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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (上巻)

第11章 BACKUP の使用法

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:本書の概要
第2章:管理ユーティリティとツール
第3章:インストールとアップグレード
第4章:システムの起動と停止
第5章:オペレーティング・システムのカスタマイズ
第6章:システム時刻の設定
第7章:ユーザアカウントの管理
第8章:周辺デバイスの管理
第9章:記憶媒体の管理
第10章:ファイルとディレクトリの操作
第11章:BACKUPの使用方法
第12章:機密保護
第13章:キュー・マネージャとキュー・データベースの管理
第14章:キューの設定と保守
索引
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目次

11.1 バックアップ作業の概要
11.2 バックアップのタイプ
11.3 バックアップ方法の定式化
11.4 バックアップのインタフェース
11.4.1 BACKUP コマンド行
11.4.2 Backup Manager
11.5 セーブ・セット
11.5.1 磁気テープ・セーブ・セット
11.5.2 Files-11 ディスク・セーブ・セット
11.5.3 ネットワーク・セーブ・セット
11.5.4 順編成ディスク・セーブ・セット
11.6 BACKUP が扱うファイル形式
11.7 ソフトウェア・パラメータによる効率的なバックアップの実現
11.8 ディスクとテープの使用法
11.8.1 ボリュームの初期化
11.8.2 ボリュームのマウント
11.8.3 ボリュームのディスマウント
11.9 OPCOM とボリューム
11.9.1 オペレータ支援の要請
11.10 BACKUP セーブ・セット内容の表示
11.11 マルチボリューム・バックアップ
11.11.1 マルチボリュームのテープ・ラベル処理
11.11.2 磁気テープのバックアップ中の MOUNT メッセージ
11.12 BACKUP によるテープ・ラベル処理
11.13 ファイルとディレクトリのバックアップ
11.13.1 ファイルのコピー
11.13.2 セーブ・セットへのファイルとディレクトリのバックアップ
11.13.3 ファイルの比較
11.13.4 BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力
11.14 ファイルとディレクトリの復元
11.14.1 深いディレクトリ構造内のファイルへのアクセス
11.15 ユーザ・ディスクのバックアップ
11.15.1 ユーザ・ディスクをバックアップする前に
11.15.2 テープへのイメージ・バックアップ
11.15.3 ディスクへのイメージ・バックアップ
11.15.4 テープへの追加型バックアップ
11.15.5 ディスクへの追加型バックアップ
11.15.6 OpenVMS サーバ用の PATHWORKS を使用した追加型バックアップの実行
11.15.7 ワークステーションのディスクのバックアップ
11.15.8 ボリューム・シャドウ・セットのバックアップ
11.16 ユーザ・ディスクの復元
11.16.1 イメージ・バックアップの復元
11.16.2 追加型バックアップの復元
11.16.3 ボリューム・シャドウ・セットの復元
11.17 システム・ディスクのバックアップと復元
11.17.1 メニュー・システムの起動
11.17.2 スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)
11.17.3 テープへのシステム・ディスクのバックアップ
11.17.4 テープからのシステム・ディスクの復元
11.17.5 ディスクへのシステム・ディスクのバックアップ
11.17.6 InfoServer テープによるシステム・ディスクのバックアップと復元
11.18 データの整合性チェック
11.18.1 /CRC 修飾子
11.18.2 /GROUP_SIZE 修飾子
11.18.3 /IGNORE 修飾子
11.18.4 /LOG 修飾子
11.18.5 /VERIFY 修飾子
11.19 問題が発生したときの対処
11.19.1 BACKUP の致命的なエラー対処オプション
11.19.2 テープ・ラベル・エラー
11.19.3 VMS$COMMON.DIR ファイル回復の問題

OpenVMS の BACKUP ユーティリティ を使用して, ファイル,ディレクトリ,またはディスクのコピーを作成しておくことによって,データの消失や破損に備えることができます。 ディスク・ドライブの障害などの問題が発生した場合は,作成したコピーを復元して,最小限の損失で作業を再開することができます。

この章の内容

この章では,次の作業について説明します。

作業

参照箇所

バックアップ方法の定式化

11.3 項 「バックアップ方法の定式化」

効率的なバックアップのためのソフトウェア・パラメータの設定

11.7 項 「ソフトウェア・パラメータによる効率的なバックアップの実現」

ディスクとテープの使用

11.8 項 「ディスクとテープの使用法」

BACKUP セーブ・セットの内容の表示

11.10 項 「BACKUP セーブ・セット内容の表示」

ユーザ・ディスクとボリューム・シャドウ・セットのバックアップ

11.15 項 「ユーザ・ディスクのバックアップ」

ユーザ・ディスクとボリューム・シャドウ・セットの復元

11.16 項 「ユーザ・ディスクの復元」

システム・ディスクのバックアップと復元

11.17 項 「システム・ディスクのバックアップと復元」

データの整合性チェック

11.18 項 「データの整合性チェック」

問題が発生したときの対処

11.19 項 「問題が発生したときの対処」

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

バックアップのタイプ

11.2 項 「バックアップのタイプ」

BACKUP コマンド行

11.4.1 項 「BACKUP コマンド行」

TBackup Manager

11.4.2 項 「Backup Manager」

セーブ・セット

11.5 項 「セーブ・セット」

BACKUP のファイル形式

11.6 項 「BACKUP が扱うファイル形式」

ボリュームの初期化

11.8.1 項 「ボリュームの初期化」

OPCOM とボリューム

11.9 項 「OPCOM とボリューム」

マルチボリューム・バックアップ処理

11.11 項 「マルチボリューム・バックアップ」

BACKUP によるテープ・ラベル処理

11.12 項 「BACKUP によるテープ・ラベル処理」

スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)

11.17.2 項 「スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)」

バックアップ媒体が Fibre Channel インターコネクトに接続されている場合の BACKUP の使用法については,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』 を参照してください。

11.1 バックアップ作業の概要

バックアップをデータ消失の防止手段として有効に活用するためには,定期的に大切なデータのバックアップを取り,必要な場合にそのデータを復元する方法を理解しておく必要があります。

システム管理者は,自分のファイル,ディレクトリ,ディスクばかりでなく,システム・ディスクのバックアップも取ってください。 スタンドアロン型のワークステーションを使用している場合,自分のシステム・ディスクのバックアップを取るのは,たいていシステム管理者一人の仕事です。 使用しているシステムが大規模なクラスタ型コンピュータ・システムのメンバの場合は,たいていオペレータかシステム管理者がシステム・ディスクのバックアップを取ります。

システム・ディスクのバックアップを取る方法には,次の 2 種類があります。

  • 11.17.1 項 「メニュー・システムの起動」 で説明しているメニュー・システムを使用する。

  • OpenVMS のスタンドアロン BACKUP と呼ばれる特殊な BACKUP ユーティリティを使用する。 このユーティリティについては,11.17.2 項 「スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)」 を参照。 OpenVMS VAX オペレーティング・システムのディストリビューション・コンパクト・ディスクにアクセスできない場合は,スタンドアロン BACKUP を使用する。

    注意:

    スタンドアロン BACKUP は,バージョン 6.1 以降の OpenVMS Alpha システムではサポートされていません。 ディストリビューション CD-ROM で提供されるメニュー・システムを使用してください。

BACKUP でイメージ・バックアップを行うと, ディスクのフラグメンテーションが解消します。 このフラグメンテーションは,ディスクにファイルを作成したり, ディスク・ファイルを大きくしたりしていくにつれて,発生する現象です。 連続するブロックにファイルを書き込むことが不可能な場合, ファイル・システムはファイルをフラグメンテーションして書き込みます。 このため, 最終的にディスクのフラグメンテーションはひどくなり, システム性能が低下することになります。

フラグメンテーションを解消したい場合は, ディスクのイメージ・バックアップを取り, そのバックアップ・コピーを復元してください。 イメージ・バックアップの復元では,BACKUP はディスク上にファイルを連続して書き込みます。 もう 1 つ,/SAVE_SET 修飾子を使わずに, ディスク間でイメージ・バックアップを取る方法もあります。 これは,機能的にはシステム・ディスク全体のコピーを作成するのと同じことであり,ファイルが連続して書き込まれます。

注意:

レイヤード製品の中には,専用のバックアップ・プロシージャが用意されているものがあります。 詳細は,レイヤード製品のマニュアルを参照してください。

11.2 バックアップのタイプ

バックアップ操作には,次の表に示すいくつかのタイプがあります。

操作

説明

ファイル操作

ファイルやディレクトリを個別に処理する。 11.13 項 「ファイルとディレクトリのバックアップ」 を参照。

選択的操作

バージョン番号, ファイル・タイプ,UIC,作成日時,満了日,変更日などの基準に従い, 選択的にファイルやボリュームを処理する。

このバックアップでは,ワイルドカード文字と入力ファイル選択修飾子 (/BACKUP, /BEFORE, /BY_OWNER [/OWNER_UIC], /CREATED, /EXCLUDE, /EXPIRED, /MODIFIED, /SINCE など) を利用する。 詳細は11.13 項 「ファイルとディレクトリのバックアップ」 を参照。

物理操作

ファイル構造を無視し, 論理ブロック単位でボリューム全体をコピー,セーブ,復元,比較する。

イメージ操作

入力ディスクのすべてのファイルを処理する。 このイメージ操作には,次の 4 つの種類がある。

  • イメージ・バックアップ (完全バックアップ) は, ディスクまたはボリューム上のすべてのファイルのコピーを セーブ・セットと呼ばれる特殊ファイルに保存する。 ディスクに初めて行うバックアップは,イメージ・バックアップである必要がある。 初めてのバックアップで,追加型バックアップを行うことはできない。

  • イメージ復元 は, 出力ディスクを初期化して,ボリューム全体を復元する。

  • イメージ・コピー 操作は, 出力ディスクを初期化して,ボリューム全体をコピーする。 イメージ・バックアップの内容は,論理的には入力ディスクの内容と同一。

  • イメージ比較 操作は, ボリューム全体の内容を比較する。

イメージ・コピーやイメージ・バックアップ機能は入力ボリュームのすべてのファイルを処理するため,ファイル選択修飾子を使用することはできない。 ただし,イメージ・セーブ・セットからのファイルやディレクトリの復元では,選択的な操作を行うことができる。

追加型操作

追加型操作には,次の 2 つの種類がある。

  • 追加型バックアップ は, 前回,/RECORD 修飾子を使用して行われたバックアップ以降に作成または変更されたファイルのみセーブする。 /RECORD 修飾子は,ファイルのバックアップを行った日時を記録する。

  • 追加型復元 操作は, 追加セーブ・セットを復元する。 追加型復元操作を行うには, /INCREMENTAL コマンド修飾子を指定する。 詳細は 11.16.2 項 「追加型バックアップの復元」 を参照すること。

2 種類の BACKUP 操作である,ファイル操作とイメージ操作は, ODS-5 ファイル名から ODS-2 ファイル名への変換をサポートします。 詳細については,9.5.5.3 項 「ODS-5 ファイルから ODS-2 への変換」 を参照してください。

11.3 バックアップ方法の定式化

バックアップ方法の定式化は,サイトの具体的な要件や,さまざまなバックアップのタイプの長所や短所を念頭に置いて行ってください。 また,次の要因を考慮することも忘れないでください。

  • バックアップ専用に割り当て可能な資源

  • データの重要度

  • データの有効期間

たとえばスタンドアロン型のワークステーションでは,たいていの場合, 夜間のイメージ・バックアップが最適なバックアップ方法です。

また別の環境では,イメージ・バックアップと追加型バックアップを組み合せた方法も考えられます。 たとえば,常に会話型ユーザがログインしている環境 (11.15.1 項 「ユーザ・ディスクをバックアップする前に」 参照) では,イメージ・バックアップを毎日行うのは困難です。 そのため,イメージ・バックアップを毎週行って, 追加型バックアップを毎晩行うという方法がよいかもしれません。

イメージ・バックアップと追加型バックアップの比較を 表 11-1 「イメージ・バックアップと追加型バックアップの比較」 に示します。

表 11-1 イメージ・バックアップと追加型バックアップの比較

バックアップ形態

長所

短所

イメージ

追加型バックアップより短時間の復元が可能。 ディスク全体のバックアップが可能。

追加型バックアップより使用する空間が多く,時間が長くかかる。 システム性能やオープンしているファイルに影響するため,会話型ユーザのログインがないことが前提になる (11.15.1 項 「ユーザ・ディスクをバックアップする前に」 参照)。

追加型

時間と使用空間が少なくてすむ。

ファイルの復元が難しい。 定期的なイメージ・バックアップと組み合わせる必要がある。

 

注意:

イメージ・バックアップを実行する場合は,あらかじめ次のことに留意してください。

  • ディスクで初めてのバックアップなら,通常の追加型バックアップを行う前に,BACKUP/IMAGE/RECORD コマンドでイメージ・バックアップを行います。 イメージ・バックアップは,ディスク全体のコピーを保存しながら, 保存した各ファイルにマークを付けます。 その後に実施する通常の追加型バックアップは, 既にイメージ・バックアップが行われていることを前提としているため, 新しいファイルや変更されたファイルを保存します。

    最初にイメージ・バックアップが行われていない場合には,追加型バックアップで必要以上にファイルを保存して,確実に追加型の復元ができるようにします。

  • BACKUP/IMAGE によるディスクの復元操作後ただちに ANALYZE/DISK 操作を実行すると,システムは次のような警告メッセージを表示する場合があります。

