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OpenVMS マニュアル


HP OpenVMS
OpenVMS Cluster システム


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OpenVMS Cluster システムで動作するアプリケーションでは,アプリケーション通信のために,TCP/IP,DECnet あるいは ICC が使用されます。

ICC により,システム通信サービスとクラスタ・インターコネクトを使用して,他のクラスタ・メンバで実行されているプロセスとの効率的なメッセージ交換が可能になります。 DECnet および TCP/IP 通信サービスを利用することによって,プロセスはリモート・サーバを検出または起動して,メッセージを交換することができます。

  注意
本書で一般的に DECnet を参照している場合,DECnet for OpenVMS または DECnet-Plus (以前の名称は DECnet/OSI) ソフトウェアのいずれかを指します。



DECnet は クラスタ・エイリアスという機能を提供します。クラスタ・エイリアスは,OpenVMS Cluster システム内にあるノードの集合名です。

アプリケーション・ソフトウェアは,クラスタ・エイリアスを使用して OpenVMS Cluster 内のノードに接続することができます。アプリケーションが接続するノードは,DECnet が選択します。クラスタ・エイリアスを使用することにより,アプリケーションは OpenVMS Cluster システム内の個々のノードを追跡する必要がなくなり,設計の単純化,構成の柔軟性,アプリケーションの可用性の向上をもたらします。また,クラスタ・エイリアスは,クラスタを構成する各ノードに接続先を分散させることにより,負荷バランシングの機能も提供します。

1.4.4 failSAFE IP

TCP/IP は,failSAFE IP と呼ばれる機能を提供します。この機能により,同じ IP を使用して複数のインタフェースが構成されているシステムにおいて,インタフェースが動作を中断したときにその IP アドレスを使用してフェールオーバが可能になります。

あらかじめスタンバイ・フェールオーバ・ターゲット IP アドレスを構成しておくことにより, failSAFE IP は 1 つのノードあるいは OpenVMS Cluster システム全体で複数のインタフェースを割り当てることができます。たとえば,ネットワーク・インタフェース・コントローラで障害が発生したり,ケーブルが断線したり外れたりした場合, failSAFE IP はスタンバイ IP アドレスを使用して別のインタフェースでネットワーク接続を維持します。事前にスタンバイ IP アドレスとして構成されていない場合,問題が発生したインタフェースが回復するまで failSAFE IP はそのアドレスを削除します。問題が発生したインタフェースが回復すると failSAFE IP はそれを検出し,その IP アドレスを再び有効にすることができます。

1.5 システム管理

OpenVMS Cluster システムの管理者は,生産性と効率を最大限に向上し,しかも必要なセキュリティを維持するために,複数のユーザとリソースを管理しなければなりません。

1.5.1 管理の容易さ

OpenVMS Cluster システムは簡単に管理できます。これは,複数のメンバ,ハードウェア,ソフトウェアが 1 つのシステムとして協調動作するように設計されているからです。

  • 小規模構成では通常,コンピュータの台数や場所とは無関係に, 1 つのシステム・ディスクだけが使用されます (OpenVMS Integrity と OpenVMS Alpha の両方を含む OpenVMS Cluster 構成の場合は,2 つのシステム・ディスクが必要です)。

  • ソフトウェアは,各オペレーティング・システム (Integrity および Alpha) で 1 回ずつインストールするだけで,OpenVMS Cluster のすべてのユーザおよびノードからアクセスできるようになります。

  • ユーザは 1 回追加するだけで,OpenVMS Cluster のすべてのリソースにアクセスできるようになります。

  • クラスタの管理を簡単に行うことができるように,複数のシステム管理ユーティリティやコマンドが提供されています。

図 1-2 は集中化されたシステム管理を示しています。

図 1-2 1 ヵ所で行うことができる OpenVMS Cluster システムの管理




OpenVMS オペレーティング・システムでは, OpenVMS Cluster 構成内の分散リソースの管理に役立つ多くのユーティテリティやツールがサポートされています。 OpenVMS Cluster 構成の可用性および性能を活用するには,適切な管理が必要です。

