ICTインフラの運用簡素化/省スペース化とITガバナンスの強化に成功

江東区役所 イメージ

"SimpliVityによる仮想化共通基盤とハードウェア占有型のリモートデスクトップ環境を新たに構築したことで、高い運用管理性や安全性、利便性を兼ね備えた情報系インフラを確立することができました"

―江東区
 政策経営部
 情報システム課長
 川口 和也 氏

 

東京都・江東区では、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー製品「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新仮想化共通基盤を構築した。庁内の情報系業務に利用されるサーバー群の統合・集約化を加速し、インフラ環境のシンプル化や運用管理の効率化を図るのが狙いだ。同区では、バックアップの時間短縮やリソースの有効利用など、数多くのメリットを実現。今後の行政活動を支える重要な基盤として、積極的な活用を進めていく考えだ。

業界

行政

目的

庁内ポータルや文書管理システム、財務会計システムなどの情報系業務システムを収容する仮想化共通基盤を刷新し、各業務部門が管理する独自システムの集約や新たな行政ニーズへの対応を図ること。

アプローチ

性能・容量・拡張性に優れた次期仮想化共通基盤を新たに構築。情報系インフラのシンプル化と運用管理の効率化を図ると同時に、情報セキュリティ/ITガバナンスの強化を推進していく。

ITの効果

  • クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® プロセッサー・スケーラブル・ファミリー「HPE SimpliVity 380 Gen10」による新仮想化共通基盤を構築
  • コンピュートノードを追加することで、多額の投資を伴うことなく性能要求をクリア
  • 高度な圧縮・重複排除技術の活用により、データ容量の削減やバックアップ業務の効率化を実現
  • 行政職員用シンクライアント環境を刷新し、性能問題の解消やセキュリティリスク軽減に成功

ビジネスの効果

  • インフラの運用管理負担が軽減され、情報戦略の企画・立案などのコア業務に注力することが可能に
  • 個別構築された物理サーバーを集約することで、インフラ環境の省スペース化・省電力化が実現できた
  • 庁内業務の効率化をはじめとする新たな業務ニーズへの対応がより容易に行えるようになった
  • 時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を推進するための基盤が確立できた
 

庁内の情報系業務を支える仮想化共通基盤の刷新に挑む

区内を縦横に走る河川や運河を利用し、古くから材木業、倉庫業などで栄えた歴史を有する東京都・江東区。同区では、江戸初期に始まる埋め立てにより徐々に市街域を拡大。現在も豊洲地区をはじめとする様々なエリアで開発が進められており、伸びゆく街として今なお発展を続けている。

豊かな緑と水辺に囲まれた同区では、環境保護活動にも積極的に取り組んでいる。第21回環境コミュニケーション大賞優良賞を受賞するなど、その活動は外部機関からも高く評価されている。地域社会貢献や環境保護を企業DNAとする日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)でも、こうした同区の活動を全面的に支援。環境基本計画の達成に向けた取り組みを区民や事業者と協働で行う「江東エコライフ協議会」のメンバーに参画し、オフィスツアーの開催やイベントへの参加など、様々な取り組みを実施している。

こうした同区の行政活動をICTの側面から下支えしているのが、情報システム部門である政策経営部情報システム課だ。同課の課長を務める川口 和也氏は「庁内業務の効率化や区民サービスの向上を目指していく上では、ICTが果たすべき役割も非常に重要です。当区でも他の特別区に遅れを取ることが無いよう、様々な取り組みを進めています」と語る。

その一環として、2013年度に構築されたのが、庁内の情報系システムを収容する仮想化共通基盤である。政策経営部 情報システム課 IT 推進係長の山内清隆氏は「個別に構築された業務システム群を共通基盤に集約することで、インフラコストの削減や運用管理の効率化を図ることが当時の狙いです。様々なベンダーにプロポーザル方式で提案を募り、最終的にHPEをパートナーとして採用しました」と振り返る。それ以来同区では、庁内ポータルや文書管理システム、財務会計システムなど、様々なシステム群を仮想化共通基盤へ移行してきた。但し、これで全ての課題が解決できたわけではなかったという。山内氏は「全職員が利用するような主要システムについては、ほぼ集約が完了しています。しかしその一方で、庁内にはまだ個別の物理サーバー上で稼働しているシステムや、各業務部門が独自に管理するシステムなども残っています。インフラ環境の全体最適化を図る上では、これらについても手を打つ必要がありました」と続ける。

江東区 川口和也氏

江東区
政策経営部
情報システム課長
川口 和也 氏

江東区 山内清隆氏

江東区
政策経営部 情報システム課
IT推進係長
山内 清隆 氏

ハイパーコンバージドインフラでインフラ環境の最適化を推進

仮想化共通基盤がリプレース時期を迎えたことを機に、同区では情報系インフラのさらなる改善に着手。ここで、目を付けたのが、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(以下、HCI)製品の活用である。当時情報システム課に所属していた教育委員会事務局 学務課の森本 光紀氏は「当区では庁舎内にサーバー群を設置しているため、サーバールームのスペースにも限りがあります。既に大量の機器が稼働していることもあり、今後もさらに台数を増やしていくというのはかなり困難でした。その点、HCIであれば、増え続けるサーバーを効率的に集約していけるだけでなく、運用管理の一元化や簡素化も図ることができます。こうしたメリットを考えると、次期仮想化共通基盤はHCIで構築するのが良いのではないかと感じました」と説明する。