    %ANALDISK-W-ALLOCCLR, blocks incorrectly marked allocated
            LBN 97 to 105, RVN 1
    

    これは,別名ファイルのエントリが独立 (1 次) ファイルのエントリとして復元されている場合に, BACKUP/IMAGE による復元操作を実行しようとしたときに起こることがあります。 1 次 ファイルでは同じファイル・ヘッダが使用されますが別のデータ記憶ブロックが割り当てられるため,1 次ファイルも復元されます。

    ただし,エラー・メッセージは表示されますが,BACKUP にエラーはなく, データも失われないことに注意してください。

次の条件のいずれかが成立する場合,バックアップ中にテープまたはディスクを交換する必要はありません。

  • すべてのファイルが 1 つの記憶媒体に収まる。

  • テープ・ローダを使用している。

  • ディスクまたはテープのドライブが複数ある。

上記の場合は,夜間,または会話型ユーザのログインが最も少ないと思われる時間に, バッチ・ジョブでバックアップを行うことができます。 11.15.7 項 「ワークステーションのディスクのバックアップ」 では, バッチ・ジョブで実行可能なコマンド・プロシージャ例をいくつか紹介します。

11.4 バックアップのインタフェース

OpenVMS の BACKUP ユーティリティには,次の 2 つのインタフェースが使用できます。

  • BACKUP コマンド

    DCL のコマンド行インタフェースのコマンド。

  • Backup Manager

    会話型の画面用インタフェース。

11.4.1 BACKUP コマンド行

バックアップを行うためには,入力側にバックアップ対象,出力側にセーブ・セットまたはファイルの書き込み先を指定する必要があります。 BACKUP では修飾子を使用することができ,それら修飾子は, コマンド行での位置によってその働きが変わります。 BACKUP の形式は次のとおりです。

BACKUP/ 修飾子 入力指定/修飾子 出力指定/修飾子

表 11-2 「BACKUP コマンド修飾子の種類」 は,コマンド行上での位置別に BACKUP コマンド修飾子を定義したものです。

表 11-2 BACKUP コマンド修飾子の種類

種類

位置

働き

コマンド修飾子

コマンド行上の任意の場所

入力指定と出力指定の両方に作用

入力指定修飾子

入力指定の直後

入力指定にのみ作用

出力指定修飾子

出力指定の直後

出力指定にのみ作用

 

BACKUP を使用するにあたっては,コマンド行の間違った位置に修飾子を指定することのないように注意してください。 BACKUP コマンド行については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 にさらに詳しい説明があります。

11.4.1.1 拡張文字セット

OpenVMS では バージョン 7.2 から Extended File Specifications がサポートされており, BACKUP ユーティリティは拡張文字セットのファイル名を処理できます。 含まれている文字は次の形式です:

  • ODS-2 標準ファイル名

  • ISO Latin-1

  • Unicode (UCS-2)

拡張文字セットについての詳細は 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

11.4.1.2 入力ファイルの指定

ファイルに基づく BACKUP 操作では,次のように相対入力ファイル・バージョンを指定できます。

$ BACKUP FILE.DAT;-2 SAVED_FILE.DAT

この例では,入力ファイル名の最新のバージョンから数えて2バージョン古いバージョンを選択し, 別のファイル名を割り当てています。

BACKUP ユーティリティは,相対ファイル・バージョンの指定記法として, 最も古いバージョンを表す -0 を使用できません。 代わりに -0 は指定したファイルの最新バージョンを選択したとみなされます。

11.4.2 Backup Manager

Backup Manager は,直感的でタスク指向のセルフ・ドキュメント方式で BACKUP の機能を提供する, OpenVMS の BACKUP ユーティリティへの画面用インタフェースです。 Backup Manager が,バックアップのプロセスを通じてガイドするので, バックアップ操作が簡単になります。 Backup Manager を使用しても,BACKUP コマンド行を使用しても,実際の性能には差がありません。

Backup Manager の動作環境は次のとおりです。

  • 弊社の VTxxx シリーズのビデオ・ターミナル, または同等のターミナル・エミュレータ

  • VMS VAX バージョン 5.4 以上のシステム,および OpenVMS Alpha バージョン 1.5 以上のシステム

Backup Manager インタフェースは,OpenVMS Screen Management ランタイム・ライブラリ (RTL) ルーチンに対応します。

11.4.2.1 Backup Manager の機能

Backup Manager は次のようなバックアップの操作を実行できます。

  • ボリューム全体をセーブ・セットに保存する。

  • ボリュームから選択したファイルをセーブ・セットに保存する。

  • セーブ・セットからボリューム全体を復元する。

  • 選択したファイルをセーブ・セットから復元する。

  • セーブ・セットのリスト表示を行う。

Backup Manager では,次の 3 種類のオンライン支援が使用できます。

  • コンテキスト依存のヘルプ

    PF2 か Help キーを押すと,表示カーソルが現在置かれているオブジェクトのヘルプを得ることができる。

  • コンテキスト依存のヒント

    表示カーソルが現在置かれているフィールドについてのオンライン“ヒント”によって,入力するよう指示される。

  • プルダウン・ヘルプ

    プルダウン・ヘルプ・メニュー・バーの項目を選択して, Backup Manager のさまざまなトピックについての包括的なヘルプを得ることができる。

11.4.2.2 Backup Manager の起動

Backup Manager を起動するには,DCL のプロンプトで次のコマンドを入力します。

$ RUN SYS$SYSTEM:BACKUP$MANAGER

操作を開始すると,BACKUP ユーティリティからの出力が自動的に表示されます。 いつでも出力を中断して (Ctrl/P),スクロールすることができます。 また,Ctrl/T で状態を表示したり,Ctrl/C で現在の BACKUP 操作を停止したりすることもできます。

11.5 セーブ・セット

BACKUP コマンドを使用してファイルをテープにセーブした場合, それらファイルはセーブ・セットと呼ばれる特殊なファイルに書き込まれます。 またセーブ・セットは,/SAVE_SET 修飾子を使ってディスクに作成することもできます。 セーブ・セットは,それが置かれている媒体に従って分類されており, 表 11-3 「セーブ・セットの種類」 は,セーブ・セットの保管に使用可能な媒体をまとめたものです。

表 11-3 セーブ・セットの種類

媒体

参照箇所

磁気テープ

11.5.1 項 「磁気テープ・セーブ・セット」

Files-11 ディスク

11.5.2 項 「Files-11 ディスク・セーブ・セット」

遠隔ノードの Files-11 ディスク (ネットワーク・セーブ・セット)

11.5.3 項 「ネットワーク・セーブ・セット」

順編成ディスク・セーブ・セット

11.5.4 項 「順編成ディスク・セーブ・セット」

 

11.5.1 磁気テープ・セーブ・セット

BACKUP セーブ・セットの保管媒体として最もよく使用される媒体は,磁気テープです。 ディスク媒体より価格が安く,コンパクトで,保管が容易です。 データの保存や復元を行うときに複数のテープを使用することができます。 つまり,バックアップ中,テープが終端に達したらテープを巻き取り, 次のテープに入れ換えてから,処理を継続することができます。

BACKUP は,あらゆる磁気テープ・ファイルを BACKUP セーブ・セットと見なします。 また,BACKUP コマンド行の入力側と出力側の両方にセーブ・セットを指定することはできません。 したがって,磁気テープ間で BACKUP 操作は行えないことになります。

磁気テープ・セーブ・セットのディスクへのコピーには,BACKUP コマンドを使用してください。 ただし,/INTERCHANGE 修飾子を使用して作成した磁気テープ・セーブ・セットは,DCL の COPY コマンドを使用できます。

磁気テープ・セーブ・セット指定の長さは,次に示すように区切り文字のピリオド (.) とファイル・タイプを含めて 17 文字までです。

WKLY27JAN2002.BCK

テープからデータを復元するとき,入力側の磁気テープのセーブ・セット名が省略された場合,BACKUP はテープの次のセーブ・セットを復元します。 ただし,入力セーブ・セット修飾子に /REWIND が指定された場合は, テープを巻き戻し,先頭のセーブ・セットを読み取ります。

11.5.2 Files-11 ディスク・セーブ・セット

Files-11 ディスクにセーブ・セットを書き込む場合は, 出力セーブ・セット修飾子として /SAVE_SET を指定する必要があります。 この修飾子は,ファイルのコピーではなくセーブ・セットを作成するよう, 出力ボリュームに指示します。 また,ディスクは Files-11 ボリュームとしてマウントし, ボリューム・セットの場合はすべてのボリュームをマウントしておく必要があります。

BACKUP は,Files-11 セーブ・セットを Files-11 または順編成ディスクのどちらの形式のセーブ・セットとしても読み取ることができます。

  • Files-11 セーブ・セットとして Files-11 セーブ・セットをそのまま読み取る場合は,セーブ・セットのすべてのボリュームをまとめてマウントしておく必要がある。 そして,プロセスの省略時のディレクトリ以外の場所にセーブ・セットがある場合は,それが存在するディレクトリを指定する。

  • 順編成ディスク・セーブ・セットとして Files-11 セーブ・セットを読み取る場合は,一度にボリュームを 1 つずつマウントすることができる。 セーブ・セット指定には, マスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] を指定する必要がある。

Files-11 ディスクに保管されたセーブ・セットは標準の OpenVMS ファイルであり,コピーや名前変更,削除,バックアップを行うことができます。

11.5.3 ネットワーク・セーブ・セット

セーブ・セット指定に遠隔ノードのノード名を指定することによって,そのノードに接続されている Files-11 ディスクにセーブ・セットを作成したり,ディスクのセーブ・セット (ネットワーク・セーブ・セット) を読み取ったりすることができます。 遠隔ノードとは,ネットワークを介して,使用中のノード (ホスト・ノード) からアクセス可能なノードです。 ネットワーク・セーブ・セットは,遠隔ノードの公用アクセス可能なディスク,すなわち,/SYSTEM か /GROUP,/CLUSTER 修飾子を使用して遠隔ノードからマウントしたディスクに存在する必要があります。

遠隔ノードのボリューム保護とファイル保護の設定によっては, ネットワーク・セーブ・セット指定にアクセス制御文字列を指定しなければならないことがあります。 そうしたアクセス制御文字列は, 次の形式でユーザ名とパスワードから構成します。

遠隔ノード名"ユーザ名 パスワード"::デバイス名:[ ディレクトリ ]

次は,遠隔ノードの DOUBLE にネットワーク・セーブ・セットを作成している例です。

$ BACKUP
_FROM:[MY_DIR]
_TO:DOUBLE"username password"::DBA0:SAVEIT.BCK/SAVE_SET

代理ネットワーク・アクセスのときのように,遠隔ノードへのアクセスに権限が必要ない場合は,アクセス制御文字列を省略してください。 アクセス制御文字列と代理ネットワーク・アクセスについては,『DECnet for OpenVMS Networking Manual』で詳しく説明しています。

11.5.4 順編成ディスク・セーブ・セット

順編成ディスク・セーブ・セットでは,Files-11 ディスク・ボリュームを,磁気テープ・ボリュームのように順に処理することができます。 順編成ディスク・セーブ・セットを使用する第 1 の利点は, マルチボリューム・セーブ・セットを構成するボリュームを一度に 1 つずつマウントできることです。 これは,大容量の固定ディスク・デバイスと小容量の着脱式ディスク・デバイスがあるだけで,テープ・ドライブが搭載されていないシステムで特に有効です。

順編成ディスクの 1 つが一杯になると,BACKUP は次のディスクをマウントするよう求めます。 データの保存や復元で複数のディスクを使用することができます。 つまり,ディスクを入れ換えながら処理を継続することができるのです。

マルチボリューム順編成ディスク・セーブ・セットを読み書きするためには,LOG_IO 特権か PHY_IO 特権が必要です。

順編成ディスク・セーブ・セットを作成する場合は,まず,DCL の MOUNT/FOREIGN コマンドを使用して,セーブ・セットの最初のボリュームをマウントしてください。 これにより,ディスクはフォーリン・ボリュームとしてマウントされますが,BACKUP は Files-11 構造を使ってディスクを管理します。

順編成ディスクに保存を行う場合は, 出力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を使用しなければなりません。 また順編成ディスクからの復元の場合は, 入力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を使用しなければなりません。 /SAVE_SET 修飾子が省略された場合,BACKUP は次のエラー・メッセージを出します。

%BACKUP-F-IMGFILSPE, /IMAGE specification must only have device name

順編成ディスク・セーブ・セットにディレクトリ名を指定する必要はありません。 順編成ディスク・セーブ・セットは, 必ずマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] に書き込まれます。 マスタ・ファイル・ディレクトリ以外のディレクトリが指定された場合, 保存操作ではその指定は無視されます。 また,復元または一覧出力操作では, ファイルが見つからないというエラー・メッセージが表示されます。

省略時の設定で BACKUP は最初の順編成ディスク・ボリュームを初期化せず,継続順編成ディスク・ボリュームだけ初期化します。 このため,最初の順編成ディスク・ボリュームに /INITIALIZE 修飾子を指定しない場合は,次のことに注意する必要があります。

