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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)

第10章 ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) ソフトウェアの管理

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:システムパラメータの管理
第2章:ページファイル/スワップファイル/ダンプファイルの管理
第3章:性能の管理
第4章:ファイルシステムのデータキャッシュの管理
第5章:UETPによるシステムのテスト
第6章:システムに関する情報の入手
第7章:リソース使用状況の調査
第8章:クラスタの管理
第9章:ネットワーク
第10章:LANの管理
第11章:InfoServerの管理
第12章:LATの管理
第13章:特殊処理環境の管理
第14章:DECdtmサービスの管理
付録A:Files-11ディスク構造
付録B:時差係数表
付録C:タイムゾーン
用語集
索引
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目次

10.1 ローカル・エリア・ネットワーク
10.1.1 LAN の特性
10.1.2 LAN アドレス
10.2 ローカル・エリア・ネットワークの管理
10.3 LANACP LAN サーバ・プロセス
10.3.1 LANACP LAN サーバ・プロセスの実行
10.3.2 LANACP LAN サーバ・プロセスの終了
10.4 LANCP ユーティリティ
10.4.1 LANCP の起動と実行
10.4.2 LANCP コマンド
10.4.3 LANCP のその他の機能
10.5 LAN デバイスの管理
10.5.1 システム・デバイスの表示
10.5.2 デバイス特性の表示
10.5.3 デバイス特性の設定
10.6 LAN デバイス・データベースの管理
10.6.1 LAN デバイス・データベース内のデバイスの表示
10.6.2 LAN デバイス・データベースへのデバイスの入力
10.6.3 LAN デバイス・データベースからのデバイス・データの削除
10.7 LAN ノード・データベースの管理
10.7.1 LAN ノード・データベース内のノードの表示
10.7.2 LAN ノード・データベースへのノードの入力
10.7.3 LAN ノード・データベースからのノードの削除
10.8 LAN MOP
10.8.1 DECnet MOP との共存
10.8.2 DECnet MOP から LAN MOP への移行
10.8.3 CLUSTER_CONFIG_LAN.COM と LAN MOP
10.8.4 サテライト・ロードのサンプル
10.8.5 クロス・アーキテクチャ・ブート
10.9 LAN MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理
10.9.1 MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可
10.9.2 MOP ダウンライン・ロード・サービスの禁止
10.9.3 状態データとカウンタ・データの表示
10.9.4 個々のノードの状態とカウンタ・データの表示
10.9.5 カウンタ・データのクリア
10.9.6 OPCOM メッセージ
10.9.7 ロード・トレース機能
10.9.8 MOP コンソール・キャリア
10.9.9 MOP トリガ・ブート
10.10 LAN フェイルオーバについて
10.10.1 LAN フェイルオーバ・セットの作成
10.10.2 LAN フェイルオーバ・セットへの LAN デバイスの追加
10.10.3 LAN フェイルオーバ・セットからの LAN デバイスの削除
10.10.4 LAN フェイルオーバ・セットの有効化
10.10.5 LAN フェイルオーバ・セットの無効化
10.10.6 LAN フェイルオーバ・デバイスの優先順位の設定
10.10.7 LAN フェイルオーバ・セットのパケット・サイズの設定
10.10.8 LAN フェイルオーバの特性の表示
10.10.9 LAN フェイルオーバ・カウンタの表示
10.10.10 LAN フェイルオーバ・セットのチェック
10.10.11 LAN フェイルオーバの例

この章では,LAN ソフトウェアの動作について説明するとともに,LAN ソフトウェアを管理するためにシステム上で実行する作業について説明します。

この章の内容

この章では次の作業について説明します。

作業

参照箇所

LANACP LAN サーバ・プロセスの実行

10.3.1 項 「LANACP LAN サーバ・プロセスの実行」

LANCP の起動と実行

10.4.1 項 「LANCP の起動と実行」

LAN デバイスの管理

10.5 項 「LAN デバイスの管理」

LAN デバイス・データベースの管理

10.6 項 「LAN デバイス・データベースの管理」

LAN ノード・データベースの管理

10.7 項 「LAN ノード・データベースの管理」

DECnet MOP から LAN MOP への移行

10.8.2 項 「DECnet MOP から LAN MOP への移行」

CLUSTER_CONFIG_LAN.COM および LAN MOP

10.8.3 項 「CLUSTER_CONFIG_LAN.COM と LAN MOP」

MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理

10.9 項 「LAN MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理」

MOP コンソール・キャリアの始動

10.9.8 項 「MOP コンソール・キャリア」

MOP トリガ・ブートの要求

10.9.9 項 「MOP トリガ・ブート」

LAN フェイルオーバの使用

10.10 項 「LAN フェイルオーバについて」

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

ローカル・エリア・ネットワーク

10.1 項 「ローカル・エリア・ネットワーク」

LANACP LAN サーバ・プロセス

10.3 項 「LANACP LAN サーバ・プロセス」

LANCP ユーティリティ

10.4 項 「LANCP ユーティリティ」

MOP ダウンライン・ロード・サービス

10.8 項 「LAN MOP」

LAN フェイルオーバ

10.10 項 「LAN フェイルオーバについて」

10.1 ローカル・エリア・ネットワーク

ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) は,部屋,建物,あるいは建物群 (たとえば大学) のような限られた範囲内において,情報処理デバイスを接続するための,通信チャネルを提供します。 LAN 内のノードは,次のタイプのデータ転送媒体によってリンクすることができます。

  • イーサネット

    最も初期に開発された一般的な LAN のひとつ。 イーサネットは,一般的な LAN アプリケーション (たとえば イーサネット・アドレス),または Intel®,Xerox,Digital による企業間のイーサネット仕様をインプリメントする固有の CSMA/CD (衝突検出機能付きキャリア検知多重アクセス) テクノロジーを指す。

    イーサネット LAN には,次の 3 種類がある。

    • 転送速度 10Mbps のイーサネット (IEEE 802.3)

    • 転送速度 100Mbps の高速イーサネット (IEEE 802.3u)

    • 転送速度 1000Mbps のギガビット・イーサネット (IEEE 802.3z)

    この 3 種類のイーサネットは,どれも,CSMA/CD プロトコル,同一のフレーム形式,同一のフレーム・サイズを用いている。 ギガビット・イーサネットの場合は,ジャンボ・フレームという大きなサイズのフレームをオプションで使用できる。

  • FDDI (Fiber Distributed Data Interface)

    デュアルリングのトークン・リング LAN としてインプリメントされている。

  • トークン・リング

    IEEE 802.5 のトークン・パッシング式リング。

  • ATM (非同期転送モード)

    次の標準をサポートする。

    • ATM を介した LAN エミュレーションは ATM Forum の LAN Emulation V1.0 (LANE) 標準をサポート。

    • ATM を介した Classical IPは RFC 1577標準をサポート(DGLTA,DGLPA,DGLPB のみ)。

  • 共用メモリ

    共用メモリを使用した Galaxy ノード間でのイーサネットのエミュレーション。

10.1.1 LAN の特性

LAN コントローラは,追加の外部ハードウェアとともに,イーサネット,FDDI,トークン・リング,ATM または Classical IP (RFC 1577) を介した LAN エミュレーションの仕様をインプリメントするデバイスです。 LAN コントローラとローカル・システムでノードを構成します。 LAN コントローラはシステム・バスを介してローカル・システムと通信します。 また通信媒体を介して,イーサネット,FDDI,トークン・リング,または ATM を介した LAN エミュレーションの仕様をインプリメントする 遠隔システムと通信します。 イーサネットの仕様については 『The Ethernet--Data Link Layer and Physical Layer Specification』と,IEEE から入手可能な仕様書に記述されています。 FDDI の仕様は ANSI から入手可能です。 トークン・リング の仕様は IEEE から入手可能です。 ATM を介した LAN エミュレーションの仕様は ATM Forum から入手可能です。

アプリケーション・プログラムは,LAN ドライバの QIO インタフェースおよび VCI インタフェースを使って,LAN 上の他のノードとの間で入出力処理を実行します。 QIO インタフェースおよび VCI インタフェースについての詳細は,『HP OpenVMS I/O User’s Reference Manual』を参照してください。

表 10-1 「LAN 媒体の特性」 に,LAN 媒体のタイプの相違点を要約します。

表 10-1 LAN 媒体の特性

媒体

速度

最大フレーム・サイズ

最大ケーブル長[1]

イーサネット 802.3

10Mbps

1518 バイト

10Base-T - 100 m, 10Base-2 - 185 m, 10Base-5 - 500 m

高速イーサネット802.3u

100Mbps

1518 バイト

100Base-TX - 100 m

100Base-FX - 2 Km

ギガビット・イーサネット802.3z

1000Mbps

1518 または 9018 バイト

1000Base-SX 光ファイバ - 550 m, 1000BaseT 銅線 UTP - 100 m

FDDI

100Mbps

4495 バイト

UTP - 100 m, マルチノード・ファイバ - 2 Km

トークン・リング802.5

4 または 16 Mbps

4462 バイト

UTP - 45 m, STP - 110 m

ATM を介した LAN エミュレーション

155Mbpsまたは622Mbps

1516,4544,または 9234

マルチノード・ファイバ - 2 Km, UTP - 300 m

[1] 大規模ネットワークは,ハブ,ブリッジ,スイッチによって構築できる。

 

10.1.1.1 イーサネット LAN

イーサネット・ネットワークは,各種のケーブルで接続され,CSMA/CD プロトコルに従って通信を行うノード群からなっています。 最も簡単な形式のネットワークでは,2 つのシステムが,ポイント・ツー・ポイント形式でケーブル 1 本で接続されます。 より複雑な構成では,より多くのシステムを接続するために,イーサネット・スイッチやハブが追加されます。

10.1.1.2 FDDI LAN

FDDI はツリー・トポロジのデュアル・リングを使用します。 一方のリングを 1 次リング,他方をバックアップとして使用し,柔軟性,管理の容易さ,可用性を高めるために,ツリー構造を採用しています。

FDDI ネットワークとイーサネット・ネットワークを組み合わせると,1 つの拡張 LAN を形成できます。 こうすることにより,FDDI に接続されたシステム上で実行されるアプリケーションを,イーサネットに接続されたシステムで実行されるアプリケーションに接続できます。

FDDI 集信デバイスまたはスイッチは,VAX や Alpha ノード,または FDDI とイーサネット間のブリッジのような FDDI デバイスを,LAN に接続することができます。

10.1.1.3 トークン・リング LAN

トークン・リング・コントローラは,シールドまたは非シールドのツイストペア・ワイヤを使って,リングにアクセスします。 ブリッジで直接接続されたトークン・リング LAN を 他のタイプの LAN に接続するのは難しいので,注意してください。 ただし,他の LAN へのルーティング・プロトコルにより相互接続が可能です。

10.1.1.4 ATM LAN

ATM を介した LAN エミュレーションは,接続に基づいた光ファイバ・ネットワークから構成されます。 OpenVMS ATM ネットワークは,データ転送には AAL5 ATM 適応層を使用します。

ATM を介した LAN エミュレーションについては,OpenVMS では LAN エミュレーション・クライアント (LEC) だけをインプリメントしており,LAN エミュレーション・サーバ (LES),Broadcast and Unknown (BUS),または LAN エミュレーション構成サーバ (LECS) はインプリメントしていません。 LES,BUS,および LECS は,ATM スイッチなど他のファシリティにより提供されなければなりません。 OpenVMS がサポートしているのは,ATM アダプタ 1 つにつき 8 つの LAN エミュレーション・クライアントです。

ATM を介した Classical IP (CLIP) は,イーサネット・インタフェース (802.3) と同じ意味を持つ データリンク・レベル・デバイス・インプリメントします。 このイーサネット・インタフェースは,ATM ネットワークを介して 802.3 (IEEE イーサネット) フレームを送信するときに TCP/IP プロトコルにより使用されます。 OpenVMS が ATM を介して IP データグラムを交換する場合,RFC1577 (ATM を介した Classical IP) に基づいたモデルに従います。

10.1.2 LAN アドレス

LAN 上のノードは,一意のアドレスで識別されます。 使用するアドレスによって,メッセージを LAN 上の 1 つ,数個,またはすべてのノードに同時に送信することができます。

適用の際,IEEE はアドレス・ブロックを LAN ノードの製作者に割り当てます。 したがって,どのメーカも固有のアドレス・セットを持っています。 通常,割り当てられた物理アドレス・ブロックのうちの 1 アドレスが,永久に各コントローラ (通常は読み込み専用メモリ) に対応付けられます。 このアドレスは,コントローラのハードウェア・アドレス (MAC アドレス) と呼ばれます。 各コントローラには固有のハードウェア・アドレスがあります。

