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OpenVMS マニュアル


HP OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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7.5 BACKUP 使用方法の要約

BACKUP ユーティリティは,ファイルやファイル・ボリュームの複製を作成することによって,データの消失や破損を防止します。

BACKUP は,公用媒体の保護を目的としてシステム管理者やオペレータが使用することを主な目的としています。ただし,BACKUP は誰でも利用できるため,個人的にファイルのバックアップ・コピーを作成したり, OpenVMS システム間でファイルを転送したりできます。

システム・ディスクは次のいずれかの方法でバックアップをとることができます。

  • OpenVMS Alpha,I64,または VAX の最新バージョンの CD-ROM を使用できる場合は,メニュー方式のプロシージャでシステム・ディスクをバックアップすることができます。

  • OpenVMS Alpha,I64,または VAX の最新バージョンの CD-ROM を使用できない場合は,スタンドアロン BACKUP を使用してシステム・ディスクをバックアップする必要があります。スタンドアロン BACKUP は, OpenVMS オペレーティング・システムの制御下で稼働するのではなく,メイン・メモリにブートされる BACKUP ユーティリティです。スタンドアロン BACKUP では, BACKUP 修飾子のサブセットを使用してイメージ処理と物理処理を行います。




形式

BACKUP 入力指定子 出力指定子




パラメータ



入力指定子

BACKUP 処理の入力を指定します。入力指定子には, OpenVMS 標準ファイル指定,BACKUP セーブ・セット指定,デバイス名のどれでも使用できます。ディスク上のセーブ・セット指定を入力指定子とする場合,入力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を含めてください。

DECnet ノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。

媒体が磁気テープである場合,OpenVMS 標準ファイル指定とセーブ・セット指定にワイルドカード文字を使用できます。

出力指定子

BACKUP 処理の出力を指定します。入力指定子と同様, OpenVMS 標準ファイル指定,BACKUP セーブ・セット指定,デバイス名のどれでも使用できます。ディスク上のセーブ・セットを出力指定子とする場合,出力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を含めてください。

DECnet ノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。

Files--11 ボリュームを出力指定子とする場合,ワイルドカード文字を使用できます。 BACKUP セーブ・セットを出力指定子とする場合や BACKUP/PHYSICAL や BACKUP/IMAGE で作成したボリュームを出力指定子とする場合は,ワイルドカード文字を使用できません。 BACKUP コマンドでワイルドカード文字を使用する際の制約については, 第 7.3.2 項 を参照してください。




説明

オンライン BACKUP を起動するには,使用したい BACKUP コマンドを DCL プロンプトに入力します。スタンドアロン BACKUP の起動方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

BACKUP コマンドを入力すると,入力指定子,出力指定子,および修飾子をもとに,実行する処理のタイプが決定されます。入力指定子は,ユーティリティに入力を取り込むのに使用され,出力指定子は,出力先を決めるのに使用されます。出力指定子は,ディスク上のファイルやセーブ・セット,磁気テープ上のセーブ・セットのいずれも指定できます。

コマンドの実行が終了すると,DCL コマンド・レベルに戻ります。 BACKUP コマンドの実行を中断するには,Ctrl/Y を押します。作成中のファイルがある場合,Ctrl/Y を押すと同時にそのファイルはクローズされ,クローズされるまでに出力された部分だけでファイルが作成されます。

BACKUP をバッチ・モードで使用する場合,オペレータ・ターミナルにメッセージを送るには,ユーザ特権 TMPMBX が必要です。順編成ディスクで構成されるボリューム・セットに対してセーブ処理を行う場合,継続ボリュームに書き込むためには,ユーザ特権 PHY_IO または LOG_IO が必要です。BACKUP のいくつかの修飾子でも,特権が必要となります。どのような特権が必要であるかについては,それぞれの修飾子の項で説明します。



