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OpenVMS マニュアル


HP OpenVMS
OpenVMS Cluster システム


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デバイスの割り当てクラスを変更すると,デバイス名も変化します。クラスタ単位のリブートを行うと,すべてのノードが確実にデバイスを新しい名前で認識するようになります。つまり,通常のデバイス・ロックとファイル・ロックの状態が確実に一貫したものとなります。

デバイス名が変化したときに,必ずしもクラスタ全体をリブートする必要はありません。この後説明するように, SCSI バスを共用するノードだけをリブートすることができます。この操作が可能な条件と,その結果もここで説明します。

  1. 名前が変更されたデバイスをすべてのノードからディスマウントします。
    この操作が常に可能なわけではありません。特に,ノードでシステム・ディスクとして使用されているディスクをディスマウントすることはできません。ディスクがディスマウントされないと,新しいデバイス名を使用して同じディスクをマウントしようとしても,以下のエラーが発生します。

    %MOUNT-F-VOLALRMNT, another volume of same label already mounted 
    


    したがって,ディスクをディスマウントできないノードはリブートする必要があります。

  2. SCSI バスに接続されているすべてのノードをリブートします。
    これらのノードをリブートする前に,SCSI バスに接続されているディスクが,リブートされないノードでディスマウントされていることを確認してください。

      注意
    OpenVMS では,SCSI バスの名前が,同じバスにすでにアクセスしている別のノードと異なる名前付けになる場合,ノードをブートできないようになっています (このチェックは,手順 1 のディスマウントのチェックとは無関係に行われます)。


    SCSI バスに接続されているノードがリブートされた後,デバイスには新しい名前が付けられます。

  3. デバイスをシステム単位またはクラスタ単位でマウントします。
    元の名前でマウントされているディスクが他のノードにない場合は,新しい名前を使用してディスクをシステム単位またはクラスタ単位でマウントできます。新しいデバイス名は,互換性のあるソフトウェアを稼動しているすべてのノードで確認することができ,これらのノードもディスクをマウントし,通常のようにアクセスすることができます。
    リブートされていないノードでは,新しいデバイス名だけでなく,古いデバイス名も表示されます。しかし,古いデバイス名を使用することはできません。古い名前でデバイスにアクセスすると,そのデバイスはオフラインになります。古い名前は,ノードをリブートするまで消去されません。



6.3 MSCP および TMSCP によってサービスされるディスクとテープ

MSCP サーバと TMSCP サーバは,ローカルに接続されているディスクおよびテープをすべてのクラスタ・メンバから利用できるようにします。ローカルに接続されているディスクとテープは,自動的にクラスタ全体でアクセスできるようになるわけではありません。これらのデバイスへのアクセスは,ディスクの場合は MSCP サーバ,テープの場合は TMSCP サーバを使用して,クラスタ・アクセス可能デバイスとして設定しない限り,ローカル・コンピュータに制限されます。

6.3.1 サーバの有効化

ディスクまたはテープをすべての OpenVMS Cluster コンピュータからアクセスできるようにするには,MSCP サーバまたは TMSCP サーバに対して以下の操作が必要です。

  • 表 6-4 の説明に従って,ローカル・コンピュータにこれらのサーバをロードします。

  • 表 6-5 の説明に従って, MSCP および TMSCP システム・パラメータを設定することで,これらのサーバが機能するようにします。

表 6-4 MSCP_LOAD および TMSCP_LOAD パラメータの設定
パラメータ 意味
MSCP_LOAD 0 MSCP_SERVER をロードしない。これはデフォルト設定である。
  1 デフォルトの CPU 負荷容量を使用して, MSCP_SERVE_ALL パラメータによって指定される属性で MSCP サーバをロードする。
  >1 MSCP_SERVE_ALL パラメータによって指定される属性で MSCP サーバをロードする。 CPU 負荷容量として MSCP_LOAD の値を使用する。
TMSCP_LOAD 0 TMSCP サーバをロードせず,テープをサービスしない (デフォルト値)。
  1 TMSCP サーバをロードし,すべてのローカル・テープ,および TAPE_ALLOCLASS の値が一致するすべてのマルチホスト・テープも含めて,すべての使用可能なテープをサービスする。

表 6-5 は,MSCP および TMSCP サーバを構成するために,MSCP_SERVE_ALL および TMSCP_SERVE_ALL に対して指定できるシステム・パラメータ値を示しています。初期値は,インストール・プロシージャまたはアップグレード・プロシージャを実行するときの応答,または 第 8 章 で説明している CLUSTER_CONFIG.COM コマンド・プロシージャを使用して構成を設定するときの応答によって決定されます。

