一般的に Oracle EBS をリバースプロキシ構成で利用する場合、使用するリバースプロキシ製品の機能によっては Oracle EBS 側での設定が必要な場合があります。
ここでは代表的な例として HP IceWall SSO 8.0 の新機能である「オリジナル URL 対応(Virtual Host対応)」を利用した、できるだけ
Oracle EBS 側への影響が少ない方法をご紹介します。
図2にログイン後のリバースプロキシを介した通信の動作を説明します。

<図2>
ログイン後のリバースプロキシを介した通信の動作
- クライアント PC は HP IceWall SSO サーバへ要求を送信します。要求 URL 中のホスト名以降のディレクトリおよびファイル名などはオリジナルの Oracle EBS のものと同じです。
- HP IceWall SSO サーバが要求を受信し、 Apache の mod_rewrite モジュールが HP IceWall
SSO のフォワーダ用エイリアス(fw/dfw/EBS/)を追加してフォワーダへ転送します。
- フォワーダは受け取った要求 URL のエイリアスを判断して、通信の認可等の処理を実行します。そして URL 中のホスト名を Oracle EBS のホスト名に変更し、フォワーダ用エイリアスを削除し、オリジナル URL を生成します。生成されたオリジナルURL で Oracle EBS サーバに要求を送信します。
- 応答の HTML コンテンツ中にあるリンクのホスト名は、Oracle EBS の Web Entry Point(クライアントが直接アクセスするホスト名 )の設定により、HP IceWall SSO サーバのホスト名になっています。
- HP IceWall SSO は URL 変換機能を使用せず、そのままの HTML コンテンツをクライアント PC に返送します。
- ユーザが HTML コンテンツ内に含まれるリンク等をクリックすると、再び要求が HP IceWall SSO サーバへ送信されます。
HP IceWall SSO のオリジナル URL 対応機能を使用した事により、クライアント PC から送信されるリクエスト URL
中にフォワーダ用のエイリアス文字列が不要になります。従って Oracle EBS が生成する HTML コンテンツ中の URL も変更する必要が無く、Oracle
EBS への影響を最小限にすることができます。
なお Java Applet ベースの Oracle Forms インタフェースにおいても、動作を確認しております。
以上により、Oracle EBS のような大規模 ERP パッケージアプリケーションシステムにおいても、HP IceWall
SSO の適用によってセキュアなリバースプロキシ型のシングル・サインオン環境の実現が可能であると確認できました。
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