/ALIAS

コマンド修飾子

別名ファイル・エントリと 1 次ファイル・エントリの複数回の処理に関して,前バージョンの動作を使用するかどうかを指定します。

注意

OpenVMS バージョン 6.2 またはそれより前の非常に古いセーブ・セットをリストアしているときには, /ALIAS 修飾子のみを使用してください。現在の省略時の動作は,ほとんどすべての他の状況で有効です。この修飾子を使用してよいかどうかがわからない場合には,弊社のサポート担当にお問い合わせください。




形式

/ALIAS セーブ・セット指定 (省略時の設定)

/NOALIAS




説明

/ALIAS 修飾子は,以前のバージョンの BACKUP の,別名ファイル・エントリと 1 次ファイル・エントリを同じものとして扱うという動作を使用します。このため,1 つまたは複数の別名ファイル・エントリが同じ 1 次ファイル・エントリを参照する場合,BACKUP は同じ 1 次ファイルを複数回処理することがあります。

/NOALIAS を指定すると,別名ディレクトリ・エントリと別名ファイル・エントリは無視されます。このため,1 次ファイルが複数回処理されることはなくなり,時間とセーブ・セット・ファイルのスペースが節約できます。セーブ・セットの作成時に /NOALIAS 修飾子が使用されたのに,リストア操作の際に /ALIAS 修飾子が使用された場合は,/ALIAS 修飾子が無視されることを示すメッセージが表示されます。



/ASSIST

コマンド修飾子

磁気テープのマウント要求が BACKUP 操作の途中で異常終了した場合に,オペレータまたは利用者の介入を認めます。




形式

/[NO]ASSIST 入力指定子 出力指定子




説明

/ASSIST 修飾子は,磁気テープの BACKUP マウント要求で障害が発生したときや,別のボリュームが必要なときに,オペレータ・ターミナルにメッセージを送ります。メッセージが送られるターミナルは, TAPES と CENTRAL のメッセージの受信が許可されているターミナルです。オペレータ・ターミナルの許可または禁止については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』に記述された REPLY コマンドを参照してください。障害が発生した場合,オペレータは,処理を強制終了したり,エラーを修正して処理を続行したりできます。

TAPES と CENTRAL のメッセージを受信してマウント支援要求に応えられるオペレータ・ターミナルがない場合,ユーザにその状況を知らせるメッセージが表示されます。マウント要求したドライブにボリュームが挿入されている場合,オペレータが応答する必要はありません。マウント要求に対するオペレータの応答は,すべて SYS$OUTPUT に書き込まれます。BACKUP を会話形式で実行する場合, SYS$OUTPUT はユーザのターミナルです。BACKUP をバッチ・モードで実行する場合,SYS$OUTPUT はバッチ・ジョブ・ログ・ファイルです。

/NOASSIST を指定すると,マウント・メッセージは使用中のターミナルには表示されますが,オペレータには送られません。

省略時の値は,/ASSIST です。論理名 SYS$COMMAND がターミナル以外のデバイスを指している場合,/NOASSIST 修飾子の効果はありません。 BACKUP をバッチ・モードで実行する場合,/NOASSIST を指定しても効果はありません。





$ BACKUP/NOASSIST [PAYROLL]*.*;* MTA1:PAYROLL.BCK/LABEL=WKY101

この例では,ボリューム WKY101 をテープ・ドライブ MTA1 にマウントし,ディレクトリ [PAYROLL] のすべてのファイルをセーブ・セット PAYRROLL.BCK にコピーしています。/NOASSIST 修飾子により,マウント・メッセージは,オペレータ・ターミナルではなくユーザのターミナルに送られます。 WKY101 というラベルは,ボリューム番号 01,グループ 1 の週単位の BACKUP テープであることを意味します。テープのボリューム・ラベルが WKY101 以外である場合, BACKUP> プロンプトに対して OVERWRITE オプションを指定することにより,セーブ・セットをテープに書き込めます。



/BACKUP

入力ファイル選択修飾子

BACKUP/RECORD コマンドでファイル・ヘッダ・レコードに書き込んだ BACKUP 日付をもとにファイルを選択します。




形式

入力指定子/BEFORE=日時 /BACKUP 出力指定子

入力指定子/SINCE=日時 /BACKUP 出力指定子




説明

/BACKUP 修飾子を使用できる対象は Files-11 構造レベル 2 および 5 のボリュームだけです。また,/BEFORE または /SINCE の修飾子を必ず併用してください。イメージ処理や物理処理において, /CREATED,/MODIFIED,/EXPIRED のいずれかの修飾子と /BACKUP 修飾子を併用することはできません。