弊社と弊社のパートナ企業は,さまざまなシステム・ニーズを満たすために幅広い製品群を提供しています。 表 1-2 は,クラスタ管理のための HP の製品を, OS に標準装備であるか別途購入が必要かの情報と共に示しています。 OpenVMS のパートナー企業と彼らが提供する製品については,下記の URL の OpenVMS System Management の Web サイトを参照してください。

http://h71000.www7.hp.com/openvms/system_management_partners.html 

表 1-2 HP のシステム管理ツール
ツール 標準添付またはオプション 機能
アカウンティング
VMS アカウンティング 標準添付 リソースの使用状況を追跡する。
構成およびキャパシティ・プランニング
LMF (License Management Facility) 標準添付 スタンドアロン・システムおよび OpenVMS Cluster システム内の各コンピュータで,ライセンスが登録され,インストールされているソフトウェア製品をシステム管理者が判断するのに役立つ。
SYSGEN (System Generation) ユーティリティ 標準添付 特定のハードウェアおよびソフトウェア構成に適合するようにシステムを調整する。システム・パラメータの変更,デバイス・ドライバのロード,ページ・ファイルとスワップ・ファイルの追加作成には,SYSGEN を使用する。
CLUSTER_CONFIG.COM 標準添付 DECnet が使用されるものと想定して,OpenVMS Cluster システムの構成または再構成を自動化する。
CLUSTER_CONFIG_LAN.COM 標準添付 DECnet を使用せずに,OpenVMS Cluster システムの構成または再構成を自動化する。
HP Management Agents for OpenVMS 標準添付 OpenVMS システムのデバイスを調べる管理エージェント機能をもったシステム管理用のウェブ・サーバで構成される。
HP Insight Manager XE HP NT サーバに標準添付 コスト削減,操作効率および効果の改善,システム・ダウン・タイムの縮小のために, 1 つのシステムにシステム管理を集中化させる。 OpenVMS Cluster システムのすべてのシステムを監視するために, NT サーバ上で HP Insight Manager XE を使用できる。異なる種類の弊社のマシンを用いた構成でも,すべてのシステムを監視するために, NT サーバ上で HP Insight Manager XE を使用できる。
イベントおよびフォールト・トレランス
OPCOM メッセージ・ルーティング 標準添付 イベント通知機能を提供する。
操作管理
クラスタ単位のプロセス・サービス 標準添付 SHOW USERS,SHOW SYSTEM,STOP/ID= などの OpenVMS システム管理コマンドがクラスタ単位で動作できるようにする。
Availability Manager 標準添付 OpenVMS システムまたは Windows ノードから,拡張 LAN (ローカル・エリア・ネットワーク) あるいは WAN (ワイド・エリア・ネットワーク) 上の 1 つ以上の OpenVMS ノードを監視できるようにする。情報を収集しているノードはすべて同じ拡張 LAN 上に存在しなければならず, WAN アナライザとともに収集側のノードと通信するインタフェースが必要です。 Availability Manager は,複数の OpenVMS ノードからシステム・データおよびプロセス・データを同時に収集し,データを分析し,そしてネイティブの Java GUI を使って出力を表示する。
HP WBEM Services for OpenVMS 標準添付 WBEM (Web-Based Enterprise Management) は,管理アプリケーションが必要に応じてシステム情報を取り出したりシステム操作を要求するのを可能にします。この機能により,より優れた運用効率に向けてご使用のインフラストラクチャを最適化するための統合されたソリューションを提供し,複数のプラットフォーム,複数のオペレーティング・システムに渡ってシステムを一貫して管理することができます。
SCACP (Systems Communications Architecture Control Program) 標準添付 クラスタ通信とクラスタ・インターコネクトの監視,管理,および診断を可能にします。
DNS (Distributed Name Service) オプション オブジェクトとネットワーク名を対応付けるネーム・サーバとして,特定のネットワーク・ノードを構成する。
LATCP (Local Area Transport Control Program) 標準添付 LAT ポート・ドライバを制御し,このドライバから情報を取得するための機能を提供する。
LANCP (LAN Control Program) 標準添付 システム管理者が OpenVMS システム上で LAN ソフトウェアを構成し,制御できるようにする。
NCP (Network Control Protocol) ユーティリティ オプション システム管理者が DECnet for OpenVMS (フェーズ IV) ネットワークに関する情報を構成データベースに登録したり,このデータベースの情報にアクセスできるようにする。
NCL (Network Control Language) ユーティリティ オプション システム管理者が DECnet-Plus ネットワークに関する情報を構成データベースに登録したり,このデータベースの情報にアクセスできるようにする。
POLYCENTER Software Installation Utility (PCSI) 標準添付 ソフトウェア製品を簡単にインストールできる機能を提供する。
Queue Manager 標準添付 OpenVMS Cluster の汎用キューおよび実行キューを使用して,ノード固有のキューをクラスタ全体に提供する。
Show Cluster ユーティリティ 標準添付 OpenVMS Cluster 構成でアクティビティとパフォーマンスを監視し,アクティビティに関する情報を収集して,ターミナルまたは他の出力デバイスに送信する。
SDA (System Dump Analyzer) 標準添付 クラッシュ時に作成されたダンプに保存されているメモリの内容や,実行中のシステムのメモリの内容を調べる。SDA は会話モードまたはバッチ・モードで使用できる。
SYSMAN (System Management ユーティリティ) 標準添付 デバイスおよびプロセッサ制御コマンドが OpenVMS Cluster 全体で有効に動作するようにする。
VMSINSTAL 標準添付 ソフトウェアのインストール機能を提供する。
パフォーマンス
AUTOGEN ユーティリティ 標準添付 利用状況をもとに,システム・パラメータの設定を最適化する。
Monitor ユーティリティ 標準添付 基本的なパフォーマンス・データを提供する。
セキュリティ
Authorize ユーティリティ 標準添付 ユーザ・アカウント・プロファイルを変更する。
SET ACL コマンド 標準添付 多くのシステム・オブジェクトに対して,詳細な保護機能を設定する。
SET AUDIT コマンド 標準添付 重要なシステム・オブジェクトの追跡を容易にする。
ストレージ管理
Backup ユーティリティ 標準添付 OpenVMS Cluster システムの管理者が,ストレージ・メディアからファイルおよびディレクトリのバックアップ・コピーを作成し,必要に応じて復元できるようにする。このユーティリティによって, OpenVMS Cluster システム内のディスクに格納されているデータを 1 つのノードでバックアップすることができる。
Mount ユーティリティ 標準添付 ディスクまたはテープ・ボリュームを 1 台のコンピュータ, OpenVMS Cluster のコンピュータの一部, OpenVMS Cluster のすべてのコンピュータのいずれかで使用できるようにする。
Volume Shadowing for OpenVMS オプション 複数のディスク間でデータを複製することで, OpenVMS Cluster システムをディスク障害から保護する。



