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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)

第8章 OpenVMS Cluster の管理

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:システムパラメータの管理
第2章:ページファイル/スワップファイル/ダンプファイルの管理
第3章:性能の管理
第4章:ファイルシステムのデータキャッシュの管理
第5章:UETPによるシステムのテスト
第6章:システムに関する情報の入手
第7章:リソース使用状況の調査
第8章:クラスタの管理
第9章:ネットワーク
第10章:LANの管理
第11章:InfoServerの管理
第12章:LATの管理
第13章:特殊処理環境の管理
第14章:DECdtmサービスの管理
付録A:Files-11ディスク構造
付録B:時差係数表
付録C:タイムゾーン
用語集
索引
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この章では,OpenVMS Cluster 環境に関連する概念について説明します。 また,SHOW CLUSTER ユーティリティを使用してクラスタに関する情報を表示する方法,および SYSMAN ユーティリティを使用して OpenVMS Cluster環境を管理する方法を説明します。

この章の内容

この章では次の作業を説明します。

作業

参照箇所

SHOW CLUSTER コマンドの使用の開始

8.3.2 項 「SHOW CLUSTER コマンドの起動」

レポートへの情報の追加

8.3.3 項 「レポートへの情報の追加」

データの表示の制御

8.3.4 項 「表示データの制御」

データの表示の書式化

8.3.5 項 「表示データの書式化」

スタートアップ初期化ファイルの作成

8.3.6 項 「SHOW CLUSTER スタートアップ初期化ファイルの作成」

SHOW CLUSTER コマンドを含むコマンド・プロシージャの使用

8.3.7 項 「SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用」

SYSMAN による機密保護の管理

8.5 項 「システム管理ユーティリティ (SYSMAN) による機密保護の管理」

SYSMAN DO コマンドによる OpenVMS Cluster の管理

8.6 項 「SYSMAN DO コマンドによる OpenVMS Cluster の管理」

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

OpenVMS Cluster システムについて

8.1 項 「OpenVMS Cluster システムについて」

OpenVMS Cluster 環境の設定

8.1.1 項 「OpenVMS Cluster 環境の設定」

クラスタ全体のシステム管理

8.1.2 項 「クラスタ全体のシステム管理」

SHOW CLUSTER ユーティリティ

8.3.1 項 「SHOW CLUSTER ユーティリティについて」

SYSMAN および OpenVMS Cluster 管理について

8.4 項 「SYSMAN ユーティリティと OpenVMS Cluster 管理について」

8.1 OpenVMS Cluster システムについて

OpenVMS Cluster システムとは,2 台以上のコンピュータ,および記憶サブシステムを任意に組み合わせたシステム構成です。OpenVMS Cluster は,下記のシステム 2 台以上から構成されます。

  • VAX システム

  • Alpha システム

  • I64 システム

  • VAX システムと Alpha システム

  • Alpha システムと I64 システム

OpenVMS Cluster システムでは,システム資源のすべてまたは一部を共用しますが,ユーザからはクラスタ全体が単一のシステムに見えます。 コンピュータのグループがクラスタ全体の資源を共用すると,すべてのコンピュータが持つ記憶資源およびシステム資源が結合され,システムの処理能力,通信能力,および可用性を向上させることができます。

OpenVMS Cluster システムのどのノードからもアクセスあるいは使用できる資源 (ディスクやキューなど) を共用資源と呼びます。 データ・ファイル,アプリケーション・プログラム,およびプリンタは,それが物理的に存在するノードに関係なく,共用資源としてクラスタ上のどのユーザからもアクセスできる数少ないアイテムです。

ディスクが OpenVMS Cluster 環境内で共用資源として設定されていると,各ユーザはどのノードからログインしても同じ環境 (パスワード,特権,省略時のログイン・ディスクへのアクセス権など) を持つことになります。 ディスクの共用により,大容量記憶デバイスをより効率的に使用することができます。 これは,任意のデバイスの情報を複数のノードから利用できるので,必要とするそれぞれの場所に情報を書き込む必要がなくなるためです。 OpenVMS MSCP (大容量記憶制御プロトコル),または TMSCP (テープ大容量記憶制御プロトコル) を使用すると,直接記憶デバイスが接続されていないノードでも,サーバ・ソフトウェアによりテープを利用できるようになります。

プリント・キューおよびバッチ・キューも共用資源として設定することができます。 OpenVMS Cluster システムでプリント・キューおよびバッチ・キューを共用する場合,すべてのノードで使用されるキューが 1 つのキュー・データベースによって管理されます。 このキュー・データベースにより,どのノードからもキューを利用できます。 たとえば,ALBANY,BASEL,および CAIRO という 3 つのノードを持つクラスタ・システムで,各ノードが持つ資源が完全に共用されていれば,ALBANY というノードにログインしたユーザは,BASEL に物理的に存在するファイルを,CAIRO に物理的に接続されているプリンタに送信できます。 このとき,ユーザはこれらのファイルおよびプリンタが存在するノードを指定する必要はありません。 また,各資源の存在場所を知る必要もありません。

OpenVMS Cluster システムの計画

OpenVMS Cluster ではさまざまな構成が可能です。 サポートされているデバイスと構成についての詳細は,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』およびソフトウェア仕様書 (SPD) を参照してください。

ここでは,OpenVMS Cluster システムについて簡単に説明します。 OpenVMS Cluster 環境の設定方法と使用方法についての詳細は,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

8.1.1 OpenVMS Cluster 環境の設定

計画したシステム構成に基づいて必要なハードウェアをインストールし,各ハードウェアが適切に動作することが確認できたら,さまざまなシステム・ソフトウェア機能を使って OpenVMS Cluster システムを設定することができます。 クラスタを構築するための作業は次のとおりです。

