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OpenVMS マニュアル


HP OpenVMS
OpenVMS Cluster 構成ガイド


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SCSI マルチパス・サポートが有効な場合,各ホスト・アダプタから HSZ コントローラまたは HSG コントローラあるいは MDR までのすべての I/O パスを定期的にポーリングして各 I/O パスの状態を判定します。システムがパスの変化を検出すると,以下のようなメッセージをコンソールとオペレータのログに出力します。

All multipath devices on path PKB0.5 are either disabled or not reachable. 

または

At least one multipath device on path PKB0.5 is enabled and reachable. 

パス上のすべてのデバイスを削除すると,パス障害が報告されます。このとき,ホストから HSx コントローラまでのパスは有効な場合もありますが,ポーリングするデバイスがないと有効かどうかはわかりません。

ポーリングは,以下のコマンドでオンまたはオフします。

SET DEVICE device/[NO]POLL/PATH=path-identifier

長期間サービス対象外にするパスでは,ポーリングをオフにすればシステム・オーバヘッドを節約できて便利です。

6.7.7 現在のパスへの手動切り替え

デバイスの現在のパスは,SET DEVICE コマンドに /SWITCH 修飾子を指定して手動で切り替えることができます。パスの切り替えは,一般には,複数の HSx コントローラ・モジュール,MDR,およびバス全体の I/O 負荷をバランスさせるときに利用します。

現在のパスの切り替えのコマンド構文は次のとおりです。

SET DEVICE device-name/SWITCH/PATH=path-identifier

このコマンドには,OPER 特権が必要です。また,デバイスが現在別のプロセスで割り当てられている場合は (特に多いのはテープ・デバイスの場合),SHARE 特権が必要です。

以下のコマンドでは,デバイス $2$DKA502 から MSCP サービス対象のパスまでのパスを切り替えます。

$ SET DEVICE $2$DKA502/SWITCH/PATH=MSCP 

このコマンドを実行するとパスの切り替えが開始し,ただちに DCL プロンプトに戻ります。 DCL プロンプトが再表示されて,パスの切り替えの終了するまでに遅延が発生することがあります。

マウントされたデバイスのパスの手動切り替えは,パス切り替えコマンドによって起動されるマウント検証中に行われます。このとき, 例 6-1 のような,通常のマウント検証メッセージと,パス切り替えメッセージが表示されます。

例 6-1 パスの手動切り替え時のメッセージ
 %%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:23.05  %%%%%%%%%%% 
 Device $1$DGA23: (H2OFRD PGA) is offline. 
 Mount verification is in progress. 
 
 %%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:25.76  %%%%%%%%%%% 
 09:04:25.76 Multipath access to device $1$DGA23: has been manually switched 
 from path PGA0.5000-1FE1-0000-0D11 to path PGA0.5000-1FE1-0000-0D14 
 
 %%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:25.79  %%%%%%%%%%% 
 Mount verification has completed for device $1$DGA23: (H2OFRD PGA) 

パス切り替えの終了は,SHOW DEVICE/FULL コマンドか SHOW DEVICE/MULTIPATH コマンドを実行すれば確認できます。

切り替え操作時に,パスの手動切り替えで指定したパスに障害が発生すると,自動パス切り替えが実行されます。この場合,コマンドで指定したパスとは別のパスに切り替えられる場合があります。

パスの手動切り替えで論理ユニットを 1 つの HSG80 コントローラから別のコントローラに切り替えると,クラスタの別のノードにコマンドが影響する場合があります。そのようなノードでは,それぞれの現在のパスにおけるマウント検証が実行され,他の HSG80 コントローラ上のパスへの自動切り替えが発生します。 例 6-2 は,このイベントを表すメッセージです。

例 6-2 他のノードがパス切り替えを検出したときに表示されるメッセージ
%%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:26.48  %%%%%%%%%%% 
 Device $1$DGA23: (WILD8 PGA, H20FRD) is offline. 
 Mount verification is in progress. 
   