LAN アドレスは長さが 48 ビットです。 LAN アドレスは,6 対の 16 進数字 (6 バイト) をハイフンで区切って表現します (たとえば AA-01-23-45-67-FF)。 バイトは転送される順に,左から右に表示されます。 各バイト中のビットは右から左に転送されます。 この例では,バイト AA が最初に転送され,バイト FF が最後に転送されます。

LAN アドレスは,アドレスの最初のバイトの最下位ビット (このビットが最初に転送される) の値によって,単一ノードのアドレス,またはマルチキャスト・アドレスになります。 ノード・アドレスの 2 つのタイプは次のとおりです。

  • 個別アドレス (物理アドレス)―LAN 上の単一ノードの固有のアドレス。 物理アドレスの第 1 バイトの最下位ビットは 0 (たとえば,物理アドレス AA-00-03-00-FC-00 では,バイト AA は 2 進数で 1010 1010 であり,最下位ビットの値は 0)。

  • マルチキャスト・アドレス―ある LAN 上の 1 つまたは複数のノードが認識するグループ・アドレス。 マルチキャスト・アドレスの第 1 バイトの最下位ビットは 1 (たとえば,マルチキャスト・アドレス 0B-22-22-22-22-22 では,バイト 0B は 2 進数で 0000 1011 であり,最下位ビットの値は 1)。

    トークン・リング・デバイスは,IEEE 802 規格のマルチキャスト・アドレスをサポートせず,機能アドレスをサポートする。 機能アドレスとは,ローカルに管理されるグループ・アドレスであり,31 の値が可能。 各機能アドレスは,アドレスの 3 番目から 6 番目のバイトに 1 ビットを設定し,バイト 1 と 2 は 03-00 (ビットの逆形式では C0:00) である。 マルチキャスト・アドレスを機能アドレスに変換するには,LANCP の SET DEVICE/MAP コマンドを使用する。

10.2 ローカル・エリア・ネットワークの管理

ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) ソフトウェアには,OpenVMS LAN ドライバ・システム・ソフトウェアとともに動作する次の 2 つのシステム管理ツールが含まれています。

  • LANCP (ローカル・エリア・ネットワーク制御プログラム)

  • LANACP LAN サーバ・プロセス

LAN システム管理ツールは次のことを行います。

  • システム管理者が LAN パラメータを設定して,LAN 環境をカスタマイズできるようにする。

  • LAN の設定値とカウンタを表示する。

  • ターミナル・サーバや X ターミナル,LAN ベースのプリンタなどのデバイス,および OpenVMS Cluster 環境でのサテライトのブート用に保守操作プロトコル (MOP) ダウンライン・ロード・サポートを提供する。

  • MOP コンソール・キャリアと MOP トリガ・ブートをサポートする。

表 10-2 「LAN システム管理の強化」 は,LAN 管理ソフトウェアと,OpenVMS Alpha,OpenVMS VAX,および OpenVMS I64 を実行するシステムでサポートされる機能についての説明です。

表 10-2 LAN システム管理の強化

ユーティリティ

説明

OpenVMS のサポート

LANACP (LAN 補助制御プログラム)

MOP ダウンライン・ロード・サービスの提供を主な機能とするサーバ・プロセスとして実行される。 LAN 運用時デバイス・データベースおよび LAN 運用時ノード・データベースの保守も行う。

LANACP ユーティリティは,OpenVMS バージョン 7.0 以降が動作している VAX システムおよび Alpha システムと,OpenVMS バージョン 8.2 以降が動作している I64 システムで同等の機能を提供する。

LANCP (LAN 制御プログラム)

システム管理者が LAN ソフトウェアのパラメータを制御して,LAN ソフトウェアから情報を得られるようにする。 LANCP ユーティリティで次のことができる。

  • LAN デバイスのカウンタ,リビジョン,構成情報を取得する。

  • システム上で LAN デバイスの操作パラメータを変更する。

  • パーマネントおよび運用時 LAN デバイス・データベースおよびノード・データベースを保守する。

  • LANACP LAN サーバ・プロセス (MOP ダウンライン・ロード・サーバ関連機能を含む) を制御する。

  • MOP コンソール・キャリア接続を開始する。

  • MOP トリガ・ブート要求を他のノードに送信する。

OpenVMS Alpha バージョン 6.1 には初期にインプリメントされた LANCP は含まれるが,MOP 関連機能は含まれない。

OpenVMS バージョン 6.2 (VAX および Alpha) には,MOP 関連機能が含まれ,その機能の一部を VAX システムに対して拡張している。 VAX システム,Alpha システム,および I64 システム上でサポートされている LAN ユーティリティ機能を以下に示す。

OpenVMS Alpha Version 7.3-1 およびそれ以降:

- LAN デバイスの操作パラメータの変更?

Yes

- LAN デバイス情報の表示?

Yes

- MOP 機能のサポート?

Yes

OpenVMS VAX Version 7.3 およびそれ以降:

- LAN デバイスの操作パラメータの変更?

No

- LAN デバイス情報の表示?

制限あり

- MOP 機能のサポート?

Yes

OpenVMS I64 Version 8.2 およびそれ以降:

- LAN デバイスの操作パラメータの変更?

Yes

- LAN デバイス情報の表示?

Yes

- MOP 機能のサポート?

Yes

 

10.3 LANACP LAN サーバ・プロセス

LANACP LAN サーバ・プロセスを実行して,次の処理を行うことができます。

  • LAN 運用時ノード・データベースの保守

  • LAN 運用時デバイス・データベースの保守

  • MOP ダウンライン・ロード

LANCP ユーティリティを使用すると,LANACP プロセスに対して命令を出すことができます。

LANACP に関連する主な 3 つのファイルは次のとおりです。

  • SYS$SYSTEM:LANACP.EXE

    LANACP ユーティリティ・プログラム。

  • SYS$STARTUP:LAN$STARTUP.COM

    LANACP サーバ・プロセスを起動する。

  • SYS$STARTUP:VMS$DEVICE_STARTUP.COM

    このファイルは,システムのスタートアップ時に LANACP を自動的に起動できるエントリを含む。

さらに,LANACP LAN サーバ・プロセスには関連する 4 つのシステム論理名があり,これについては 表 10-3 「LANACP システム論理名」 で説明します。

表 10-3 LANACP システム論理名

コンポーネント

説明

LAN$DLL

ダウンライン・ロード・ファイルの位置を定義する。 ファイル位置はロード要求では指定されず,LAN 運用時ノード・データベースにも明示的に提供されていない。 省略時には SYS$SYSROOT:[MOM$SYSTEM] と定義される。

LAN$NODE_DATABASE

LAN パーマネント・ノード・データベースの位置を定義する。 省略時には SYS$COMMON:[SYSEXE]LAN$NODE_DATABASE.DAT と定義される。

LAN$DEVICE_DATABASE

LAN パーマネント・デバイス・データベースの位置を定義する。 省略時には SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]LAN$DEVICE_DATABASE.DAT と定義される。

LAN$ACP

LANACP LAN サーバ・プロセスのログ・ファイルの位置を定義する。 このログ・ファイルには,LAN パーマネント・デバイス・データベースおよびノード・データベースの変更や,ロード要求,ロード状態情報を記述するエントリが含まれる。 省略時には SYS$MANAGER:LAN$ACP.LOG と定義される。

 

10.3.1 LANACP LAN サーバ・プロセスの実行

LANACP LAN サーバ・プロセスを開始するには,DCL プロンプトに対して @SYS$STARTUP:LAN$STARTUP とタイプします。

10.3.2 LANACP LAN サーバ・プロセスの終了

LANACP LAN サーバ・プロセスを終了するには,LANCP ユーティリティ・プロンプトで SET ACP/STOP コマンドを入力します。

10.4 LANCP ユーティリティ

LANCP ユーティリティでは,LAN パラメータを設定して,表示することができます。 10.4.1 項 「LANCP の起動と実行」 で LANCP ユーティリティの起動方法について説明します。 表 10-4 「LANCP ユーティリティの機能」 は,LAN 機能の説明と,その機能の実行に役立つ LANCP コマンドについての参照箇所を示しています。

表 10-4 LANCP ユーティリティの機能

作業

参照箇所

LAN デバイスの管理

10.5 項 「LAN デバイスの管理」

LAN デバイス・データベースの管理

10.6 項 「LAN デバイス・データベースの管理」

LAN ノード・データベースの管理

10.7 項 「LAN ノード・データベースの管理」

MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理

10.9 項 「LAN MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理」

MOP コンソール・キャリア接続の起動

10.9.8 項 「MOP コンソール・キャリア」

MOP トリガ・ブート要求の送信

10.9.9 項 「MOP トリガ・ブート」

 

10.4.1 LANCP の起動と実行

表 10-5 「LANCP ユーティリティの起動」 は,LANCP ユーティリティ (SYS$SYSTEM:LANCP.EXE) の起動方法と実行方法について説明しています。

表 10-5 LANCP ユーティリティの起動

コマンド

RUN コマンドの使用

DCL コマンド・プロンプトに対して,次のように入力する。

$ RUN SYS$SYSTEM:LANCP

これで LANCP ユーティリティから LANCP プロンプトが表示されるので,LANCP コマンドを入力できる。

LANCP をフォーリン・コマンドとして定義

DCL プロンプトに対して,またはスタートアップ・コマンド・ファイルかログイン・コマンド・ファイルに,次のように入力する。

$ LANCP :== $SYS$SYSTEM:LANCP

これで,DCL プロンプトからコマンド LANCP を入力してユーティリティを起動し,LANCP コマンドを入力できるようになる。

LANCP コマンドを入力する場合には,次の点に注意する。

  • コマンド修飾子を指定しなければ,LANCP ユーティリティが LANCP プロンプトを表示するので,それに対してコマンドを入力できる。

  • コマンド修飾子を指定すると,LANCP ユーティリティはコマンドを実行した後に終了し,DCL コマンド・プロンプトが表示される。

 

LANCP> プロンプトに対して LANCP コマンドを入力できます。

LANCP ユーティリティについての情報を得るには,LANCP> プロンプトで HELP コマンドを入力します。

LANCP ユーティリティを終了するには,LANCP> プロンプトで EXIT コマンドを入力するか,Ctrl/Z を押します。

10.4.2 LANCP コマンド

表 10-6 「LANCP コマンド」 に,LANCP コマンドについての要約を示します。

表 10-6 LANCP コマンド

コマンド

機能

@ (実行プロシージャ)

コマンド・プロシージャを実行する。

CLEAR DEVICE

LAN 運用時デバイス・データベースからデバイス・データを削除する。

CLEAR DLL または MOPDLL

全ノードおよびデバイスで,MOP ダウンライン・ロード・カウンタをクリアする。

CLEAR NODE

LAN 運用時ノード・データベースからノードを削除する。

CONNECT NODE

MOP コンソール・キャリア・プロトコルを使用して管理インタフェースを インプリメントする,ターミナル・サーバなどの LAN デバイスに接続する。

CONVERT DEVICE_DATABASE

デバイス・データベースを LANCP で要求される現在の形式に変換する。

CONVERT NODE_DATABASE

ノード・データベースを LANCP で要求される現在の形式に変換する。

DEFINE DEVICE

デバイスを LAN パーマネント・デバイス・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。

DEFINE NODE

ノードを LAN パーマネント・ノード・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。

EXIT

LANCP の実行を終了し,制御を DCL コマンド・レベルに戻す。

HELP

LANCP ユーティリティに関するオンライン・ヘルプを提供する。

LIST DEVICE

LAN パーマネント・デバイス・データベースの情報を表示する。

LIST NODE

LAN パーマネント・ノード・データベースの情報を表示する。

PURGE DEVICE

デバイス・データを LAN パーマネント・デバイス・データベースから削除する。

PURGE NODE

ノードを LAN パーマネント・ノード・データベースから削除する。

SET ACP

LANACP LAN サーバ・プロセスの操作を変更する。

SET DEVICE

LAN 運用時デバイス・データベースとデバイス自体にあるデバイス特性を変更する。

SET NODE

ノードを LAN 運用時ノード・データベースに入力するか,既存のエントリを変更する。

SHOW ACP

現在設定されている LANCP オプションと LANACP オプションを表示する。

SHOW CONFIGURATION

システム上の LAN デバイスの一覧を表示する。

SHOW DEVICE

LAN 運用時デバイス・データベースの情報を表示する。

SHOW DLL または MOPDLL

MOP ダウンライン・ロード・サービスの現在の状態を表示する。

SHOW LOG

最近のダウンライン・ロード・アクティビティを表示する。

SHOW NODE

LAN 運用時ノード・データベースの情報を表示する。

SPAWN

現在のプロセスのサブプロセスを作成する。

TRIGGER NODE

遠隔ノードに対してリブート要求を出す。

UPDATE DEVICE

主にデバイスをリセットするために,デバイスをアップデートする。

 