作業内容

参照するドキュメント

第 1 の OpenVMS Cluster コンピュータ上でのオペレーティング・システムのインストールまたはアップグレード

使用するコンピュータのインストレーション・ガイドおよびオペレーション・ガイド

必要なソフトウェア・ライセンスのインストール

OpenVMS License Management Utility Manual

DECnet for OpenVMS ネットワークの構成と使用開始

DECnet for OpenVMS Networking Manual

TCP/IP Services の構成と使用開始

TCP/IP Services for OpenVMS インストレーション/コンフィギュレーション

クラスタ・オペレーティング環境を定義するファイルとディスク操作およびキュー動作を制御するファイルの準備

OpenVMS Cluster システム

クラスタへのコンピュータの追加

OpenVMS Cluster システム

これらの作業を行う順序は各作業環境のさまざまな要因,さらには同じ作業環境の各クラスタのさまざまな要因によって異なってきます。

8.1.2 クラスタ全体のシステム管理

システムがインストールされた後,システム管理者は,必要な機密保護を維持しながら最大の生産性と効率を得るために,ユーザおよび資源をどのように管理するかを検討する必要があります。 OpenVMS Cluster システムは,環境の条件に合うようにユーザと資源を配分できる柔軟性を備えています。 また,条件の変化に合わせて資源を容易に配分し直すことができます。 OpenVMS Cluster システムで利用できる資源の数が膨大であっても,それらを 1 つのシステムとして管理することができます。

クラスタを統合して管理するためのツールや製品が用意されています。

OpenVMS Cluster 管理用ツール

オペレーティング・システムには次のシステム管理用ユーティリティが用意されています。

ユーティリティ

説明

HP Availability Manager

同時に複数のノードからデータを収集および解析し,すべての出力を集中化した Windows PC または DECwindows に表示する (8.2 項 「HP OpenVMS Availability Manager によるデータの解析」および『HP OpenVMS Availability Manager User’s Guide』を参照してください。)

Monitor ユーティリティ (MONITOR)

基本性能データを提供する (6.7 項 「オペレーティング・システムの性能の監視」 を参照)。

SHOW CLUSTER ユーティリティ

OpenVMS Cluster システム内の動作を監視し,その動作の情報を収集してターミナルなどの出力デバイスに送信する (8.3 項 「SHOW CLUSTER ユーティリティの使用法」を参照)。

SYSMAN ユーティリティ

クラスタ内のノードの全部あるいは一部に共通の制御コマンドを送信する (8.6 項 「SYSMAN DO コマンドによる OpenVMS Cluster の管理」を参照)。

システム管理用アプリケーション

次の製品を利用することができます。 ただし,これらの製品は OpenVMS オペレーティング・システムに付属していません。

製品

説明

POLYCENTER Solutions

広範囲の操作管理製品。 複雑な分散環境の管理を補助する。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティについては,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』のインストールの章を参照。

Storage Library System (SLS) for VAX[17]
Archive Backup System (ABS)[18]

テープ,カートリッジ・テープ,および光ディスクを使用できるようにするソフトウェア・ツール・セット。

OpenVMS Cluster Console System (VCS)

OpenVMS Cluster システムのコンソール管理を 1 つのコンソール・ターミナル上で統合して行うシステム。

[17] VAX のみ

[18] Alpha および I64 のみ

上記のシステム管理ツールについての詳細は,それぞれの製品に関するドキュメントを参照してください。

8.2 HP OpenVMS Availability Manager によるデータの解析

Availability Manager は,リアルタイムの監視,診断,修正を行うツールであり,システム管理者が OpenVMS システムや OpenVMS Cluster の可用性を改善するのを支援します。 Availability Manager は,システム・プログラマやアナリストが,詳しい分析のために特定のノードやプロセスをターゲットにしたり,システム・オペレータやサービス技術者が,ハードウェアやソフトウェアの問題を解決するのに役立ちます。

Availability Manager は,複数のノードからシステム・データとプロセス・データを同時に収集して分析し,結果を Windows PC または DECwindows Motif ディスプレイに表示します。 Availability Manager は,収集したデータに基づいて,資源と拒否の問題を修正する措置を,リアルタイムで分析して検出し,提案します。

詳細は『HP OpenVMS Availability Manager User’s Guide』を参照してください。

8.3 SHOW CLUSTER ユーティリティの使用法

SHOW CLUSTER ユーティリティは,OpenVMS Cluster 内のノードを監視します。 このユーティリティにより,クラスタの動作と性能に関する情報を表示することができます。

この節では,SHOW CLUSTER ユーティリティを取り上げ,次の作業方法を示します。

作業

参照箇所

SHOW CLUSTER ユーティリティの起動

8.3.2 項 「SHOW CLUSTER コマンドの起動」

レポートへの情報の追加

8.3.3 項 「レポートへの情報の追加」

表示データの制御

8.3.4 項 「表示データの制御」

データの形式と表示

8.3.5 項 「表示データの書式化」

スタートアップ初期化ファイルの作成

8.3.6 項 「SHOW CLUSTER スタートアップ初期化ファイルの作成」

SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用

8.3.7 項 「SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用」

8.3.1 SHOW CLUSTER ユーティリティについて

SHOW CLUSTER からの情報は,ターミナルの画面に表示したり,デバイスまたはファイルに送信したりできます。 SHOW CLUSTER の使用方法としては,会話形式で実行する方法,コマンド・プロシージャに記述する方法,または省略時の設定を定義する初期化ファイルに記述する方法があります。 このユーティリティは CMKRNL 特権でインストールされるので,SHOW CLUSTER は通常の特権で実行できます。

SHOW CLUSTER が収集する情報は,およそ 100 フィールドにも及びます。 そこで,レポートの書式をカスタマイズしたり,出力内容を特に必要なデータに限定するようにレポートを定義することができます。

SHOW CLUSTER のレポートは,クラスとフィールドによって構成されます。

構成単位

説明

クラス

関連する 1 つ以上のフィールドを 1 つにまとめたもの。 クラス名を使って,そのクラスに属するフィールド全体をまとめてレポートに追加したりレポートから削除したりできる。 各クラスにはいくつかのフィールドが定義されている。 また,いくつかのクラスでは,新しいフィールドの追加あるいは既存のフィールドの削除を行うことができる。

フィールド

レポートの各欄に対応する。 複数のフィールドに対して同じ名前を付けることはできない。 フィールド名を使って,SHOW CLUSTER レポートにフィールドを追加したり,レポートからフィールドを削除したりできる。

各クラスのすべてのフィールドの名前と内容については,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SHOW CLUSTER の章を参照。

