HPC向け高密度サーバーHPE Apollo 6000 Systemを採用し
インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーによる高性能を獲得

HPC向け高密度サーバーHPE Apollo 6000 Systemを採用し<br />
				  インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーによる高性能を獲得

"シングルスレッド性能3倍という理論値にいかに近づくか、パフォーマンスチューニングの限界に挑戦します"

‐みずほ証券株式会社
金融市場本部・エクイティ本部
金融商品部
ディレクター 平山 賢太 氏

 

みずほ証券が、「デリバティブ評価システム」のインフラ刷新を進めている。新たなサーバーシステムに、最新世代のインテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリー(開発コード名:Knights Landing)を搭載するHPE Apollo 6000 Systemを採用。高度化・複雑化するデリバティブ評価計算の更なる高速処理とともに、XVA(取引相手の信用リスク等を反映させた価格評価調整)に代表される大規模リスク計算の要求にも応える環境を整えつつある。注目すべき業界最先端の金融テクノロジー活用事例である。

業界

金融

目的

「デリバティブ評価システム」のインフラ刷新。デリバティブ評価計算の更なる高速化を図るとともに、変化する市場要求や新たな法規制への適応力を高める。

アプローチ

アプリケーション資産および自社のスキルセットを活かせる、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー7200製品ファミリーの高い計算性能を引き出せるサーバーシステムを選定。

ITの効果

  • HPC用途に特化した高密度サーバー「HPE Apollo 6000 System」を採用し、最大10ノードのHPE ProLiant XL260a Gen9を高さ5Uに集約
  • インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーを、1シャーシあたり最大10CPU/720コア収容可能に
  • オンボード16GB MC-DRAMメモリと384GB DDR4メモリを、1CPUあたりの単一メモリ領域として利用可能に

ビジネスの効果

  • チューニングなしでデリバティブ評価計算を2倍に高速化
  • XVAなどより大規模かつ高度な計算要求に応えるパフォーマンスを提供可能に
  • 市場要求の変化や新たな法規制への適応力を強化
  • 計算力を生かしたリスク管理の精緻化や独自の商品組成を行い競争力を向上
 

チャレンジ

デリバティブ評価システムにインテル® Xeon Phi™ コプロセッサーを
金融機関として世界で初採用

『One MIZUHO』を掲げ、銀行・信託・証券の一体運営を推進するみずほフィナンシャルグループ。みずほ証券は、総合証券会社としてその一翼を担っている。債券や株式の引受業務などの投資銀行分野では常にトップクラスの実績を残し、機関投資家からの評価も高い。

みずほ証券では、2008年より「デリバティブ評価システム」の高速化に取り組んでおり、現在は2014年3月に世界の金融機関で初めて採用したインテル® Xeon Phi™ コプロセッサー(開発コード名:Knights Corner)を用いたシステムのインフラ刷新を推進中だ。5年間の運用計画を1年前倒しして新しいテクノロジーの採用に踏み切った理由を、同社 金融市場本部・エクイティ本部 金融商品部 ディレクターの赤羽崇氏は次のように説明する。

「ひとつは、リスク計算の高度化に対応するためのシステム増強です。現在1日あたりおよそ100万件のシミュレーションを行っており、件数も規模も拡大し続けています。計算リソースはどれだけあっても十分とはいえません。もうひとつは、2022年以降に予定されている法規制(FRTB:トレーディング勘定の抜本的改定)への備えです。より精緻なリスク分析が求められており、これに対応するためには現在の4〜5倍の計算リソースが必要になると予測しています」

赤羽氏の所属する金融商品部は、高度な数学的手法や数理モデルを駆使したマーケット分析、ポートフォリオ戦略の立案、金融商品の開発などを担う。デリバティブ取引は、金融市場本部の成長分野である。

「Knights Cornerの採用により、当時の旧環境から30倍の高速化を達成しました。しかし、デリバティブ市場が拡大する中、XVAに代表される大規模かつ複雑なリスク計算の要求にも応えていくには、更なる計算リソースを確保する必要がありました。私たちは、最新世代のインテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリー(開発コード名:Knights Landing)に対応するサーバー製品を採用し、インフラ増強に着手しました」(赤羽氏)