  • ディスクは Files-11 構造レベル 2 または 5 の形式でなければならない。

  • ディスクがボリューム・セットのメンバであってはならない。

  • ディスクのクラスタ係数は 1 でなければならない。

  • ディスクの未使用空間が 100 個を超える連続エクステントに, フラグメンテーションが発生していてはならない。

  • 索引ファイルを拡張することはできない。

  • マスタ・ファイル・ディレクトリを拡張することはできない。

順編成ディスク・セーブ・セットに使用するボリュームは, セーブ・セット専用にしてください。 一般のファイル用に使用していたボリュームを順編成ディスク・ボリュームとして使用するためには, 初期化を行う必要があります。 1 つの順編成ディスクに書き込み可能なセーブ・セット数は最大で 12 個です。 1 つのディスクに 12 個を超えるセーブ・セットを作成したい場合は, Files-11 ディスク・セーブ・セットを使用してください。

BACKUP は,順編成ディスク・セーブ・セットを順編成ディスクまたは Files-11 のどちらの形式のセーブ・セットとしても読み取ることができます。

  • 順編成ディスク・セーブ・セットをそのまま順編成ディスク・セーブ・セットとして読み取る場合は,一度にボリュームを 1 つずつマウントすることができる。 このときのセーブ・セット・ファイル指定の省略時のディレクトリは,読み取り先のディスクのマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] である。

  • 順編成ディスク・セーブ・セットを Files-11 セーブ・セットとして読み取る場合は,セーブ・セットのすべてのボリュームをまとめてマウントしておく必要がある。 この場合,省略時のディレクトリはプロセスの省略時のディレクトリであるため,セーブ・セット・ファイル指定には, マスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] を指定する必要がある。

11.6 BACKUP が扱うファイル形式

VAX システムにおいて,BACKUP がディスクあるいは磁気テープに保存可能なファイルとディレクトリの形式は,Files-11 構造のレベル 1 とレベル 2 ディスク形式のものです。 その逆の復元も, Files-11 構造のレベル 1 と 2 ディスクの両方に対して行うことができます。

VAX システムで Alpha システム・ディスクのイメージ・バックアップを行うと, 復元操作により Alpha システムが正常にブートされます。

Alpha システムにおいては,BACKUP は Files-11 構造のレベル 2 またはレベル 5のファイルとディレクトリを ディスクと磁気テープのいずれにも保存できます。 必要な場合,BACKUP を使用して,保存されたファイルとディレクトリを Files-11 構造のレベル 2 またはレベル5 ディスクへ復元も行えます。

注意:

OpenVMS Alpha オペレーティング・システムは, Files-11 構造のレベル 1 形式に対応していません。

ISO 9660 形式の媒体上のファイルのバックアップを行うことはできませんが,ISO 9660 形式の媒体に格納されたセーブ・セットを復元することはできます。

Files-11 ディスク構造についての詳細は, 9.1.1.2 項 「ディスクおよび CD-ROM ファイル構造」 を参照してください。 ISO 9660 デバイスについての詳細は, 8.3.2 項 「ISO 9660 形式のデバイスについての情報の取得」 を参照してください。

11.7 ソフトウェア・パラメータによる効率的なバックアップの実現

セーブ操作でバックアップの性能を制約する主な要因は,関連するハードウェア・コンポーネントの速度と,保存対象となるファイルのレイアウトです。ハードウェア・コンポーネントのすべてまたは一部を高速に動作するハードウェア・コンポーネントと交換することで,バックアップ操作を 2 倍以上速くすることができます。

セーブ操作に要する時間の大半は,ファイルのオープンと,そのエクステントをメモリに読み取るために必要な時間によって決まります。 データは 1 回しか読み取られないため,ハードウェア・キャッシュやソフトウェア・キャッシュは,ディスクの性能を改善するためには役立ちません。 このため,ディスク上のファイルのレイアウトが重要です。

ファイルのサイズとエクステント

BACKUP の入力ファイル処理では,ファイルのオープンと,そのファイル属性の読み取りに,1 ブロックの読み取り I/O が少なくとも 2 回行われます。このオーバヘッドは,小さいファイルでも大きいファイルでも同じです。 このため,同じ量のデータを大きなファイルからセーブすると,小さなファイルからデータをセーブするよりも約 3 倍効率が良くなります。

ディスク上の各ファイル・エクステントやファイル・フラグメントの I/O を 1 回行うときに,BACKUP は大きなエクステントの I/O を,/BLOCKSIZE パラメータにより指定されている内部バッファ・サイズに合うように分割しなければなりません。 BACKUP が発行できる最大の I/O は,127 ブロック (63.5K バイト) です。 エクステントが 1 つのファイル (連続ファイル) は,最も効率的にセーブできます。 ファイルのエクステントが多いほど,ファイルのセーブに時間がかかります。

BACKUP は,ディレクトリ・パスとファイル名のアルファベット順で,ディスクからファイルを読み取ります。 ファイルとそのエクステントをアルファベット順にディスク上に配置し,ファイルを連続領域にすると,最高の性能を得ることができます。 このような状態にするには,イメージでのセーブと復元を行うときに BACKUP/IMAGE を使用します。 多くのデフラグメント・ユーティリティは,ファイルをアルファベット順には配置しません。 また,場合によっては,これらのユーティリティが,ファイルを大きなエクステントにまとめることによって得られた性能向上を目減りさせてしまうことがあります。

BACKUP の性能に対するファイル・サイズの効果

ファイル・サイズは,セーブ・セットの作成,コピー,およびイメージのバックアップの際に,BACKUP の性能に大きな影響を及ぼします。 ただし,物理的なバックアップの際には,ファイル・サイズの影響はありません。 図 11-1 「BACKUP の性能に対するファイル・サイズの効果」 のグラフは,小さいファイルの集まりをバックアップする場合,状況によっては,同じ量のデータを含む大きなファイルの集まりをバックアップする場合よりも 40 倍時間がかかることを示しています。 これは,ファイル・システムのオーバヘッドが原因です。 図中の 4 つのカーブは,BACKUP のタイプと,関連するコンポーネントによって,効果が異なることを示しています。

図 11-1 BACKUP の性能に対するファイル・サイズの効果

BACKUP の性能に対するファイル・サイズの効果

ファイルのレイアウト: フラグメンテーション

フラグメンテーションによっても,BACKUP が大幅に遅くなることがあります。 HSJ50 では,フラグメントのあるファイルをバックアップすると,フラグメントのないファイルの 2 倍,時間がかかります。 EVA およびその他のストレージ・アレイの性能に対する効果は定量化されていませんが,期待どおりの性能が得られない場合は,この影響を考慮に入れてください。

CPU の消費

ディスクやテープ・ドライブの発達により,特にセーブ・セットを作成する際に,バックアップは CPU 時間を大量に消費するほど高速に動作することがあります。 同じマシン上で複数のバックアップが同時に実行されている場合は,かなりの負荷となります。 状況によっては,バックアップ・プロセスを同時に 8 個実行するテストで,4 CPU マシンが飽和状態になることがあります。

ソフトウェアのチューニング

OpenVMS BACKUP の現在の設計では,システム・パラメータやプロセス・パラメータを調整することで,性能をある程度改善することができます。 しかし,この作業は単純で簡単なものではなく,一般的に期待できる性能改善は,15% 以下です。 システム・パラメータとプロセス・パラメータを変更すると,性能が悪くなることもあります。 ファイル・フラグメンテーションやファイル・サイズが異なるディスクでは,ファイルを効率的にセーブするために,異なるプロセス・クォータが必要となることがあります。

ソフトウェア・チューニング・パラメータは,セーブ操作専用です。 復元の性能には影響しません。

性能に影響する修飾子

表 11-4 「性能に影響する BACKUP 修飾子」 に示す修飾子は,BACKUP の性能に影響する可能性があります。

表 11-4 性能に影響する BACKUP 修飾子

修飾子

説明

/BLOCKSIZE

セーブ・セットをテープ・デバイスに書き込むには,テープ上のセーブ・セットで使用できる最大のブロック・サイズである /BLOCKSIZE = 65,024 を必ず使用します。

注意: テープからディスクへセーブ・セットをコピー可能とするには,最大ブロック・サイズ 32,768 を使用します。

/GROUP新しいテープ・ドライブおよびディスク・ドライブ・テクノロジの導入により,BACKUP の XOR グループ機能は時代遅れになりました。 /GROUP=0 を使用してください。 (/GROUP 修飾子を指定しないと,省略時の 10 が使用され,セーブ・セットのデータが 10% 増えます。)

/CRC

セーブ・セットに余分なデータを追加しない,省略時の /CRC のままにしてください。 CRC を有効にするかどうかにかかわらず,セーブ・セット内の 32 ビット・フィールドは常に予約されています。 ただし,CPU 時間を少し追加することで,バックアップ・セーブ・セットの一貫性を保証することができます。

/FAST

この修飾子を指定しても,バックアップは必ずしも高速にはなりません。 /FAST を指定すると,BACKUP は,[000000]INDEXF.SYS を読み取って,ファイル選択処理を高速にするための決定テーブルを構築するようになります。 数ファイルを選択するだけの場合,INDEXF.SYS のすべてを読み取ると,不必要なディスク I/O が発生します。 このような場合は,/FAST を使用しないでください。 /FAST を指定した場合と指定しない場合について,セーブ操作の所要時間を計測してください。

/IMAGE 修飾子は,暗黙的に /FAST を含んでいます。

 

BACKUP の性能に影響するディスク設定

表 11-5 「BACKUP の性能に影響するディスク設定」 に示すディスク設定は,セーブ・セットをディスクに書き込むときの BACKUP の性能に影響する可能性があります。

表 11-5 BACKUP の性能に影響するディスク設定

ディスク設定

説明

SET RMS/BUFFER=127/ EXTEND=5000

この設定を使用すると,BACKUP はセーブ・セットのブロックをディスクに書き込むときに,より大きなバッファを使用します。 値を大きくすると,セーブ操作中にセーブ・セット・ファイルを拡張するときの影響が軽減されます。 このコマンドは,BACKUP コマンド行の前に入力してください。

SET VOLUME/ NOHIGHWATER_MARKING

ハイウォータ・マークを無効にすると,セーブ・セット・ファイルを拡張するときのオーバヘッドが軽減されます。 このコマンドは,各ボリュームの前に 1 度だけ入力してください。

 

WSQUOTA の使用

WSQUOTA は,BACKUP のセーブ性能に影響する,最も敏感なパラメータです。 チューニングの際には,バックアップを実行するアカウントでは,WSQUOTA に大きな値 (WSMAX) を設定してください。 WSQUOTA を変更するには,DCL コマンドの SET WORKING_SET コマンドを,BACKUP コマンド行の前で使用してください。 AUTHORIZE ユーティリティを使用してクォータを変更するよりも,この方法で WSQUOTA を変更する方が便利です。

WSQUOTA と /BLOCKSIZE を同時に指定すると,セーブ操作の開始時にイン・メモリ・バッファが作成されます。 実際に使用されているバッファの数については,/LIST の出力を参照してください。 バッファの数が多いほど性能が向上すると思われるかも知れませんが,BACKUP は入力ディスクを走査してセーブ対象ファイルを探し,これらのファイルを,利用可能なバッファ領域にマッピングすることを考慮してください。 バッファの数が多いほど,この操作に時間がかかります。 それと同時に,出力テープ・ドライブやディスク・ドライブは,アイドル状態になります。 作成するバッファの数が少ない (小さい WSQUOTA 値を使用する) ほど,特にセーブ・セットをテーブ・デバイスに書き込む場合,入力動作と出力動作がうまくオーバラップし,性能がよくなります。

推奨するプロセス・クォータ

表 11-6 「効率的なバックアップのための最適プロセス・クォータ」 に,効率的にバックアップを行うためのプロセス・クォータの設定方法を示します。

表 11-6 効率的なバックアップのための最適プロセス・クォータ

プロセス・クォータ

チューニングへの影響

プール型クォータか

推奨設定

WSQUOTA

×

  • 初期値は 32,768 ページレット。

  • 5,000 ずつ大きくする。

  • 値が 100,000 を超えると,一般的に性能が悪くなる。

  • PQL_MWSQUOTA には WSQUOTA 以下の値を設定する。

FILLM

  • 128 に等しい値 (通常では十分な値)。

  • CHANNELCNT - 20 未満。

  • 10 ずつ大きくする。

  • 入力ディスクに小さいファイルが入っているか,フラグメントが非常に多い場合,大きな値を使用する。

  • 効率は,WSQUOTA に制限される。

  • PQL_MFILLM には FILLM 以下の値を設定する。

DIOLM

×

  • 100 に等しい値 (通常では十分な値)。

  • 10 ずつ大きくする。

  • 値を大きくすると,性能がよくならないまま,I/O サブシステムがハングアップするか,リセットされることがある。

  • PQL_MDIOLM には,DIOLM 以下の値を設定する。

WSEXTENT

なし

×

WSMAX に等しい値。

PGFLQUOTA

なし

WSQUOTA + 25,000 以上の値。

ASTLM

なし

×

DIOLM + 100 以上の値。

BIOLM

なし

×

FILLM + 100 以上の値。

BYTLM

なし

256 * FILLM + 6 * DIOLM + 10,000 以上の値。

ENQLM

なし

FILLM + 100 以上の値。

 

作業方法

プロセス・クォータによって効率的なバックアップを実現する手順を次に示します。

  1. AUTHORIZE ユーティリティを使用して,バックアップに使用するアカウントの現在のクォータの値を確認する。 たとえば SYSTEM アカウントを使用してバックアップを行うのであれば,次のコマンドを入力する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN AUTHORIZE
    UAF> SHOW SYSTEM
    
