IT投資対効果の最大化と運用管理の効率化にも大きく貢献

株式会社寺岡精工 イメージ

"仮想環境と物理環境の両方を同じ基盤上に統合できるのも、HPE Synergyならではのメリット。当社でもこの特長を活かし、お客様向けサービス基盤の環境改善を図ることができました。"

―株式会社寺岡精工
 ビジネスサービス部
 インフォメーションサービス課
 アーキテクト
 夏堀 貴仁 氏

 

POSレジ、はかり、包装機、ラベルプリンターなどの製造・販売を手がける株式会社寺岡精工(以下、寺岡精工)では、社内業務システム向け仮想化基盤の全面刷新を実施した。ここでは日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)のコンポーザブル・インフラストラクチャ製品「HPE Synergy」を採用し、大量のサーバー群をシンプルに集約。クラウドとオンプレミスを融合させた先進的なインフラ環境を実現することに成功している。

業界

製造

目的

全社情報基盤のクラウド化を推進すると同時に、社内に残す業務サーバー群についても一層の最適化を図り、インフラ環境全体のシンプル化・高効率化を追求すること。

アプローチ

クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE SynergyとVMware vSAN™を用いたオンプレミスの仮想化基盤を新たに構築。高い性能と信頼性・可用性を確保しつつ、運用管理工数の削減や省スペース/省電力化も促進。

ITの効果

  • クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE Synergyの導入により、3 Tier構成の旧仮想化基盤をシンプルに刷新することに成功
  • VMware vSANを活用し、大規模環境に欠かせない高いパフォーマンスを確保
  • 顧客サービス用基盤にも追加導入を行い、物理/仮想の混在環境を実現
  • API Readyのインフラ基盤導入により運用自動化を現実的に

ビジネスの効果

  • クラウド/オンプレミスの最適活用でIT投資対効果の最大化を実現
  • 新たなビジネスニーズに対しても俊敏に対応することが可能に
  • システムの性能改善が図れたことによりユーザーの業務生産性も向上
  • インフラ環境の大幅な省スペース/省電力化を成し遂げることに成功
 

クラウド/オンプレミスの最適活用が大きな課題に

「Searching for a New Balance」のブランドメッセージの下、革新的な製品を世に送り出し続ける寺岡精工。90年余りに及ぶ同社の歩みは、まさにイノベーションの歴史と言える。1928年にリリースされた「寺岡式敏感自動バネ秤」を皮切りに、「電子料金はかり」「サーマル印字方式ワープロ機能付ラベルプリンター」「自動計量包装値付機」など、世界初の称号を有する画期的な製品を次々と開発。スーパーなどの大規模小売店で普及が進むセミセルフレジについても、同社が業界に先駆けて発売を開始している。さらに現在では、流通小売分野で培ったノウハウやテクノロジーを他の領域にも展開。「食品製造・加工」「製造・物流」「飲食・専門店」などの分野においても、顧客企業の業務効率化や生産性向上を下支えする多彩な製品/ソリューション群を展開している。加えて、IoTやクラウドを用いた先進的なサポートサービスが用意されているのも同社の大きな強みだ。

近年では、市場環境変化や顧客ニーズの多様化も一段と進んでいるだけに、同社では社内情報基盤の整備・拡充にも意欲的に取り組んでいる。「企業ITにとって最も重要なポイントは、いかにビジネスへの貢献を果たせるかという点です。社内の情報インフラを預かる我々としても、信頼性・安定性の確保だけでなく『攻め』の姿勢を大事にしています」と語るのは、同社 ビジネスサービス部 インフォメーションサービス課 アーキテクト 夏堀 貴仁 氏。ビジネスに効果が見込めると判断できれば、新しいテクノロジーの導入にも果敢に挑戦すると続ける。

こうした中、大きな課題となっていたのが、各種の社内業務システムを収容する仮想化基盤の見直しである。夏堀氏は取り組みの背景を「当社では現在、『クラウドファースト』をテーマとして掲げており、業務システムのクラウド化を積極的に進めています。しかし、仮想化基盤上で稼働する業務アプリケーションの中には、ワークロードの特性やコストなどの面で、あまりクラウド化に向いていないものもあります。こうしたものをやみくもにクラウドに持って行っても、最適なインフラ環境の実現という本来の目的が果たせません。少なくとも現状においては、クラウドとオンプレミスを適材適所で使い分けるのがベターだと考えました」と説明する。

