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HP Global Workload Manager Agent for OpenVMS V4.1: インストレーションおよびユーザ・ガイド

第1章 概要

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OpenVMS ドキュメント ライブラリ

タイトルページ/目次
まえがき
第 1 章:概要
第 2 章:gWLM Agent のインストールとアンインストール
第 3 章:ワークロード管理のための gWLM の構成
第 4 章:ワークロードと gWLM の監視
第 5 章:セキュリティ
第 6 章:その他の構成および管理作業
付録 A:エージェントの互換性
索引
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HP Global Workload Manager (gWLM) は、リソース共有ポリシーを中央で定義し、複数のHPサーバーにまたがって使用することを実現します。 これらのポリシーを使用することで、システムの使用率が向上し、システムリソースの共有を簡単に制御できるようになります。 さらに gWLM には、リソース割り当てのリアルタイム監視と履歴監視の両方が用意されています。

gWLM は、Matrix OE 中央管理サーバー (CMS) で構成されています。 gWLM を構成して、CMS ソフトウェアがインストールされているシステムからワークロードを監視します。 また、gWLM で管理したいワークロードが存在するシステム上でエージェントソフトウェアを使用します。

この章では以下の内容について説明します。

1.1 gWLM を使用する利点

gWLM を使用する利点は、以下とおりです。

  • 既存のサーバー処理能力を活用できます。

    サーバーは、通常1つのワークロードを処理するようにセットアップされ、そのワークロードのピーク需要に対応するために十分な処理能力が確保されています。 gWLMを利用すると、要求パターンが異なる複数のワークロードを 1 台のサーバー上にまとめて、処理能力の余剰分を (ミッションクリティカルなワークロードで必要とされていない時に) 活用することができます。

  • ミッションクリティカルなワークロードに必要なリソースを確実に確保できます。

    1 台のサーバー上に複数のワーククロードがある場合でも、ミッションクリティカルなワークロードは、そのワークロードで必要なリソースを確保できます。gWLM は、リソース割り当てを自動的に調整し、リソースが豊富にある場合にはリソースの共有を可能にする一方で、リソース需要のピーク時にはリソースをワークロード専用にします。

  • システム管理コストを削減できます。

    gWLM を使うと、より多くのワークロードを少数のサーバーにまとめることができるため、管理コストを削減することができます。

1.2 gWLMの概念と用語

ここでは、gWLM を使用する上で理解しておく必要がある概念と用語を説明します。

ワークロード

1つのコンパートメント内で実行するプロセスの集まりです。 コンパートメントは、nPartitions、HP Integrity Virtual Machines による仮想マシン (hpvm)、プロセッサーセット (pset)、fss (Fair Share Scheduler) グループのいずれかです。 gWLM によるワークロードの管理は、そのコンパートメントに対するシステムリソースの割り当てを調整することで行われます (nPars、psets、および fss グループについては 1.3 項 を参照してください)。

コンパートメント

gWLM でリソース割り当てを管理する対象の nPartitions、仮想マシン、pset、または fss グループです。

複数のコンパートメントがグループ化されて、共有リソースドメイン (SRD) を形成します。 すべてのコンパートメントで、SRD 内のリソースを共有することになります。 各コンパートメントにはワークロードが保持されます。 コンパートメントは配備済みの 1 つの SRD 内のみに配置できます。 gWLM による各ワークロードの管理は、そのコンパートメントに対するリソースの割り当てを調整することで行われます。

共有リソースドメイン (SRD)

システムリソースを共有できるコンパートメントの集まりです。 コンパートメントは、nPartitions、仮想マシン、pset、fss グループのいずれかです。 たとえば、nPartitions を持つサーバーは、 1.3 項 の要件を満たしている限り、SRD になることができます。

gWLM では、コンパートメントをネストできます。 gWLM は、さまざまなレベルのコンパートメントのリソースを管理します。

ポリシー

ワークロードのリソースの管理方法を gWLM に指示するための設定の集合です。 たとえば、ワークロードが所有する (必要時に割り当てられる) CPU リソース量や、その所有リソースを他のワークロードに貸し出せる量をポリシーで指定することができます。

1 つのポリシーを、複数のワークロードに関連付ける (適用する) ことも可能です。

ポリシーについての詳細は、 3.1 項 を参照してください。

モード

アドバイザリモードと管理モードの 2 つのモードを利用できます。 アドバイザリモードでは、ワークロードに対して gWLM がどのような CPU 要求を行うかを、実際のリソース割り当てに影響を与えずに確認できます。