  2. SYSMAN ユーティリティを使用して, システム・パラメータの WSMAX の値を確認する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW WSMAX
    
    %SYSMAN-I-USEACTNOD, a USE ACTIVE has been defaulted on node DIEM
    Node DIEM:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name          Current   Default   Minimum   Maximum Unit  Dynamic
    --------------          -------   -------   -------   ------- ----  -------
    WSMAX                    100000      4096      1024 134217728 Pagelets 
    
    SYSMAN> EXIT
    $ 
    

    この例では,WSMAX の値は "Current" という欄に示され,100000 である。 この値を使用して,プロセス・クォータに適切な値を設定する。

  3. AUTHORIZE を使用して,ステップ 2 で求めたプロセス・クォータと 表 11-6 「効率的なバックアップのための最適プロセス・クォータ」 に示す最適値を比較する。 示されている値は,効率的にバックアップするための最適値である。

  4. 必要ならば,AUTHORIZE の MODIFY コマンドを使用してプロセス・クォータを変更する。 変更を有効にするためには,いったんログアウトする必要がある。 プロセス・クォータの変更方法についての詳細は, 7.3.2 項 「ユーザ・アカウントの変更」 を参照すること。

    表 11-7 「プロセス・クォータ例」 は,たいていのシステム構成で使用可能な, 具体的なプロセス・クォータのリストである。 ディスクのフラグメンテーションがひどかったり, システムの使用が激しいときにバックアップを行ったりする場合は, WSQUOTA と FILLM 値を小さくする。

    表 11-7 プロセス・クォータ例

    プロセス・クォータ

    推奨値

    WSQUOTA

    32768

    FILLM

    128

    DIOLM

    100

    WSEXTENT

    50000

    PGFLQUOTA

    100000

    ASTLM

    1000

    BIOLM

    1000

    BYTLM

    100000

    ENQLM

    1000

     

次に,AUTHORIZE ユーティリティを起動して,SYSTEM アカウントのプロセス・クォータを設定するときに使用するコマンドを, 順を追って紹介します。 実際の操作で別のアカウントからバックアップを行う場合は, そのアカウントのプロセス・クォータを確認してください。

  1. 現在のクォータを確認する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN AUTHORIZE
    UAF> SHOW SYSTEM
    Username: SYSTEM                           Owner:  SYSTEM MANAGER
    Account:  SYSTEM                           UIC:    [1,4] ([SYSTEM])
    CLI:      DCL                              Tables: DCLTABLES
    Default:  SYS$SYSROOT:[SYSMGR]
                                     .
                                     .
                                     .
    Maxjobs:         0  Fillm:        40  Bytlm:        32768
    Maxacctjobs:     0  Shrfillm:      0  Pbytlm:           0
    Maxdetach:       0  BIOlm:        18  JTquota:       1024
    Prclm:          10  DIOlm:        18  WSdef:          256
    Prio:            4  ASTlm:        24  WSquo:          512
    Queprio:         0  TQElm:        20  WSextent:      2048
    CPU:        (none)  Enqlm:       200  Pgflquo:      20480
                                     .
                                     .
                                     .
    UAF> EXIT
    %UAF-I-NOMODS, no modifications made to system authorization file
    %UAF-I-NAFNOMODS, no modifications made to network authorization file
    %UAF-I-RDBNOMODS, no modifications made to rights database
    $
    

    この例では,SYSTEM は次のクォータ値を持つ。

    WSQUOTA

    512

    WSEXTENT

    2048

    PGFLQUOTA

    20480

    FILLM

    40

    DIOLM

    18

    ASTLM

    24

    BIOLM

    18

    BYTLM

    32768

    ENQLM

    200

  2. SYSMAN ユーティリティを使用して, システム・パラメータ WSMAX の値を確認する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW WSMAX
    %SYSMAN-I-USEACTNOD, a USE ACTIVE has been defaulted on node DIEM
    Node DIEM:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name          Current   Default   Minimum   Maximum Unit  Dynamic
    --------------          -------   -------   -------   ------- ----  -------
    WSMAX                    100000      4096      1024 134217728 Pagelets 
    
    SYSMAN> EXIT
    $ 
    

    WSMAXの値は "Current" という欄に示され,100000 である。

  3. ステップ 1 で求めたプロセス・クォータと 表 11-6 「効率的なバックアップのための最適プロセス・クォータ」 に示す値を比較し,適切な値を設定する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN AUTHORIZE
    UAF> MODIFY SYSTEM/WSQUOTA=32768
    UAF> MODIFY SYSTEM/FILLM=128
    UAF> MODIFY SYSTEM/DIOLM=100
    UAF> MODIFY SYSTEM/WSEXTENT=100000
    UAF> MODIFY SYSTEM/PGFLQUOTA=200000
    UAF> MODIFY SYSTEM/ASTLM=1000
    UAF> MODIFY SYSTEM/BIOLM=1000
    UAF> MODIFY SYSTEM/BYTLM=100000
    UAF> MODIFY SYSTEM/ENQLM=1000
    UAF>  EXIT
    
  4. プロセス・クォータを有効にするため,いったんログアウトして, ログインしなおす。

11.8 ディスクとテープの使用法

バックアップ操作では,たいてい,ディスク・ボリュームとテープ・ボリュームの両方を使用することになります。 バックアップでボリュームを使用する前に通常行う作業は次の 4 つです。

  1. デバイス名の決定

  2. デバイスの割り当て

  3. ボリュームの初期化 (任意)

  4. デバイスのマウント (ディスクのみ,BACKUP はテープを自動的にマウント)

これらの作業全般の内容は,すでに 第9章 「記憶媒体の管理」 で説明したとおりです。 この章では,特に BACKUP との関連でこれらの作業について説明します。 この章で取り上げるディスク操作はすべてディスケットにも適用されます。

11.8.1 ボリュームの初期化

ボリュームの初期化では,次のことを行います。

  • OpenVMS Files-11 形式でのフォーマット

  • ANSI ラベルの設定

  • 既存ファイルとのリンクを解除することによる効率的なファイル消去

  • テープ・ボリュームのボリューム・ヘッダ・レコードへの満了日と保護データの書き込み

重要:

ボリュームを初期化すると,既存のファイルのリンクが解除され, ファイルが効率良く消去されます。 残したいデータが入っているボリュームを初期化しないように注意してください。

11.8.1.1 ボリュームを初期化する時期

次の条件を満たす場合は,BACKUP で使用するボリュームを初期化する必要があります。

  • 新しいボリュームで,Files-11 形式でフォーマットされていない。

  • ボリュームに含まれるデータに対するアクセス権を取り除きたい。

  • ボリューム・ラベルと満了日,ボリューム保護データを変更したい。

  • ANSI と ISO 以外のラベルがボリュームに含まれている。

ボリュームを初期化する方法は,表 11-8 「ボリュームの初期化方法」 に示す 3 つです。

表 11-8 ボリュームの初期化方法

方法

参照箇所

バックアップの前に DCL の INITIALIZE コマンドを使用する

9.3 項 「ボリュームの初期化」

BACKUP コマンド行で /REWIND 修飾子を使用する (テープのみ)

11.8.1.2 項 「テープ」

BACKUP コマンド行で /INITIALIZE 修飾子を使用する (ディスクのみ)

11.8.1.3 項 「ディスクの初期化」

 

11.8.1.2 テープ

INITIALIZE コマンドを使用してから,バックアップを行うという方法の代わりに,BACKUP コマンドで,一度にテープの初期化とバックアップを行うことができます。

作業方法

BACKUP コマンドでテープ・ボリュームを初期化する場合は, 出力指定に /REWIND と /LABEL 修飾子を追加します。 /REWIND 修飾子はボリュームを巻き戻して,初期化します。 /LABEL 修飾子には,ボリューム・ラベルを指定することができます。

磁気テープのボリューム・ラベルには,任意の ANSI “a” 文字で最大 6 文字を指定することができます。 ANSI “a” 文字とは,数字と英大文字,そして次の英数字以外の文字です。

! " % ' ( ) * + , _ . / : ; < = > ?

英数字以外の文字を使用する場合は,ボリューム・ラベルを二重引用符で囲まなければなりません。

ボリュームに含まれるデータの内容に合せて, ボリューム・ラベルを指定してください。 次に,ラベルの推奨例をいくつか紹介します。

ラベル

バックアップ形態

満了日

DLY101

毎日,グループ 1,ボリューム番号 1

7 日後満了

DLY102

毎日,グループ 1,ボリューム番号 2

7 日後満了

WKY101

毎週,グループ 1,ボリューム番号 1

4 週間後満了

WKY201

毎週,グループ 2,ボリューム番号 1

4 週間後満了

MTH101

毎月,グループ 1,ボリューム番号 1

12 ヶ月後満了

YRY101

毎年,グループ 1,ボリューム番号 1

5 年後満了

初期化をするにあたっては,次のことに留意してください。

  • テープ・ボリュームがすでに初期化されていて, ラベルが BACKUP コマンド行に指定されたものと異なる場合, BACKUP は,ラベルが同じでない旨のエラー・メッセージを表示する (11.12 項 「BACKUP によるテープ・ラベル処理」 参照)。

  • テープが満了していない場合,BACKUP は次のエラー・メッセージを表示する。

    %INIT-F-FILNOTEXP, file is not expired
    

    このメッセージが出されたボリュームを初期化するためには, ボリュームに対する VOLPRO 特権か書き込みアクセスを有しているか, あるいはボリュームの所有者である必要がある。 いずれかの条件を満たす場合は,DCL の INITIALIZE /OVERRIDE=EXPIRATION コマンドを使用して,テープを初期化することができる。

    またこれ以外に,/IGNORE=LABEL_PROCESSING 修飾子を指定した BACKUP コマンド行を入力し直すという方法もある。 詳細は 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照すること。

  • 出力セーブ・セット修飾子に /REWIND と /PROTECTION を使用して初期化されたボリュームの場合は,ボリュームの所有者であるか,VOLPRO 特権を有している必要がある。 ボリュームの所有者であるということは,自分の UIC がボリュームの所有者 UIC と同じであることを意味する。

$ BACKUP [ACCOUNTS.JUNE] MUA0:JUNE.BCK/REWIND/LABEL=MTH101

11.8.1.3 ディスクの初期化

INITIALIZE コマンドを使用してから,バックアップを行うという方法の代わりに,BACKUP コマンドで,一度にディスクの初期化とバックアップを行うことができます。

作業方法

バックアップでディスクを初期化する方法は次の 2 通りあります。

  • ディスクへのイメージ・コピーの場合,BACKUP は出力先のディスクを 自動的に初期化し,ディスク上の既存のファイルとボリューム初期化データを効率良く消去する。 ボリュームのボリューム初期化データを残したい場合は,/NOINITIALIZE 修飾子を使用すること。

  • 順編成ディスク・セーブ・セットの作成では,BACKUP は出力先ボリュームを初期化しないので,初期化したい場合は, /INTIALIZE 修飾子を使用すること。

  1. 次の BACKUP コマンドは,DUA1 のボリューム初期化データを使用してディスク DUA2: を初期化する。

    $ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2:
    

    初期化を終えると,BACKUP は DUA1: の内容を DUA2: にコピーし, 効率良く DUA2 の既存ファイルを消去する。 DUA2: のファイルは連続して書き込まれるので,ディスクのフラグメンテーションが解消される。

  2. 次の BACKUP コマンドは,出力先ディスクのボリューム初期化データを残したまま,イメージ・コピーを行う。

    $ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2:/NOINITIALIZE
    

    DUA1: の内容が DUA2: にイメージ・コピーされ,DUA2 の既存ファイルが効率良く消去される。

  3. 次の BACKUP コマンドは DJA2: を初期化して,既存ファイルを効率良く消去する。

    $ MOUNT/FOREIGN DJA2:
    %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DJA2:
    $ BACKUP/IMAGE DUA1: DJA2:DAILY.SAV/INITIALIZE
    

    初期化を終えると,BACKUP は DUA1: のイメージ・バックアップを順編成ディスク・セーブ・セット DUA2:[000000]DAILY.SAV に作成する。 使用可能な未使用空間よりセーブ・セットが大きい場合は, 次のボリュームを求めるプロンプトを出し,ボリュームがセットされると,初期化を行って,新しいボリュームのマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] にセーブ・セットの残り部分を書き込む。 セーブ・セットについては, 11.5 項 「セーブ・セット」,/INITIALIZE 修飾子については, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照すること。

11.8.2 ボリュームのマウント

ボリュームをマウントするということは,そのボリュームをシステムから使用できるようにすることです。 バックアップの場合, BACKUP は自動的にテープをマウントします。 ディスクの方は,その大部分がシステム起動時にマウントされます。 この節では,明示的にボリュームをマウントする方法について説明します。

セーブ・セットをディスクに書き込む場合は,標準の Files-11 または順編成ディスクのどちらの形式でセーブ・セットを書き込むのか決めてください。

  • セーブ・セットを標準の Files-11 形式で書き込む場合は, 出力先ディスクを Files-11 ディスクとしてマウントしておく必要がある。

  • たとえば,セーブ・セットが複数のディスクにまたがり, 順編成ディスク形式でセーブ・セットを書き込む場合は,DCL の MOUNT コマンドに /FOREIGN 修飾子を指定することによって, 出力先ディスクをフォーリン・ボリュームとしてマウントしておく必要がある。

作業方法

  1. 次の形式で SHOW DEVICE コマンドを入力して,デバイスがマウント済みかどうか調べる。

    SHOW DEVICE デバイス名

  2. 次の形式で MOUNT コマンドを入力する。

    MOUNT [/FOREIGN] デバイス名 [ ボリューム・ラベル ] [ 論理名 ]