省略時の SHOW CLUSTER レポートに,フィールドおよびクラスを追加することができます。 連続表示の途中でフィールドまたはクラスを追加すると,追加したフィールドまたはクラスのデータは自動的に表示内容に追加されます。

図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 は,省略時の SHOW CLUSTER レポートの例です。 省略時のレポートには,SYSTEMS および MEMBERS の 2 つのクラスの情報が含まれます。 各クラス名の下には,各クラスの情報に対応するフィールドの欄が表示されます。

図 8-1 省略時の SHOW CLUSTER レポート

省略時の SHOW CLUSTER レポート

表 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポートに含まれるフィールド」 では,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 の各フィールドについて簡単に説明します。

表 8-1 省略時の SHOW CLUSTER レポートに含まれるフィールド

フィールド

説明

NODE

遠隔システムのノード名。 通常,ノード名は,クラスタの管理者が SYSGEN の SCSNODE パラメータによって,DECnet ノード名と同じ名前に設定する。

HW_TYPE

ハードウェアのタイプと遠隔システムのモデル。

SOFTWARE

遠隔システムで現在稼働しているオペレーティング・システムの名前とバージョン。

STATUS

クラスタ内のノードの状態。 このフィールドの値が MEMBER のとき,そのシステムはクラスタの構成メンバである。

 

SHOW CLUSTER レポートを使用していくうちに,レポートの中でどのフィールドやクラスが重要であるかが分かってきます。 そこで,スタートアップ初期化ファイルを作成して,省略時のレポート書式を定義することができます。 また,SHOW CLUSTER を会話形式で実行しながらコマンド・プロシージャを作成することができます。 このように,必要なデータを示すレポートを短い時間で定義することができます。 なお,スタートアップ初期化ファイルとコマンド・プロシージャについては,この章で後ほど説明します。

SHOW CLUSTER は多くのフィールドを出力するため,レポートはすぐに画面に表示しきれなくなります。 そこで,SHOW CLUSTER には次のような表示内容を制限する機能が備えられています。

  • 38 の SHOW CLUSTER コマンド

  • 省略時のキーパッド (再定義可能)

これらの機能についての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

8.3.2 SHOW CLUSTER コマンドの起動

SHOW CLUSTER ユーティリティを使用する場合は,SHOW CLUSTER コマンドを入力します。 修飾子を何も指定しないで実行すると,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 に示す省略時のレポートが表示された後,DCL プロンプトに戻ります。

一方,レポートを継続して表示しながら,途中で SHOW CLUSTER コマンドを入力して出力内容を変更することができます。 たとえば,表示中のレポートに特定のクラスやフィールドの情報を追加したり,レポートから削除することができます。 このような連続表示セッションを呼び出す場合は,SHOW CLUSTER コマンドに /CONTINUOUS 修飾子を指定して実行します。 なお,SHOW CLUSTER コマンドで使用する修飾子については,8.3.2.3 項 「SHOW CLUSTER での修飾子の使用」 で説明します。

作業方法

省略時の SHOW CLUSTER レポートを連続モードで表示する場合は,次のコマンドを入力します。

$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS

SHOW CLUSTER は省略時のレポートを表示します。 通常,表示内容は 15 秒ごとに更新され,前回から変更された部分は反転して表示されます。 連続表示セッションを呼び出すと,省略時のレポートが表示された後で次のプロンプトが表示されます。

Command>

レポートの内容が多くて 1 つの画面に収まらないときは,Command> プロンプトが見えなくなります。 その場合は Return キーを押すとプロンプトが表示されます。

次の項では,SHOW CLUSTER ユーティリティに関する次の作業の方法を説明します。

作業

参照箇所

画面に表示されていない情報の表示

8.3.2.1 項 「画面に表示されていない情報の表示」

連続表示セッションの終了

8.3.2.2 項 「連続表示セッションの終了」

SHOW CLUSTER での修飾子の使用

8.3.2.3 項 「SHOW CLUSTER での修飾子の使用」

8.3.2.1 画面に表示されていない情報の表示

PAN コマンドを使用すると,レポート全体をカラム単位で左右に移動したり,行単位で上下に移動して,表示されていない部分を見ることができます。

注意:

PAN コマンドで画面の下で見えていない部分を表示させると,レポートのヘッダが画面からなくなります。 ヘッダを画面に表示させたままレポートをスクロールするためには,SCROLL コマンドを使用します。 画面上に複数のレポートを表示している時に SCROLL コマンドを使用する場合には,スクロール対象のレポートを選択するという作業も必要になります。 SCROLL コマンドについては,8.3.5.4 項 「レポートのスクロール」 で説明します。

作業方法

画面に表示されていない部分を表示させるためには,次のいずれかの方法を用います。

  • Command> プロンプトに対して PAN コマンドを入力する。 たとえば,次のコマンド行を入力する。

    Command> PAN DOWN 10
    

    表示される部分が 10 行分下に移動する。

  • 矢印キーを PAN コマンドとして定義する。

    Command> SET FUNCTION PAN
    

    このコマンドにより,各矢印キーが次のようなコマンドとして定義される。

    矢印キー

    対応するコマンド

    PAN UP 1

    PAN DOWN 1

    PAN RIGHT 1

    PAN LEFT 1

    このような再定義を行うと,矢印キーを使ってレポートを上下左右に移動することができる。

    詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』のSET FUNCTION コマンドおよび PAN コマンドの説明を参照。

矢印キーの再設定

省略時の設定では,SHOW CLUSTER の矢印キーは EDIT 機能に設定されます。 したがって,コマンド・プロンプトでは,DCL の行モード編集に似たコマンド行編集を行うことができます。 たとえば,左矢印キーを押すとカーソルは左に移動し,上矢印キーを押すと直前に実行したコマンドが呼び出されます。 DCL の行モード編集については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

SET FUNCTION コマンドを使用する場合は,ファンクション・キーを再設定してください。 その後で矢印キーが再定義され,DCL の行モード編集が利用できなくなります。