社内業務向け仮想化基盤をHPE Synergyで全面刷新

今回のプロジェクトの対象となった旧仮想化基盤では、社内向けのコラボレーションツールや営業支援システムなど、200台弱の仮想サーバー群が稼働していた。この中でクラウド化が可能なシステムについてはもちろんクラウドへ移行させるが、前述の通りどうしても社内に残さざるを得ないシステムが相当数存在していた。これをより最適な形に集約し直すのが、今回の取り組みの最大の狙いである。「旧環境はサーバー、ストレージ、スイッチの3Tier構成で、ネットワーク設計が複雑化するなど苦労も多かった。運用管理に手間が掛かるような環境だとトラブル対応も大変ですし、新しい試みにチャレンジする余裕も持てません。そこで次期仮想化基盤では、こうした旧環境での問題を抜本的に解消したいと考えました」と夏堀氏は語る。

同社では市場に提供されている様々な製品を候補に挙げ、綿密な比較検討を実施。その結果、新たに採用されたのが、HPEのコンポーザブル・インフラストラクチャ製品「HPE Synergy」(以下、Synergy)である。夏堀氏は製品選定のポイントを「ブレードサーバーやハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品なども検討しましたが、ブレードサーバーについては過去の導入で運用管理に難があるとの印象が強い。一方、HCIについても、ノード単位での利用や増設が前提であり、中身の構成を自由に組み替えられるような柔軟性には欠けています。加えて、CPU、メモリ、ストレージなどのデバイスは一体化されているものの、各ノードをつなぐネットワークについては別になってしまいます。その点、Synergyは、コンピュートモジュール/ファブリックモジュール/ストレージモジュールを自在に組み合わせてシステムを構築できますから、インフラをデザインする際の自由度が非常に高い。この点を評価しました」と語る。

さらに、もう一つの決め手となったのが、ユニファイドAPIを介して様々なツールやサービスと柔軟に連携できる点だ。「従来はアプリケーションごとにツールや管理方法が異なっていたため、担当者でないと分からない部分も多かった。クラウドの活用も進めていく中、サイロ化した運用が乱立してしまったのでは将来にも不安が残ります。これもSynergyならAnsibleなどのツールと連携できますから、インフラ全体の運用自動化に向けた道筋が付けられます」と夏堀氏は続ける。

VMware vSANを採用し高いパフォーマンスを確保

こうしてSynergyの採用を決めた同社では、2019年2月より本格的な導入作業に着手。「実際の構築は付き合いのあるベンダーに任せましたが、インフラ廻りでは特に苦労するようなこともなく、スムーズに進められましたね。3ヶ月程度で無事環境を動かすことができました」と夏堀氏は振り返る。旧仮想化基盤からのサーバー移行には、VMwareの「VMware vSphere® vMotion®」機能を利用しているが、こうしたVMware環境との親和性の高さも製品選定のポイントの一つだったとのこと。具体的な製品構成は、「HPE Synergy 12000 Frame」、「HPE Synergy 480 Gen10 コンピュートモジュール」、「HPE Synergy D3940ストレージモジュール」という形になっている。

システム構築面での工夫としては、VMwareのSDS(Software Defined Storage)技術である「VMware vSAN」(以下、vSAN)を新たに採用した点が挙げられる。これはサーバー内蔵のSSD/HDDをプール化し、高速なSSDをキャッシュとして利用することで、高い性能・信頼性・拡張性を実現するというもの。高額な外部ストレージを別途用意しなくとも、エンタープライズ・システム向けの高性能共有データストアを構築できるのだ。大量の仮想サーバーが稼働する今回のような環境においては、まさに打って付けの技術と言える。「加えて、ネットワークに関しても、今回から20GbE NICを用いてサーバー1台あたり合計40Gbの帯域を確保しています。現状だとまだまだ余裕がありますが、社内基盤ではいろいろなシステムが動きますので、将来的にバックボーンの帯域がボトルネックになるようなことは避けたい。その点、この構成であれば、安心してインフラを使い続けられます」と夏堀氏は語る。ちなみに、Synergy内部で処理が完結する場合には、20GbE NICのパワーをフルに活かした高速通信を行うことが可能だ。