仮想マシン、pset、または fss グループが含まれる SRD では、そのコンパートメントの性質上、アドバイザリモードは使用できません。

このモードは、ポリシーを作成するときや微調整を行うときに使います。満足できるポリシーができたら、管理モードを使って、ユーザーが定義したワークロードに対するリソース割り当てを gWLM で自動的に調整させます。

モードは、SRDレベルでのみ設定できます。 SRD 内のワークロードは、すべて同じモード(アドバイザリモードまたは管理モード)で動作します。

配備

gWLM による SRD の制御を有効にします。

SRD を管理モードで配備すると、SRD 内のリソース割り当てについて gWLM による制御が可能になります。 たとえば、コンパートメントとして pset を持つ vPars をベースとする SRD では、SRDを管理モードで配備すると、gWLM はコアを pset 間でアクティブに移動できるようになります。 (コアは、プロセッサー内で実際にデータの処理を行うエンジンです。 1 つのプロセッサーに複数のコアが搭載されている場合があります)。

SRD をアドバイザリモードで配備した場合は、割り当てがどのように行われるかが報告されるだけで、システム上の実際のリソース割り当てには影響しません。

仮想マシン、pset、または fss グループが含まれる SRD では、そのコンパートメントの性質上、アドバイザリモードは使用できません。

配備解除

指定された SRD について、gWLM によるリソース管理を無効にします。

SRD が管理モードの場合に配備解除を行うと、SRD 内のワークロード間でのシステムリソースの移行が停止されます。SRD がアドバイザリモードだった場合は、どのような要求が行われるかについての情報が gWLM から提示されなくなります。

1.3 gWLM の管理モデル

gWLM では、中央で一括して作成し監視できるリソース共有ポリシーによって、データセンター全体で使用効率の高いコンピューティング環境を実現できます。 gWLM は、ユーザーが指定するポリシーに従って、共有リソースドメイン (SRD) 内のワークロードの間でリソースを必要に応じて移動します。

gWLM では、以下に示す種類のシステム区分でのリソース割り当てを管理できます。このシステム区分は、gWLM ではコンパートメントと呼ばれます。

  • ハードパーティション(nPartitions)

    ハードパーティション (nPartitions) はサーバーを物理的に分割したもので、各 nPartitions ではそれぞれに専用の OpenVMS オペレーティングシステムのインスタンスが実行されます。

    gWLM は、HP Instant Capacity 製品を使って、1 つの nPartitions にあるアクティブコアをオフにし、同じコンプレックス内の別の nPartitions にある使用停止コアをオンにすることによって、nPartitions 間での CPU リソースの移動をシミュレートします。 このため、1 番目の nPartitions ではアクティブコアが 1 つ減り、2 番目の nPartitions ではアクティブコアが1つ増えます。 (gWLM は、Instant Capacity の使用権の範囲内で、アクティブコア数を維持します。 したがって追加費用は発生しません。)

  • HP Integrity Virtual Machines (hpvm)

    仮想マシンは、コアより小さい単位での割り当てと共有 I/O 機能を備え、オペレーティングシステムレベルでの分離性を実現する、堅牢なソフトパーティショニングおよび仮想化の技術です。 これらの仮想マシンでは、さまざまな種類のオペレーティングシステムを稼働させることができます。 gWLM は、仮想マシンで稼働しているオペレーティングシステムの種類にかかわらず、仮想マシンを管理することができます。

  • プロセッサーセット(pset)

    プロセッサーセットは、そのプロセッサーセットに割り当てられているプロセスから排他的にアクセスできるようにグループ化されたコア (以前は CPU と呼んでいたもの) の集まりです。 プロセッサーセットは、単一のオペレーティングシステムイメージ内にパーティションを形成します。

    OpenVMS 上の gWLM は、プロセスおよびプロセッサー機能を使用して pset 間でリソースを割り当てます。

  • Fair Share Schedulerグループ(fssグループ)

    OpenVMS で利用できる Fair Share Scheduler によって CPU リソースの割り当てが管理されるプロセスのグループです。 fss グループの利点は、そのきめの細かさにあります。 プロセスのグループにコア全体を割り当てるだけではなく、CPU リソースの一部を割り当てることもできます。 これらのグループは、単一のオペレーティングシステムイメージ内にパーティションを形成します。

    OpenVMS 上の gWLM は、Class Scheduler を使用して fss 間でリソースを割り当てます。

これらのシステム区分についての詳細は、以下の情報を参照してください。

  • HP Matrix Operating Environnment Webサイト

    http://www.hp.com/go/matrixoe/integrity

  • "Technical Documentation website for HP Matrix Operating Environnment" の Webサイト

    http://www.hp.com/go/matrixoe/docs

  • HP SIM の gWLM グラフィカルユーザーインターフェイスで利用できるオンラインヘルプの「Global Workload Manager」トピックと用語集

gWLM は、以下のモデルをベースとしてリソースを管理します。

  1. 以下の方法で SRD を定義します。

    1. 管理するシステムと、使用するコンパートメントの種類を決定します。

      gWLM は、既存の nPartitions および仮想マシンを管理します。 gWLM は、既存の pset を管理することも、新規に作成することもできます。 また、fss グループを新規に作成することもできます。