2016年10月、みずほ証券が「デリバティブ評価システム」に新たに採用したのは、HPC(高性能計算:High-performance computing)向け高密度サーバー「HPE Apollo 6000 System」である。

みずほ証券株式会社 赤羽崇氏

みずほ証券株式会社
金融市場本部・エクイティ本部
金融商品部
ディレクター 赤羽 崇 氏

みずほ証券株式会社 平山賢太氏

みずほ証券株式会社
金融市場本部・エクイティ本部
金融商品部
ディレクター 平山 賢太 氏

 

ソリューション

インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリー搭載
HPE Apollo 6000 Systemを新たに採用

HPE Apollo 6000 Systemは、HPCおよび高度なデータ分析ワークロードに最適化されたサーバープラットフォーム。5Uのシャーシに、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリー(最大72コア/オンボード16GB MCDRAMメモリ)搭載のHPE ProLiant XL260a Gen9サーバー(最大384GB DDR4メモリ)を10ノード収容できる。エアフローと冷却効率に優れたシステムデザインを追求し、高密度型サーバーでありながら優れた拡張性を確保している。

HPCシステムに精通したクオンツ(マーケット分析、投資戦略、金融商品開発のエキスパート)として、2014年からインテル® Xeon Phi™ベースの「デリバティブ評価システム」の開発をリードしてきた平山賢太氏は次のように話す。

「Knights Landingを搭載するHPE Apollo 6000 System上で、リコンパイルしたKnights Corner環境のアプリケーションが稼働できることをまず検証しました。新システムは、典型的なモンテカルロシミュレーションにおいてチューニングなしで2倍のパフォーマンスを発揮します」

新システムは、適切なパフォーマンスチューニング施すことでさらに高い処理性能を発揮する。平山氏は、高速化のポイントを「並列化が有効なプロセスを正しく切り出すこと、ムダな処理を徹底的に省くこと」と語る。

「Knights Corner環境では、高速なメモリ領域を有効活用するためのデータ構造の設計を慎重に行う必要がありました。新しいKnights Landing環境では、より大きなメモリ領域を利用できるようになったため、データ設計やチューニングがかなり容易になっています」(平山氏)

インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーは、高速なメモリとファブリックを統合しており、CPUコア直近に配置した16GB MCDRAMメモリを、サーバー側で備える最大384GBのDDR4メモリと同一のメモリ空間として扱うことができる。

インテル® Xeon Phi™ コプロセッサー(開発コード名:Knights Corner)はPCI-Expressに装着するパッケージ製品として提供されてきたのに対し、インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリー(開発コード名:Knights Landing)はCPUタイプ。これによりサーバーノードを小型化したHPE Apollo 6000 Systemは、5Uに最大720コアを収容可能にしている。
インテル株式会社 郡司茂樹氏

インテル株式会社
理学博士
インダストリー事業本部
アジア地区 シニア金融
アーキテクト
郡司 茂樹 氏

特別なプログラミングスキル不要で計算の高速化が可能

「インテル® Xeon Phi™ プロセッサーは、より多くのCPUコアを、より安価にご提供することを目指した製品です。サイエンス、シミュレーション、AI(人工知能)などの分野で、イノベーションを加速させるための戦略製品として位置づけられます。インテル® Xeon® プロセッサーと互換性が高く、GPUのような特別なプログラミングスキルが不要で扱いやすいことが大きな特長です」と、インテル インダストリー事業本部 アジア地区 シニア金融アーキテクトの郡司茂樹氏は話す。

インテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーはx86バイナリ互換を実現。最大72コアを利用できるインテル最新のメニーコアプロセッサーだ。倍精度浮動小数点演算で3 TFLOPS以上という高い性能を発揮し、シングルスレッド性能は前世代の3倍以上を達成しているという。

「私たちクオンツは、数式を解きながらプログラムに反映させていくようなスピード感が常に求められています。ですから、使い慣れたC/C++でプログラミングできることは大きなメリットとなります。SIMD(Single Instruction Multiple Data)命令など、高速化のための並列化の手法も確立されていることもポイントですね」(平山氏)