    デバイス名

    マウントするボリュームがセットされているデバイス名。

    ボリューム・ラベル

    INITIALIZE コマンドでボリュームに設定した英数字からなる識別コード。 ディスク・ボリューム・ラベルの最大の長さは 12 文字, 磁気テープ・ボリューム・ラベルの最大の長さは 6 文字。 /FOREIGN 修飾子を使用する場合, このパラメータを指定する必要はない。

    論理名

    ボリュームに対応付ける 1 文字から 255 文字の英数字からなる名前 (省略可)。

$ SHOW DEVICE MU
Device              Device        Error    Volume         Free  Trans Mnt
 Name               Status        Count     Label        Blocks Count Cnt
DAD$MUA6:           Online            0
MOM$MUA6:           Online            0
FRED$MUA6:          Online            0
$ MOUNT/FOREIGN FRED$MUA6: TEST DRIVE1
%MOUNT-I-MOUNTED, TEST mounted on _FRED$MUA6:

FRED$MUA6: にテープ・ボリュームをマウントし,論理名として DRIVE1 を設定しています。

11.8.3 ボリュームのディスマウント

/RELEASE_TAPE 修飾子の指定がない場合,BACKUP がバックアップ対象の最後のボリュームをディスマウントすることはありません。 したがって, ボリュームに対する操作を終えたら,ディスマウントを行う必要があります。

作業方法

次の形式で DISMOUNT コマンドを使用します。

DISMOUNT デバイス名

次は,MUB6: デバイスからテープをディスマウントしている例です。

$ DISMOUNT MUB6:

この DISMOUNT コマンドは MUB6 のテープをディスマウントして, アンロードします。 アンロードされたテープはデバイスから取り出すことができます。 テープをディスマウントするだけで,アンロードしたくない場合は,次のコマンドを入力してください。

$ DISMOUNT/NOUNLOAD MUB6:

11.9 OPCOM とボリューム

スタンドアロン型のワークステーションを使用しているか,設備的にディスクやテープ・デバイスへのアクセスが簡単な場合,たいてい, システム管理者は自分で自分のボリュームをマウントし,初期化することができます。 しかしながら,サイトによっては,オペレータが代わってそれらの作業を行うところもあります。 使用したいデバイスのある場所が離れた場所にあったり,あるいはボリュームを操作するのに必要な特権がない場合は,オペレータの支援が必要です。

オペレータと交信する必要があるサイトでは,サイト別プロシージャの内容についてオペレータに問い合わせてください。 システムのカスタマイズ方法によって,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) が必要になることがあります。 OPCOM は,オペレータ支援を要請することを可能にするシステム・プロセスです。 また OPCOM には,オペレータが要請に応答する機能も用意されています。

11.9.1 オペレータ支援の要請

注意:

サイト別プロシージャの内容についてオペレータに問い合わせてください。 OPCOM が使われていなかったり, この節で紹介する例と使用方法が異なっていたりすることがあります。

自分の代わりにオペレータにテープをマウントしてもらいたい場合は, OPCOM を使用してオペレータにテープのマウントを要請します。

作業方法

オペレータにテープのマウントを要求する場合は,REQUESTS/REPLY または REQUEST/TO コマンドを使用します。

  • /REPLY 修飾子は,オペレータが応答するときに要求を特定できるよう,要求にユニークな番号を割り当てる。

  • 非常に大規模な施設では,何人かオペレータがいて,各人が異なる作業を担当していることがある。 そうした場合は, REQUEST/TO コマンドを使用して,キーワードが示す特定のオペレータにメッセージを送信することができる。

オペレータ支援を要求したのだが,オペレータがいないという場合は, 次のメッセージが表示されます。

%MOUNT-I-NOOPR, no operator available to service request

このメッセージは,オペレータによってオペレータ・ターミナル機能が無効にされていることを意味します。 要求を強制終了する場合は,Ctrl/Z を押します。

BACKUP や MOUNT コマンドでは,/[NO]ASSIST 修飾子を使用することができます。

  • OPCOM が有効で,/ASSIST 修飾子が指定されており,かつマウント要求に応答がなかった場合は,オペレータ・ターミナルにマウントが失敗した旨のメッセージが表示される。 BACKUP と MOUNT コマンドとともに, 省略時の設定は /ASSIST である。

  • /NOASSIST 修飾子が指定されていた場合は,オペレータ・ターミナルではなく,要求を出したターミナルにマウントが失敗した旨のメッセージが表示される。

  • ワークステーションが使用されていて,/NOASSIST 修飾子が指定されなかった場合,OPCOM はオペレータに次のボリュームをセットするよう要求する。

    OPER 特権がある場合,要求者は別のターミナル・ウィンドウを使って次のコマンドを入力することにより, その要求に応答することができる。

    $ REPLY/ENABLE=TAPES
    $ REPLY/TO=identification-number "message text"
    

  1. オペレータにテープのマウントを要求する場合は, 次のようなコマンドを使用する。

    $ REQUEST/REPLY "Is anyone using drive MUA12?"
    %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:21:12.46
    %OPCOM-S-OPREPLY, PLEASE DIRECT YOUR REQUEST TO THE TAPE OPERATOR
    2-APR-2000 12:26:13.12. request 2 completed by operator OPA0
    $
    

    /REPLY 修飾子は,オペレータが応答するときに要求を特定できるよう, 要求にユニークな番号 (この例では 2) を割り当てる。 この場合, オペレータからの応答があるまで,次のコマンドを入力することはできない。

  2. 次は,/TO 修飾子を使用して特定のオペレータに要求を送っている。

    $ REQUEST/TO=TAPES "Is anyone using drive MUA12?"
    %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:40:11.32
    %OPCOM-S-OPREPLY, I'M DONE GO AHEAD
    2-APR-2000 12:45:26.18. request 5 completed by operator OPA0
    $
    

11.10 BACKUP セーブ・セット内容の表示

BACKUP では,セーブ・セットとそこに含まれるファイル情報を取得して,ターミナルに表示したり,ファイルに出力したりすることができます。

BACKUP はそれ自身にのみ解釈可能な形式でセーブ・セットを書き込むため,セーブ・セットを復元せずにセーブ・セットの内容を確認する方法は,一覧出力しかありません。 一覧出力機能は,他の BACKUP 機能と組み合せることができます。

省略時の設定では,セーブ・セットの一覧には,各ファイルの実際のブロック数をはじめとして,DCL の DIRECTORY/DATE/SIZE コマンドで提供されるのと類似したセーブ・セットのファイル情報が含まれます。

また BACKUP の一覧出力では,BACKUP ジャーナル・ファイルの内容を一覧出力することもできます。 BACKUP ジャーナル・ファイルは, 修飾子/JOURNAL[= ファイル指定 ] を使用して保存を行ったときに作成されるファイルであり,BACKUP 保存に関するディスク記録と, 保存ファイルに関するファイル指定情報が含まれます。 BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力についての詳細は, 11.13.4 項 「BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力」 を参照してください。

作業方法

BACKUP セーブ・セットの内容を一覧出力する手順は次のとおりです。

  1. セーブ・セットを含むメディア・ボリュームをデバイスにセットする。

  2. ボリュームがディスクの場合は,11.8.2 項 「ボリュームのマウント」 の説明に従ってディスクをマウントする。 テープの場合は,BACKUP によって自動的にマウントされる。

  3. OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』に示されている形式で BACKUP/LIST コマンドを入力する。 コマンドに /REWIND 修飾子を指定すると,セーブ・セットの検索前に, テープが先頭まで巻き戻される。 ボリュームに含まれるすべてのセーブ・セットの一覧をリストしたい場合は,デバイス指定にアスタリスク・ワイルドカード文字の (*) を含めること。

    磁気テープ上のセーブ・セットの内容の一覧をリストする場合には, セーブ・セット名を指定する必要はない。 単に BACKUP/LIST コマンドに,テープがセットされているデバイスのデバイス名を指定すればよい。 BACKUP は磁気テープ上の次のセーブ・セット読み取り,そのセーブ・セットの最後になると,処理を中止する。 コマンドに /REWIND 修飾子がないかぎり,BACKUP が自動的にテープの始まりマーカーまでテープを巻き戻すことはないので,次のセーブ・セットを調べたい場合, BACKUP/LIST コマンドを繰り返せばよい。 テープに次のセーブ・セットがない場合,BACKUP は次のエラー・メッセージを出す。

    %BACKUP-F-OPENIN, error opening MUA0:[000000].; as input
    -SYSTEM-W-NOSUCHFILE, no such file
    

  1. デバイス MIA0: にある, 2MAR1555.BCK という磁気テープ・セーブ・セットの情報を表示したい場合は, 次のコマンドを入力する。

    $ BACKUP/LIST MIA0:2MAR1555.BCK/REWIND
    Listing of save set(s) 
    
    Save set:          2MAR1555.BCK
    Written by:        POLYANNA 
    UIC:               [000200,000207]
    Date:              21-MAY-2000 09:36:14.68
    Command:           BACKUP/LOG [USER.SAVE] MIA0:2MAR555.BCK/REWIND/LABEL=WKY201
               
    Operating system:  OpenVMS Alpha Version 7.3
    
    BACKUP version:    7.3
    CPU ID register:   08000000
    Node name:         _SUZI::
    Written on:        _MIA0:
    Block size:        8192
    Group size:        10
    Buffer count:      3
    
    
    [USER.SAVE]ANOTHER.DAT;1                  1  18-MAY-2000 14:10
    [USER.SAVE]LAST.DAT;1                     1  18-MAY-2000 14:11
    [USER.SAVE]THAT.DAT;1                     7  18-MAY-2000 14:10
    [USER.SAVE]THIS.DAT;2                     1  18-MAY-2000 13:44
    
    Total of 4 files, 10 blocks
    End of save set
    
  2. 次のコマンドはテープを先頭まで巻き戻して, ボリューム MIA0: のすべてのセーブ・セットの一覧を表示する。

    $ BACKUP/LIST MIA0:*.*/REWIND
    
  3. 次は,磁気テープに対して保存と一覧出力の両方を行っている例である。

    $ BACKUP/LIST=MYBACK.DAT [PRAMS] MTA0:2MAR1555.BCK/LABEL=DLY201
    

    BACKUP はボリューム・ラベルが DLY201 か調べ, ディレクトリ [PRAMS] の内容を 2MAR1555.BCK というセーブ・セットにコピーする。 そして修飾子 LIST があるので, 保存しながら,MYBACK.DAT ファイルにセーブ・セット情報を書き出す。

11.11 マルチボリューム・バックアップ

BACKUP でデータを保存すると,セーブ・セットが複数のボリュームにまたがり,マルチボリュームのセーブ・セットになることがあります。 そうした場合,BACKUP は最初のボリュームに書き込めるだけのデータを書き込み,続いて,そのボリュームをディスマウントします。 この後,BACKUP が行う処理は,BACKUP コマンド行に複数のデバイスが指定されているかどうか,あるいはテープ・ローダが使用されているかどうかによって異なります。

  • BACKUP コマンド行に指定されているデバイスが 1 台だけで,かつ, テープ・ローダを使用していないか,オペレータの支援がない場合は, デバイスからテープを取り出して,別のボリュームをセットするよう促す。

    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
    %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume DAILY02 on MUA0: for writing
    Respond with YES when ready:
    
    注意:

    OPCOM があり,かつ /ASSIST 修飾子 (省略時の設定) が使用されている場合は,ターミナル・スクリーンに次のメッセージが表示されます。

    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
    %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume DAILY02 in device MUA0:
    BACKUP requests: Saveset DAILY.SAV, Volume number 02, write ENABLED
    

    2 本目のボリュームがセットされて,ロード状態になるか,またはオペレータによってマウント要求の満たされると,BACKUP はそのボリュームに残りのデータを書き込む。

  • コマンド行に複数のデバイスが指定されている場合は, デバイスに 2 本目のテープがロードされていて,オンラインであり,かつボリューム・ラベルが正しいものとして,そのボリュームに残りのデータを書き込む。 また,最初のボリュームはアンロードし,次のメッセージを表示する。

    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
    
  • テープ・ローダが使用されている場合は, ローダに正しいラベルのテープが正しくセットされているものとして, 次のスロットのテープに残りのデータを書き込む。 また,最初のテープは巻き戻してアンロードし,次のメッセージを表示する。

    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
    ⋮
    

11.11.1 マルチボリュームのテープ・ラベル処理

マルチボリューム・セーブ・セット処理の場合,/REWIND 修飾子の指定がないかぎり,BACKUP が先頭ボリュームを初期化することはありません。 ただし,以降のボリュームについては,初期化を行い, 次のようにしてそのボリューム・ラベルを決定します。

  • コマンド行にラベルの指定がない場合は,セーブ・セット名の先頭 6 文字を使用して,最初のボリュームのラベルを作成する。 /EXACT_ORDER 修飾子を使用した場合は,BACKUP はテープ上にボリューム・ラベルを保存する。 そして以降のボリュームについては,最初のボリュームのラベルの先頭 4 文字に連続ボリューム番号を付けて,ラベルとする。 たとえば,テープ 3 巻を必要とするファイルを保存しようとしていて, セーブ・セット名が BACKUP であると仮定する。 ラベルの指定がない場合, BACKUP は最初のテープのラベルを BACKUP とし,2 巻目を BACK02,3 巻目を BACK03 とする。