 %%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:26.91  %%%%%%%%%%% 
 09:04:29.91 Multipath access to device $1$DGA23: has been auto switched from 
 path PGA0.5000-1FE1-0000-0D12 (WILD8) to path PGA0.5000-1FE1-0000-0D13 (WILD8) 
 
 %%%%%%%%%%%  OPCOM  15-JUN-2001 09:04:27.12  %%%%%%%%%%% 
 Mount verification has completed for device $1$DGA23: (WILD8 PGA, H20FRD) 

ノード WILD8 では,各パスが直接パスであるため,WILD8 ノード名はパスごとに表示されます。マウント検証メッセージ in progresscompletedのノード名フィールドには,ローカル・パスと代替の MSCP が両方表示されます。この例の WILD8 PGA, H20FRDという名前は, WILD8 でローカルの PGA パスが使用されていることと,ノード H20FRD を経由する MSCP パスが代替パスであることを示しています。

6.7.8 OpenVMS によるパス選択

マルチパス・デバイスへの現在のパスの選択方法は,デバイス・タイプと,パス選択の要因となったイベントによって決まります。

システム起動時の初期構成のためのパス選択

マルチパス・ディスク (DG,DK) またはテープ・デバイス (MG) への新しいパスが構成されると,現在のパスとして,最もデバイス数の少ない直接パスが自動的に選択されます。このときには,オペレータ・メッセージは表示されません。 ( このタイプのパス選択は,OpenVMS Alpha バージョン 7.3-1 から導入されました。) DG,DK,または MG デバイスでは,システム・ブート後初めてデバイスが使用されるまで,またはパスの手動切り替えが SET DEVICE/SWITCH コマンドで実行されるまで,このタイプのパス選択が行われます。

汎用のマルチパス SCSI デバイス (GG,GK) への新しいパスが構成されると,現在のパスとして,最初に検出されたパス ( プライマリ・パス ) が自動的に選択されます。 GG および GK デバイスの場合は,新しいパスが構成されても,プライマリ・パスが現在のパスとしてそのまま使用されます。通常,GG および GK デバイスは, HSG コントローラ LUN または HSV コントローラ LUN またはテープ・メディア・ロボットのコンソール LUN になります。

ディスク・デバイスのマウント時のパス選択

MOUNT コマンドを実行すると,マルチパス・ディスク・デバイスへの現在のパスが変わる場合があります。 MOUNT コマンドで実行された I/O により,ディスク・デバイスを別の HSx コントローラにフェールオーバする必要がない直接パスの検索が実行されます。

DG または DK ディスク・デバイスでの MOUNT コマンドによるパス選択は,次のように実行されます。

  1. 現在のパスが直接パスで,このパスのデバイスへのアクセスにコントローラ・フェールオーバが必要ない場合は,現在のパスが使用されます。

  2. 現在のパスが MSCP パスで,そのパスがパスの手動切り替えコマンドで選択された場合は,現在のパスが使用されます。

  3. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始地点として,すべての直接パスがチェックされます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率の高い順に考慮されます。デバイスへのアクセスにコントローラ・フェールオーバが必要のないパスが見つかると,そのパスが選択されます。選択されたパスが現在のパスでない場合は,パスの自動切り替えが実行され, OPCOM メッセージが発行されます。

  4. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始地点として,すべての直接パスが試行されます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率が高い順に考慮されます。必要に応じて,選択したパスで HSx コントローラへのデバイスのフェールオーバが試行されます。選択されたパスが現在のパスでない場合は,パスの自動切り替えが実行され, OPCOM メッセージが発行されます。

  5. MSCP サービス対象パスが試行されます。 MSCP パスが現在のパスでない場合は,パスの自動切り替えが実行され, OPCOM メッセージが発行されます。

MOUNT ユーティリティでは,作業パスが見つかるまで,このパス選択アルゴリズムが繰り返し行われます。正確な再試行回数は,前の試行での経過時間と,MOUNT コマンドで指定した修飾子の両方で決まります。

OpenVMS Alpha バージョン 7.3-1 から導入されたこのパス選択プロセスには,次の利点があります。

  • クラスタ内の他のホストへ影響を最小限に抑えられる。

  • クラスタ内の他のノードで手動で設定した静的負荷調整を維持できる。

  • HSx コンソール・コマンドを使用して, 2 つの HSx コントローラ間におけるデバイスの初期のデフォルト分散を設定できる。

  • このホストからディスク・デバイスまでの利用可能なパスの使用量を調整できる。

  • MSCP サービス対象パスよりも直接パスが優先される。

この選択プロセスでは, 2 つの HSx コントロール間でデバイスを分散できます。これを行うには,次のような HSx コンソール・コマンドを使用します。

HSG> SET UNIT PREFERRED_PATH=THIS_CONTROLLER 
 
HSG> SET UNIT PREFERRED_PATH=OTHER_CONTROLLER 

また, 第 6.7.7 項 で説明したパスの手動切り替えの DCL コマンドを使用して,同じ HSx コントローラで別のホスト・バス・アダプタまたは別のポートを選択したり,デバイスを強制的に別の HSx コントローラへフェールオーバすることができます。