LANCP コマンドと修飾子についての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。

10.4.3 LANCP のその他の機能

SPAWN コマンドを使用すると,現在のプロセスのサブプロセスを作成できます。 SPAWN コマンドは,サブプロセスのコンテキストを現在のプロセスからコピーします。 これにより,LANCP を一時的に終了しても,再開時に LANCP を再起動する必要はありません。

SPAWN コマンドの形式は次のとおりです。

SPAWN [コマンド文字列]

LANCP ユーティリティを設定して,LANCP 内でコマンド・ファイルからコマンドを実行できます。 LANCP ユーティリティは,コマンド・ファイルを頭に @ の付くファイル名として認識します。 省略時のファイル名の拡張子は .COM です。

10.5 LAN デバイスの管理

LAN デバイスの管理には,デバイスの特性の表示と,デバイス・パラメータの設定が含まれます。 LANCP ユーティリティを使用して,表 10-7 「LAN デバイス」 に示す LAN デバイスのタイプに対してパラメータを設定することができます。

表 10-7 LAN デバイス

LAN説明

イーサネット

媒体のタイプ (接続ケーブルのタイプ) および接続速度 (イーサネット,FastEthernet,またはギガビット・イーサネット) の選択を可能にする。

全二重動作 (同等のデバイス間またはデバイスとスイッチ間のポイント・ツー・ポイント動作) を可能にする。

FDDI

全二重動作を可能にする。 FDDI リング・パラメータの選択を可能にする。

トークン・リング

トークン・リング・パラメータの設定,およびソース・ルーティングと機能アドレス・マッピングの定義を可能にする。

全タイプ

受信バッファ数などの汎用パラメータの設定を可能にする。

ATM

Emulated LAN (ELAN) パラメータの設定を可能にする。

 

10.5.1 システム・デバイスの表示

システム上の LAN デバイスを表示するには,次の形式で SHOW CONFIGURATION コマンドを入力します。

SHOW CONFIGURATION

LANCP>SHOW CONFIGURATION/USERS
LAN Configuration:
Device Parent Medium/User Version Speed  Duplex Size MAC Address         Current Address   Type          
EWA0        CSMA/CD    X-37   1000  Full 1500 00-30-6E-F4-D0-E1 00-30-6E-F4-D0-E1 BCM5701
EIC0        CSMA/CD    X-43    100  Full 1500 00-50-8B-69-A5-E2 AA-00-04-00-CF-4C 82559
EIC2   60-03  DNA Routing                1498
EWB0        CSMA/CD    X-37    100  Full 1500 00-30-6E-F2-18-2D 00-30-6E-F2-18-2D BCM5703
EWC0        CSMA/CD    X-7   10000  Full 9000 00-0C-FC-00-02-7C 00-0C-FC-00-02-7C XFRAME
EWD0        CSMA/CD    X-37   1000  Full 1500 00-30-6E-4A-C5-B9 00-30-6E-4A-C5-B9 BCM5701

この例は,8 個の LAN アダプタがあり,そのうちの 1 個が実際に DECnet で使用されているノード上で SHOW CONFIGURATION コマンドを入力したときの出力を示します。

10.5.2 デバイス特性の表示

(運用時デバイス・データベース内の) LAN デバイス についての情報を表示するには,次の形式で SHOW DEVICE コマンドを入力します。

SHOW DEVICE デバイス名 [/修飾子,...]

表 10-8 「SHOW DEVICE コマンド修飾子」 に,SHOW DEVICE コマンドの修飾子を簡単に説明します。

注意:

修飾子を指定しなければ,ユーティリティは情報を追加せずに一致するデバイスを表示します。

表 10-8 SHOW DEVICE コマンド修飾子

修飾子

説明

/ALL

デバイス名が一致するすべてのデバイスを表示する。

/CHARACTERISTICS または /PARAMETERS

デバイスについて状態と関連情報を表示する。

/COUNTERS

デバイス・カウンタを表示する。

/DLL または /MOPDLL

ダウンライン・ロード特性を表示する。

/INTERNAL_COUNTERS

内部カウンタを表示する。 省略時の設定では,ゼロ・カウンタは表示しない。 ゼロ・カウンタを含むすべてのカウンタを表示するには,追加の修飾子 /ZERO を使用する。 デバッグ・カウンタを表示するには,追加の修飾子 /DEBUG を使用する。

/MAP

トークン・リングの機能アドレス・マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。

/MESSAGES

LAN ドライバからのコンソール・メッセージを,LAN ドライバ内部カウンタの一部として表示する。

/OUTPUT=file-name

指定されたファイル名に出力する。

/REVISION

LAN ドライバとデバイスの現在のリビジョン情報を表示する (可能な場合)。

/SR_ENTRY

トークン・リングの現在のソース・ルーティング・キャッシュ・テーブルの内容を表示する。

/TRACE

LAN ドライバのトレース・データを表示する。

 

  1. LANCP> SHOW DEVICE/COUNTERS EXA0
    Device Counters EXA0:
                 Value  Counter
                 -----  -------
                259225  Seconds since last zeroed
               5890496  Data blocks received
               4801439  Multicast blocks received
                131074  Receive failure
             764348985  Bytes received
             543019961  Multicast bytes received
                     3  Data overrun
               1533610  Data blocks sent
                115568  Multicast packets transmitted
                122578  Blocks sent, multiple collisions
                 86000  Blocks sent, single collision
                189039  Blocks sent, initially deferred
             198120720  Bytes sent
              13232578  Multicast bytes transmitted
               7274529  Send failure
                     0  Collision detect check failure
                     0  Unrecognized frame destination
                     0  System buffer unavailable
                     0  User buffer unavailable

    この SHOW DEVICE コマンドは,イーサネット・デバイス EXA0 のカウンタを表示する。

  2. LANCP> SHOW DEVICE/MAP ICA0
    
    Multicast to Functional Address Mapping ICA0:
       Multicast address   Functional Address   Bit-Reversed
       -----------------   ------------------   ------------
       09-00-2B-00-00-04   03-00-00-00-02-00    C0:00:00:00:40:00
       09-00-2B-00-00-05   03-00-00-00-01-00    C0:00:00:00:80:00
       CF-00-00-00-00-00   03-00-00-08-00-00    C0:00:00:10:00:00
       AB-00-00-01-00-00   03-00-02-00-00-00    C0:00:40:00:00:00
       AB-00-00-02-00-00   03-00-04-00-00-00    C0:00:20:00:00:00
       AB-00-00-03-00-00   03-00-08-00-00-00    C0:00:10:00:00:00
       09-00-2B-02-00-00   03-00-08-00-00-00    C0:00:10:00:00:00
       09-00-2B-02-01-0A   03-00-08-00-00-00    C0:00:10:00:00:00
       AB-00-00-04-00-00   03-00-10-00-00-00    C0:00:08:00:00:00
       09-00-2B-02-01-0B   03-00-10-00-00-00    C0:00:08:00:00:00
       09-00-2B-00-00-07   03-00-20-00-00-00    C0:00:04:00:00:00
       09-00-2B-00-00-0F   03-00-40-00-00-00    C0:00:02:00:00:00
       09-00-2B-02-01-04   03-00-80-00-00-00    C0:00:01:00:00:00
       09-00-2B-02-01-07   03-00-00-02-00-00    C0:00:00:40:00:00
       09-00-2B-04-00-00   03-00-00-04-00-00    C0:00:00:20:00:00
       09-00-2B-02-01-00   03-00-00-00-08-00    C0:00:00:00:10:00
       09-00-2B-02-01-01   03-00-00-00-10-00    C0:00:00:00:08:00
       09-00-2B-02-01-02   03-00-00-00-20-00    C0:00:00:00:04:00
       03-00-00-00-00-01   03-00-00-00-00-01    C0:00:00:00:00:80
       03-00-02-00-00-00   03-00-02-00-00-00    C0:00:40:00:00:00

    この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス ICA0 のマッピング情報を表示する。

  3. LANCP> SHOW DEVICE/PARAM IRA0
    Device Parameters IRA0:
                 Value  Parameter
                 -----  ---------
                Normal  Controller mode
              External  Internal loopback mode
     00-00-93-58-5D-32  Hardware LAN address
            Token Ring  Communication medium
               Enabled  Functional address mode
                    No  Full duplex enable
                    No  Full duplex operational
                    16  Line speed (megabits/second)
               16 Mbps  Ring speed
                   STP  Line media
               Enabled  Early token release
              Disabled  Monitor contender
                   200  SR cache entries
                     2  SR discovery timer
                    60  SR Aging Timer
               Enabled  Source routing
                     3  Authorized access priority
     AA-00-04-00-92-FF  Upstream neighbor
                     0  Ring number

    この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス IRA0 の状態とパラメータ情報を表示する。

  4. LANCP> SHOW DEVICE/REVISION EWF0

    Device Revisions EWF0:
                      Value       Component
                    02000041  Device hardware revision
           08020110 00000004  Port driver revision
           08020172 00000001  LAN common routines revision
    

    この SHOW DEVICE コマンドは,イーサネット・デバイス EWF0 のりビジョン情報を表示する。

  5. LANCP> SHOW DEVICE/SR_ENTRY ICA0
    
    Source Routing Cache Table ICA0:
    
          LAN address      State    XmtTmo   RcvTmo  StaleTmo DiscvTmo
       -----------------   -----   -------- -------- -------- --------
    
       AA-00-04-00-92-FF   LOCAL   00000028 00000028 00000245 00000000
    

    この SHOW DEVICE コマンドは,トークン・リング・デバイス ICA0 のソース・ルーティング・エントリ情報を表示する。

10.5.3 デバイス特性の設定

LAN デバイスはすべて,パラメータの集まりで特徴付けられます。 パラメータは,デバイスが接続されている媒体の LAN デバイスの操作特性を定義します。

LAN デバイスのパラメータを直接設定するには,LANCP> プロンプトで SET DEVICE コマンドを入力します。 LANCP ユーティリティは,LANACP サーバ・プロセスにこのコマンドを発行し,LANACP サーバ・プロセスは適切な QIO を発行してデバイス特性を設定します。

SET DEVICE コマンドの形式は次のとおりです。

SET DEVICE デバイス名 [/修飾子]

以降の項では,一般的な LAN デバイスや,特定の LAN デバイスに直接適用される SET DEVICE コマンドの修飾子について説明します。 コマンドの修飾子は,以下のカテゴリに分類されます。

  • 汎用

  • イーサネット・デバイス

  • LAN フェイルオーバ・デバイス

  • FDDI デバイス

  • トークン・リング・デバイス

  • ATM デバイス

10.5.3.1 イーサネット・デバイスでの,DEFINE DEVICE コマンドおよび SET DEVICE コマンドの修飾子

この項で説明する修飾子は,イーサネット・デバイスで使用できます。

  • /[NO]AUTONEGOTIATE

    リンク設定を確認するための自動ネゴシエーションを有効または無効にします。 自動ネゴシエーションをサポートしていないスイッチまたはデバイスに接続する場合には,リンクの自動ネゴシエーションを無効にしておく必要があります。

  • /[NO]FLOW_CONTROL

    LAN デバイスのフロー制御を有効または無効にします。

  • /[NO]FULL_DUPLEX

    LAN デバイスの全二重動作を有効または無効にします。 この修飾子を使用して全二重動作をさせるためには,デバイスまたはネットワーク・ハードウェアの追加の設定が必要になる場合があります。 全二重動作を有効にできるデバイスもありますが,設定を変更できないデバイスもあります。 /NOFULL_DUPLEX 修飾子は,全二重動作を無効にします。

  • /[NO]JUMBO

    LAN デバイスでのジャンボ・フレームの使用を有効にします。 ギガビット・イーサネット NID だけが,ジャンボ・フレームをサポートしています。

  • /MEDIA=値

    ケーブル接続を選択します。 通常この選択は,デバイスの初期化の際に,ツイスト・ペアを選択する制限付きの自動検出アルゴリズムを使用して行われます。 しかし,ツイスト・ペアが機能していないと見なされた場合は,AUI (Attachment Unit Interface) にフェイルオーバします。 この後,ケーブルを変更するためには,システムをリブートする必要があります。 このコマンドを使用すると,リブートせずにケーブルの選択を変更することができます。

    使用できる値は,AUI (10Base2,10Base5),TWISTEDPAIR (10BaseT),AUTOSENSE (制限付きの自動検出アルゴリズムを再実行する) です。 省略時の値は,AUTOSENSE です。

    DE435 などの一部のデバイスでは,10Base2 と 10Base5 (シンワイヤとシックワイヤ) の間で切り替えるために,イーサネット・カードのジャンパを変更する必要があります。 DE434,DE436,および DE500 などのデバイスでは,ツイスト・ペア接続しか備えていません。

  • /SPEED=値

    LAN の速度を設定します。 使用できる値は,10,100,1000,または自動ネゴシエーション (イーサネットの場合は 10M ビット/秒,FastEthernet の場合は 100M ビット/秒,ギガビット・イーサネットの場合は 1000M ビット/秒を選択する) です。 自動ネゴシエーションを選択すると,LAN ドライバは自動ネゴシエーションを再実行します。

10.5.3.2 LAN フェイルオーバ・デバイスでの,DEFINE DEVICE コマンドおよび SET DEVICE コマンドの修飾子

ここで説明する修飾子は,LAN フェイルオーバ・デバイスで使用できます。 /PRIORITY を除き,修飾子はフェイルオーバ・セット内の LAN デバイスではなく,論理 LAN デバイス (LL) に適用されます。

  • /DISABLE

    LAN のフェイルオーバ・セットを使用不能にします。 使用不能にすると,LAN デバイスをフェイルオーバ・セットに追加したり,フェイルオーバ・セットから削除したりできます。

  • /ENABLE

    フェイルオーバ・セットを使用可能にし,論理 LAN デバイスを起動します。 LAN フェイルオーバ・ドライバは,LAN フェイルオーバ・セットから LAN デバイスをアクティブなデバイスとして選択してから,論理 LAN デバイスへの I/O を可能とします。

  • [NO]/FAILOVER_SET=(デバイス名[,...])