矢印キーを再設定するには,次のコマンドを実行します。

Command> SET FUNCTION EDIT

8.3.2.2 連続表示セッションの終了

連続表示セッションを終了するためには,次のいずれかの方法を用います。

  • 次のいずれかの方法でDCL プロンプトに戻る。

    • Command> プロンプトで EXIT と入力する。

    • Ctrl/Z を押す。

    • Ctrl/Y を押す。

  • Ctrl/C を押して,レポートの内容を表示したまま終了する。

8.3.2.3 SHOW CLUSTER での修飾子の使用

SHOW CLUSTER のコマンドで利用できる修飾子を表 8-2 「SHOW CLUSTER で利用できる修飾子」 に示します。 詳細は『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。

表 8-2 SHOW CLUSTER で利用できる修飾子

修飾子

機能

/BEGINNING=時刻

SHOW CLUSTER セッションを開始する時刻を指定する。

/CONTINUOUS

SHOW CLUSTER の表示内容を継続的に更新する連続表示モードで実行するかどうかを指定する。

/ENDING=時刻

SHOW CLUSTER セッションを終了する時刻を指定する。

/INTERVAL=

レポートの内容を更新する間隔を秒単位で指定する。

/OUTPUT=ファイル指定

SYS$OUTPUT で指定されているデバイスの代わりに,出力するファイルを指定する。

 

連続表示モードでは,表示内容が 15 秒間隔で更新されるようにあらかじめ設定されています。 この間隔は /INTERVAL 修飾子を使って変更することができます。

$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS/INTERVAL=5

このコマンドの実行により,レポートが 5 秒ごとに更新され,変更された内容は反転して表示されるようになります。

8.3.3 レポートへの情報の追加

SHOW CLUSTER によって表示されるレポートには,入手可能な情報の一部しか表示されません。 図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 に示したように,省略時の設定で表示されるクラスは MEMBERS および SYSTEMS です。 表 8-3 「SHOW CLUSTER レポートで入手可能なクラス情報」 では,SHOW CLUSTER レポートに表示できるすべてのクラスを簡単に説明します。 これらのクラスについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。

表 8-3 SHOW CLUSTER レポートで入手可能なクラス情報

クラス

表示される情報

CIRCUITS

OpenVMS Cluster システムの仮想サーキットに関する情報。

CLUSTER

OpenVMS Cluster システムに関する一般的な情報。 たとえば,そのクラスタが形成された時刻,システムがクラスタに追加された,またはクラスタから削除された最新の日付,クラスタ・クォーラムなど。

CONNECTIONS

OpenVMS Cluster システム内の仮想サーキットで確立した接続に関する情報。

COUNTERS

各接続が確立されてからの累計トラフィック。

CREDITS

OpenVMS Cluster システム内の各接続における送信クレジット・カウントおよび受信クレジット・カウント。

ERRORS

各ポートで発生したエラーの数とポートの再初期化の実行可能性に関する情報。

LOCAL_PORTS

OpenVMS Cluster システムに対するローカル・システム・インタフェースの情報。 たとえば,各ポートの名前,番号,状態,および各ポートに関連するキューに登録されたエントリの数。

MEMBERS

OpenVMS Cluster システムにアクティブに参加しているシステムの情報。

SYSTEMS

全 OpenVMS Cluster システムの情報。 ノード名,識別番号,ハードウェア・タイプ,ソフトウェア・バージョンが示される。

 

SHOW CLUSTER レポートに CLUSTER クラスを追加する場合は,次のコマンドを入力します。

Command> ADD CLUSTER

結果として,画面に表示される内容は 図 8-2 「CLUSTER が表示されている SHOW CLUSTER レポート」 に示すように変化します。 CLUSTER クラスは,省略時の SHOW CLUSTER レポートの下に表示されます。

図 8-2 CLUSTER が表示されている SHOW CLUSTER レポート

CLUSTER が表示されている SHOW CLUSTER レポート

CLUSTER クラスのフィールドの説明については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SHOW CLUSTER の節を参照してください。

8.3.4 表示データの制御

SHOW CLUSTER コマンドにより,レポートからのフィールドまたはクラスの削除,画面からのブロードキャスト・メッセージの削除,任意のタイミングでの画面表示のリフレッシュができます。 次の項では,これらの操作手順を説明します。

8.3.4.1 データ表示中のコマンド入力

SHOW CLUSTER の連続表示セッション中は,さまざまなコマンドを入力して,表示されているデータを変更することができます。 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』では,SHOW CLUSTER のコマンドについて詳しく説明しています。

キーボードから入力を始めると,すぐに表示内容の更新が停止します。 コマンドを入力して Return キーを押すと,表示内容の更新が再開され,別のコマンドを入力するまで続けられます。

省略時の設定では,更新は 15 秒間隔で行われます。 その 15 秒間に新しいコマンドを入力しないとコマンド・プロンプトは消え,その場所に 2 行分のデータが表示されます。

8.3.4.2 ブロードキャスト・メッセージの削除

SHOW CLUSTER の連続セッション中にシステムからのブロードキャスト・メッセージを受信すると,受信したメッセージが画面の最下部に表示されます。 メッセージが複数行にまたがる場合には,必要な数の行が使用されます。

作業方法

最新のブロードキャスト・メッセージは,確認が行われるまで画面上に残ります。 確認は次のいずれかの方法で行います。

  • Return キーを押す。

  • Ctrl/W を押して画面をリフレッシュする。

  • 何らかのコマンドを入力する。

複数のブロードキャスト・メッセージを受信している場合,2 番目のメッセージは次の更新が行われるまで画面に表示されません。

また,画面の最下部には,SHOW CLUSTER からのエラー・メッセージも表示されます。 SHOW CLUSTER からのエラー・メッセージについては,『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。

8.3.4.3 画面のリフレッシュ

通常,連続表示は,省略時の間隔または指定された間隔で更新またはリフレッシュされます。 SHOW CLUSTER は,ソフトウェア・データベースを検索し,各フィールドのデータを抽出して保存し,新しいデータまたは変更されたデータがあれば表示し,時刻を更新します。 HP ターミナルまたは HP 互換ターミナルでは,変更されたデータが反転表示されます。