もう一つ注目されるのが、Synergyとパブリック・クラウドを組み合わせたクラウドバックアップを行っている点だ。具体的にはvSAN環境にも対応したバックアップツール「Veeam Backup & Replication」を採用し、「Microsoft Azure」へバックアップデータを転送。万一自然災害や障害などが発生した場合にも、確実な復旧が行えるようにしている。「Synergyは『HPE OneView』(以下、OneView)による統合管理が行えますので、日常的な運用管理に関してもかなり効率化が図れると考えています。基本的にドライバの導入なども全てOneView経由で行う形ですから、複数の管理画面を使い分けたりする煩わしさがありません。加えて、Synergyには、あらかじめ用意したサーバープロファイルを高速に実装できる『イメージストリーマー』のようなモジュールも用意されていますので、大規模環境ほどその実力が発揮できそうだと感じましたね」と夏堀氏は語る。

インフラのシンプル化に成功 仮想/物理サーバーの統合も

Synergyによる新仮想化基盤が稼働したことで、業務面でも様々なメリットが生まれている。「本格的な活用はこれからですが、オンプレミス環境の最適化を図るという当初の狙いについては、十分に果たせたと考えています。以前は、物理サーバーやストレージの障害対応を迫られることも多く、半日近く付きっ切りになるようなケースもありました。その点Synergyは、ハードウェア構成がシンプルな上に信頼性も高いので、運用管理工数も大幅に下がりました。普段はほとんど手を掛ける必要がないので、せっかくのOneViewもあまり触る機会がないほどです。また、vSANを導入したこともあり、システムのパフォーマンスについても大幅な改善を見込んでいます」と夏堀氏はにこやかに語る。さらに、インフラの省スペース/省エネ化にも寄与。同社では、以前20本あったオンプレミス環境用のサーバーラックを8本にまで減らしているが、ここでも大量の物理機器をSynergyに集約できたことが大きく効いている。夏堀氏は「まだ正確に計測できていませんが、消費電力も大幅に下がっていますので、電気代などのコスト削減にもつながっているはず」と語る。

こうしたSynergyの導入効果を高く評価した同社では、既に別システムへの展開も実施している。前述の通り、同社ではクラウド/IoTを用いたサービス・サポートを提供しているが、そのための顧客サービス基盤にもSynergyを導入したのである。「元々、こちらのシステム群も別の仮想化基盤上で稼働していましたが、調子が悪くリプレースを検討していました。そこでSynergyを薦めたところ採用が決定。我々の方で設計や環境構築の支援も行いましたが、既に社内向け仮想化基盤で経験を積んでいたこともあり、短期間で本稼働に漕ぎ着けられました」と夏堀氏は説明する。ちなみに、こちらの基盤については、約100台の仮想サーバーだけでなく、2台の物理サーバーも同じSynergy上に集約している。「物理/仮想を問わず統合できるSynergyの特長が活かせました」と夏堀氏は続ける。

懸案であった社内向け仮想化基盤の刷新に無事成功した同社だが、最適なインフラ環境を目指す取り組みは今後も続いていく。「クラウドでは数分でサーバーが用意できるのが当たり前ですから、オンプレミス環境にも同じようなスピード感が求められます。そこへ応えていく上でも、Synergyでベースを作れたことは良かった」と夏堀氏は語る。同社は世界中に拠点を展開しているため、海外でも様々な業務システムを稼働させている。そこでは、現地の事情を考慮した上で最適なインフラを選ぶ必要があるなど、グローバル企業ならではの悩みも多いという。「とはいえ、最終的にはビジネスに貢献することが最大の使命ですから、引き続き当社にとっての最適解を追求し続けていきたい。それにより、IT投資対効果の最大化も実現できればと思います」と展望を語る夏堀氏。HPEとSynergyも、その取り組みをしっかりと支えていく。

"これからのオンプレミス環境には、クラウドと同等のスピード感が求められます。HPE Synergyによる新仮想化基盤を構築したことで、新たなチャレンジにもタイムリーに取り組めるようになりました。"
株式会社寺岡精工
ビジネスサービス部
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夏堀 貴仁 氏

詳しい情報
HPE Synergyについてはこちら
hpe.com/jp/synergy

株式会社寺岡精工 夏堀貴仁氏

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夏堀 貴仁 氏

 

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