赤羽氏も、「ビジネス要求に迅速に応えるため、1日あたりおよそ100万件に上る計算の高速化をクオンツが直接プログラムを書き換えることで対応しています。インテル® Xeon Phi™ プロセッサーは、プログラミングの負荷を抑え、クオンツチームが成果に注力できるメリットが大きいと思います」と話す。

 

ベネフィット

HPE Apollo 6000 System導入を段階的に拡大し、「デリバティブ評価システム」のインフラを刷新

みずほ証券の国内公募債総合の引受金額はおよそ3.2兆円。20%を超えるトップシェアを獲得*している。金融市場、特に債券市場におけるみずほ証券の高いプレゼンスを支えているのが、顧客ニーズに応える金融商品の開発力であり、他社の追随を許さない計算性能を発揮する「デリバティブ評価システム」である。

「高度な計算能力を活用して精緻なリスク分析を行い、他社が真似できないような金融商品を開発しています。ただコストをかけて高性能なシステムを構築しているわけではありません。重要なことは、最新のテクノロジーを採用し、その性能を最大限発揮させるための工夫を徹底的に施して高い投資対効果を達成していることにあります」と赤羽氏は言う。

みずほ証券では、段階的にHPE Apollo 6000 Systemの導入範囲を拡大し、およそ1年をかけて「デリバティブ評価システム」のインフラを刷新していく計画だ。

「シングルスレッド性能3倍という理論値にいかに近づくか、パフォーマンスチューニングの限界に挑戦します。同時に、XVAのような複数のディールをとりまとめる大規模シミュレーションへの適用を進めていく考えです」と平山氏は決意を示す。

大容量メモリの活用でより高いパフォーマンスを発揮するインテル® Xeon Phi™ プロセッサー 7200製品ファミリーとHPE Apollo 6000 Systemなら、これまで困難だった大規模な計算処理も可能になる。「パフォーマンスあたりのコスト2/3〜1/2を目指す」(赤羽氏)と言うが、決して難しい目標ではない。

HPE Apollo 6000 Systemでは、業界最高レベルのパフォーマンス、スケーラビリティ、効率性を達成しており、トータルでの優位性がユーザー企業の支持に結びついている。HPEが世界のHPCサーバー市場における出荷額で第1位、36.8%の市場シェア*を獲得している事実に注目したい。インテルとHPEのサーバー製品開発における緊密な協力関係も、みずほ証券にとって大きな安心材料になるはずだ。

最後に赤羽氏が次のように話して締めくくった。

「私たちの世界では、計算性能がダイレクトにビジネスの競争力に結びつきます。最新テクノロジーの採用と金融IT人材の育成を両輪で進めていく必要があると考えています。HPE Apollo 6000 Systemによる新しいインフラでは、より高度な計算処理を担っていきますが、AIを応用したワークロード最適化も構想しています。今後もインテルと日本ヒューレット・パッカードのご支援に期待します」

"私たちの世界では、計算性能がダイレクトにビジネスの競争力に結びつきます。最新テクノロジーの採用と金融IT人材の育成を両輪で進めていく必要があると考えています。HPE Apollo 6000 Systemによる新しいインフラでは、より高度な計算処理を担っていきますが、AIを応用したワークロード最適化も構想しています"

みずほ証券株式会社 金融市場本部・エクイティ本部 金融商品部
ディレクター 赤羽 崇 氏

*出典:「 HPC market update from Hyperion Research(旧IDC HPCプラクティス)」2016年世界HPCサーバー市場/工場出荷金額

会社概要

みずほ証券株式会社

所在地:東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア

URL:https://www.mizuho-sc.com/index.html

本件に関するお問い合わせ窓口
Telephone

カスタマーインフォメーションセンター
0120-268-186 または 03-5749-8279

上記に関する詳細情報、およびご購入の際は弊社販売店、または各種サポートまでお問い合わせください。

受付時間:月曜日〜金曜日 9:00〜19:00(土曜日、日曜日、祝日、年末年始、および5月1日 お休み)

※ご購入後のお問い合わせは、お手元の保証書内保証規定に記載の電話番号へお問い合わせください。

本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

導入ハードウェア

本ページの導入事例は、PDFで閲覧頂けます。PDF (844KB)

本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。