作業方法

次のいずれかの方法を使用すると,いつでも画面をリフレッシュすることができます。

  • ADDコマンド,REMOVEコマンド,INITIALIZEコマンド,または SET コマンドによって,表示の形式を変更する。

  • REFRESH コマンドを使用する。

  • Ctrl/W を押す。

8.3.5 表示データの書式化

SHOW CLUSTER ではフィールドおよびクラスを追加できるため,作成したレポートがターミナルの画面に表示しきれなくなることがあります。 そのような場合には,必要に応じてレポートの書式を変更することができます。

変更方法

参照箇所

レポートからの情報の削除

8.3.5.1 項 「レポートからの情報の削除」

フィールドと画面サイズの変更

8.3.5.2 項 「フィールドと画面サイズの変更」

レポートの移動

8.3.5.3 項 「レポートの移動」

レポートのスクロール

8.3.5.4 項 「レポートのスクロール」

8.3.5.1 レポートからの情報の削除

レポートが画面に収まるように,フィールドまたはクラスを削除して,レポートの幅を小さくすることができます。 また,省略時の設定で表示されるフィールドやクラスの中にはそれほど重要でないものもあります。 特定の種類のデータを削除して,レポートを短くすることもできます。

作業方法

複数のフィールドまたはクラス全体を削除するには,REMOVE コマンドを使用します。 1 つのフィールドまたは 1 つのクラスを削除する場合には,REMOVE コマンドに適切な修飾子を指定して使用します。 この形式で使用するクラス名および修飾子については『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』のSHOW CLUSTER の節を参照してください。

  1. Command> REMOVE SOFTWARE
    

    このコマンドは,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 で示した SHOW CLUSTER レポートから SOFTWARE フィールドを削除する。

    使用可能なフィールド名については,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SHOW CLUSTER の説明を参照。

  2. Command> REMOVE MEMBERS
    

    このコマンドは,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 で示した SHOW CLUSTER レポートから MEMBERS クラスを削除する。

8.3.5.2 フィールドと画面サイズの変更

レポートが画面に収まるようにするため,レポートの特定のフィールドの幅を小さくすることができます。 たとえば,考えられるすべての値が入るようにその幅が設定されているフィールドでも,実際にはそれほどのスペースが必要ない場合があります。 そのようなときは,SET (フィールド) コマンドを使用して,そのフィールドの幅を調整することができます。

また,SHOW CLUSTER では,ターミナルの画面のサイズを調整することができます。 ターミナルが HP 互換で幅の広いレポートをサポートしている場合,SET SCREEN コマンドに適切な値を指定することにより,画面の幅を最大 511 カラムまで増やすことができます。

  1. Command> SET TRANSITION_TYPE/WIDTH=10
    

    この例は,TRANSITION_TYPE フィールドの幅を 10 に設定する。 その結果,フィールドには日付だけが表示され,時刻は表示されなくなる。

  2. Command> SET SCREEN=132
    

    画面の幅を 132 に設定する。

SET (フィールド) コマンドおよび SET SCREEN コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。

8.3.5.3 レポートの移動

省略時の設定では,SHOW CLUSTER ユーティリティは AUTO_POSITIONING ON で動作します。 すなわち,画面のスペースをできるだけ有効に利用するように,SHOW CLUSTER によってレポートの位置が自動的に調整されます。 しかし,MOVE コマンドを使用すると,レポートの位置を手動で調整することができます。 MOVE コマンドを使用すると,AUTO_POSITIONING は暗黙に OFF に設定されます。

画面に複数のレポートを表示させる場合は,まず位置を変更するレポートを選択します。 SELECT ウィンドウ名コマンドに位置を変更するレポートの名前を指定します。 たとえば,次のようにします。

  • SCS (省略時のレポート。 通常,SYSTEMS クラスおよび MEMBERS クラスのフィールドが含まれる。)

  • CLUSTER

  • LOCAL_PORTS

注意:

省略時の SCS レポートに含まれないクラスを選択するとき,そのクラスが画面に含まれていない場合は,SELECT コマンドを実行する前にそのクラスを画面に表示させる必要があります。 たとえば,次のコマンド行を入力します。

Command> ADD LOCAL_PORTS

別の方法として,Select ファンクション・キーあるいはキーパッド上のピリオド・キーを繰り返し押すことによって,レポートを順番に表示させることもできます。 選択されたレポートは強調表示されます。

作業方法

レポートを移動する場合は,次のいずれかの操作を行います。

  • Command> プロンプトに対して MOVE コマンドを入力する。

  • MOVE コマンドとして定義した矢印キーを使用する。

    Command> SET FUNCTION MOVE
    

    このコマンドを実行すると,矢印キーは次のように再定義される。

    矢印キー

    対応するコマンド

    上向き矢印

    MOVE UP 1

    下向き矢印

    MOVE DOWN 1

    右向き矢印

    MOVE RIGHT 1

    左向き矢印

    MOVE LEFT 1

    MOVE コマンドを入力すると,表示部分はカラム単位 (水平方向),あるいは行単位 (垂直方向) にその位置を変える。 たとえば,コマンド MOVE LEFT 5 を入力すると,表示される部分は 5 カラム分左に移動する。 この時,新たに表示された部分にデータは表示されない。

    レポートの位置が決まったら DESELECT コマンドを入力する。 このコマンドを入力すると,レポートは新しい位置に移動する。 また,このコマンドを入力する前に別の SELECT コマンドを入力すると,それまでの MOVE 操作は確定され,レポートは新しい位置に移動する。

Command> SELECT CLUSTER
Command> MOVE RIGHT 10
Command> DESELECT

この例の各コマンドの意味は次のとおりです。

  1. SELECT コマンドにより CLUSTER レポートを選択する (強調表示される)。

  2. MOVE コマンドにより,レポートのフレームを 10 カラム分右に移動する。

  3. DESELECT コマンドにより,MOVE 操作を終了し,レポートの内容を表示する。

詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SELECT,SET FUNCTION,および DESELECT の各コマンドの説明を参照してください。

作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。

Command> SET FUNCTION EDIT

8.3.5.4 レポートのスクロール

SCROLL コマンドを使用すると,カラム・ヘッダを表示したままレポートをスクロールさせることができます。 このコマンドにより,レポートをフィールド単位で水平方向に移動したり,行単位で垂直方向に移動することができます。 垂直方向にスクロールする場合,カラム・ヘッダは固定されたままになります。