    追加または削除する LAN フェイルオーバ・セットのメンバを指定します。

  • /PRIORITY=値

    LAN デバイスのフェイルオーバ優先順位を設定します。 アクティブにする LAN デバイスを選択する際には,優先順位が最高の LAN フェイルオーバ・デバイスが優先的に選択されます。

  • /SIZE=値

    LAN フェイルオーバ・デバイスのパケット・サイズを設定します。 使用できる値は,STANDARD (省略時の値) または JUMBO です。

    • STANDARD は,最大のイーサネット・パケット・サイズである,1518 バイトです。

    • JUMBO は,ギガビット・イーサネット・デバイスで利用できる,大きなパケット・サイズです。 JUMBO が使用できるのは,LAN フェイルオーバ・セット内のすべての LAN デバイスがギガビット・デバイスである場合だけです。

    LAN フェイルオーバ・デバイスに指定されたサイズは,LAN フェイルオーバ・セットのメンバに設定されたサイズより優先されます。 つまり,LAN フェイルオーバ・デバイスによりサイズが決まった場合は,LAN デバイスの JUMBO フレーム設定は意味を持たなくなります。

  • /SWITCH (SET DEVICE のみ)

    LAN フェイルオーバ・セットの他のメンバへ,強制的に LAN をフェイルオーバさせます。 このコマンドを使用して,あるデバイスから他のデバイスへ切り替えることで,LAN のフェイルオーバ動作をテストできます。

10.5.3.3 FDDI デバイスでの,DEFINE DEVICE コマンドおよび SET DEVICE コマンドの修飾子

ここで説明する修飾子は,FDDI デバイスで使用できます。

  • /RING_PURGER

    FDDI デバイスのリングのパージ処理を有効にします。

  • /TOKEN_ROTATION

    FDDI リングに対して要求されたトークン・ローテーション時間を設定します。

  • /TOKEN_TIMEOUT

    FDDI リングに対して制限付きのトークン・タイムアウト時間を設定します。

  • /TRANSMIT_TIMEOUT

    FDDI デバイスに対して有効な転送時間を設定します。

10.5.3.4 トークン・リング・デバイスでの,DEFINE DEVICE コマンドおよび SET DEVICE コマンドの修飾子

ここで説明する修飾子は,トークン・リング・デバイスで使用できます。

  • /AGING_TIMER=値

    トークン・リングのソース・ルーティング・キャッシュ・エントリが無効とマークされるまでの時間を秒単位で設定します。 このタイマは,遠隔ノードとの送信または受信トラフィックがこの時間内になかったときに満了します。 省略時の値は,60 秒です。

    アイドル状態で,古い状態と既知の状態の間を行き来する場合は,この値を大きくしてください。 この値を小さくしすぎると,不要なエクスプローラ・トラフィックが LAN 上を流れる可能性があります。

  • /CACHE_ENTRIES=値

    トークン・リングのソース・ルーティング・アドレス・エントリのキャッシュ用に確保するエントリの数を設定します。 省略時の値は,200 エントリです。 多数のシステムと直接通信しているシステムでは,この値を大きくしてください。

  • /CONTENDER
    /NOCONTENDER (省略時の設定)

    トークン・リング・デバイスがリングに加わるときに,モニタ・コンテンション・プロセスに加わることを指定します。 /NOCONTENDER 修飾子は,このデバイスが現在のリング・サーバと競合しないように指定します。

  • /DISCOVERY_TIMER=value

    ソース・ルーティング・ルート検出プロセスを実行しているときに,遠隔ノードからの応答を待つ時間を秒数で設定します。 省略時の値は 2 秒です。

    大きな LAN で,応答が遅いノードが存在する場合は,LAN 上を流れるエクスプローラ・トラフィックの量を減らすために,この値を大きくしなければならないことがあります。

  • /EARLY (省略時の設定)
    /NOEARLY

    デバイス上で Early Token Release を有効にします。 /NOEARLY 修飾子は,Early Token Release を無効にします。

  • /MAP=(MULTICAST_ADDRESS=アドレス,FUNCTIONAL_ADDRESS=アドレス)
    /NOMAP=(MULTICAST_ADDRESS=アドレス)

    標準のマルチキャスト・アドレスを,機能アドレスにマッピングします。 トークン・リング・デバイスは,IEEE 802 標準の,グローバル定義グループ・アドレスはサポートしません。 トークン・リング・デバイスは,機能アドレスをサポートしません。 機能アドレスは,31 通りの値を使用できる,ローカル管理のグループ・アドレスです。 各機能アドレスは,アドレスの 3 バイト目から 6 バイト目までで 1 ビットを設定し,バイト 1 とバイト 2 は 03-00 です (ビット逆順形式では C0:00)。

    /NOMAP=(MULTICAST_ADDRESS=アドレス) 修飾子は,指定されたアドレスに設定されていたマッピングをクリアします。 機能アドレスは,次のように指定します。

    • MULTICAST_ADDRESS 引数には,標準の 6 バイト・マルチキャスト・アドレスを指定します。

    • FUNCTIONAL_ADDRESS 引数には,機能アドレスの最後の 4 バイトだけを指定します (先行する 03-00 のバイトは,自動的に付加されます)。

    • ハイフンで区切られた 16 進バイト文字として指定されたアドレス変数は,アドレスの標準形式です。 ビット逆順形式のアドレスを指定するには,区切り文字としてコロンを使用してください。 たとえば,マルチキャスト・アドレス CB-00-01-02-03-04 を,トークン・リング・デバイス IRA0 の機能アドレス 03-00-00-80-00-00 にマッピングするには,次のコマンドを入力します。

      $ SET DEVICE IRA0/MAP=(MULTI=CB-00-01-02-03-04,FUNCT=00:01:00:00)
      

    省略時のアドレス・マッピングについては,次の表を参照するか,コマンド SHOW DEVICE/MAP デバイス名を入力してください。

    表 10-9 トークン・リング・デバイスの,省略時の機能アドレス

    マルチキャスト・アドレス機能アドレス説明
    09-00-2B-02-01-0B03-00-10-00-00-00 DNA フェーズ IV プライム未知デスティネーション
    09-00-2B-00-00-0703-00-20-00-00-00PCSA NETBIOS エミュレーション
    09-00-2B-00-00-0F03-00-40-00-00-00LAT サービス通知
    09-00-2B-02-01-0403-00-80-00-00-00LAT サービス送信請求
    09-00-2B-02-01-0703-00-00-02-00-00LAT Xwindown サービス送信請求
    09-00-2B-04-00-0003-00-00-04-00-00LAST
    09-00-2B-02-01-0003-00-00-00-08-00DNA ネーム・サービス通知
    09-00-2B-02-01-0103-00-00-00-10-00DNA ネーム・サービス送信請求
    09-00-2B-02-01-0203-00-00-00-20-00DNA タイム・サービス
    03-00-00-00-00-0103-00-00-00-00-01NETBUI エミュレーション
    03-00-02-00-00-0003-00-02-00-00-00RIPL

     

  • /MEDIA=値

    ケーブル・タイプを自動的に検出しないデバイスについて,トークン・リング MAU (Media Access Unit) に,アダプタを接続するために使用されているケーブルのタイプを選択します。 使用できる値は,シールドなしツイスト・ペア (UTP),またはシールド付きツイスト・ペア (STP) です。 省略時の値は,STP です。

  • /SOURCE_ROUTING (省略時の設定)
    /NOSOURCE_ROUTING

    トークン・リング・デバイス上でのソース・ルーティングを有効にします。 LAN 内にリングが 1 つしかない場合や,透過的なブリッジを使用している場合は,/NOSOURCE_ROUTING 修飾子を使用してソース・ルーティングをオフにしてください。

  • /SPEED=値

    トークン・リング LAN の速度を設定します。 使用できる値は 4 と 16 で,それぞれ 4M ビット/秒と 16M ビット/秒を表します。 トークン・リングでの省略時の値は,LAN アダプタがこのパラメータを設定するための非揮発性の機構をサポートしている場合を除いて,16 です。

  • /SR_ENTRY=(LAN_ADDRESS=アドレス, RI=ルーティング情報)
    /NOSR_ENTRY=(LAN_ADDRESS=アドレス)

    特定のノードに対して,特定のソース経由のルートを静的に定義します。省略時の設定では,ルートは指定されていません。 このキャッシュは,使用中は有効になっており,エージング・タイマが満了するまで有効のままです。

    この修飾子は,大きな LAN トポロジーで通信上の障害を隔離するための最後の手段としてだけ使用してください。

    /NOSR_ENTRY=(LAN_ADDRESS=アドレス) 修飾子は,以前に定義された,静的ソース・ルーティングの経路をクリアします。 アドレスは,アドレスの標準形式で指定する 6 バイトの LAN アドレスです (ハイフンで区切られた 16 進のバイト文字として指定)。 区切り文字としてコロンを使用すると,ビット逆順形式のアドレスであることを示します。

    ルーティング情報は,一連の 2 バイトの 16 進文字 (各バイトはハイフンで区切る) として指定されるソース・ルーティング・フィールドです。 このフィールドは,2 バイトのルーティング制御フィールドの後に,ホップで使用されるリング番号とブリッジ番号をそれぞれ含んでいる 14 個までの 2 バイトのセグメント識別子を続けたものです。

10.5.3.5 修飾子 (ATM デバイス)

ここで説明する修飾子は,ATM (Asychronous Transfer Mode) デバイスで使用できます。

  • /ATMADDRESS=LES

    ATM のための LAN エミュレーション・サーバ (LES) アドレスを設定します。 通常このアドレスはユーザが指定するものではないため,特定のアドレスを指定したい場合にのみこの修飾子を使用します。 省略時の設定では,アドレスは LES の構成サーバでソフトウェアにより決定されます。

    /ATMADDRESS=LES 修飾子の構文は次のとおりです。

    SET DEVICE/ATMADDRESS=([NO]LES=ATM サーバ)

  • /ATMADDRESS=ARP

    ATM 上の Classical IP のためのアドレス解決プロトコル (ARP) サーバのアドレスを設定します。 ローカル・ホストが ARP サーバでない場合は,LIS を有効にするまではこの修飾子を指定する必要があります。

    /ATMADDRESS =ARP 修飾子の構文は次のとおりです。

    SET DEVICE/ATMADDRESS=(ARP=atm_arp_server)

  • /CLIP

    ATM (RFC1577) 上の Classical Internet Protocol (CLIP) を設定します。 CLIP 修飾子は,データ・リンク・レベルのデバイスを,論理 IP サブネット (LIS) のクライアントまたはサーバあるいはその両方としてインプリメントします。 これにより,IP プロトコルが,ATM ネットワーク上でイーサネット・フレームを送信できるようになります。 /CLIP=ENABLE コマンドを使用すると,システムが LIS に参加できるようになります。 /CLIP=DISABLE コマンドを使用すると,クライアントは論理 IP サブネットから離れます。

