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OpenVMS マニュアル


HP OpenVMS
OpenVMS Cluster 構成ガイド


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Ethernet (10/100) インターコネクトは,すべての OpenVMS Cluster インターコネクトの中で最も経済的です。

Gigabit (1/10) Ethernet インターコネクトは, 第 4.10 節 の項に示されている利点に加え,以下の利点を提供します。

  • 超高速スループット (1 Gb/s,10 Gb/s)

  • クラスタ通信での Jumbo フレーム (フレーム当たり 7552 バイト) のサポート



4.10.4 Ethernet (10/100) および Gigabit (1/10) Ethernet のスループット

Ethernet テクノロジによるベースバンドの伝送速度の範囲は以下のとおりです。

  • Standard Ethernet で 10 Mb/s

  • Fast Ethernet で 100 Mb/s

  • Gigabit Ethernet で 1 Gb/s

  • 10 Gigabit Ethernet で 10 Gb/s

Ethernet アダプタにはハードウェア・アシストがないので,CI や DSSI の場合よりもプロセッサ・オーバヘッドが高くなります。

多くの Ethernet 接続ノードで OpenVMS Cluster システムを構成するときや, Ethernet が多くの PC やプリンタもサポートする場合,ネットワーク・デザイン全体のキャパシティを考慮してください。Ethernet 上の全体的なネットワーク・トラフィックにより,OpenVMS Cluster 通信に利用できるスループットが低下することがあります。 Fast Ethernet と Gigabit Ethernet では,スループットが大幅に改善することがあります。Ethernet アダプタを複数使用すると,全般的なネットワーク・トラフィックの負荷が軽減されてクラスタ・パフォーマンスが改善されることがあります。

関連項目: LAN 構成におけるガイドラインについては, 第 4.10.2 項 を参照してください。

4.10.5 10 Gigabit Ethernet クラスタの構成上のガイドライン

10 Gigabit Ethernet クラスタでシステムを構成する場合は,以下のガイドラインに従ってください。

  • 2 ノード Gigabit Ethernet クラスタにスイッチは不要です。 図 4-2 に示すように,ポイント間で接続できるからです。

    図 4-2 ポイント・ツー・ポイント 10 Gigabit Ethernet OpenVMS Cluster


  • ほとんどの 10 Gigabit Ethernet スイッチは,Gigabit Ethernet または Gigabit Ethernet と Fast Ethernet を組み合わせて構成できます (100 Mb/s)。

  • 各ノードでは,スイッチまでをシングル接続とすることもできますが, 図 4-3 に示すように,複数のパスで構成して可用性を高めることもできます。

    図 4-3 スイッチ型 10 Gigabit Ethernet OpenVMS Cluster


  • OpenVMS バージョン 7.3 から Jumbo フレーム ( 各 7552 バイト ) のサポートが利用できるようになりました。(Jumbo フレームのサポートが導入される前は,クラスタ通信でサポートされるフレーム・サイズは,最大 1518 バイトの標準 Ethernet フレーム・サイズだけでした。)

  • DEGPA はブート・デバイスに使用できませんが,サテライトは Gigabit スイッチ上に構成した 10/100 Ethernet ネットワーク・アダプタを経由してブートすることができます。 DEGXA Gigabit Ethernet アダプタは, Broadcom 製の BCM5703 チップ (TIGON3) ネットワーク・インタフェース・カード (NIC) です。 DEGXA Gigabit Ethernet アダプタの採用により, LAN デバイスとクラスタ・インターコネクト・デバイスの両方として既存の Gigabit Ethernet のサポートが継続されます。 DEGXA はブート・デバイスとして使用できます。



4.11 Cluster over IP

OpenVMS Cluster ではクラスタ通信にインターネット・プロトコルを使用することもできます。クラスタの基本的なルールでは,クラスタ内のすべてのノードは他のすべてのノードと直接通信できなければなりません。クラスタ内のノードはデータセンタの同じ LAN 内に配置することも,地理的に離れた場所に分散させることもできます。

ノードが同じ LAN 内に存在する場合,クラスタ通信には LAN を使用するのが好まれます。ノードが複数のサイトあるいは複数の LAN に分散している場合,クラスタ通信には IP が好まれます。

レイヤ 2 サービスが利用できない場合あるいはそのコストが高い場合, 2 つのサイト間のクラスタ通信に Cluster over IP が使用できます。

  注意
2 つのサイト間に拡張 LAN あるいは VLAN を構築して, 2 つの異なるサイトのノード間のクラスタ通信に LAN を使用することも可能です。

LAN 経由のクラスタ・プロトコル (SCS,別名 SCA: System Communication Architecture) はポート・エミュレータ・ドライバ (PEDRIVER) によって提供され, PEDRIVER は 図 1-1 に示すようにクラスタ通信に LAN に加えて TCP/IP を使用して SCS 通信を提供します。 PEDRIVER は UDP を使用して 2 つのノード間でパケットを伝送します。