  • /LABEL 修飾子を使ってラベルが 1 つ指定され,それが最初のボリュームのラベルと一致する場合は,そのラベルの先頭 4 文字に連続ボリューム番号を付けることによって,以降のボリュームのラベルとする。 たとえば,テープ 3 巻を必要とするファイルを保存しようとしていて,最初のテープのラベルが TAPE であると仮定する。 BACKUP は 2 巻目のテープのラベルを TAPE02,3 巻目を TAPE03 とする。

  • /EXACT_ORDER 修飾子を使用せず, /LABEL 修飾子を使って複数のラベルが指定されている場合は, ボリュームにそれらのラベルを使用する。 指定されたラベルの個数より多くのボリュームが必要な場合は,最後のボリューム・ラベルの先頭 4 文字とテープのボリューム番号をラベルとする。

  • /EXACT_ORDER 修飾子を /LABEL 修飾子と組み合わせて使用し,BACKUP が使用するラベルの順序を指定することができる。 BACKUP は,ドライブ内のテープのラベルがコマンド行の対応するラベルと一致する場合に, 処理を続行する。 コマンド行で指定したラベルが不足しているために処理を完了できない場合は, BACKUP はドライブ内のテープに対するラベルを入力するよう要求する。

間違ったテープを初期化したり,間違ったテープに書き込みを行ったりすることのないよう,BACKUP はコマンド行に指定されたラベルと,実際にデバイスにセットされているテープのラベルを比較します。 こうした BACKUP のテープ・ラベル処理とラベル不一致時の処理については,11.12 項 「BACKUP によるテープ・ラベル処理」 で詳しく説明します。

11.11.2 磁気テープのバックアップ中の MOUNT メッセージ

ローダを持つデバイスを使用したとき,あるいはスタッカ またはローダが空になった場合, MOUNT ユーティリティはバックアップ中に継続磁気テープ・ボリュームに VOLINV メッセージを表示します。 次の例は,表示の例です。

%MOUNT-I-MOUNTED, ABCD03 mounted on _$4$MUA3: (HSC70)
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 4
%MOUNT-F-VOLINV, volume is not software enabled
%BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 4 on _$4$MUA3: for writing
Enter "YES" when ready: yes
%MOUNT-I-MOUNTED, ABCD04 mounted on _$4$MUA3: (HSC70)
 

一旦デバイスがオンライン状態に戻されるか,媒体が準備完了すると, バックアップ・セッションは期待される通りに動作を継続あるいは終了します。 この問題は将来のリリースで対処予定です。

11.12 BACKUP によるテープ・ラベル処理

テープをマウントしたら,BACKUP は, 書き込みを行う前にテープのボリューム・ヘッダ・レコードの情報を処理します。 このとき BACKUP が行う処理は具体的には次のとおりです。

  • ボリュームへの正当なアクセス権があるか確認するために, ボリューム保護情報を調べる。

  • 満了日になっていない磁気テープを初期化することのないよう, テープ満了日を調べる。

  • 間違った磁気テープにセーブ・セットを作成することのないよう, コマンド行に指定されたボリューム・ラベルと, テープのボリューム・ラベルを比較する。 指定されたボリューム・ラベルは, /LABEL 修飾子を使って明示的に指示されるか, セーブ・セット名を使って暗黙に指示されるかのいずれかである。 このとき BACKUP は次のガイドラインに従って,テープ・ラベルを処理する。

    • 指定されたラベルが 6 文字より長い場合は,6 文字に切り詰める。

    • ボリューム・ラベルが 6 文字より短い場合は,空白文字を詰めて 6 文字にする。

    • ボリューム・ラベルの先頭 4 文字は, コマンド行に指定されたラベルの先頭 4 文字と正確に一致するか, 少なくとも 1 文字のアンダスコア文字で終了している必要がある。 ボリューム・ラベルの先頭 4 文字が少なくとも 1 文字のアンダスコア文字で終了し, かつコマンド行に指定されたラベルがアンダスコア文字の前のボリューム・ラベル部分に一致する場合は,一致するものと見なされる。 たとえば,コマンド行のラベルの ABN は, ABN_ というボリューム・ラベルと一致すると見なされるが, ABNE の場合,一致するとは見なされない。

    • ボリューム・ラベルの 5 文字目と 6 文字目が 0 から 9 の範囲の数字の場合は, それらの文字を,コマンド行に指定されたラベルの対応する文字位置の文字と比較する。 数字以外の場合,5 文字目と6 文字目は, コマンド行に指定されたラベルの対応する文字位置の文字と正確に一致する必要がある。

ラベルが一致し,正しいアクセス権をもっていて,かつテープが満了している場合, BACKUP は指示された処理を行います。

このとき /LABEL 修飾子で複数のラベルが指定されており, /EXACT_ORDER 修飾子を指定しなかった場合は, 指定ラベルと一致するテープのボリューム・ラベルが 1 つでもあれば, 処理は成功します。 たとえば,テープのボリューム・ラベルが MA1686 であったとすると, /LABEL 修飾子は次のようであれば問題ありません。

/LABEL=(MA1684,MA1685,MA1686)

ボリューム・ラベルに一致するものがない場合,BACKUP は次のエラー・メッセージを表示します。

%MOUNT-I-MOUNTED, DKA0 mounted on _SODAK$MUA0:
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on _SODAK$MUA0 was not mounted because
 its label does not match the one requested
%BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed because
 volume MB1684 is out of order, Volume label MA1684 was expected
 specify option (QUIT, NEW tape, OVERWRITE tape, USE loaded tape)
BACKUP>

オプションの指定によっては,バックアップを強制終了(QUIT), 現在のテープをディスマウントして,新しいテープをマウントしたり (NEW), またテープのデータを書き換えたり (OVERWRITE), ロードされているテープを使用したり (USE) することができます。

/LABEL 修飾子で複数のラベルを指定し,/EXACT_ORDER 修飾子も指定した場合は, BACKUP はロードされたテープのラベルと /LABEL 修飾子で指定した最初のラベルを比較します。 ラベルが一致した場合は,BACKUP は処理を開始し, 一致しなかった場合は,前記のメッセージを表示します。

使用するテープのボリューム・ラベルがコマンド行の対応するラベルと一致する場合は, 操作が完了する,またはボリューム・ラベルをすべて使用するまで, BACKUP は処理を続行します。 コマンド行で十分なラベルを指定しなかったために操作が完了できなかった場合, またはロードされたテープのラベルが ANSI ラベルではなかった場合は, BACKUP はドライブ内のテープに対してラベルを入力するよう要求します。

未使用テープを使用する,または既存のテープを書き換える場合は, /IGNORE=LABEL_PROCESSING 修飾子を使用してください。 この修飾子は,保存のとき BACKUP が ANSI ラベル以外のテープを検出したときに出力する前記メッセージの出力を禁止します。

/EXACT_ORDER 修飾子,/IGNORE 修飾子,および /LABEL 修飾子についての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

11.13 ファイルとディレクトリのバックアップ

この節では,ファイルのコピーと,ファイルとディレクトリのバックアップ,ファイルの比較,BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力について説明します。

注意:

ファイルに対して BACKUP ユーティリティを使用する場合には,相対バージョン -0 はバージョン 0 として処理され,処理用のファイルの最も古いバージョンではなく最新のバージョンがセーブされることに注意してください。

11.13.1 ファイルのコピー

BACKUP を使用して,ファイルをコピーすることができます。 BACKUP コマンドのコピー機能はバージョン番号や作成日,変更日, 保護コードなどのファイル情報を変更しない点が, DCL の COPY コマンドとは異なります。 ただし,省略時の設定では,コピー先ファイルの所有者 UIC はカレント・プロセスの UIC になります。 また,DCL コマンドの COPY と異なり,BACKUP は, ディレクトリ構造を変更することなくディレクトリ・ツリー全体をコピーすることもできます。

作業方法

ファイルのコピーを作成する場合は,次の形式で BACKUP コマンドを使用します。

BACKUP 入力指定 出力指定

  1. 次のコマンドは,カレント・ディレクトリの EMPLOYEES.DAT ファイルを [BATES.TEST] ディレクトリにコピーする。

    $ BACKUP EMPLOYEES.DAT USER1:[BATES.TEST]EMPLOYEES.DAT
    
  2. 次のようにしてディレクトリ・ツリー全体のコピーを作成することもできる。

    $ BACKUP USER1:[BATES...] USER2:[BATES...]
    

    USER2: ディスクに BATES ディレクトリ構造を再作成している。

  3. 次のコマンドは,ディレクトリ・ツリー [LYKINS...] のすべてのファイルを,同じディスクのディレクトリ・ツリー [OWLCR..] にコピーしている。

    $ BACKUP [LYKINS...]*.*;* [OWLCR...]*.*;*
    
注意:

/VERIFY 修飾子を指定して 開始したディスク対ディスク間 コピー操作では, コピーされなかったファイルを操作の完了確認をしようとすることがあります。 たとえば,あるディスクから別のロケーションにあるディスクへの /VERIFY 修飾子つきのコピーが正常終了せず, システムが 2 つのエラーを表示した場合があります。 1 つはファイルがコピーされなかったことを表示します。 もう 1 つはファイルのコピー完了確認がされなかったことを示します。

11.13.2 セーブ・セットへのファイルとディレクトリのバックアップ

BACKUP を使用した処理で最もよく使われる処理の 1 つは, セーブ・セットへのファイルの保存です。 セーブ・セットには種類がいくつかあります。 詳細は 11.5 項 「セーブ・セット」 を参照してください。

作業方法

ファイルまたはディレクトリをバックアップする場合は,次の形式で BACKUP コマンドを使用します。

BACKUP 入力指定 出力指定 [/SAVE_SET] [/LABEL= ラベル ]

入力指定にはバックアップしたいファイル, 出力指定には出力先のデバイスとセーブ・セット名を指定します。

ディスクにデータを保存する場合は, 出力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を使用してください。 この修飾子を省略すると,BACKUP のセーブ・セットが作成されず, 標準のファイル形式でファイルのコピーが行われます。 テープにデータを保存する場合は,/SAVE_SET 修飾子を指定する必要はありません。 BACKUP は磁気テープ・ファイルを必ずセーブ・セットとして取り扱います。 使用するテープのラベルを指定したい場合は,/LABEL 修飾子を使用します。

  1. 次のコマンドは,EMPLOYEES.DAT というファイルをセーブ・セットにバックアップする。

    $ ALLOCATE MUA0: TAPE1 1
    %DCL-I-ALLOC, MUA0: allocated
    $ INITIALIZE TAPE1 DLY101 2
    $ BACKUP/LOG EMPLOYEES.DAT MUA0:EMPL_MAY91.BCK/LABEL=DLY101  3
    %MOUNT-I-MOUNTED, BACKUP mounted on _MUA0:
    BACKUP-S-COPIED, copied DUA0:[SCHULT]EMPLOYEES.DAT;32
    $    
    

    この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。

    1

    テープ・デバイス MUA0: を割り当て,論理名として TAPE1 を設定する。

    2

    デバイスのテープを初期化し,ラベルとして DLY101 を設定する。

    3

    MUA0 のテープのセーブ・セットに EMPLOYEES.DAT ファイルを保存する。 /LOG 修飾子が指定されているので,BACKUP は自身がコピーしたファイルのファイル指定情報を表示する。 /LABEL 修飾子には,INITIALIZE コマンドで設定したボリューム・ラベルが指定されている。

  2. 次のコマンドは,[LYKINS...] というディレクトリ・ツリーのすべてのファイルとすべてのサブディレクトリを含む磁気テープ・セーブ・セット,NOV13SAVE.BCK を作成する。

    $ BACKUP [LYKINS...] TAPE:NOV13SAVE.BCK/LABEL=NOV13
    
  3. 次の例に示すように,バックアップしたいファイルをリスト形式で指定することもできる。

    $ BACKUP
    _From: DUA0:[MGR]EMPLOYEES.DAT,USER1:[RECORDS]DOOHAN.DAT,EVANS.DAT
    _To: MUA1:MONTHLY_AUG.BCK/LABEL=TAPE1
    
  4. 大量のデータをバックアップする場合は,複数の出力デバイスを指定することができる。

    $ BACKUP
    _From: DUA0:[000000]*.*
    _To: MTA1:BACKUP.BCK,MTA2:
    

    MTA1: のテープの空間を使い切った場合,BACKUP は,MTA2 に初期化されていないテープがセットされているか, あるいはラベル BACK02 で初期化されたテープがセットされているものとして,MTA2 のテープにセーブ・セットの残りの部分を書き込む。

  5. 次の例に示すように,ファイル 1 つだけの Files-11 セーブ・セットを作成することができる。 このとき,DUA1: はすでにマウントされているものとする。

    $ BACKUP STRATCOL1.DAT DUA1:STRATDAT1.BCK/SAVE_SET
    
  6. ネットワーク・セーブ・セットを作成する場合は,次の形式で出力指定にノード名とユーザ名,パスワードを追加する。

    遠隔ノード名"ユーザ名 パスワード"::デバイス名:[ディレクトリ]

    次はネットワーク・セーブ・セットの作成例である。

    $ BACKUP
    From: STRATCOL1.DAT
    To: NIMBL"ROGERS SANFRANCISCO"::WORK1:[ROGERS]STRATDAT1.BCK/SAVE_SET
    
  7. 次のコマンドは,DUA0: に,現在の省略時のディレクトリのすべてのファイルを含む順編成ディスク・セーブ・セット, NOV12SAVE.BCK を作成する。