    LIS ではサーバが必要になりますが,サーバは 1 つのサブネットにつき 1 つだけです。 サブネット間の通信は,ルータ経由でのみ可能になります。 各 ATM アダプタには,クライアントが 1 つだけ存在します。

    標準のインターネット・ドット表記法を使用した /CLIP 修飾子の構文は,次のとおりです。

    SET DEVICE/CLIP=(ip_subnet-a.b.c.d,
    ip_address=a.b.c.c, parent=devnam, name="ipsubnet name", enable,disable, type=client | server)

    /CLIP の構文の意味を,表 10-10 「/CLIP の構文」 に示します。

    表 10-10 /CLIP の構文

    オプション意味
    ip_addressCLIP クライアントの IP アドレスを指定する。
    ip_subnetCLIP クライアントのサブネット・マスクを指定する。
    parent=devnam親デバイス名を指定する。
    name操作および診断メッセージで使用するための LIS の名前を指定する。
    type=clientclassical IP クライアントのみを起動する。 これが省略時の設定になる。
    type=serverclassical IP サーバを起動する。 各 LIS で使用できるサーバは 1 つだけで,サーバを先に起動する必要がある。
    type=(server,client)classical IP サーバとクライアントを起動する。

     

    /CLIP のキーワードとその意味を,表 10-11 「/CLIP のキーワード」 に示します。

    表 10-11 /CLIP のキーワード

    キーワード意味
    Enable論理 IP サブネットに参加する。
    Disableクライアントが論理 IP サブネットから離れるようにする。

     

  • /ELAN

    /ELAN 修飾子は,ENABLE と DISABLE のいずれかの値をとります。 キーワード STARTUP とともに /ELAN=ENABLE を指定すると,LANACP が開始するときに LAN エミュレーションがロードされます。 /ELAN=DISABLE では,ENABLE の場合と同じパラメータを使用できます。

    /ELAN 修飾子の構文は次のとおりです。

    DEFINE DEVICE/ELAN=(parent=parent device, name="ELAN NAME to join", size=1516 type=CSMACD Enable,Disable, description="description string,")

    /ELAN の構文の意味は,表 10-12 「/ELAN の構文」 のとおりです。

    表 10-12 /ELAN の構文

    オプション意味
    parentATM アダプタ・デバイスの名前。 たとえば,DAPCA の親デバイスは HWn0 (n はコントローラの番号) で,DGLTA の親デバイスは HCn0 (n はコントローラの番号)。
    name特定の ELAN に参加したい場合,オプションとして指定することができる。 省略時の設定は,null。
    size参加したい LAN の最大フレーム・サイズ。 有効なサイズは 1516 バイト,4544 バイト,9234 バイトのいずれか。 省略時の値は 1516。
    type現在 CSMACD のみがサポートされており,これが省略時の値。
    descriptionELAN に注釈をつけるために使用する。 表示のためだけに使用される。

     

    /ELAN のキーワードとその意味を,表 10-13 「/ELAN のキーワード」 に示します。

    表 10-13 /ELAN のキーワード

    キーワード意味
    Enable指定したエミュレートされた LAN で参加を開始する。 ドライバがロードされていない場合はロードする。
    Disableクライアントに,エミュレートされた LAN から離れさせる。

     

  • /PVC=(vci[,...])
    /[NO]PVC=(vci[,...])

    ATM 上の Classical IP クライアントが使用するパーマネント仮想サーキット (PVC) を設定する。 この修飾子は,オプション。

    PVC のリストは,CLIP クライアントで使用するために定義される。 このコマンドを使用した後で CLIP クライアントを有効にすること。 ATM スイッチでは,PVC は手動で設定する必要がある。

    vci は,使用する PVC の VCI (仮想サーキット ID) です。

  1. LANCP> SET DEVICE/CONTENDER/MEDIA=UTP/NOEARLY/SOURCE ICA0

    このコマンドで,モニタのコンテンション,UTP ケーブル・メディア,ソース・ルーティングが使用可能になり,トークン・リング・デバイス ICA0 の Early Token Release が使用不能になる。

  2. LANCP> SET DEVICE/MEDIA=TWIST EWB0

    このコマンドは,媒体のタイプを 2 番目の Tulip イーサネット・デバイスのツイストペアに設定する。

  3. LANCP> SET DEVICE/ALL/MIN_BUFFERS=12

    このコマンドは,全 LAN デバイスの受信バッファ数を 12 以上に設定する。

  4. LANCP> DEFINE DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCLUSIVE) 

    このコマンドは LAN デバイス EXA0 を定義して,排他的モードで LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可する。 KNOWNCLIENTSONLY および SIZE 特性の設定値は変更されない。 デバイス・エントリが LAN パーマネント・デバイス・データベースに現在存在しない場合には,この設定値が省略時の値に設定される。

  5. LANCP> DEFINE DEVICE/ALL/MOPDLL=NOEXCLUSIVE

    このコマンドは,LAN パーマネント・デバイス・データベースに定義されている全デバイスに対して,非排他的モードの LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを設定する。

  6. LANCP> SET DEVICE EXA0/MOPDLL=(ENABLE,NOEXCLUSIVE) 
    LANCP> SET DEVICE FXA0/MOPDLL=(ENABLE,EXCL,KNOWN) 

    このコマンドは次の状態の LANACP MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可する。

    • 非排他的モードの LAN デバイス EXA0

    • 既知のクライアントのみに対し,排他的モードの LAN デバイス FXA0

10.6 LAN デバイス・データベースの管理

LAN の運用時およびパーマネント・デバイス・データベースには,システムに存在する LAN デバイスごとに 1 つのエントリがあります。 LAN 運用時デバイス・データベースの各エントリは,デバイス情報および MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報を含みます。 LAN パーマネント・デバイス・データベースの各エントリに含まれるデバイス情報は,LANACP LAN サーバ・プロセスの起動時に運用時データベースを作成するのに使用されます。

通常,各データベースは同じデバイスを含んでいます。 ただし,パーマネント・データベースには,システムにまだ構成されていない,またはインストールされていないデバイスのエントリが含まれる場合があります。 LANACP LAN サーバ・プロセスは,運用時デバイス・データベースを管理します。 LANCP ユーティリティは,パーマネント・デバイス・データベースを管理します。 どちらのデータベースも LANCP ユーティリティ・コマンドで操作できますが,次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。

  • 特権ユーザは,各データベースに対するデバイス・エントリの追加と削除,MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可と禁止,LAN デバイスについての MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報のクリアを指定できる。

  • 非特権ユーザは,MOP ダウンライン・ロード状態およびカウンタ情報を表示できる。

以降の各項では,LAN パーマネント・デバイス・データベースおよび運用時デバイス・データベースへのデバイスの入力と削除の方法,および MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可と禁止の設定方法について説明します。

10.6.1 LAN デバイス・データベース内のデバイスの表示

LAN パーマネント・デバイス・データベースの情報を表示するには,LIST DEVICE コマンドを次の形式で入力します。

LIST DEVICE デバイス名 [/修飾子,...]

LAN 運用時デバイス・データベースの情報を表示するには,SHOW DEVICE コマンドを次の形式で入力します。

SHOW DEVICE デバイス名 [/修飾子,...]

表 10-14 「LIST DEVICE および SHOW DEVICE コマンド修飾子」 に,LIST DEVICE 修飾子と SHOW DEVICE 修飾子について簡単に説明します。

表 10-14 LIST DEVICE および SHOW DEVICE コマンド修飾子

修飾子

説明

/ALL

デバイス名が一致するすべてのデバイスをリスト,または表示します。

/CHARACTERISTICS または /PARAMETERS

デバイスについての状態および関連情報を表示する。

/COUNTERS[1]

デバイス・カウンタを表示する。

/DLL または /MOPDLL

ダウンライン・ロード特性をリスト,または表示します。

/MAP

トークン・リングの機能アドレス・マッピング・テーブルの現在の構成を表示する。

/OUTPUT=ファイル名

指定されたファイルを作成し,そのファイルに出力する。

/REVISION[1]

アダプタの現在のファームウェア・リビジョンを表示する (可能な場合)。

/SR_ENTRY

現在のトークン・リングのソース・ルーティング・キャッシュ・テーブルの内容を表示する。

[1] SHOW DEVICE のみ

 

注意:

修飾子を指定しなければ,一致するデバイスが追加情報を伴わずに表示されます。

10.6.2 LAN デバイス・データベースへのデバイスの入力

LAN パーマネント・デバイス・データベースにデバイスを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE DEVICE コマンドを入力します。

DEFINE DEVICE デバイス名 [/修飾子,...]

LAN 運用時デバイス・データベースにデバイスを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。

SET DEVICE デバイス名 [/修飾子,...]

10.6.3 LAN デバイス・データベースからのデバイス・データの削除

LAN パーマネント・デバイス・データベースからデバイス・データを削除するには,次の形式で PURGE DEVICE コマンドを入力します。

PURGE DEVICE デバイス名 [/修飾子]

削除するデータのタイプを選択する修飾子がない場合,デバイス・エントリ全体が削除されます。

表 10-15 「PURGE DEVICE 修飾子」 で,PURGE DEVICE 修飾子について簡単に説明します。

表 10-15 PURGE DEVICE 修飾子

修飾子説明

/ALL

LAN パーマネント・デバイス・データベースからすべての LAN デバイスのデータを削除する。 デバイス名を指定すると,一致する LAN デバイスがすべて選択される。 たとえば,E を指定するとすべてのイーサネット・デバイス,F を指定すると FDDI デバイス,I を指定するとトークン・リング・デバイス,EW を指定するとすべてのイーサネット PCI Tulip デバイスが選択される。

/CHARACTERISTICS または /PARAMETERS

速度,二重モード,およびその他のデバイス・パラメータなど,LAN デバイスのデバイス特性設定を削除する。

/DLL または /MOPDLL

LAN デバイス用の MOP ダウンライン・ロード設定を削除する。

/TRACE

LAN デバイスのドライバ・トレース設定を削除する。

 

  1. LANCP> PURGE DEVICE/ALL
    

    このコマンドは,LAN パーマネント・デバイス・データベースから全デバイスのデータを削除します。

10.7 LAN ノード・データベースの管理

LAN 運用時ノード・データベースおよびパーマネント・ノード・データベースには,定義された各 LAN ノードに対して 1 つのエントリがあります。 LAN 運用時ノード・データベースの各エントリは,ノード情報と MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報を含みます。 LAN パーマネント・ノード・データベースの各エントリに含まれるノード情報は,LANACP LAN サーバ・プロセスの開始時に,運用時データベースを作成するのに 使用されます。

通常,各データベースは同じノードを含んでいます。 LANACP LAN サーバ・プロセスは運用時ノード・データベースを管理します。 LANCP ユーティリティはパーマネント・ノード・データベースを管理します。 どちらのデータベースも LANCP ユーティリティ・コマンドで操作できます。 ただし次に示すように,操作できる内容はユーザ特権によって異なります。

  • 特権ユーザは,各データベースに対するノード・エントリの追加と削除,LAN ノードについての MOP ダウンライン・ロード・カウンタ情報のクリアを指定できる。

  • 非特権ユーザは,ノード情報に加えて,MOP ダウンライン・ロード状態とカウンタ情報を表示できる。

以降の各項では,LAN パーマネント・ノード・データベースおよび運用時ノード・データベースへのノードの入力と削除の方法について説明します。

10.7.1 LAN ノード・データベース内のノードの表示

LAN パーマネント・ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で LIST NODE コマンドを入力します。

LIST NODE ノード名 [/ALL]

LAN 運用時ノード・データベースの情報を表示するには,次の形式で SHOW NODE コマンドを入力します。

SHOW NODE ノード名 [/ALL]

LIST NODE コマンドと SHOW NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると,LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全ノードの情報が表示されます。

10.7.2 LAN ノード・データベースへのノードの入力

LAN パーマネント・ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で DEFINE NODE コマンドを入力します。

DEFINE NODE ノード名 [/修飾子,...]

LAN 運用時ノード・データベースにノードを入力したり,既存のエントリを変更するには,次の形式で SET NODE コマンドを入力します。

SET NODE ノード名 [/修飾子,...]