テープ・ドライブ・デバイス・マウント時のパス選択

マルチパス・テープ・ドライブのサポートと,このタイプのパス選択は, OpenVMS Alpha バージョン 7.3-1 から導入されました。 MOUNT コマンド実行時のパス選択は,以下の理由から,マルチパス・テープ・ドライブ・デバイスの場合と,ディスク・デバイスの場合とで若干異なります。

  • テープ・ドライブは,複数のホストで同時に共有できない。

  • ディスクでは,別のホストが実行している I/O に割り込む際に問題が発生するが,テープ・ドライブではそのような問題は発生しない。

  • マルチパス・テープ・デバイスへの直接パスと MSCP サービス対象パスとの間では,フェールオーバは行われない。

MG テープ・ドライブ・デバイスでの MOUNT コマンドによるパス選択は,次のように実行されます。

  1. コントローラ・フェールオーバが必要な場合でも,可能であれば現在のパスが使用されます。

  2. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始地点として,直接パスがチェックされます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率の高い順に考慮されます。デバイスへのアクセスにコントローラ・フェールオーバが必要のないパスが見つかると,そのパスが選択されます。選択されたパスが現在のパスでない場合は,パスの自動切り替えが実行され,OPCOM メッセージが発行されます。

  3. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始時点として,直接パスが再度チェックされます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率の高い順に考慮されます。選択されたパスが使用可能で,現在のパスでない場合は,パスの自動切り替えが実行され,OPCOM メッセージが発行されます。



6.7.9 OpenVMS によるマルチパス・フェールオーバの方法

マウント検証の対象となっているデバイスに対する I/O 操作が失敗し,失敗の状態から再試行が可能とされる場合,マウント検証が呼び出されます。デバイスがマルチパス・デバイス,またはマルチパス・デバイスを含むシャドウ・セットである場合,マウント検証中にそのデバイスへの代替パスが自動的に試行されます。これによって,デバイスがある HSx コントローラまたは MDR から別のものへフェールオーバした状態から透過的に回復することができ,デバイスへのパスの障害から,透過的に回復できます。

マウント検証の対象となるのは,次のデバイスです。

  • ホスト方式のボリューム・シャドウイング・セットを含む, Files-11 ボリュームとしてマウントされているディスク・デバイス

  • ANSI テープ・ボリュームとして使用されているテープ・デバイス

  • フォーリン・ボリュームとしてマウントされているテープ・デバイス

フォーリン・マウント・ディスク・ボリュームと汎用 SCSI デバイス (GG および GK) は,マウント検証の対象とならないため,自動マルチパス・フェールオーバは実行できません。

マウント検証中のパス選択は以下のように実行されます。

  1. 現在のパスが直接パスで,このパスのデバイスへのアクセスにコントローラ・フェールオーバが必要ない場合は,現在のパスが試行されます。

  2. 現在のパスが MSCP パスで,そのパスがパスの手動切り替えコマンドで選択された場合は,現在のパスが試行されます (ディスクのみ)。

  3. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始地点として,すべての直接パスがチェックされます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率の高い順に考慮されます。デバイスへのアクセスにコントローラ・フェールオーバが必要のないパスが見つかると,そのパスが選択されます。

  4. 手順 3 は, MPDEV_LCRETRIES システム・パラメータで指定した回数だけ繰り返されます。これは,HSx または MDR コントローラ・フェールオーバが必要のないパスの選択におけるもう 1 つの特徴です。 MPDEV_LCRETRIES のデフォルト値は 1 です。

  5. 最もデバイス数の少ない現在のパスを開始時点として,すべての直接パスが試行されます。直接パスは,他のデバイスに対し,現在のパスとして使用率の高い順に考慮されます。必要に応じて,選択したパスで,HSx または MDR コントローラへのデバイスのフェールオーバが試行されます。

  6. MSCP サービス対象パスが存在する場合は,そのパスが試行されます ( ディスクのみ )。

動作するパスが見つかるまで,またはマウント検証がタイムアウトになるまで手順 1 から 6 を繰り返します。動作するパスが見つかり,そのパスが異なる場合は,現在のパスが自動的にその新しいパスに切り替わり, OPCOM メッセージが発行されます。マウント検証が完了すると,失敗した I/O 操作が再開され,新しい I/O の処理が実行されます。このパス選択プロシージャでは,以下のような理由から, HSx コントローラ間で不必要にデバイスのフェールオーバが行われないような仕組みになっています。