Cluster over IP は次の機能を提供します。

  • IP マルチキャストと IP ユニキャストにより, IP のみのネットワークで LAN セグメントを越えてノードを検出することが可能です。マルチキャストおよびユニキャスト・ノード検出メカニズムは,クラスタ内の新しいノードを追跡するのに使用されます。ユニキャスト・ノード検出に基いたファイルは,構成ファイルの代わりとして使用できます。
    SYS$SYSTEM:PE$IP_CONFIG.DAT には,オプションでクラスタのノードの IP マルチキャスト・アドレスおよび IP ユニキャスト・アドレスが含まれます。同じ IP マルチキャスト・ドメイン内のノードの検出には IP マルチキャスト・メッセージが使用され,異なる IP マルチキャスト・ドメインにあるリモート・ノードは, IP ユニキャスト・メッセージング技術を使用してクラスタに参加することができます。
    SYS$SYSTEM:TCPIPCLUSTER.DAT には,クラスタ通信が有効になっている IP インタフェース・アドレス名と IP アドレスが含まれます。また,TCP/IP ルート情報も含まれます。

  • クラスタの動作を妨げずに動的にノードの追加および削除が可能です。これにより,クラスタをリブートせずに問題のない透過的な移行が可能になります。また,クラスタをリブートせずに新しいバージョンへのローリング・アップグレードを実行することができます。

  • 最小限の待ち時間でクラスタ状態の遷移とフェールオーバのサポートが可能です。 PEDRIVER が提供する遅延調査機能と遅延計測機能により,最小の待ち時間でパスを選択することによって IP ネットワークにおける待ち時間を低減することができます。

  • 以前のバージョンの LAN ベースの OpenVMS Cluster が稼動するサーバとの相互運用性を提供します。

  • 利用可能で正常に動作しているすべてのインタフェース間での動的な負荷バランスを支援します。

  • システム管理者は,上位層に対して透過的な正常なインタフェース・セットから障害のあるインタフェースを検出し取り外すことができます。 IP 経由のクラスタ通信の管理には Availability Manager が使用できます。

  • 会社の方針で非 IP プロトコルの使用が制限されていたり,いずれかのスイッチか通信会社回線で LAN ブリッチが利用できないような環境でも使用できます。



4.11.1 構成上のガイドライン

IP ベースの OpenVMS Cluster には以下のガイドラインが適用されます。

  • Cluster over IP を構成する前に,TCP/IP ソフトウェアが構成されていることを確認してください。ネットワークおよび TCP/IP が正しく構成されているかどうか確認するには, PING ユーティリティを使用して,サブネットの外からノードに対して接続試験用のパケットを送信してください。

  • クラスタ通信に IP を使用して接続できるノードの最大数は 96 で,これは混成アーキテクチャ構成でもサポートされます。混成バージョンのクラスタ環境であっても, OpenVMS のサポート・マトリックスに違いはありません。

  • OpenVMS Version 8.4 以降 Cluster over IP がサポートされ,クラスタ通信には HP OpenVMS TCP/IP Version 5.7 が必要となります。

  • Alpha サテライト・ノードおよびそのディスク・サーバは同一 LAN 上になければなりません。

  • クラスタ通信に IP を使用する OpenVMS Cluster では,少なくとも 100Mbps のスループットが必要になります。また,100Mbps/1Gbps/10Gbps Ethernet をサポートします。 OpenVMS は,最大 500 マイルの距離でクラスタをサポートします (能力的には 60,000 マイルまでサポート可能)。



4.11.2 IP の可用性

ロジカル LAN フェールオーバを使用してクラスタ通信のための IP アドレスを設定することができます。ロジカル LAN フェールオーバ機能は,どのようなリンク障害にも対応する高い可用性を提供します。ロジカル LAN フェールオーバについては, 第 8.7 節 を参照してください。

4.11.3 IP の利点

Cluster over IP には以下のような利点があります。

  • Cluster over IP は,いずれかのスイッチか通信会社回線でレイヤ 2 のサイト間サービスが利用できないようなサイトでも配備できます。

  • 会社の方針でいくつかの非 IP プロトコルが制限されることはあっても, IP プロトコルの使用は通常制限されません。

  • 専用のハードウェアや人材のためのコストを必要とせず, LAN ブリッジによるマルチサイトの DT (Disaster Tolerant) クラスタを構築できます。

  • ローコストで高速な IP サービス



4.11.4 IP の性能

クラスタ通信に IP を使用しても同程度の性能レベルを維持することは重要な課題です。長距離クラスタでは,クラスタ・メンバ・ホスト間での IP スタックの通信に関連する遅延に比べて,サイト間が地理的に離れているために生じる光速の電気通信の遅れが,遅延の主な原因になります。フェールオーバまでの待ち時間とシステムの安定性との間にはトレードオフがあります。サイト間の距離がサポートされている上限に近づくにつれて,通常のクラスタ通信(フェールオーバ無し)を局所化することが,システム性能の最適化に重要です。


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