表 10-16 「DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子」 で,DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。

表 10-16 DEFINE NODE および SET NODE コマンド修飾子

修飾子

説明

/ADDRESS=ノード・アドレス

LAN アドレスをノード名に対応付ける。

/ALL

LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの 全ノードに対してデータを定義する。

/BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE| ALPHA_SATELLITE|OTHER

ダウンライン・ロード要求に必要な処理のタイプを指定する。

/FILE=ファイル指定

ダウンライン・ロード要求にファイル名が含まれない場合,提供するファイル名を指定する。

/PERMANENT_DATABASE (SET コマンドのみ)

LAN 運用時ノード・データベース内のノード・エントリを,パーマネント・データベースに現在設定されているデータで更新する。

/ROOT=ディレクトリ指定

ファイル名に関連するディレクトリ指定を指定する。

/SIZE=

各ダウンライン・ロード・メッセージのファイル・データ部分のサイズを バイト数で指定する。

/V3

このノードからの MOP バージョン 3 のブート要求に限って応答することを,サーバに対して設定する。

/VOLATILE_DATABASE (DEFINE NODE コマンドのみ)

LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード・エントリを,運用時データベースに現在設定されているデータで更新する。

 

  1. DEFINE NODE GALAXY/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 -
                      /FILE=NISCS_LOAD.EXE -
                      /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> -
                      /BOOT_TYPE=VAX_SATELLITE

    このコマンドは,LAN パーマネント・ノード・データベース内のノード GALAXY を,OpenVMS Cluster システムの VAX サテライトとしてブートすることを設定する。

    NISCS_LOAD.EXE ファイルは実際には $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSLIB>にある。 <SYSCOMMON.SYSLIB> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。

  2. DEFINE NODE ZAPNOT/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 -
                      /FILE=APB.EXE -
                      /ROOT=$64$DIA14:<SYS10.> -
                      /BOOT_TYPE=ALPHA_SATELLITE

    このコマンドは,ノード ZAPNOT を OpenVMS Cluster システムの Alpha サテライトとしてブートすることを設定する。

    APB.EXE ファイルは実際には $64$DIA14:<SYS10.SYSCOMMON.SYSEXE>にある。 <SYSCOMMON.SYSEXE> は LANACP LAN サーバ・プロセスによって提供され,ルート定義には含まれない。

  3. SET NODE CALPAL/ADDRESS=08-00-2B-11-22-33 -
                  /FILE=APB_061.EXE

    このコマンドは,ノード CALPAL を,InfoServer イメージのブート用に設定する。 また,ノード CALPAL から受信したロード要求にファイル名がない場合,ロードされるファイルを定義する。

    ファイルにディレクトリ指定が含まれないため,論理名 LAN$DLL でファイルの位置が定義される。 ファイル名の使用,または /ROOT 修飾子の使用によって,ディレクトリ指定を指定することができる。

    ブート・コマンドの中で明示的にファイル名を指定すると,ノード・データベース・エントリに指定されるファイル名が上書きされることに注意。

10.7.3 LAN ノード・データベースからのノードの削除

LAN パーマネント・ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で PURGE NODE コマンドを入力します。

PURGE NODE ノード名 [/ALL]

LAN 運用時ノード・データベースからノードを削除するには,次の形式で CLEAR NODE コマンドを入力します。

CLEAR NODE ノード名 [/ALL]

PURGE NODE コマンドと CLEAR NODE コマンドの場合,/ALL 修飾子を指定すると,LAN パーマネント・ノード・データベースまたは運用時ノード・データベースの全 LAN ノードを削除します。

10.8 LAN MOP

LANCP および LANACP では,数多くのユーティリティとスタートアップ・コマンド・ファイルを備えており,MOP ダウンライン・ロード・サービスに必要な機能を実現します。 これらのユーティリティとファイルは,クラスタ・サテライト,ターミナル・サーバ,コンソール更新イメージやシステム・ソフトウェア更新イメージ (Inforserver ロードの場合) などの,特殊イメージのダウンライン・ロードを求めるシステムをロードします。

10.8.1 DECnet MOP との共存

LAN MOP 環境は,DECnet で提供される機能に類似した機能を実現します。 この結果,システム管理者は,DECnet MOP と LAN MOP のいずれかの機能を選択できます。 OpenVMS Cluster システムの場合,LAN MOP を選択すると,DECnet を使用せずにクラスタを操作することができます。

LAN MOP は,次の状態で DECnet MOP と共存できます。

  • 異なるシステム上で実行している。

    たとえば,DECnet MOP サービスが LAN 上のあるシステムで許可されており,LAN MOP は他のシステム上で許可されている状態がこれに相当する。

  • 同一システム上の異なる LAN デバイス上で実行している。

    たとえば,DECnet MOP サービスが,システム上で使用できる LAN デバイスの サブセット上で許可されており,残りのデバイス上の LAN MOP が許可されている状態がこれに相当する。

  • 同一システム上の同一 LAN デバイス上で実行しているが,異なるノード・セットをサービスの対象としている。

    たとえば,DECnet MOP と LAN MOP の両方が許可されているが,LAN MOP が対応するノードが限られている状態がこれに相当する。 これによって DECnet MOP は,残りのノードに対応できるようになる。

10.8.2 DECnet MOP から LAN MOP への移行

LAN MOP へ移行するには,次の手順を実行します。

  1. MOP ダウンライン・ロード・サービスを提供するノードを決定する。 これは DECnet のサービスを現在許可しているノードと同じでもかまわない。

  2. DCL プロンプトに対して次のコマンドを入力し,LAN パーマネント・デバイス・データベースを作成する。

    LANCP> DEFINE DEVICE/UPDATE

  3. 各クラスタ・サテライト・ノード,および DECnet ノード・データベース内で同様に定義されているその他のノードの,ノード定義を入力することによって,LAN パーマネント・ノード・データベースを作成する。 このデータは手操作で入力することも,コマンド・プロシージャ SYS$EXAMPLES:LAN$POPULATE.COM を実行し,表示される指示とヘルプに従って入力することもできる。

  4. 運用時データベース内で現在許可されている,各 DECnet サーキット上でのサービスを禁止する。

  5. LAN パーマネント・デバイス・データベース内の,使用する LAN デバイスごとに,DCL プロンプトに対して次のコマンドを入力することによって,各 LAN デバイス上でのサービスを許可する。

    LANCP> DEFINE DEVICE デバイス名/MOPDLL=ENABLE
    
  6. 高性能が求められる場合は,1482 バイトのデータ・サイズを選択し,ロード要求がいくつか失敗した場合に限ってこのサイズを小さくする。 または,小さなデータ・サイズが必要なクライアントをロードするシステムを 1 つ設定し,他のクライアントをロードするシステムを別に設定する。

DECnet MOP に永久的に戻すには,次の手順に従ってください。

  1. 次を入力して,運用時データベース内の MOP サービスを禁止する。

    LANCP> SET DEVICE デバイス名/MOPDLL=DISABLE
    
  2. 次を入力して,LANCP のパーマネント・データベースにある MOP サービスを禁止する。

    LANCP> DEFINE DEVICE デバイス名/MOPDLL=DISABLE
    
  3. パーマネント・データベースと運用時データベースにあるそれぞれの DECnet サーキットに対して,サービスを再度許可する。

注意:

LAN MOP でのブート時に追加したノードは,ダウンライン・ロードのターゲットとして DECnet ノード・データベースには入力されず,DECnet MOP に戻った時に更新する必要があります。

10.8.3 CLUSTER_CONFIG_LAN.COM と LAN MOP

サテライトの LAN MOP ブートを行う上で,LANCP を簡単に使用できることを目的として,クラスタ管理コマンド・プロシージャが提供されています。 このコマンド・プロシージャが CLUSTER_CONFIG_LAN.COM で,SYS$MANAGER 内にあり,OpenVMS Cluster システムの構成および再構成を行うためにクラスタ管理者が使用する CLUSTER_CONFIG.COM と,全く同じ目的を持ちます。 この 2 つのプロシージャは同じ機能を実行しますが,CLUSTER_CONFIG.COM がダウンライン・ロードに DECnet MOP を使用するのに対して,CLUSTER_CONFIG_LAN.COM は LAN MOP を使用して,DECnet を使用しません。 このため,新たなノードを追加した場合,CLUSTER_CONFIG_LAN.COM がノードの DECnet ノード名とアドレスを求めることはありません。 代わりに,SCS ノード名と SCS ノード ID 番号を求めます。

便宜上,CLUSTER_CONFIG.COM をこれまで通り実行することもできます。 CLUSTER_CONFIG.COM を実行すると,LANACP の MOP ブートが実行されているかどうかをチェックします。 また,DECnet が実行されているかどうかについてもチェックします。 LANACP が実行されていて,DECnet が実行されていない場合,CLUSTER_CONFIG.COM は CLUSTER_CONFIG_LAN.COM にディスパッチします。 また,CLUSTER_CONFIG.COM が,LANACP と DECnet の両方とも実行されていることを検出すると,LAN MOP が使用されているかどうか,および CLUSTER_CONFIG_LAN.COM をユーザに対して呼び出すかどうかについて,ユーザに問い合わせてきます。

10.8.4 サテライト・ロードのサンプル

MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可し,ノード ZAPNOT を定義するための,LANCP ユーティリティに対するコマンドの実行方法を次に示します。

set acp/opcom
set device eza0/mopdll=enable
set node ZAPNOT/addr=08-00-2B-33-FB-F2/file=APB.EXE-
             /root=$64$DIA24:<SYS11.>/boot=Alpha

次に,LANACP LAN サーバ・プロセスを起動したときに表示されるOPCOM メッセージ を示します。

%%%%%%%%%%%  OPCOM  10-JAN-2001 06:47:35.18  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on GALAXY
LANACP MOP Downline Load Service
Found LAN device EZA0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1C

%%%%%%%%%%%  OPCOM  10-JAN-2001 06:47:35.25  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on GALAXY
LANACP MOP Downline Load Service
Found LAN device EZB0, hardware address 08-00-2B-30-8D-1D

%%%%%%%%%%%  OPCOM  10-JAN-2001 06:47:54.80  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on GALAXY
LANACP MOP V3 Downline Load Service
Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT
Requested file:  $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE

%%%%%%%%%%%  OPCOM  10-JAN-2001 06:48:02.38  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on GALAXY
LANACP MOP V3 Downline Load Service
Load succeeded for ZAPNOT on EZA0
System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE (Alpha image)

LAN$ACP.LOG ファイルの内容を次に示します。

10-JAN-2001 06:47:35.02  Found LAN device EZA0, hardware address
08-00-2B-30-8D-1C
10-JAN-2001 06:47:35.18  Found LAN device EZB0, hardware address
08-00-2B-30-8D-1D
10-JAN-2001 06:47:35.25  LANACP initialization complete
10-JAN-2001 06:47:45.39  Enabled LAN device EZA0 for MOP downline load service in
exclusive mode
10-JAN-2001 06:47:54.70  Volunteered to load request on EZA0 from ZAPNOT
    Requested file:  $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE
10-JAN-2001 06:48:02.23  Load succeeded for ZAPNOT on EZA0
    MOP V3 format, System image, $64$DIA24:<SYS11.>[SYSCOMMON.SYSEXE]APB.EXE
    Packets:  2063 sent, 2063 received
    Bytes:    519416 sent, 4126 received, 507038 loaded
    Elapsed time:  00:00:07.42, 68276 bytes/second

10.8.5 クロス・アーキテクチャ・ブート

LAN の機能拡張によって,OpenVMS Cluster システム内でのクロス・アーキテクチャ・ブートが可能になりました。 VAX ブート・ノードは,Alpha サテライトに対してブート・サービスを提供することができ,Alpha ブート・ノードは VAX サテライトに対してブート・サービスを提供することができます。 なお,各アーキテクチャとも,インストールおよび更新に使用するシステム・ディスクを持つ必要があることに注意してください。

10.9 LAN MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理

LANACP LAN サーバ・プロセスは,LAN 運用時ノード・データベースおよびデバイス・データベースを保守します。 LANCP ユーティリティには,次の機能を持つコマンドが用意されています。

  • MOP ダウンライン・ロード状態およびカウンタ情報を表示する。

  • カウンタ情報をクリアする。

  • OPCOM メッセージおよびパケット・トレースを許可または禁止する。

カウンタおよび状態情報は,ノードおよびデバイスごとに保守されます。 カウンタ情報には,送受信されたバイトおよびパケット数,送信エラー,プロトコル違反やタイムアウトなどの論理エラー,ロード要求数が含まれます。 状態情報には,最終ロード時刻および最終ロード状態が含まれます。