    2. 各ワークロードをコンパートメントと関連付けます。

      nPartitions および仮想マシンの場合は、コンパートメント自体によってワークロードが定義されます。 pset と fss グループの場合は、アプリケーション、ユーザー、またはプロセス ID に基づいて、ユーザーがワークロードを定義します。

    3. ワークロードにポリシーを関連付けて、リソースをワークロードのコンパートメントにどのように割り当てるかを示します。

      gWLM にはいくつかのポリシーが付属していますが、ユーザーが独自のポリシーを定義することもできます。また、1 つのポリシーを複数のワークロードに対して使って、ポリシーの数を最小限に抑えることもできます。

  2. いったん SRD を配備すると、以下の処理が行われます。

    1. 現在の割り当て間隔中に、SRD 内のすべてのワークロードのCPUリソースの消費状況が gWLM によって監視されます。

    2. 割り当て間隔の最後に、コンパートメントへの CPU リソースの割り当てが、ポリシーに従って調整されます。 また、割り当てデータがリアルタイムレポートと履歴レポートで使用できるようになります。

    3. gWLM によって、直前の 2 つの手順が繰り返されます。

リソース使用率を最適化するためにどのようなタイプのワークロードを組み合わせればよいかについては、gWLM のオンラインヘルプの「gWLM の最大活用」トピックを参照してください。

1.4 gWLM による CPU リソース割り当て

gWLM では、優先順位レベルが最高から最低の順に処理が行われます。 つまり、ある優先順位のすべての要求に対してリソースが割り当てられるまでは、それより下の優先順位の要求は考慮されません。 ある優先順位レベルで、すべての要求を満たすことができない場合、ワークロードごとのリソース割当量の合計が、すべての重みの合計に対するそのワークロードの重みの割合にできるだけ近くなるように、残っているリソースが配分されます。 gWLM が、すべての優先順位レベルのリソース要求をすべて満たしているときに、割り当てるリソースがまだ残っている場合は、その残りのリソースが重みに従って配分されます。 その場合も同様に、ワークロードごとのリソース割当量の合計が、すべての重みの合計に対するそのワークロードの重みの割合にできるだけ近くなるように、残っているリソースが配分されます。

表 1-1 に、各ポリシータイプのデフォルトの重みを示します。重みを使うポリシーでは、重みを明示的に設定することもできます。

表 1-1 ポリシータイプ別のデフォルトの重み

ポリシータイプデフォルトの重み

固定

なし

(固定ポリシーのすべてのワークロードが満たされなければ、SRD を配備することはできません。)

使用率1
所有借用

所有値と同じ

カスタム1

 

注記: 所有借用ポリシーの場合に CPU リソース割り当てを期待どおりに動作させるためには、所有する CPU リソースの合計が SRD 内のコア数を超えないようにする必要があります。 (ただし、合計が SRD 内のコア数より少ない場合は、余ったコアが、所有量に比例してすべてのコンパートメントに配分されます。したがって、ワークロードは、通常は予定より多くのコアを取得することになります。)

1.5 利用可能なインターフェイス

gWLM の制御と監視用に、次の 2 つのインターフェイスがあります。

  • HP SIM

    HP SIM の ツール->HP Matrix OE ビジュアル化... メニューで表示される [共有リソースドメイン] タブからアクセスできる、Web ベースのインターフェイスです。

    HP SIM には、http://hostname:280という URL でアクセスします。 hostnameは、Matrix OE CMS の名前です。

    gWLM の詳細については、gWLM のホームページを参照してください。 gWLM のホームページを確認するには、HP SIM メニューバーから ツール->HP Matrix OE ビジュアル化... を選択してください。 次に、HP Matrix OE ビジュアル化のメニューバーから次のメニューを選択します。

    ツール->Global Workload Manager->開始- gWLM ホーム…

    (HP SIM のメニューバーと HP Matrix OE ビジュアル化のメニューバーについては、 3.4.1 項で説明しています。)

  • gwlm コマンド

    コマンド行インターフェイスのその他のコンポーネントとしては、 vseinitconfiggwlmcmsdgwlmagentgwlmreportgwlmplacegwlmsendgwlmsslconfiggwlmstatus があります。

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