OpenVMS バージョン 7.2 以降,サービス・タイプはビット・マスクとして実装されています。システムが実行するサービス・タイプを指定するには, 表 6-5 で適切なタイプを確認し,その値を指定します。一部のシステムの場合は,システム・ディスクのサービスとローカルに接続されているディスクのサービスのように,2 種類のサービス・タイプを指定しなければならないことがあります。このような組み合わせを指定するには,各タイプの値を加算し,合計を指定します。

  注意
OpenVMS バージョン 7.1-x またはそれ以前のバージョンを稼動しているシステムを含む複合バージョン・クラスタでは,使用可能なすべてのディスクのサービスは,割り当てクラスがシステムのノード割り当てクラス (バージョン 7.2 より前のバージョンでの意味) と一致するすべてのディスクのサービスに制限されます。このタイプのサービスを指定するには,値として 9 を使用します (つまり,ビット 0 とビット 3 がセットされます)。

表 6-5 MSCP_SERVE_ALL パラメータと TMSCP_SERVE_ALL パラメータの設定
パラメータ ビット セット時の値 意味
MSCP_SERVE_ALL 0 1 使用可能なすべてのディスク (ローカルに接続されているディスクと,HS x および DSSI コントローラに接続されているディスク) をサービスする。ビット 3 がセットされていない場合は,システムの割り当てクラス (ALLOCLASS パラメータによって設定された値) と異なる割り当てクラスを持つディスクもサービスされる。
  1 2 ローカルに接続されているディスク (HS x および DSSI 以外のディスク) をサービスする。サーバは I/O トラフィックを監視せず,負荷のバランス調整にも参加しない。
  2 4 システム・ディスクをサービスする。これはデフォルト設定である。クラスタ内の他のノードが,システム・ディスクをサービスできるこのシステムに依存している場合,この設定は重要である。この設定を使用すると,システムが障害を起こしているリモート・システム・ディスクへの I/O を実行しようとしたときに発生する可能性がある,わかりにくい競合に関する問題を防止することができる。詳細については 第 6.3.1.1 項 を参照。
  3 8 ビット 0 によって指定されるサービスを制限する。システムの割り当てクラス (ALLOCLASS パラメータによって設定) と異なる割り当てクラスを持つディスクを除き,他のすべてのディスクがサービスされる。

これはバージョン 7.2 より前の動作である。 OpenVMS バージョン 7.1- x またはそれ以前のバージョンを稼動しているシステムがクラスタに含まれており,使用可能なすべてのディスクをサービスする場合は,9 を指定しなければならない。この値は,このビットとビット 0 をセットした結果である。

  4 15 デフォルトではビット 4 は設定されず,このため DUDRIVER はユニット番号が 9999 よりも大きなデバイスを受け入れます。クライアント側では, MSCP_SERVE_ALL パラメータでビット 4 が設定されている場合 (10000 バイナリ),クライアントはユニット番号が 9999 より大きなデバイスを拒否し,以前の動作がそのまま残ります。
TMSCP_SERVE_ALL 0 1 使用可能なすべてのテープ (ローカルに接続されているテープと, HS x および DSSI コントローラに接続されているテープ) をサービスする。ビット 3 がセットされていない場合は,システムの割り当てクラス (ALLOCLASS パラメータによって設定) と異なる割り当てクラスを持つテープもサービスされる。
  1 2 ローカルに接続されている (HS x および DSSI 以外の) テープをサービスする。
  3 8 ビット 0 によって指定されるサービスを制限する。システムの割り当てクラス (ALLOCLASS パラメータによって設定) と異なる割り当てクラスを持つテープを除き,他のすべてのテープがサービスされる。

これはバージョン 7.2 より前のバージョンの動作である。 OpenVMS バージョン 7.1- x またはそれ以前のバージョンを稼動するシステムがクラスタに含まれており,使用可能なすべてのテープをサービスしたい場合は,9 を指定しなければならない。この値は,このビットとビット 0 をセットした結果である。

  4 15 デフォルトではビット 4 は設定されず,このため TUDRIVER はユニット番号が 9999 よりも大きなデバイスを受け入れます。クライアント側では, TMSCP_SERVE_ALL パラメータでビット 4 が設定されている場合 (10000 バイナリ),クライアントはユニット番号が 9999 より大きなデバイスを拒否し,以前の動作がそのまま残ります。

現在,サービス・タイプはビット・マスクとして実装されていますが,ビット 0 とビット 1 によって指定される 0,1,2 という値は元の意味から変更されていません。これらの値は以下の表に示すとおりです。