    $ MOUNT/FOREIGN DUA0:
    $ BACKUP [] DUA0:NOV12SAVE.BCK/SAVE_SET
    
  8. 次の例では,[REPORTS...] というディレクトリ・ツリーをセーブ・セットにバックアップしている。

    $ BACKUP [REPORTS...] MIA11:REPORT.BCK/REWIND/IGNORE=LABEL_PROCESSING
    

    /REWIND 修飾子はテープを巻き戻して,初期化する。 また,/IGNORE=LABEL_PROCESSING 修飾子が指定されているため, BACKUP はテープの既存のラベル情報をすべて無視する。 /LABEL 修飾子がないので, BACKUP はセーブ・セット名の先頭 6 文字 (REPORT) をテープ・ラベルにする。

  9. 次の例に示すように,Files-11 形式でマウントしてディスクにディレクトリをバックアップすることもできる。

    $ MOUNT DUA1: PAYROLL
    %MOUNT-I-MOUNTED, PAYROLL mounted on _DUA1:
    $ MOUNT DUA21: DISK21
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK21 mounted on _DUA21:
    $ BACKUP
    From: DUA1:[PAYROLL]
    To: DUA21:[PAYROLL_BACKUPS]PAY22MAY2000.SAV/SAVE_SET
    

    [PAYROLL] ディレクトリのすべての内容がディスク DUA21: に収まらなかった場合,バックアップは失敗する。

  10. バックアップするデータが出力ボリュームに入り切らない場合は, 次の例に示すように,/FOREIGN 修飾子を使って出力ボリュームをマウントして,順編成ディスク・セーブ・セットを作成する。

    $ MOUNT DUA1: PAYROLL
    %MOUNT-I-MOUNTED, PAYROLL mounted on _DUA1:
    $ MOUNT/FOREIGN DJA21:
    %MOUNT-I-MOUNTED, WEEKLY mounted on _DJA21:
    $ BACKUP
    From: DUA1:[PAYROLL]
    To: DJA21:[PAYROLL_BACKUPS]PAY22MAY2000.SAV/SAVE_SET
    

    [PAYROLL] ディレクトリのすべての内容が DJA21: ディスクに入り切らなかった場合,BACKUP はデバイスのテープを入れ換えるよう促す。 Files-11 セーブ・セットと順編成ディスク・セーブ・セットについては, 11.5 項 「セーブ・セット」 を参照すること。

注意:

OpenVMS バージョン7.2よりも以前のバージョンでは,32 レベルのディレクトリがサポートされていました。 OpenVMS バージョン 7.2 以降では VAX と Alphaシステムディレクトリの階層の数は RMSの許容する数値までサポートされます。 OpenVMS バージョン 7.2 以降 の場合,この数値は 255 レベルです。

11.13.3 ファイルの比較

BACKUP には,セーブ・セットとディスク・ファイルを比較したり, ディスク・ファイル同士を比較したりする機能もあります。 コピー,保存,または復元の後で,ファイルまたはボリュームの整合性をチェックしたい場合は,比較機能を使用してください。 たとえば,セーブ・セットを元のファイルと比較したり,ファイルやボリュームのコピーを元のファイルと比較したりすることができます。

注意:

BACKUP はブロック単位でファイルを処理するため,BACKUP 以外の機能で作成したファイルを比較すると,外見上は同じであっても, ファイルの不一致エラーになることがあります。

作業方法

BACKUP を使用して比較を行うには,次の 2 つの方法があります。

  • 保存,復元,コピー,または一覧出力で /VERIFY 修飾子を指定することによって,それらの操作と比較を一緒に行う。 /VERIFY 修飾子が指定されると,BACKUP は指定された保存か復元,コピー, 一覧出力のいずれかの処理を行ってから,出力と入力の比較を行う。 比較を開始したとき,コピーまたは一覧出力との組み合せでは,BACKUP はメッセージを表示しないが,保存または復元との組み合せでは,次のメッセージを表示する。

    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
    
  • /COMPARE 修飾子を指定することによって,他の処理とは関係なく単独で比較を行う。 さらに,/COMPARE 修飾子と /IMAGE 修飾子を使って,BACKUP にイメージ比較を行うように指示できる。 これは,ファイル識別 (FID) によって,異なる 2 つのディスクのファイルを比較する。

    2 つのディスクを作成するときに,追加型バックアップを行い, 一方のディスクから他方のディスクにファイルを復元して同一ファイルにした場合は,イメージ比較が正常に機能しないことがある。 これは,BACKUP によって,追加型復元されたファイルが追加型保存されたファイルと同じ FID になることが保証されないからである。 このことは,復元コマンドに修飾子の /OVERLAY や, /NEW_VERSION,/REPLACE を使用しても同じである。

  1. 次は,テープ上のセーブ・セットとディスク上のファイルを比較している例である。 2MAR1555.BCK セーブ・セットの内容と [LYKINS] ディレクトリの内容を比較している。

    $ BACKUP/COMPARE MTA0:2MAR1555.BCK [LYKINS]
    
  2. 次は,ディスク上のファイル,UPLIFT.EXE;4 と UPLIFT.EXE;3 を比較している。 ブロック 16 が一致しないことが分かる。

    $ BACKUP/COMPARE UPLIFT.EXE;3 UPLIFT.EXE;4
    %BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for block 16 of
     WRKD$:[LYKINS]UPLIFT.EXE;4
    
  3. 2 つの Files-11 ボリュームのすべての内容を比較したい場合は, 次の例に示すようにイメージ比較を行う。

    $ BACKUP/IMAGE/COMPARE DBA1: DBA2:
    
  4. 物理セーブ・セットと Files-11 ボリュームを比較したい場合は, 次の例に示すように物理比較を行う。 物理比較では,すべてのディスクをフォーリン・ボリュームとしてマウントしておく必要がある。

    $ MOUNT/FOREIGN DBA2:
    $ BACKUP/PHYSICAL/COMPARE MIA0:PHYSBACK.BCK DBA2:
    
  5. 次は,コピーと比較を組み合せている例である。

    $ BACKUP/VERIFY/LOG FRED.DAT [FRIENDS]OLDFRED.DAT
    %BACKUP-S-CREATED, created DISK$:[FRIENDS]OLDFRED.DAT;3
    %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$:[FRIENDS]OLDFRED.DAT;3
    

11.13.4 BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力

BACKUP を使用した処理の記録を取っておきたい場合は, ジャーナル・ファイルを作成します。 BACKUP ジャーナル・ファイルには, BACKUP の保存や,個々の処理で保存されたファイル指定情報が含まれます。

作業方法

ジャーナル・ファイルを作成する場合は,BACKUP の保存で /JOURNAL[=ファイル指定] 修飾子を使用します。

また BACKUP ジャーナル・ファイルの内容の一覧を取りたい場合は, 次の形式で BACKUP コマンドを入力します。

BACKUP/LIST[= ファイル指定 ]/JOURNAL[= ファイル指定 ]

BACKUP/LIST/JOURNAL コマンドに入力指定や出力指定を行うことはできません。 /LIST コマンド修飾子のファイル指定が省略された場合, BACKUP はターミナルに出力を行います。 また,/JOURNAL コマンド修飾子のファイル指定が省略された場合は,省略時の BACKUP ジャーナル・ファイル名の SYS$DISK:[]BACKUP.BJL が使用されます。

BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力については, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の /JOURNAL 修飾子を参照してください。

ここでは,BACKUP ジャーナル・ファイルを作成して,その内容を一覧出力する例を紹介します。

$ BACKUP/JOURNAL/LOG/IMAGE  DRA2: MIA0:3OCT.FUL
%BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]ALPHA.DAT;4
%BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[COLLINS]EDTINI.EDT;5
.
.
.
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2
%BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 2 on _MIA0: for writing
Press return when ready:
%BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MAIL.MAI;1
%BACKUP-S-COPIED, copied DRA2:[LANE]MEMO.RNO;5
.
.
.
$ BACKUP/JOURNAL/LIST
Listing of BACKUP journal
Journal file _DB2:[SYSMGR]BACKUP.BJL;1 on 3-OCT-2000 00:40:56.36
Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-2000 00:40:56.36
Volume number 1, volume label 3OCT01

         [COLLINS]ALPHA.DAT;4
         [COLLINS]EDTINI.EDT;5
         [COLLINS]LOGIN.COM;46
         [COLLINS]LOGIN.COM;45
         [COLLINS]MAIL.MAI;1
         [COLLINS]MAR.DIR;1
         [COLLINS.MAR]GETJPI.EXE;9
         [COLLINS.MAR]GETJPI.LIS;14
                   .
                   .
         [LANE]LES.MAI;1
                   .
                   .
Save set 3OCT.FUL created on 3-OCT-2000 00:40:56.36
Volume number 2, volume label 3OCT02

          [LANE]MAIL.MAI;1
          [LANE]MEMO.RNO;5
          [LANE]MEMO.RNO;4
                   .
                   .
          [WALTERS.VI]KD.RNO;52

End of BACKUP journal

11.14 ファイルとディレクトリの復元

BACKUP の復元機能は,セーブ・セットを読み取り,それを元の状態に戻します。 復元を行うことによって,重要なファイルを削除したり, ディスクのすべての内容を壊したりといったことがよくあります。 したがって,操作は十分注意して行ってください。 BACKUP は,復元したセーブ・セットの内容を指定された場所に書き込みます。

ディスク全体の復元については,後述の 11.16 項 「ユーザ・ディスクの復元」 で説明します。

作業方法

ファイルを復元する場合は,次の形式で BACKUP コマンドを使用します。

BACKUP セーブ・セット指定 [/SAVE_SET] -
/SELECT=[ ディレクトリ ...] 出力指定:[ ディレクトリ ...]

セーブ・セットがディスクまたはディスケット上にある場合は, /SAVE_SET 修飾子を使用してください。 /SELECT 修飾子には,復元したいファイルを具体的に指定します。

セーブ・セットが複数の磁気テープまたは順編成ディスク・ボリュームにまたがる場合は,セーブ・セットの任意のボリュームから復元および比較を始めることができます。 ただし,/IMAGE 修飾子を使用してセーブ・セットを復元する場合は,必ず最初のボリュームから処理を始めます。 これは,イメージ復元がすべてのファイルをボリュームまたはボリューム・セットに復元するためです。 イメージ復元か比較を行うときに,セーブ・セットの最初のボリューム以外のテープを指定すると,次のメッセージが表示されます。

%BACKUP-W-NOT1STVOL, tape 'name' is not the start of a save set

/LOG 修飾子を指定すると,ファイルの復元の進行状況を監視することができます。 大きなセーブ・セットから少量のファイルだけ復元したい場合は,目的のファイルの復元を終えた時点で Ctrl/Y を押し,処理を終了してください。

  1. USER1:[WORK.SEPT]INVOICES.DAT というファイルを誤って削除してしまったため,前に保存しておいた NIGHTLY.BCK というセーブ・セットからファイルを復元する。

    $ BACKUP
    _From: MUA0:NIGHTLY.BCK/SELECT=[WORK.SEPT]INVOICES.DAT
    _To: USER1:[WORK.SEPT]INVOICES.DAT
    
  2. 次の例に示すように,ワイルドカード文字を使用して一度に複数のファイルを復元することもできる。

    $ BACKUP/LOG
    _From: MUA0:NIGHTLY.BCK/SELECT=[WORK.SEPT]INVOICES*.*
    _To: USER1:[WORK.SEPT]INVOICES*.*
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_01.TXT;1
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_02.TXT;1
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_03.TXT;1
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_04.TXT;1
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_05.TXT;1
    %BACKUP-S-CREATED, created USER1:[WORK.SEPT]INVOICES_06.TXT;1
    	⋮
    

    /LOG 修飾子が指定されているため,復元したファイルのファイル指定情報が表示される。

  3. 次の例では,NOV12SAVE.BCK という磁気テープ・セーブ・セットから [LYKINS] ディレクトリのサブディレクトリにファイルを復元している。

    $ BACKUP TAPE:NOV12SAVE.BCK [LYKINS...]
    
  4. セーブ・セットから特定の 1 つのファイルを復元したい場合は, 入力セーブ・セット修飾子の /SELECT を使用する。 たとえば,[LYKINS.GLENDO] ディレクトリのファイル STRAT1.DAT を誤って削除してしまったと仮定する。 このファイルは,以前に NOV2SAVE.BCK というセーブ・セットに保存していた。 BACKUP を使用して,STRAT1.DAT ファイルを同じディレクトリに復元し,続いて DIRECTORY コマンドを使用して,ファイルが正しく [LYKINS.GLENDO] サブディレクトリに復元されたか確認する。

    $ BACKUP
    _From: MIA0:NOV2SAVE.BCK/SELECT=[LYKINS.GLENDO]STRAT1.DAT;5
    _To: STRAT1.DAT;5
    $ DIRECTORY STRAT1.DAT
    Directory [LYKINS.GLENDO]
    
    STRAT1.DAT;5
    
    Total of 1 file.
    $
    
  5. たとえば,[REPORTS] というディレクトリのすべての内容を削除したと仮定する。 このディレクトリには,次に示すサブディレクトリが含まれていたと仮定する。

    $ SET DEFAULT [REPORTS]
    $ DIRECTORY *.DIR
    Directory USER3:[REPORTS]
    
    INTERNAL.DIR             2
    PUBLIC.DIR               5
    SUMMARIES.DIR            1
    TEST.DIR                 3
    WEEKLY.DIR               2
    
    Total of 5 files, 13 blocks.
    $
    

    これらのディレクトリとサブディレクトリのバックアップ・セーブ・セットを作成していた場合は,次のコマンドを使用して,それらを復元することができる。

    $ BACKUP MUA0:MAY-10.BCK/SELECT=[REPORTS...] USER3:[REPORTS...]
    