/BACKUP 修飾子は,ファイル・ヘッダ・レコードの BACKUP フィールドに記録されている日時を,/BEFORE 修飾子または /SINCE 修飾子で指定した日時と比較することによってファイルを選択します。ファイル・ヘッダ・レコードに記録される日時は,/RECORD コマンド修飾子でファイルを最後にセーブまたはコピーした日時です。

/BACKUP と /BEFORE を使用した場合,指定した日時よりBACKUP 日付が前の(古い)ファイルが選択されます。BACKUP 日付がないファイル,つまり /RECORD を指定せずにセーブまたはコピーしたファイルも選択されます。

/BACKUP と /SINCE を使用した場合,指定した日時より BACKUP 日付が後のファイルが選択されます。 BACKUP 日付がないファイル,つまり /RECORD を指定せずにセーブまたはコピーしたファイルは 選択されません






#1

$ BACKUP/RECORD
_From: [PAYROLL]*.*;*/BEFORE=01-SEP-2002/BACKUP
_To: MTA1:SEP01.BCK

/BACKUP 修飾子と /BEFORE 修飾子により,ディレクトリ [PAYROLL] 内で, BACKUP 日付が 2002 年 9 月 1 日より前のすべてのファイルについて,すべてのバージョンがセーブされます。コマンド修飾子 /RECORD が,セーブした日時を各セーブ対象ファイルのファイル・ヘッダ・レコードに書き込みます。

#2

$ BACKUP/RECORD [ACCOUNTS...]/SINCE=YESTERDAY/BACKUP MTA1:ACC.BCK
 

/BACKUP 修飾子と /SINCE 修飾子により,[ACCOUNTS] のすべてのサブディレクトリ内で,BACKUP 日付が昨日 (昨夜午前 0 時より前の 24 時間) 以降のすべてのファイルがセーブされます。コマンド修飾子 /RECORD が,セーブした日時を各セーブ対象ファイルのファイル・ヘッダ・レコードに書き込みます。



/BEFORE

入力ファイル選択修飾子

指定された時刻より前の時刻のファイルだけを選択します。




形式

入力指定子/BEFORE=日時 出力指定子




説明

/BEFORE 修飾子は,各ファイル・ヘッダ・レコードの指定したフィールドの日時を,コマンド行に指定した日時と比較することにより,ファイルを選択します。次に, /BEFORE 修飾子と併用できる入力ファイル選択修飾子(および機能)を示します。これらの修飾子は,一度に 1 つだけ使用するようにしてください。

/BACKUP BACKUP/RECORD で最後にセーブまたはコピーした日付が,指定した日付より前であるファイルを選択する。 BACKUP 日付がないファイルも選択する。
/CREATED 指定した日付より前に作成したファイルを選択する。
/EXPIRED 指定した日付に満了しているファイルを選択する。
/MODIFIED 最後に変更した日付が指定した日付より前であるファイルを選択する。他の修飾子を指定せずに /BEFORE を指定した場合, /MODIFIED が仮定される。

入力する時刻はデルタ時間または絶対時刻です。これらの時刻は, [dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式で指定します。また,下記の予約語を指定することもできます。

BACKUP ファイルに対して行われた最後の BACKUP/RECORD 操作の日付(Files-11構造レベル2または5のボリュームのみ)
TODAY 現在の年,月,日の 00:00:00.0 時
TOMORROW 最後の午前 0 時の 24 時間後
YESTERDAY 最後の午前 0 時の 24 時間前