  • HSx コントローラ・モジュール間のフェールオーバが発生すると,同期する必要のあるキャッシュ・データの量にもよるが,約 1 秒から 15 秒の遅延が発生する。

  • デバイスまでのアクセスを共用する他のノードが,代替パスにより通信を再び確立する必要がある。

このパス選択プロシージャでは, MSCP サービス対象パスよりも直接パスが優先して選択されます。これは,MSCP サービス対象パスを使用すると,サーバ・システムに余計な CPU および I/O オーバヘッドがかかるからです。それに比べ,直接パスでは,MSCP サーバ・システムに余計な CPU または I/O オーバヘッドがかかることはありません。このプロシージャで MSCP サービス対象パスが選択されるのは,利用可能な直接パスがどれも稼動していない場合だけです。さらに,このパス選択プロシージャでは,不必要なコントローラ・フェールオーバを行わないという制約に従って,利用可能な直接パスの使用量が調整されます。

6.7.10 直接パスへの自動フェールバック (ディスクのみ)

第 6.7.9 項 で説明したマルチパス・フェールオーバは, MSCP サービス対象パスにも適用されます。つまり,現在のパスが MSCP サービス対象パス経由であるときに,そのサービス対象パスで障害が発生した場合は,マウント検証によって,元の使用状態の直接パスへ自動フェールオーバが行われます。

ただし,MSCP パスで I/O エラーが発生した場合は,直接パスへフェールバックを行う必要があります。以下の順にイベントが発生したとします。

  • デバイスに対して直接パスが使用されている。

  • すべての直接パスで障害が発生し,デバイスへの次の I/O が失敗する。

  • マウント検証によって,MSCP サービス対象パスへの自動切り換えが行われる。

  • しばらくすると,デバイスへの直接パスが回復する。

この場合,デバイスに対して直接パスの方が望ましい場合でも, MSCP サービス対象パスが継続して使用されます。これは,MSCP サービス対象パスでエラーが発生しなければ,パス選択プロシージャが実行されないからです。

自動フェールバック機能を使用すると,このような状態を解決することができます。マルチパス・ポーリングにより,次のすべての条件に該当することが確認されると,直接パスへフェールバックされます。

  • デバイスへの直接パスが応答すること。

  • デバイスへの現在のパスが MSCP サービス対象パスであること。

  • 現在のパスが,パスの手動切り替えによって選択されていないこと。

  • 対象デバイスで, MPDEV_AFB_INTVL で指定した直近の秒数内に自動フェールバックが行われていないこと

マウント検証によって自動フェールバックが実行されると,自動フェールオーバ・プロシージャが対象デバイスで行われます。

マルチパス・ポーリングは,主に,未使用パスの状態をテストして,以下のような状況にならないようにするために使用します。

  • システムに,デバイスへのパス A と B が存在する。

  • システムではパス A が使用されている。

  • パス B が機能しなくなった場合,それは検出されない。

  • しばらくして,パス A が単独でブレークする。

  • システムでパス B へのフェールオーバが行われるが,パス B がブレークしていることが検出される。

ポーリングは,障害が発生してから 1 分以内にパス B の障害を検出し, OPCOM メッセージを発行します。システム管理者がこのメッセージに気がつくことにより,直ちに適切な処置を行うことができます。

デバイスは,パス・ポーリングが発行した SCSI INQUIRY コマンドに正常に応答しても,そのパスでのパスの切り替えやマウント検証に失敗する場合があります。システム管理者またはオペレータは,以下の 3 つの方法で自動フェールバックを制御できます。

  1. MPDEV_AFB_INTVL システム・パラメータで,特定のデバイスにおける自動フェールバックの最小試行間隔を指定します。

  2. MPDEV_AFB_INTVL の値を 0 に設定して,自動フェールバックを無効にします。 0 に設定すると,システムのどのデバイスでも自動フェールバックは行われません。

  3. デバイスを MSCP サービス対象パスに手動で切り替えて,特定のデバイスにおける自動フェールバックを一時的に無効にします。これは,現在のパスが MSCP サービス対象パスであっても行うことができます。

マウントされたデバイスに直接パスと MSCP サービス対象パスの両方が存在する場合は,パス選択手順,自動フェールオーバ手順,自動フェールバック機能により,そのデバイスへの現在のパスは,通常,直接パスになります。例外として,パスが MSCP サービス対象パスに手動で切り替えられた場合,または使用状態の直接パスが存在しない場合などは, MSCP サービス対象パスが現在のパスになります。


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