1.5.3 OpenVMS パートナのシステム管理ツール

OpenVMS パートナ各社は,さまざまなシステム管理ニーズを満たす幅広いツールを提供しています。ツールの種類については,以下にリストして説明します。

  • スケジュール・マネージャ
    夜間バックアップなどの定期的に繰り返し行われる処理も含めて,特定の処理を指定した時間に起動することができます。

  • イベント・マネージャ
    システムを監視し,アクションが必要であったり,メモリ不足や機密保護侵害の試みのような,重大で警戒すべきでき事やイベントを報告します。

  • コンソール・マネージャ
    システム・メッセージを表示しコマンドを実行できるように,システム・コンソールをエミュレーションし,リモート接続を可能にします。

  • 性能マネージャ
    データの収集および分析によりシステム・リソースの調整および構成が適切に行えるように,システム性能を監視します。性能マネージャは,キャパシティ計画のために履歴データも収集できます。

OpenVMS パートナとその提供ツールの最新情報については,次のウェブ・サイトにアクセスしてください。

http://h71000.www7.hp.com/openvms/system_management.html 



1.5.4 その他の構成補助機能

これらのユーティリティおよびパートナ製品の他に,システム管理者がシステムを構成するときに役立つように, Fibre Channel,SCSI および SAS サブシステムに関するパラメータを設定するためのコマンドも提供されます。詳細はハードウェアのドキュメントを参照してください。


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