画面に複数のレポートが表示されている場合は,最初に SELECT コマンドを入力してスクロール対象のレポートを選択する必要があります。 選択されたレポートは強調表示されます。

作業方法

レポートをスクロールするためには,次のいずれかの方法を使用します。

  • コマンド・プロンプトで SCROLL コマンドを入力する。

  • SCROLL コマンドとして定義した矢印キーを使用する。

    Command> SET FUNCTION SCROLL
    

    このコマンドにより,矢印キーは次のように再定義される。

    矢印キー

    対応するコマンド

    上向き矢印

    SCROLL UP 1

    下向き矢印

    SCROLL DOWN 1

    右向き矢印

    SCROLL RIGHT 1

    左向き矢印

    SCROLL LEFT 1

Command> SELECT SCS
Command> SET FUNCTION SCROLL

この例では,まず SCS レポートを選択して強調表示し,次に矢印キーをスクロール機能に設定します。 詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SET FUNCTION コマンドおよび SCROLL コマンドの説明を参照してください。

作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。

Command> SET FUNCTION EDIT

8.3.6 SHOW CLUSTER スタートアップ初期化ファイルの作成

スタートアップ初期化ファイルを作成して,SHOW CLUSTER の表示内容をカスタマイズすることができます。 SHOW CLUSTER を起動すると,最初にこのファイルが実行されます。 SHOW CLUSTER ユーティリティは元の省略時の表示内容から,このファイルの指定に従ってクラスおよびフィールドを追加または削除します。 この結果の表示形式が,ユーザの表示形式になります。 スタートアップ初期化ファイルの書式は次のとおりです。

!
!Startup Initialization File
!
!
INITIALIZE
REMOVE MEMBERS
ADD RP_REVISION,RP_TYPE,SYS_ID
SET SCREEN=132

このスタートアップ・プロシージャ (スタートアップ初期化ファイル) を使用すると,SHOW CLUSTER は省略時の表示内容から MEMBERS の情報を削除ます。 さらに,CIRCUITS クラスの RP_REVISION フィールドと RP_TYPE フィールド,および SYSTEMS クラスの SYS_ID フィールドを追加します。 このプロシージャの最後の行により,画面の幅が 132 カラムに設定されます。

作業方法

初期化ファイルの作成手順は次のとおりです。

  1. 論理名 SHOW_CLUSTER$INIT をデバイス :[ディレクトリ]SHCINI と定義した後,SHOW CLUSTER を起動する。

    表示が開始される前にスタートアップ・ファイルを実行する場合は,論理名 SHOW_CLUSTER$INIT を初期化ファイルに設定する。 たとえば,次のコマンド行を入力する。

    DEFINE SHOW_CLUSTER$INIT DEVA:[JONES]SHCINI
    

    SHOW CLUSTER はその起動時に SHOW_CLUSTER$INIT で定義されたファイルを検索する。 この例では,SHOW CLUSTER は起動時に DEVA:[JONES]SHCINI.INI を探す。 初期化ファイルが見つかると,SHOW CLUSTER は表示を開始する前にプロシージャを実行する。

    SHOW_CLUSTER$INIT が定義されていない場合,または定義にディレクトリ指定が含まれていない場合は,SHOW CLUSTER は現在の省略時のディレクトリで SHOW_CLUSTER.INI と名付けられたファイルを探す。

  2. 連続表示セッション中に SHOW CLUSTER コマンドを使用して,表示内容をカスタマイズする。

  3. 次のコマンドを入力してコマンド・シーケンスを保存する。

    Command> SAVE SHOW_CLUSTER$INIT.INI
    

    SHOW_CLUSTER$INIT.INI は必ず指定する。 このファイル名を省略すると,SAVE コマンドは省略時の設定で .COM ファイルを作成するので,SHOW CLUSTER ユーティリティは初期化ファイルを見つけることができない。 SHOW CLUSTER ユーティリティは,初期化ファイルの検索時にタイプが .INI のファイルを探す。

SAVE コマンドによって作成されたファイルにコメントを加えて読みやすくすることができます。 詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SAVE コマンドの説明を参照してください。

SHOW CLUSTER ユーティリティを使用しないで,コマンド・プロシージャを作成するのと同じ方法で,初期化ファイルを作成することができます。 その手順を次の項で説明します。

8.3.7 SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用

SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成することができます。 そのようなファイルを使用すれば,会話形式でコマンドを入力しないで表示特性を変更することができます。 SHOW CLUSTER ユーティリティの連続表示セッション中にこのコマンド・プロシージャを使用して,たとえば出力をカスタマイズするための一連のコマンドを実行することができます。

次に,SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成するためのガイドラインを示します。

  • SHOW CLUSTER の正しいコマンドを使用する。

  • コマンド・プロシージャのネストは 16 レベルまでとする。

  • ファイルの最初のコマンドは SHOW CLUSTER の INITIALIZE にする。 INITIALIZE コマンドが実行されると,レポートの内容を変更するためのコマンドが実行される前に,そのレポートが確実に「既知」の状態になる。

注意:

コマンド・プロシージャに EXIT コマンドを記述しないでください。 プロシージャの最後にも記述することはできません。 EXIT コマンドがあると SHOW CLUSTER ユーティリティは終了し,レポートの内容を見る前にその内容が消去されます。

また,SHOW CLUSTER のコマンド・プロシージャをバッチ・ジョブから実行しないでください。

次に,レポートの表示項目をカスタマイズするコマンド・プロシージャの例を示します。

!
! Include only the node field from the default display; show votes
! and quorum for each node and for the cluster as a whole.
!
INITIALIZE
REMOVE SOFTWARE,STATUS
ADD VOTES,QUORUM,CL_VOTES,CL_QUORUM

このコマンド・プロシージャは,レポートから SOFTWARE フィールドと STATUS フィールドとを削除し,クラスタのクォーラムおよびボートに関する情報を示すフィールドを追加します。

SHOW CLUSTER の連続表示セッション中にコマンド・プロシージャを実行する場合は,プロシージャ実行コマンド(@) とともにプロシージャのファイル名を指定します。 コマンド・プロシージャの省略時のファイル・タイプは .COM です。