/BEFORE 修飾子は,追加型リストア処理では無効です。




#1

$ BACKUP [POLICIES]*.*;*/BEFORE=TODAY/EXPIRED  DMA1:OLDPOL.BCK/SAVE_SET

ディレクトリ [POLICIES] 内で,満了日付が今日の日付より前であるすべてのファイルをセーブします。



/BLOCK_SIZE

出力セーブ・セット修飾子

BACKUP セーブ・セットおよびディスク間コピーでのデータ・レコードの出力ブロック・サイズをバイト単位で指定します。




形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定/BLOCK_SIZE=n




説明

2,048 〜 65,535 バイトのブロック・サイズを指定できます。BACKUP は, BACKUP 形式の制約に従い,この値を調整します。ただし,最大値の 65,535 を超えるブロック・サイズは調整しません。

磁気テープ・セーブ処理で /BLOCK_SIZE を指定すると,DCL の MOUNT コマンドの /BLOCK_SIZE 修飾子で定義したブロック・サイズは無視されます。

磁気テープ上のセーブ・セットに対し,あまりにも大きな値をブロック・サイズに指定した場合,1 本のテープでは収まらなくなったり,大量のエラーが記録されたりする恐れがあります。この場合,ブロック・サイズの指定を小さくしてください。それでも障害がある場合,そのテープは今後,BACKUP 処理に使用しないようにしてください。

磁気テープの省略時のブロック・サイズは,8,192 バイトです。ディスクの省略時のブロック・サイズは,32,256 バイトです。





$ BACKUP/RECORD DRA2:[LEE...]/SINCE=BACKUP MTA0:SAVEWORK.BCK/BLOCK_SIZE=10000

DRA2 上のディレクトリ木構造を,ドライブ MTA0 にマウントされている磁気テープにセーブします。入力ファイル選択修飾子 /SINCE=BACKUP により,指定したディレクトリ木構造内で,最後の BACKUP/RECORD 処理以降に変更したファイルだけが処理されます。出力セーブ・セット修飾子 /BLOCK_SIZE により,ブロック・サイズ 10,240 が割り当てられます。指定されているブロック・サイズ 10,000 は, 10,000 より大きい 512 の倍数で,10,000 に最も近い値に丸められます。



/BRIEF

コマンド修飾子

セーブ・セット内の各ファイルについて,ファイル指定,サイズ,作成日付をリストします。ファイルに割り当てられているブロック数ではなく,セーブしたファイルの実サイズがリストされます。 /BRIEF 修飾子が有効となるのは,/LIST 修飾子と併用した場合だけであり,この形式が BACKUP リストの省略時の形式です。 DCL の DIRECTORY/FULL コマンドの表示形式で情報をリストするには, /FULL 修飾子を指定してください。




形式

/LIST/BRIEF セーブ・セット指定





$ BACKUP/LIST/BRIEF DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET
               
Listing of save set(s)
 
Save set:          23MAR02.BCK
Written by:        MOROCI
UIC:               [000200,000200]
Date:              23-MAR-2002 14:18:16.00
Command:           BACKUP [SAVE] DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET
 
Operating system:  OpenVMS Alpha Version 7.3-1
 
BACKUP version:    V7.3-1
CPU ID register:   08000000
Node name:         _SUZI::
Written on:        _DBA2: 
Block size:        32,256 
Group size:        10
Buffer count:      3
 
[SAVE]INFO.TXT;4                  5   4-FEB-2002 13:12
[SAVE]LAST.DAT;1                  1  18-JAN-2002 14:11
[SAVE]WORK.DAT;3                 33   1-JAN-2002 10:02
 
Total of 3 files, 39 blocks
End of save set                   
 

BACKUP 要約情報と,セーブ・セット内の各ファイルのファイル名,サイズ,作成日付をリストしています。入力指定子で Files-11 媒体上のセーブ・セットを指定するため,/SAVE_SET 修飾子を指定しています。



/BUFFER_COUNT

コマンド修飾子

この修飾子は現在は使用されません。現在でも /BUFFER_COUNT 修飾子を指定できますが,効果はまったくありません(この修飾子を含むコマンド・プロシージャが現在でも正しく動作できるように設定されています)。今後はコマンド・プロシージャから /BUFFER_COUNT 修飾子を削除するようにしてください。


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