10.9.1 MOP ダウンライン・ロード・サービスの許可

MOP ダウンライン・ロード・サービスを許可するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。

SET DEVICE デバイス名/DLL=ENABLE

このコマンドでは,デバイス名パラメータで LAN コントローラのデバイス名を指定します。

このコマンドについての詳細は,10.6.2 項 「LAN デバイス・データベースへのデバイスの入力」 を参照してください。

10.9.2 MOP ダウンライン・ロード・サービスの禁止

MOP ダウンライン・ロード・サービスを禁止するには,次の形式で SET DEVICE コマンドを入力します。

SET DEVICE デバイス名/DLL=DISABLE

このコマンドでは,デバイス名パラメータで LAN コントローラのデバイス名を指定します。

このコマンドについての詳細は,10.6.2 項 「LAN デバイス・データベースへのデバイスの入力」を参照してください。

10.9.3 状態データとカウンタ・データの表示

MOP ダウンライン・ロード状態を表示するには,次の形式で SHOW DLL コマンドを入力します。

SHOW DLL

次の例は,特定のノードについてのカウンタ情報を示しています。

LAN MOP DLL Status:
   EXA enabled in exclusive mode for known nodes only, data size 1482 bytes
   FXA disabled

       #Loads   Packets        Bytes     Last load time       Last loaded
       ------   -------        -----  --------------------  -----------------
   EXA      5      1675      4400620  10-JAN-2004 10:27.51  GALAXY
   FXA      0         0            0       

このノードには EXA (DEMNA) および FXA (DEMFA) という 2 つの LAN デバイスがあります。 MOP ダウンライン・ロード・サービスは,EXA 上で排他的モードで許可されます。

LANACP ノード・データベースで定義されているノードに限って,要求が応答されます。 ロード・メッセージ内のイメージ・データのサイズは 1482 バイトです。 5 つのダウンライン・ロードがあり,最後のダウンライン・ロードは,ノード GALAXY 上で 10:27 に起こりました。 最終的に,FXA に対してダウンライン・ロードは記録されません。 これは,ダウンライン・ロード・サービスが現在禁止されているためです。

LAN$ACP.LOG ファイルに記録されている最新のダウンライン・ロード処理を表示するには,次の形式で SHOW LOG コマンドを入力します。

SHOW LOG

10.9.4 個々のノードの状態とカウンタ・データの表示

LAN パーマネント・ノード・データベース内のノードについて,MOP ダウンライン・ロード情報を表示するには,次の形式で LIST NODE コマンドを入力します。

LIST NODE ノード名 [/修飾子,...]

LAN 運用時ノード・データベース内のノードについて,MOP ダウンライン・ロード状態とカウンタ情報を表示するには,次の形式で SHOW NODE コマンドを入力します。

SHOW NODE ノード名 [/修飾子,...]

表 10-17 「LIST NODE および SHOW NODE コマンド修飾子」 に,LIST NODE および SHOW NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。

表 10-17 LIST NODE および SHOW NODE コマンド修飾子

修飾子

説明

/ALL

データベース内の全ノードについて情報を表示する。

/OUTPUT=ファイル名

指定されたファイルに対して,出力が行われることを指示する。 ファイル名拡張子が .com である場合,出力は,DEFINE NODE または SET NODE コマンドのリスト形式になる。 作成されたコマンド・ファイルは,LAN ノード・データベースを作成するのに 使用できる。

/TOTAL (SHOW NODE コマンドのみ)

カウンタ合計だけを表示する。

 

次の例は,3 つのノード (GALAXY,ZAPNOT,CALPAL) が定義されている ローカル・ノードで発行されたコマンドからの出力を示します。 CALPAL は 2 つのロード要求を出しています。

  • 最初の要求は,ローカル・ノードが自発的に受け入れた CALPAL からのマルチキャスト要求。

  • 2 番目の要求は,実際のロード・データについて,CALPAL がローカル・ノードに直接送信したロード要求。 2 番目のロード要求からロード完了までの経過時間は 6.65 秒。

Node Listing:

GALAXY (08-00-2B-2C-51-28):
  MOP DLL:  Load file:   APB.EXE
            Load root:   $64$DIA24:<SYS11.>
            Boot type:   Alpha satellite

ZAPNOT (08-00-2B-18-7E-33):
  MOP DLL:  Load file:   NISCS_LOAD.EXE
            Load root:   LAVC$SYSDEVICE:<SYS10.>
            Boot type:   VAX satellite

CALPAL (08-00-2B-08-9F-4C):
  MOP DLL:  Load file:   READ_ADDR.SYS
            Last file:   LAN$DLL:APB_X5WN.SYS
            Boot type:   Other
            2 loads requested, 1 volunteered
            1 succeeded, 0 failed
            Last request was for a system image, in MOP V4 format
            Last load initiated 10-jan-2001 09:11:17 on EXA0 for 00:00:06.65
            527665 bytes, 4161 packets, 0 transmit failures

Unnamed (00-00-00-00-00-00):

Totals:
  Requests received    2
  Requests volunteered 1
  Successful loads     1
  Failed loads         0
  Packets sent         2080
  Packets received     2081
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10.9.5 カウンタ・データのクリア

全ノードおよびデバイスで MOP ダウンライン・ロード・カウンタをクリアするには,次の形式で CLEAR DLL コマンドを入力します。

CLEAR DLL

10.9.6 OPCOM メッセージ

省略時の設定では,OPCOM メッセージが許可されています。 メッセージは,デバイス状態が変化したとき,ロード要求を受信したとき,およびロードが完了したとき,LANACP LAN サーバ・プロセスによって生成されます。 これらのメッセージは,オペレータのコンソールに表示され,LANACP によって作成されるログ・ファイル SYS$MANAGER:LAN$ACP.LOG に書き込まれます。

OPCOM メッセージを許可するには,次の形式で SET ACP/OPCOM コマンドを入力します。

SET ACP/OPCOM

10.9.7 ロード・トレース機能

ロード要求について LANACP LAN サーバ・プロセスが出力するエラー・データでは,ロードの失敗の理由が十分に判断できない場合,サーバ・プロセスに対して,トレース・データの記録を指示することができます。 データは,サーバによって行われる送受信ごとの,送受信パケット情報で構成され,ロードのたびにログ・ファイルに書き込まれます。 ログ・ファイル名は SYS$MANAGER:LAN$nodename.LOG です。 全パケット・データ,または各パケットの先頭の 32 バイトだけ,のいずれかを記録できます。

一般的なロードの流れを次に示します。

  1. Program Request メッセージを,Load Assistance Multicast Address 上で,要求ノードから受信する。 コード 8。

  2. Assistance Volunteer メッセージを要求ノードへ送信する。 コード 3。

  3. Program Request メッセージを,自分のノード・アドレス上で,要求ノードから受信する。 コード 8。

  4. Memory Load メッセージを,要求ノードへシーケンス番号ゼロで送信する。 コード 2。

  5. 次のシーケンス番号 (モジュロ 256) を要求する Request Memory Load メッセージを受信する。 コード 10 (10 進数)。

  6. 送信するデータがなくなるまで,ステップ 4 および 5 を繰り返す。

  7. Memory or Parameter Load with Transfer Address メッセージを送信する。 コード 0 または 20 (10 進数)。

  8. 最後のメッセージが受信されたことを示す次のシーケンス番号 (モジュロ 256) を要求する,最終 Request Memory Load メッセージを受信する。 コード 10 (10 進数)。

クラスタ・サテライト・ロードの場合,最後の Memory Load メッセージには,クラスタ・パラメータが含まれます。 このメッセージ,および最後の Load with Transfer Address メッセージは,部分的なトレース・エコーだけが許可されている場合であっても,すべて表示されます。

パケット・データの部分トレースを許可するには,次の形式で SET ACP/ECHO コマンドを入力します。

SET ACP/ECHO

パケット・データの完全トレースを許可するには,/FULL 修飾子を追加します。

SET ACP/ECHO/FULL

10.9.8 MOP コンソール・キャリア

コンソール・キャリアは,MOP コンソール・キャリア・プロトコルを使用して 管理インタフェースを実現している,ターミナル・サーバなどの LAN デバイスに接続するメカニズムを備えています。 LANCP ユーティリティは,この機能を CONNECT NODE コマンドの形式で提供します。

コマンド形式は次のとおりです。

CONNECT NODE ノード指定 [/修飾子,...]

表 10-18 「CONNECT NODE コマンド修飾子」 に,CONNECT NODE コマンド修飾子について,簡単に説明します。

表 10-18 CONNECT NODE コマンド修飾子

修飾子

説明

/DEVICE=デバイス名

接続に使用する LAN コントローラのデバイス名を指定する。

/DISCONNECT=切断文字

遠隔ノードとの接続終了に使用できる文字を指定する。

/PASSWORD=16 桁の 16 進数

接続を開始するときに使用されるパスワードを指定する。

/V3 または /V4

それぞれ MOP バージョン 3 またはバージョン 4 で書式化されたメッセージを使用して接続を行うように指定する。

 

  1. CONNECT NODE GALAXY/DEVICE=EWA0

    このコマンドは,イーサネットのデバイス EWA0 を使用して,ノード GALAXY へのコンソール・キャリア接続を試みる。

  2. CONNECT NODE 08-00-2B-11-22-33/DEVICE=EWA0/PASSWORD=0123456789ABCDEF

    このコマンドは,イーサネット・デバイス EWA0 を使用し,パスワードを指定して,任意のノード・アドレスへのコンソール・キャリア接続を試みる。

10.9.9 MOP トリガ・ブート

システムによっては,MOP 遠隔ブート要求を認識して,応答します。 これらのシステムは通常,不要なブート要求によってシステムのリブートが起動されるのを防ぐために,パスワードまたは他のメカニズムを必要とします。 LANCP ユーティリティは,この機能を TRIGGER NODE コマンドの形式で実現しています。

LAN システムのリブートを要求するには,次の形式で TRIGGER NODE コマンドを入力します。

TRIGGER NODE ノード指定 [/修飾子,...]

表 10-19 「TRIGGER NODE コマンド修飾子」 に,TRIGGER NODE コマンド修飾子について簡単に説明します。

表 10-19 TRIGGER NODE コマンド修飾子

修飾子

定義

/DEVICE=デバイス名

ブート・メッセージを送信するのに使用する LAN コントローラのデバイス名を指定する。

/PASSWORD=16 桁の 16 進数

接続を開始するときに使用されるパスワードを指定する。

 

MOP バージョン 3 または 4 を送信するための形式の指定に代わって,LANCP ユーティリティは,ターゲット・ノードに対して,各形式でメッセージを 1 つ送信します。

次の例は,TRIGGER NODE コマンドの使い方を示しています。

  1. TRIGGER NODE GALAXY/DEVICE=EWA0

    このコマンドは,イーサネット・デバイス EWA0 を使用して,ノード GALAXY に対して,MOP トリガ・ブート・メッセージを送信します。

  2. TRIGGER NODE 08-00-2B-11-22-33/DEVICE=EWA0/PASSWORD=0123456789ABCDEF

    このコマンドは,イーサネット・デバイス EWA0 を使用し,パスワードを指定して,指定ノード・アドレスに対して,MOP トリガ・ブート・メッセージを送信します。

10.10 LAN フェイルオーバについて

LAN フェイルオーバは,システムを LAN デバイスの障害から保護するメカニズムです。 LAN フェイルオーバでは,複数の LAN デバイスを,LAN フェイルオーバ・セットという 1 つの仮想インタフェースに統合することによって,この保護を実現します。

フェイルオーバ・セットは,1 個のアクティブな LAN デバイスと,いくつかのアクティブでない LAN デバイスからなります。 アクティブなアダプタに障害が発生すると,送受信動作は,自動的および透過的に,アクティブでないデバイスのいずれかに移されます。 LAN デバイスが 1 個だけのフェイルオーバ・セットを作成することもできますが,そのセットにデバイスが追加されるまでは,フェイルオーバは発生しません。

ソフトウェア: 論理 LAN ドライバ

論理 LAN ドライバ SYS$LLDRIVER.EXE は,LAN フェイルオーバ・セットの動作を管理し,アクティブな LAN デバイス・ドライバへ I/O 要求を導くことによって,LAN フェイルオーバを実現します。 アクティブな LAN デバイスに障害が発生すると,LLDRIVER は,LAN デバイスに割り当てられている優先順位とリンクの状態に従って選択した,他の LAN デバイスに切り替えます。

ハードウェア: 論理 LAN デバイス

論理 LAN デバイス LLc0 は,LAN フェールオーバ・セットごとに作成されます (c は,論理 LAN デバイスを一意に識別するための,ユーザ定義のアルファベットです)。 このデバイスは,擬似 LAN デバイス,つまり仮想 LAN デバイスです。 アプリケーションは,I/O 要求を,論理 LAN デバイスに送ります。 論理 LAN ドライバは,これらの要求を,アクティブな LAN デバイスに導きます。