SYSMOD.COM という名前のコマンド・プロシージャを実行します。

Command> @SYSMOD

この例ではファイル・タイプが省略されているため,ファイル・タイプ .COM が使用されます。

コマンド・プロシージャの作成についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SAVE コマンドの説明を参照してください。

8.4 SYSMAN ユーティリティと OpenVMS Cluster 管理について

SYSMAN では,次の 2 種類の方法で OpenVMS Cluster 管理をサポートしています。

  • クラスタ固有コマンドの CONFIGURATION SET および CONFIGURATION SHOW。 クラスタ内の機密保護データとシステム時刻を管理するときに使用する。

  • DO コマンドによる DCL レベルのコマンドへのアクセス。 この機能により,クラスタ全体に単一の DCL コマンドを適用することができ,各ノード上でコマンドを入力する必要はなくなる。

SYSMAN のコマンドを使用するためには,適切な特権が必要になります。 各コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。

8.5 システム管理ユーティリティ (SYSMAN) による機密保護の管理

システム管理ユーティリティ (SYSMAN) の CONFIGURATION コマンドにより,OpenVMS Cluster システムの機密保護データを管理することができます。 表 8-4 「CONFIGURATION コマンド」 に CONFIGURATION 関連のコマンドとそれらの機能をまとめます。

表 8-4 CONFIGURATION コマンド

コマンド

機能

CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION

ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とパスワードを変更する。

CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION

ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示する。

 

8.5.1 グループ番号およびパスワードの変更

グループ番号は,クラスタ内のノードのグループを識別し,対応するイーサネット・アドレスは,メッセージをクラスタ内の全ノードに送信するために使用されます。 OpenVMS Cluster パスワードにより,クラスタ・メンバシップの統一性が保護されます。

CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使うと,SYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DATに記録されているグループ番号とパスワードが変更されます。 通常,CLUSTER_AUTHORIZE.DAT ファイル内のレコードを変更する必要はありません。

複数のシステム・ディスクがシステム構成に含まれている場合,SET ENVIRONMENT/CLUSTER コマンドによって環境がクラスタとして定義されていれば,SYSMAN は CLUSTER_AUTHORIZE.DAT の各コピーを自動的に更新します。

重要:

グループ番号およびパスワードのいずれかを変更した場合は,クラスタ全体をリブートする必要があります。

機密保護上の理由から,クラスタのパスワードを表示することはできませんが,CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使用すると,グループ番号およびグループ・マルチキャスト・アドレスを表示することができます。

  1. 次の例では,環境を特定のクラスタに設定し,SYSPRV 特権を獲得し,クラスタ・パスワードを変更している。

    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21
    SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGE=SYSPRV
    SYSMAN> CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION/PASSWORD=GILLIAN
    %SYSMAN-I-CAFOLDGROUP, existing group will not be changed
    %SYSMAN-I-GRPNOCHG, Group number not changed
    SYSMAN-I-CAFREBOOT, cluster authorization file updated.
    The entire cluster should be rebooted.
    
  2. 次の例では,ノード NODE21 のグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示している。 クラスタ内の他のノード上でも同じグループ番号およびパスワードが使用されるため,それ以上の情報は表示されない。

    SYSMAN> CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION
    Node NODE21: Cluster group number 65240
    Multicast address: AB-00-04-01-F2-FF
    

8.6 SYSMAN DO コマンドによる OpenVMS Cluster の管理

SYSMAN の DO コマンドを使用すると,現在の環境のすべてのノード上で,DCL コマンドおよびコマンド・プロシージャを実行することができます。 このコマンドは,OpenVMS Cluster 内のノード上でシステム管理作業をルーチン化して行う場合に便利です。 たとえば,次の作業が挙げられます。

  • イメージのインストール

  • ソフトウェアのスタートアップ

  • デバイスのチェック

  • メモリのチェック

各 DO コマンドは独立したプロセスとして実行されるため,DO コマンド相互間でプロセス・コンテキストが保持されることはありません。 このため,DCL コマンドは必ず 1 つのコマンド文字列で表現します。 また,入力データを必要とするプログラムを実行することはできません。

クラスタ環境において,SYSMAN はクラスタ内のすべてのノード上でコマンドを順次実行します。 あるノード上で 1 つのコマンドの動作が完了するまで,SYSMAN は同じコマンドを次のノードに送信しません。 コマンドを実行できないノードがあると,そのノードからエラー・メッセージが返されます。 コマンドを送信した先のノードから特定の時間内に応答がないと,SYSMAN はエラー・メッセージを表示します。

OpenVMS VAX と OpenVMS Alpha の両方を実行しているデュアル・アーキテクチャの異質 OpenVMS Cluster では,DO コマンドを使用する場合に特別な処置が必要な場合があります。 たとえば,それぞれのアーキテクチャにおいて異なる名前を持つイメージをインストールする場合は,VAX ノードおよび Alpha ノードまたは I64 ノード用に論理名テーブルを作成すれば,DO コマンドを使用することができます。 下記の例を参照してください。

DCL コマンドの中には MOUNT/CLUSTER や SET QUORUM/CLUSTER のように,クラスタ全体で動作するように設計されたものもあります。 同様に,クラスタ単位の論理名や論理テーブルへの操作はクラスタ全体に操作されるように設計されています。 環境がクラスタに設定されている場合には,このようなコマンドは SYSMAN の DO コマンドとともに使用しないようにしてください。 SPAWN コマンドを使って SYSMAN を一時的に終了させ,DCL でこれらのコマンドを使用する,またはクラスタ内部で環境を単一ノードに定義するという方法もあります。

  1. 次の例では,クラスタ上にイメージをインストールしている。 まず,現在の特権に CMKRNL 特権および SYSPRV 特権を追加する。 これらの特権は INSTALL コマンドおよび AUTHORIZE コマンドで必要になるものである。 DO INSTALL コマンドは STATSHR ファイルをインストールする。 DO MCR AUTHORIZE コマンドは,ユーザ Jones のアカウントを設定し,パスワード,省略時のデバイス,および省略時のディレクトリを指定する。

    SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=(CMKRNL,SYSPRV)/DEFAULT=SYS$SYSTEM
    SYSMAN> DO INSTALL ADD/OPEN/SHARED WRKD$:[MAIN]STATSHR
    SYSMAN> DO MCR AUTHORIZE ADD JONES/PASSWORD=COLUMBINE -
    _SYSMAN> /DEVICE=WORK1/DIRECTORY=[JONES]
    
  2. 次の例では,環境をクラスタに設定し,クラスタ内の各ノード上で XYZ というソフトウェア製品をスタートアップしている。

    SYSMAN>SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username SMITH    will be used on nonlocal nodes
    SYSMAN> DO @SYS$STARTUP:XYZ_STARTUP
    
  3. 次の例は,デュアル・アーキテクチャの異質クラスタ内の VAX ノード,Alpha ノード,または I64 ノードに論理名を定義して,DO コマンドを使ってアーキテクチャ固有のイメージをインストールできるようにする方法を示している。

    $ CREATE/NAME_TABLE/PARENT=LNM$SYSTEM_DIRECTORY SYSMAN$NODE_TABLE
    $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE AXP_NODES NODE21,NODE22,NODE23
    $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE VAX_NODES NODE24,NODE25,NODE26
    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=AXP_NODES
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
             Individual nodes: NODE21,NODE22,NODE23
             Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM: DEC_FORTRAN.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23
    
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=VAX_NODES
    %SYSMAN-I-ENV, current command environment:
             Individual nodes: NODE24,NODE25,NODE26
             Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26
    SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM:FORTRAN$MAIN.EXE
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26
    
  4. DISK2 でオープンされているファイルを表示している。 DISK2 をディスマウントしようとする場合,このコマンドによってクラスタ内のどのユーザがファイルをオープンしているかを調べる。

    SYSMAN >SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username SMITH    will be used on nonlocal nodes
    SYSMAN> DO SHOW DEVICE/FILES DISK2:
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
    Files accessed on device $1$DIA2: (DISK2, NODE22) on 14-may-2000 15:44:06.05
    Process name      PID     File name
                    00000000  [000000]INDEXF.SYS;1
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
    Files accessed on device $1$DIA2: (DISK2, NODE21) on 14-may-2000 15:44:26.93
    Process name      PID     File name
                    00000000  [000000]INDEXF.SYS;1
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23
    Files accessed on device $1$DIA2: (NODE21, NODE22) on 14-may-2000 15:45:01.43
    Process name      PID     File name
                    00000000  [000000]INDEXF.SYS;1
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24
    Files accessed on device $1$DIA2: (NODE22, NODE21) on 14-may-2000 15:44:31.30
    Process name      PID     File name
                    00000000  [000000]INDEXF.SYS;1
    Susan Scott     21400059  [SCOTT]DECW$SM.LOG;228
    _FTA7:          214000DD  [SCOTT]CARE_SDML.TPU$JOURNAL;1
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25
    Files accessed on device $1$DIA2: (NODE21, NODE22) on 14-may-2000 15:44:35.50
    Process name      PID     File name
                    00000000  [000000]INDEXF.SYS;1
    DECW$SESSION    226000E6  [SNOW]DECW$SM.LOG;6
    _FTA17:         2260009C  [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1
    SNOW_1          2260012F  [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1
    SNOW_2          22600142  [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1
    SNOW_3          22600143  [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1 
    
  5. 次の例では,クラスタを構成するノードで利用可能なメモリ容量を表示している。 ソフトウェアをインストールする場合は,このコマンドにより各ノードで利用できるメモリの容量が十分かどうかを調べる。

    SYSMAN > SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22) 
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
            Clusterwide on local cluster
            Username SMITH    will be used on nonlocal nodes
    
    SYSMAN>  DO SHOW MEMORY
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21
                  System Memory Resources on 14-may-2000 15:59:21.61
    Physical Memory Usage (pages):     Total        Free      In Use    Modified
      Main Memory (64.00Mb)           131072       63955       65201        1916
    Slot Usage (slots):                Total        Free    Resident     Swapped
      Process Entry Slots                360         296          64           0
      Balance Set Slots                  324         262          62           0
    Fixed-Size Pool Areas (packets):   Total        Free      In Use        Size
      Small Packet (SRP) List          10568        1703        8865         128
      I/O Request Packet (IRP) List     3752         925        2827         176
      Large Packet (LRP) List            157          28         129        1856
    Dynamic Memory Usage (bytes):      Total        Free      In Use     Largest
      Nonpaged Dynamic Memory        1300480       97120     1203360       60112
      Paged Dynamic Memory           1524736      510496     1014240      505408
    Paging File Usage (pages):                      Free  Reservable       Total
      DISK$MTWAIN_SYS:[SYS0.SYSEXE]SWAPFILE.SYS
                                                   10000       10000       10000
      DISK$MTWAIN_SYS:[SYS0.SYSEXE]PAGEFILE.SYS
                                                   60502      -52278      100000
    Of the physical pages in use, 19018 pages are permanently allocated to VMS.
    
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22
                  System Memory Resources on 14-may-2000 15:59:42.65
    Physical Memory Usage (pages):     Total        Free      In Use    Modified
      Main Memory (32.00Mb)            65536       44409       20461         666
    Slot Usage (slots):                Total        Free    Resident     Swapped
      Process Entry Slots                240         216          24           0
      Balance Set Slots                  212         190          22           0
    Fixed-Size Pool Areas (packets):   Total        Free      In Use        Size
      Small Packet (SRP) List           5080        2610        2470         128
      I/O Request Packet (IRP) List     3101        1263        1838         176
      Large Packet (LRP) List             87          60          27        1856
    Dynamic Memory Usage (bytes):      Total        Free      In Use     Largest
      Nonpaged Dynamic Memory        1165312      156256     1009056      114432
      Paged Dynamic Memory           1068032      357424      710608      352368
    Paging File Usage (pages):                      Free  Reservable       Total
      DISK$MTWAIN_SYS:[SYS1.SYSEXE]SWAPFILE.SYS
                                                   10000       10000       10000
      DISK$MTWAIN_SYS:[SYS1.SYSEXE]PAGEFILE.SYS
                                                  110591       68443      120000
    Of the physical pages in use, 9056 pages are permanently allocated to VMS. 
    
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