特に運用管理性の改善については、同課としても大きな課題感を抱えていたとのこと。政策経営部情報システム課 IT推進係の山田 篤彦氏は「たとえばバックアップ業務などについても、旧仮想化共通基盤に載っていないシステムがまだ残っていたため、複数の運用プロセスを廻す必要がありました。また、サーバーの増設などを行う際にも、どのラックのどの場所に設置するのか、配線作業はどうするのかといったことをその都度考えなくてはなりませんでした」と振り返る。HCIで環境をシンプル化すれば、こうした問題に頭を悩ませる必要もなくなる。

そこで、今回新たに導入されたのが、クラス最高水準の性能と拡張性を持つインテル® Xeon® プロセッサー・スケーラブル・ファミリー搭載のHCI「HPE SimpliVity 380 Gen10」である。森本氏はSimpliVityを選択したポイントを「大量のシステム群を効率的に集約・管理できる、必要に応じて柔軟に環境を拡張できるといったHCIならではのメリットに加えて、バックアップ業務の効率化が図れる点を高く評価しました。当区でもデータ容量の増加が年々加速しており、文書管理システムのバックアップに丸二日近くも掛かるような状況でした。その点、SimpliVityには、専用のハードウェアアクセラレータや高度な圧縮・重複排除機能が備わっており、他のHCI製品よりも高速にバックアップ/リストアを行うことができます」と説明する。また、SimpliVityは各種の情報確認や操作が直感的に行える上に、行政システムに欠かせない高い信頼性・可用性も備わっている。その結果、次期仮想化共通基盤にふさわしい製品であるとの判断が下されたのだ。

江東区 森本光紀氏

江東区
教育委員会事務局 学務課
森本 光紀 氏

江東区 山田篤彦氏

江東区
政策経営部 情報システム課
IT推進係
山田 篤彦 氏

旧環境で抱えていた課題をSimpliVityでトータルに解消

今回構築された新仮想化共通基盤では、SimpliVity 380を導入。システム構築面での工夫としては、HPE ProLiant DL360サーバーをコンピュートノードとして追加している点が挙げられる。「他のHCI製品でもノード単位の増設は行えますが、サーバーリソースが足りないだけなのに丸ごと一台追加するのでは、無駄なコストが生じてしまいます。その点、SimpliVityは、足りない部分だけを追加できますので非常に効率的ですね」と山田氏は語る。また、旧仮想化共通基盤からのシステム移行に関しても、HPEの支援を活用することでスムーズに進められたとのことだ。

SimpliVityの多彩な機能も、最適な情報系インフラの実現に大きく貢献している。たとえば、圧縮・重複排除機能により、データ容量の大幅削減を実現。取材時点では、まだ本番稼働開始から間もない状況であったが、その段階でも約1/3程度のデータを減らすことに成功していた。今後、新仮想化共通基盤への移行が進めば、この効果もさらに高まることと考えられる。こうしてデータ容量を削減できれば、懸案であったバックアップ時間の短縮にも大きな効果が期待できる。「最近ではランサムウェアなどによるセキュリティ被害も一段と深刻化しています。こうした脅威への対策をしっかりと施しておく上でも、バックアップが短時間で確実に取得できることは非常に重要です」と森本氏は語る。

インフラ環境全体の運用管理についても、シンプル化・効率化を図ることが可能に。ストレージの管理やシステム性能監視、バックアップ/リストアなどの作業が、すべて一元的に行えるため、以前のようにシステムやハードウェアごとに個別の運用を強いられる心配もない。同区では実際の運用を協力会社に委託しているが、こうした余分な手間が減ることで、運用担当スタッフの業務生産性も高めることができる。さらに、SimpliVityのパフォーマンスに対しても、高い評価が寄せられている。政策経営部 情報システム課 IT推進係の瀧澤 瑞貴氏は、「私は現在、文書管理や財務会計、ポータルシステム等の担当を任されていますが、システムの性能に関して不満を感じるような場面はまったくありませんね。今後、新しいシステムが追加されても、余裕を持って対応できることと考えています」と語る。