ソフトウェア - LAN フェイルオーバ管理

システム管理者は,LANCP ユーティリティと LANACP ユーティリティを使用して,LAN フェイルオーバ・セットを定義し作成します。 LAN フェイルオーバ・セットのコンテキストは,パーマネント LAN デバイス・データベースで管理されます。 システムの起動時,LANACP が再起動されると,LANACP はパーマネント・デバイス・データベースを読み取り,このデータベース内に記述されている LAN フェイルオーバ・セットの設定を行います。

システム稼働中は,フェイルオーバの状態と構成データを参照することができます。 また,パーマネント・デバイス・データベースと,運用デバイス・データベース内で管理されている現在のインスタンスの両方で,フェイルオーバ・セットの特性を変更することができます。

ネットワークの構成とハードウェアの要件

LAN のフェイルオーバでは,フェイルオーバ・セット内の LAN デバイスが,同じ拡張 LAN に存在する必要があります。 この要件により,任意のノード間の LAN 通信を,フェイルオーバ・イベントの発生後も継続できます。

LAN フェイルオーバをサポートする LAN デバイスは,Alpha システム用としては DE500-BA,DE504-BA,DE600,およびその改良版,I64 システム用としては Intel 82559,A5230A,および A5506B,Alpha システムと I64 システム用としてはすべてのギガビット・デバイスがあります。 AlphaServer DS25 の内蔵 Intel 82559 チップも,同様にサポートしています。

ネットワーク接続障害の検出

一般的に,LAN デバイスはネットワーク・スイッチに接続されます。 この接続の状態は,「リンク・アップ」または「リンク・ダウン」と表現されます。 「リンク・アップ」状態とは,LAN デバイスからスイッチへの有効な接続があり,LAN デバイスとスイッチの間でネットワーク・データを転送できる状態です。 「リンク・ダウン」状態とは,ケーブル障害や切断,または接続の片側に障害が発生しているために,有効な接続がない状態です。 スイッチの電源を切るかリセットすると,スイッチが再度動作状態になるまで,リンクは「ダウン」状態になります。 LAN デバイスがリセットされると,LAN ドライバがリセットを完了し,LAN デバイスが再初期化されるまで,リンクは「ダウン」状態になります。

LAN フェイルオーバは,LAN デバイスの障害,デバイスとスイッチを接続しているケーブルの障害,およびスイッチの障害からの保護を行います。 LAN フェイルオーバは,スイッチを越えた場所での障害,つまり,フェイルオーバ・セット内の LAN デバイスからは見えない部分の LAN 障害からの保護は行いません。

フェイルオーバ・セット内の各 LAN デバイスは,リンクの状態を監視し,LLDRIVER にそのリンクの状態を報告します。 LLDRIVER はリンクの状態を追跡し,アクティブな LAN デバイスが「リンク・ダウン」状態を報告したときに,フェイルオーバを実行します。

LAN フェイルオーバの制限

LAN フェイルオーバには,次の制限があります。

  • LAN フェイルオーバは,クラスタ・サテライトではサポートされません。

  • ポイント・ツー・ポイント接続はサポートされません。 他の LAN デバイスを含むポイント・ツー・ポイント構成では,LLDRIVER は,障害発生後,次のアクティブなデバイスとして同じポイント・ツー・ポイント・デバイスが選択されることは保証できません。 LAN デバイスが 2 個だけの構成でも,リンク状態のタイミングは変わりやすいため,期待どおりのフェイルオーバ・セット動作をすることは保証できません。

  • LAN デバイスやスイッチへの接続の範囲外で発生した障害は,検出できません。

  • ジャンボ・フレームが有効になっている場合は,フェイルオーバ・セット内のすべての LAN デバイスはジャンボ・フレームをサポートしていなければならず,ネットワークのインフラストラクチャも,それに合わせて設定されていなければなりません。 たとえば,ある LAN デバイスから他のノードへのパスがジャンボ・フレームをサポートしている場合,フェイルオーバ・セット内の他のすべての LAN デバイスから同じノードへのパスも,ジャンボ・フレームをサポートしていなければなりません。

LAN フェイルオーバの管理

LAN の運用時デバイス・データベースおよびパーマネント・デバイス・データベースには,システム上に存在する各 LAN デバイスのエントリが 1 つ含まれています。 論理 LAN デバイス LLc は,システム管理者が LAN フェイルオーバ・セットを作成したときに,LANCP および LANACP を通してこれらのデータベースに追加されます。

LLc デバイスを LAN のパーマネント・デバイス・データベースに入れるか,既存のエントリを変更するには,次の構文で,LANCP コマンドの DEFINE DEVICE LLc を入力します。

DEFINE DEVICE LLc[/修飾子]

このコマンドで設定した内容は,以後のブート時に有効になります。 LLc デバイスを LAN の運用時デバイス・データベースに入れるか,既存のフェイルオーバ・セットを変更するには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE LLc を入力します。

SET DEVICE LLc[/qualifiers]

このコマンドで変更した内容は,すぐに有効になります。

LAN デバイスの優先順位は,論理 LAN デバイス上で管理されるのではなく,LAN デバイス上で個々に管理されます。

10.10.1 LAN フェイルオーバ・セットの作成

論理 LAN デバイスは,LAN フェイルオーバ・セットの作成時に作成されます。 LAN フェイルオーバ・セットを作成するには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE LLc を入力します。

SET DEVICE LLc/FAILOVER_SET=(デバイス名[,...])

このコマンドでは,デバイス名に,LAN 物理デバイス名を指定します。 例を次に示します。

LANCP> SET DEVICE LLA/FAILOVER_SET=(EWA,EIA,EWB)

指定した LAN デバイスを使用しているユーザがいる場合,このコマンドは失敗します。 LANCP コマンドの SHOW CONFIG/USERS を入力することで,アクティブなユーザを表示できます。 ユーザとは,アプリケーションがデバイスに割り当てたチャネルのことです。 1 つのアプリケーションで,複数のチャネルを割り当てることができます。

また,LANCP コマンドの DEFINE DEVICE を使用して,LAN パーマネント・デバイス・データベース内にフェイルオーバ・セットを設定することもできます。 システムのブートの際,ユーザ (アプリケーション) が起動される前に,フェイルオーバ・セットが初期化されます。 LANACP は,停止して再起動されると,LAN パーマネント・デバイス・データベース内に定義されているフェイルオーバ・セットを設定しようとします。 この場合,LANACP がフェイルオーバ・セットの設定を正しく行えるように,既存のユーザを停止しなければなりません。

10.10.2 LAN フェイルオーバ・セットへの LAN デバイスの追加

追加の LAN デバイスを指定することで,既存のフェイルオーバ・セットに LAN デバイスを追加できます。 たとえば,上記のフェイルオーバ・セットに EWC を追加するには,次のコマンドを入力します。

LANCP> SET DEVICE LLA/FAILOVER_SET=EWC

10.10.3 LAN フェイルオーバ・セットからの LAN デバイスの削除

LAN フェイルオーバ・セットから LAN デバイスを削除するには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE を入力します。

SET DEVICE LLc/NOFAILOVER_SET=(device_name[,...])

このコマンドでは,削除する LAN デバイス名を指定します。 例を次に示します。

LANCP> SET DEVICE LLA/NOFAILOVER_SET=EWB

指定したデバイスのいずれかがアクティブな LAN デバイスの場合,このコマンドは失敗します。

10.10.4 LAN フェイルオーバ・セットの有効化

LAN フェイルオーバ・セットを有効にすると,フェイルオーバ・セットがアクティブになります。 LLDRIVER は,優先順位とリンクの状態に応じて LAN デバイスのいずれかを選択し,ユーザから論理 LAN デバイスへの I/O を可能にします。

LAN フェイルオーバ・セットを有効にするには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE を入力します。

SET DEVICE LLc/ENABLE

10.10.5 LAN フェイルオーバ・セットの無効化

LAN フェイルオーバ・セットを無効化すると,論理 LAN デバイスが非アクティブになります。 論理 LAN デバイスが非アクティブになると,ユーザの I/O 要求は,エラー状態で完了します。 LAN フェイルオーバ・セットを無効化すると,LAN デバイスをフェイルオーバ・セットに追加したり,フェイルオーバ・セットから削除したりできます。

LAN デバイスは,アクティブなデバイスでない限り,有効状態の LAN フェイルオーバ・セットから削除できます。 LAN デバイスは,使用中のユーザがいない限り,追加することができます。

LAN フェイルオーバ・セットを無効にするには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE を入力します。

SET DEVICE LLc/DISABLE

論理 LAN デバイスを使用しているユーザがいる場合,このコマンドは失敗します。

10.10.6 LAN フェイルオーバ・デバイスの優先順位の設定

LAN フェイルオーバ・セットのアクティブな LAN デバイスを LLDRIVER が選択するときに,特定の物理 LAN デバイスを優先させるには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE/PRIORITY を入力します。

SET DEVICE デバイス名/PRIORITY=値

このコマンドでは,デバイス名に LAN デバイス名を指定し,値パラメータには整数を指定します。 例を次に示します。

LANCP> SET DEVICE EIA/PRIORITY=20

アクティブにするメンバを選択する際に,LLDRIVER は,優先順位が最も高く,「リンク・アップ」状態のデバイスを選択します。

10.10.7 LAN フェイルオーバ・セットのパケット・サイズの設定

LAN フェイルオーバ・セットの省略時の最大パケット・サイズは,標準のイーサネットの最大パケット・サイズである 1518 バイトです。 フェイルオーバ・セット内のすべての LAN デバイスがジャンボ・フレームをサポートしているときには,ジャンボ・フレームの使用を有効にして,標準のイーサネットの最大パケット・サイズまたはジャンボ・パケット・サイズを選択することができます。 この選択を行うには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE/SIZE を入力します。

SET DEVICE LLc/SIZE=STANDARD

SET DEVICE LLc/SIZE=JUMBO

LAN_FLAGS システム・パラメータは,通常,ギガビット LAN デバイス上でジャンボ・フレームの使用を有効にするために使用されます。 または,LANCP コマンドの SET DEVICE/[NO]JUMBO を使用すると,特定のデバイス上のジャンボ・フレームを有効または無効にできます。 論理 LAN デバイスのサイズ選択は,フェイルオーバ・セット内の LAN デバイスのジャンボ設定より優先されます。 フェイルオーバ・セットが無効状態のときに,設定を変更することができます。

10.10.8 LAN フェイルオーバの特性の表示

LAN フェイルオーバの状態を表示するには,次の構文で,LANCP コマンドの SHOW DEVICE LLc を入力します。

SHOW DEVICE LLc/CHARACTERISTICS

特定のノードの LAN フェイルオーバに固有の特性が表示されます。 例を次に示します。

Device Characteristics LLAO:


Value Characteristic
             .
             .
             .

          Disabled  Jumbo frames
         "EIA"      Failover device (active)
         "EWA"      Failover device
    Enabled/Active Logical LAN state
                 0  Failover priority

10.10.9 LAN フェイルオーバ・カウンタの表示

LLDRIVER は,論理 LAN デバイスからアクティブな LAN デバイスに,I/O 要求をリダイレクトします。 デバイス・カウンタやドライバ内部のカウンタを表示する LANCP コマンドは,アクテフィブな LAN デバイスにリダイレクトされます。

10.10.10 LAN フェイルオーバ・セットのチェック

LAN フェイルオーバ・セットに組み込まれたネットワーク・デバイスは,LAN フェイルオーバを正しく動作させるために,同じローカル・ネットワーク上で,物理的に冗長なパスを構成していなければなりません。 ネットワークは通常は安定しているため,LAN フェイルオーバ・セットのアクティブ・メンバは,頻繁には変わりません。 ただし,アクティブなメンバが切り替わるときには,アイドル NIC が適切にセットアップされている必要があります。

システム管理者は,LANCP の修飾子 /SWITCH を使用して LAN 障害をシミュレートすることにより,フェイルオーバ・セットの各メンバをチェックすることができます。 /SWITCH 修飾子は,アクティブなデバイス上のネットワーク障害をシミュレートします。 そして,フェイルオーバ・セットから他のデバイスを選択して,アクティブ・デバイスとします。

LAN 障害をシミュレートするには,次の構文で,LANCP コマンドの SET DEVICE LLc を入力します。

SET DEVICE LLc/SWITCH

10.10.11 LAN フェイルオーバの例

図 10-1 「LAN フェイルオーバ」 に,LAN フェイルオーバの例を示します。

図 10-1 LAN フェイルオーバ

LAN フェイルオーバ
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