。安全・確実に、かつ運用負荷を高めることなく、どのようにDRサイトでのデータ保護を実現したのだろうか。八木氏は次のようにポイントを説明する。

「ストレージ環境が統合され、データバックアップの仕組みもシンプルに一元化されました。本番サイトでのバックアップは、HP 3PAR StoreServのスナップショット(筐体内コピー)機能を利用して日次で取得します。これを、HP 3PAR StoreServのリモートコピー機能を使って日次でDRサイトに複製する、というのが基本的な流れです」

HP 3PAR StoreServとVMware vSphereとの親和性の高さには定評がある。VMware vCenterからHP 3PAR StoreServの機能を操作できるだけでなく、より高度な機能連携が可能だ。本システムでは、VMware vSphereとHP Recovery Manager for VMware vSphere(RMV)を連携させて、本番サイトからDRサイトへのリモートコピーを自動実行させている。

「災害時のシステム切り替えはVMware vSphere Site Recovery Manager(SRM)で自動化し、複雑な手順をシンプル化するとともに、オペレーションミスの可能性を極力排除しています」(八木氏)

プロジェクトは既存システムからのデータ移行を終え、現在はシステム増強・改善を行うフェーズに入っている。

「基幹業務システムのサーバー群は、わずか2ラックに集約されました。物理サーバーの削減、リソースの有効活用という目標については、目に見える形で達成できたと言えるでしょう」−正木氏

情報基盤部にとって大規模な仮想化の導入は初めての試みだったが、プロジェクトは予想以上にスムーズに進行したという。

「システム構成がシンプルなため、インフラの構築を進めるにあたって、システム設計上の方針決定が行いやすかったことが大きかったと思います。日商エレクトロニクスは、現実的な課題解決策を提示して私たちの判断を支えてくれました」(久保氏)

産業競争力強化における、産総研への期待は大きい。産総研が、産業界や社会との連携を深め"オープンイノベーションハブ"としての使命を果たしていく上で、基幹業務システムの役割は今後いっそう高まっていくことだろう。

 

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