今回導入したSimpliVity のメリットを、山田氏は「とにかく、余計なことに煩わされずに済むようになったことが最大の成果ですね。これまでは、サーバールームのスペースやインフラのリソースにも余裕のない中で、どうやって安定運用を確保するか悩む場面も多かった。しかし、今後は、新しいソリューションの活用や情報戦略の企画・立案といったコア業務に力を注ぐことができます」と語る。高性能で信頼性の高い情報系インフラを確立できたことで、まだ現場部門で運用されている業務サーバー群の集約についても、大きな弾みが付くことと期待されている。「現場の業務サーバーの中には、執務室の一角に設置されているものもあります。当然、こうした場所には、サーバールームのような免震設備もありませんので、万一の災害やトラブルへの懸念が拭いきれませんでした。しかし、SimpliVityへの集約を進めれば、こうしたシステム群の安全性も担保できるようになります」と川口氏。また、山内氏も「それだけに今回のインフラ刷新では、各業務部門のシステムを、自信を持って受け入れられるだけの環境を作り上げたいと考えていました。SimpliVityの導入によって、無事その目標を達成できましたので、今後は各業務部門に対しても積極的な移行を促していきたい。また、こうした取り組みを通して、ITガバナンスや情報セキュリティのさらなる強化を図っていきたいですね」と続ける。

「各業務部門のシステムを集約していく上では、現場との調整作業なども必要になってきます。SimpliVityによる運用簡素化が図れたことで、そうした業務にもより力を注いで頂けるのではと考えています」と語るのは、今回の取り組みを支援したHPEの富岡 淳一。また、同 堀内 水月も「区役所業務では大量の行政文書を長期間にわたり保存する必要もありますので、今後はSimpliVity の圧縮・重複排除機能やバックアップ機能がお役に立つ場面も多いことと確信しています」と続ける。

"SimpliVityは非常にハイスペックな製品なので、今後の展開が大変楽しみです。各業務部門のシステムもどんどん受け入れ、ITガバナンスや情報セキュリティの強化に役立てていきたいと考えています"
―江東区
 政策経営部 情報システム課 IT推進係長
 山内 清隆 氏

HW全体構成図 H30年度移行完了後
江東区 瀬川杏奈氏

江東区
政策経営部 情報システム課
IT推進係
瀬川 杏奈 氏

江東区 瀧澤瑞貴氏

江東区
政策経営部 情報システム課
IT推進係
瀧澤 瑞貴 氏

日本ヒューレット・パッカード株式会社 富岡淳一

日本ヒューレット・パッカード株式会社
Pointnext事業統括
製造・流通サービスデリバリー統括本部 第一本部 第二部
プロジェクトマネージャー
富岡 淳一

日本ヒューレット・パッカード株式会社 堀内水月

日本ヒューレット・パッカード株式会社
Pointnext事業統括
製造・流通サービスデリバリー統括本部 第一本部 第二部
プロジェクトマネージャー
堀内 水月

仮想デスクトップを導入しクライアント環境も刷新

なお、今回の新仮想化共通基盤と並行して、同区では職員向けクライアント環境の改善も実施している。政策経営部 情報システム課 IT推進係の瀬川 杏奈氏は、その背景を「これまで当区では、行政業務を担当する職員向けの端末として、通常のファットPCとSunRayを利用していました。前者では、ソフトウェアのインストール依頼や故障への対応などに多くの工数が掛かっていた上に、後者でもレスポンス低下などの問題が生じていたのです」と説明する。

SunRayの性能問題については、サーバーベース・コンピューティング(SBC) 方式の製品を採用していた点が大きな原因であった。この方式では、システムリソースを複数のユーザーで共有するため、あるユーザーが重たいソフトウェアを利用すると、他のユーザーにまで影響が生じてしまう。そこで同区では、この問題を解消すべく、HPEの仮想デスクトップソリューションを新たに導入。このソリューションは高性能な仮想デスクトップ環境を提供することにより、他のユーザーの影響を受けることなく、常に安定的な性能を確保することができる。「ファットPCに関しても、本体内にデータが保存されている限り、情報漏えいリスクをゼロにはできません。最近では企業や公共団体などでの大規模情報漏えい事件も相次いでいますので、こちらも仮想デスクトップ環境に集約することにしました」と山田氏は語る。最終的には、約2500台/約4000人分のクライアントを仮想デスクトップ環境に移行。これにより、端末管理の効率化やレスポンス向上、セキュリティ強化など、数多くのメリットを得ることに成功している。

こうして新たな情報系インフラを確立した江東区だが、今後も最適な行政サービスの実現に向けて、さらなる改善に努めていく構えである。「安心・安全の確保はもちろん大前提ですが、効率的に業務をこなすためには、使い勝手も重要なポイントとなります。職員の要望にも真摯に耳を傾け、より快適に利用できる環境を作り上げていきたいですね」と川口氏。また、山内氏も「新仮想化共通基盤と仮想デスクトップ環境を駆使すれば、時間や場所を問わない柔軟な働き方も実現できます。先進ICTの有効活用をミッションとする当課としても、各種行政運営の効率化を通して、区民サービスの向上に貢献していきたい。HPEの支援や提案にも、大きな期待を寄せています」と抱負を述べた。

詳しい情報
HPE SimpliVity 380 Gen10についてはこちら
hpe.com/jp/simplivity

 

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