説明
0 どのディスク (テープ) もサービスしない。これはデフォルト設定である。
1 使用可能なすべてのディスク (テープ) をサービスする。
2 ローカルに接続されている (HS x および DSSI 以外の) ディスク (テープ) だけをサービスする。



クラスタ内の他のノードが,システム・ディスクをサービスできるこのシステムに依存している場合,システム・ディスクをサービスするために MSCP_SERVE_ALL システム・パラメータのビット 2 を設定することが重要です。このように設定しておくと,障害が発生したシステムに接続されているリモート・システム・ディスクに対して I/O を完了しようとするときに発生する可能性のある,わかりにくい競合の問題を予防できます。

以下の一連のイベントは,システム・ディスクのサービスが禁止されているときに (つまり,ビット 2 がセットされていないとき),競合の問題がどのように発生するかについて説明しています。

  • システムをリブートすると,MSCP_SERVE_ALL の設定はサービスを禁止するように変更されます。

  • サービスするシステムでクラッシュが発生します。

  • サーバ・システムのシステム・ディスクに対して I/O を実行していたクライアント・システムは,そのシステム・ディスクのリソースに対してロックを保有しています。

  • クライアント・システムはマウント確認を開始します。

  • サービスを提供するシステムはブートしようとしますが,クライアント・システムによってシステム・ディスクに対してロックが保有されているため,ブートできません。

  • MVTIMEOUT システム・パラメータによって設定された時間が経過した後,クライアントのマウント確認プロセスが時間切れになり,クライアント・システムはロックを解放します。ロックが解放されるまでの時間は数時間に及ぶことがあります。

  • サービスを提供するシステムはリブートできるようになります。



これらのシステム・パラメータを設定するには,以下のいずれかの方法を使用します。

  • コンピュータの MODPARAMS.DAT ファイルにこれらのパラメータの適切な値を指定し,AUTOGEN を実行します。

  • CLUSTER_CONFIG.COM または CLUSTER_CONFIG_LAN.COM プロシージャを実行し, CHANGE オプションを選択して,ディスクとテープに対してこれらの操作を実行します。

このいずれかの方法を使用すると,サービスを提供するコンピュータがリブートされるときに,サービスされるデバイスがアクセス可能になります。さらにサーバは,後でシステムに追加された適切などのデバイスも自動的にサービスします。たとえば,新しいドライブが HSC サブシステムに接続されると,デバイスは動的に構成されます。

注意: SCSI 保持コマンド修飾子は TMSCP サーバでサポートされていません。保持操作はテープをサービスするノードから実行しなければなりません。

6.4 MSCP I/O 負荷のバランス調整

MSCP I/O 負荷バランス調整機能には,以下の利点があります。

  • I/O 応答が速くなります。

  • OpenVMS Cluster のメンバ間で作業負荷のバランスをとることができます。

OpenVMS Cluster ソフトウェアでは,静的と動的の 2 種類の MSCP I/O 負荷バランス調整が提供されます。静的な負荷バランス調整は,それぞれのサーバ・システムの負荷容量をもとに Integrity サーバと Alpha システムの両方で行われます。

6.4.1 負荷容量

Integrity サーバと Alpha システムの負荷容量の見積りは,弊社があらかじめ決めているものです。 これらの負荷容量の値は, MSCP 静的負荷バランス調整と動的負荷バランス調整で使用可能なサービス・キャパシティを計算するときに使用されます。MSCP_LOAD パラメータに異なる負荷容量を指定すれば,これらのデフォルト設定を変更できます。

MSCP サーバの負荷容量の値 (デフォルト値または MSCP_LOAD によって指定した値) は,負荷バランス調整機能で使用される見積り値です。これらの値がシステムの実際の MSCP サービス・キャパシティを変更することはありません。

システムの MSCP サービス・キャパシティは,そのパワー, LAN アダプタのパフォーマンス,他の処理負荷の影響など,多くの要素に依存します。使用可能なサービス・キャパシティは, 第 6.4.2 項 の説明に従って各 MSCP サーバで計算されますが,この値は単に,クライアント・システム (たとえばサテライト) がサービスされるディスクにアクセスするときに,どのサーバ・システムを使用するかを選択するときの処理を調整するためにだけ使用されます。

6.4.2 使用可能なサービス・キャパシティ

負荷容量の値は,使用可能なサービス・キャパシティを計算するために,各 MSCP サーバで使用されます。

使用可能なサービス・キャパシティは以下の方法で計算されます。

手順 計算
1 各 MSCP サーバは,送信されてきた読み込み要求と書き込み要求の数を数え,定期的にこの値を 1 秒間の要求数に変換する。
2 各 MSCP サーバは,負荷容量から 1 秒間の要求数を減算して,使用可能なサービス・キャパシティを求める。


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