HP IceWall Identity Managerは、新バージョン3.0へとアップし、より一層機能の進化を遂げました。
バージョン3.0の最大の特長は、ソフトウェアの構造を再設計し、拡張性・再利用性に優れたアプリケーションフレームワークへと生まれ変わったことです(図1参照)

図1 HP IceWall Identity Manager構成図(Identity Management Framework)
今回は、このフレームワーク構造にフォーカスしてHP IceWall Identity Managerの特長をご紹介します。
■HP IceWall Identity Managerの構成
HP IceWall Identity Managerは、Webアプリケーションサーバ上で動作するWebアプリケーションフレームワークとして構成されています。
「Identity Management Framework」から上層がHP IceWall Identity Managerが提供するモジュール、それより下層が、Webアプリケーションサーバが提供する実行環境です。
フレームワークは以下の3部構成になっています。
- サービス制御
ユーザからのリクエストを受け付けて、認証やアプリケーションの呼び出しを行う。
- アプリケーション
リクエストに応じて検索・一覧や登録などを実際に行う。
- APIs
DBアクセスやメール送信など、各種機能を提供する。
また、「Identity Management Framework」はMVCモデルに基づいて設計されています。サービス制御が「コントローラ(C)」、アプリケーションの制御部が「モデル(M)」、JSPが「ビュー(V)」に相当します。
■ フレームワーク化のメリット
フレームワーク化することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 複雑な組織やビジネスの変化に柔軟に対応
フレームワークが提供する便利なAPIを使用して、容易に機能を追加できるようになりました(カスタマイゼーションの実現)。それにより、企業毎の個別要求やビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応できます。
フレームワークが提供するカスタマイゼーションには、「画面カスタマイズ」、「基本組み込み機能の一部処理変更」、「新機能の追加(カスタムアプリケーション)」があります。これらのカスタマイズは、フレームワークが提供する豊富なAPIを利用することで、短期間で容易に実現できます。また、DBアクセス機能が汎用化され、HP IceWall SSOの認証DBだけでなく、様々なDBを統合管理できます。このように、カスタマイズの柔軟性が備わったことにより、企業に散らばるシステムの個人情報を一元管理できます。
- 開発コストの削減
MVCモデルを採用していることにより、各機能の役割分担は明確化されています。
機能を拡張する場合は、「サービス制御」で提供しているユーザ認証や権限管理などの処理を新たに作成する必要はありません。必要な機能部分のみを「アプリケーション」として追加するだけです。
- 開発精度の均質化
カスタマイズも視野に入れた堅牢で安定した基盤を提供しているので、均質な開発精度を保つことができます。
■ HP IceWall Identity Managerのその他の特長
この他にもHP IceWall Identity Managerには、以下のような特長があります。
- 生産性の向上
- パスワードの自動生成、メール自動送信機能
- CSVアップロード・ダウンロード、パスワード初期化、複数ユーザ一括更新機能
このように、HP IceWall Identity Managerは、個人情報管理を行うための様々な機能を持っています。「開発時には、低コストかつ迅速に企業独自の機能を追加。運用時には、セキュアで効率的な管理」。まさに、HP IceWall Identity Managerはビジネスに求められる「低コスト・スピーディー・セキュア」を導入から運用までトータルに実現した製品なのです。
それでは、具体的な例として、HP IceWall Identity ManagerとHP IceWall SSOを連携したアクセス制御の例をご紹介します。 |