    すなわち,このコマンドは,[REPORTS] ディレクトリとそのサブディレクトリの [.INTERNAL],[.PUBLIC], [.SUMMARIES],[.TEST],[.WEEKLY] のすべてのファイルを復元する。

  6. 次のコマンドは,NOV12SAVE.BCK という磁気テープ・セーブ・セットに含まれているすべてのファイルを, 元のディレクトリ・ツリーに復元している例である。

    $ BACKUP TAPE:NOV12SAVE.BCK/REWIND [*...]
    

    /REWIND 修飾子は,復元を行う前にテープの始まりまでテープを巻き戻すよう BACKUP に指示する修飾子である。 これにより,セーブ・セットが現在のテープ位置より前に位置していても,正しい復元が可能になる。

11.14.1 深いディレクトリ構造内のファイルへのアクセス

BACKUP は,最高 32 レベルの深さのディレクトリ構造にあるファイルにアクセスできます。 BACKUP は,以前は深いディレクトリ (9 レベル以上) にあった BACKUP のセーブ・セット内で,ファイルを選択することもできます。 ただし ODS-S ディスク上では,最高 8 レベルの深さのディレクトリから, ファイルを復元できます。 次の例では,深さ 12 レベルの深いディレクトリ構造を復元します。

$ BACKUP MTA1:T.BCK/SAV/SELECT=[A.B.C.D.E.F.G.H.I.J.K.L]*.* -
 DISK:[DIR]*.*;*

11.15 ユーザ・ディスクのバックアップ

この節では,ディスクとテープに対する追加型バックアップとイメージ・バックアップについて説明します。

注意:

ユーザ・ディスクをバックアップする場合は,メニュー・システム (OpenVMS VAX オペレーティング・システム CD-ROM のブート時に表示されるもの) を使用しないでください。 メニュー・システムは,システム・ディスクをバックアップする場合にだけ使用してください。

また,VAX システム上で大規模なユーザ・ディスクのバックアップを行うと, BACKUP にページングが必要となり,そのために操作が失敗する場合があります。 このような事態が生じた場合は,オンラインの BACKUP を使用して VAX ユーザ・ディスクのバックアップを行ってください。

11.15.1 ユーザ・ディスクをバックアップする前に

ユーザ・ディスクのバックアップは,ログインしている会話型ユーザが存在せず,かつアプリケーションが動作していない状態で行うようにしてください。 これは,保存中にオープンしているファイルを見つけると, エラー・メッセージが出され,そのファイルのコピーが 行われなくなる ためです。 また,BACKUP はディレクトリを検索しますから,ファイルの作成や削除などのディレクトリ操作が行われていると,ファイルがバックアップ対象から除外されることがあります。

注意:

ディスクで初めてのバックアップなら,通常の追加型バックアップを行う前に,BACKUP/IMAGE/RECORD コマンドでイメージ・バックアップを行います。 イメージ・バックアップは,ディスク全体のコピーを保存しながら, 保存した各ファイルにマークを付けます。 その後に実施する通常の追加型バックアップは, 既にイメージ・バックアップが行われていることを前提としているため, 新しいファイルや変更されたファイルを保存します。

最初にイメージ・バックアップが行われていない場合には,追加型バックアップで必要以上にファイルを保存して,確実に追加型の復元ができるようにします。

後述の 11.18.3 項 「/IGNORE 修飾子」 で説明するように, /IGONRE=INTERLOCK 修飾子を指定することによって,オープンしているファイルを保存するよう BACKUP に指示することができます。 ただし,アプリケーションが書き込みを行っていた場合,このようにして保存したファイルには矛盾するデータが含まれることがあります。 BACKUP は,次のいずれかの場合にメッセージを表示します。

  • BACKUP がファイルを読み取っている間に,ファイルが変更された。

  • BACKUP がファイルの読み取りを終了したときに,ローカル・ノードでファイルが書き込みのためにアクセスされた。

ただし,BACKUP のファイル読み取り終了時に,遠隔ノードでファイルが書き込みのためにアクセスされた場合には,メッセージは表示されません。 これは,BACKUP がそのアクセスを検出できないからです。

指定されたバージョンのファイルが既に存在していたら,BACKUP は次のエラー・メッセージを表示します。

RMS-E-FEX, file already exists, not superseded

作業方法

ユーザがログインしている場合は,ディスクのバックアップを行う旨を各ユーザに通知してください。 OPER 特権を持っている場合は,次のように REPLY/ALL コマンドを使用して,一度にすべてのユーザに通知することができます。

$ REPLY/ALL "System Backup About to Begin -- Open Files Will Not Be Backed Up"

このコマンドが入力されると,システムの各会話型ターミナルには次のメッセージが表示されます。

Reply received on MYNODE from user SYSTEM at VTA28:   23:35:11
System Backup About to Begin -- Open Files Will Not Be Backed Up

11.15.2 テープへのイメージ・バックアップ

11.2 項 「バックアップのタイプ」 で説明したように,ディスクのイメージ・バックアップでは,そのディスクのすべてのファイルの論理的なコピーが作成されます。 このバックアップは,ファイルがオープンしているときの問題を考慮して,システムに会話型ユーザが存在しない状態で行ってください (11.15.1 項 「ユーザ・ディスクをバックアップする前に」 参照)。 また,システムの性能に影響することがありますから,バックアップは, システムが最も空いているときに行うのが最適です。 いくつかのプロセス・パラメータとシステム・パラメータに適切な値を設定することにより,バックアップを効率良く行うことができます (11.7 項 「ソフトウェア・パラメータによる効率的なバックアップの実現」 参照)。

作業方法

テープにイメージ・バックアップを行う場合は,次の形式で BACKUP コマンドを使用します。

BACKUP/IMAGE [/RECORD] 入力デバイス -
出力指定 [/LABEL=ラベル] [/REWIND]

/IMAGE 修飾子は,このバックアップがイメージ・バックアップであることを示します。 /RECORD 修飾子は任意であり,指定された場合は, バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録します。 将来,追加型バックアップを行う場合は,必ずこの /RECORD 修飾子を指定してください。 入力デバイスには,バックアップするディスクのデバイスを指定します。 ファイルは指定しないでください。 /REWIND 修飾子は任意であり,テープを初期化する場合は指定します。 /LABEL 修飾子は,テープのラベルを指定するときに使用します。

  1. 次は,ワークステーションのディスクのイメージ・バックアップを作成している例である。 ディスクが DKA100: で,テープ・カートリッジ・デバイスが MKB100: とすると,イメージ・バックアップは,次のコマンドを使用して行うことができる。

    $ INITIALIZE MKB100: WKLY 1
    $ MOUNT DKA100: DISK$1 2
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK$1 mounted on _DKA100:
    $ BACKUP/IMAGE/RECORD/VERIFY
    _From: DKA100:
    _To: MKB100:FULL02.SAV/LABEL=WKLY 3
    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
    

    この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。

    1

    MKB100: のテープを初期化し,ラベルとして WKLY を書き込む。

    2

    ディスク DKA100: をマウントする。 BACKUP は自動的にテープをマウントする。

    3

    ディスク DKA100: のすべての内容を MKB100 のセーブ・セット FULL02.SAV にバックアップする。 /IMAGE 修飾子は,このバックアップがイメージ・バックアップであることを示し,/RECORD 修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録する。 /VERIFY 修飾子を指定しているので,BACKUP は,ファイルをボリュームに書き込んでから,出力指定デバイスの内容と入力指定デバイスの内容を比較する。 /LABEL 修飾子は,テープのラベルを指示する。

  2. 大容量のディスクをバックアップする場合は,バックアップに複数台のテープ・デバイスを使用することがある。 そうした場合は,次のようにしてバックアップを行う。

    $ ALLOCATE MUA0:,MUA1:,MUA2: 1
    %DCL-I-ALLOC, MUA0: allocated
    %DCL-I-ALLOC, MUA1: allocated
    %DCL-I-ALLOC, MUA2: allocated
    $ BACKUP/IMAGE/RECORD/NOASSIST/RELEASE_TAPE
    _From: DKA100:
    _To: MUA0:FULL02.SAV,MUA1,MUA2/LABEL=MNTH 2
    %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH mounted on _MUA0:
    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 
    %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH02 mounted on _MUA1:
    %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 3
    %MOUNT-I-MOUNTED, MNTH03 mounted on _MUA2:
    $
    

    この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行う。

    1

    バックアップに使用するテープ・デバイスを割り当てる。

    2

    DKA100: のすべての内容をセーブ・セットにバックアップする。 BACKUP は,まず MUA0 のテープからセーブ・セットの書き込みを開始する。 そして,そのテープが一杯になると,MUA1: のテープを初期化して,セーブ・セットの残りを書き込む。 MUA1: のテープのラベルは MNTH02 である。 そしてさらに,MUA1: のテープも一杯になった場合は,MUA2: のテープに残りのデータを書き込む。

    /RELEASE_TAPE 修飾子は,セーブ・セットの書き込みを終えた出力テープ・デバイスをディスマウントして,アンロードするよう指示する。 /RECORD 修飾子が指定されているので,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにはそのときの日時が記録される。

11.15.3 ディスクへのイメージ・バックアップ

11.2 項 「バックアップのタイプ」 で説明したように,ディスクのイメージ・バックアップでは,そのディスクのすべてのファイルの論理的なコピーが作成されます。 このバックアップは,ファイルがオープンしているときの問題を考えて,システムに会話型ユーザが存在しない状態で行ってください (11.15.1 項 「ユーザ・ディスクをバックアップする前に」 参照)。 また,システムの性能に影響することがあるため,バックアップは, システムが最も空いているときに行うのが最適です。 いくつかのプロセス・パラメータとシステム・パラメータに適切な値を設定することにより,バックアップを効率良く行うことができます (11.7 項 「ソフトウェア・パラメータによる効率的なバックアップの実現」 参照)。

作業方法

ディスクにイメージ・バックアップを行う場合は,次の形式で BACKUP コマンドを使用します。

BACKUP/IMAGE/RECORD 入力デバイス 出力指定 /SAVE_SET

/IMAGE 修飾子は,このバックアップがイメージ・バックアップであることを示します。 /RECORD 修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録します。 将来,追加型バックアップを行う場合は,必ずこの /RECORD 修飾子を指定してください。 /SAVE_SET 修飾子は,セーブ・セットをディスクに作成することを示します。

  1. 次の例では,DUA2: というディスクに DUA1: というディスクのイメージ・バックアップ・セーブ・セットを作成している。

    $ MOUNT DUA1: USER1
    %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DUA1:
    $ MOUNT DUA2: USER2
    %MOUNT-I-MOUNTED, USER2 mounted on _DUA2:
    $ BACKUP/IMAGE/RECORD
    _From: DUA1:
    _To: DUA2:[USER.BACKUPS]USER1.SAV/SAVE_SET
    
  2. 次の例に示すように,BACKUP コマンド行の出力デバイス指定に複数のディスク・デバイスを指定することもできる。

    $ BACKUP/IMAGE/RECORD
    _From: DUA0:
    _To: DUB24:[USER.BACKUPS]USER1.SAV,DUB25/SAVE_SET
    

11.15.4 テープへの追加型バックアップ

11.2 項 「バックアップのタイプ」 で説明したように,ディスクの追加型バックアップでは,前回 /RECORD 修飾子を用いて行われたイメージまたは追加型バックアップ以降に作成または変更されたファイルのコピーしか作成されません。

作業方法

テープに追加型バックアップを行う手順は次のとおりです。

  1. /RECORD 修飾子を使用してイメージ・バックアップを行う (11.15.2 項 「テープへのイメージ・バックアップ」 参照)。

  2. 次の例に示すように DIRECTORY/FULL コマンドを使用し,最後に /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップの日付を確認する。

    $ DIRECTORY/FULL LOGIN.COM
    Directory WORK204:[HIGGINS]
    
    LOGIN.COM;31                  File ID:  (23788,1,0)
    Size:            7/9          Owner:    [ACC,HIGGINS]
    Created:  30-APR-2000 14:37:33.98
    Revised:  30-APR-2000 14:37:34.44 (1)
    Expires:   <None specified>
    Backup:   30-APR-2000 20:20:57.37
    File organization:  Sequential
    File attributes:    Allocation: 9, Extend: 0, Global buffer count: 0, No version limit
    Record format:      Variable length, maximum 94 bytes
    Record attributes:  Carriage return carriage control
    RMS attributes:     None
    Journaling enabled: None
    File protection:    System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World:
    Access Cntrl List:  None
    
    Total of 1 file, 7/9 blocks.
    

    上記の "Backup" フィールドに示されているのが,前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップの日付である。 この例では,2000 年 4 月 30 日の 20:20:57.37 に行われたことが分かる。

    注意:

    /RECORD 修飾子を使用したイメージ・バックアップか追加型バックアップで /IGNORE=INTERLOCK 修飾子も使用する場合は,11.18.3 項 「/IGNORE 修飾子」 を参照してください。 オープンしたままのファイルをバックアップしようとしても,そのファイルは追加型バックアップに含まれません。 これは,ファイルのバックアップ日付フィールドの値が,前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったイメージ・バックアップまたは追加型バックアップの最新のバックアップより新しくないからです。

  3. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP 入力指定 -
    出力指定[/LABEL=ラベル] [/REWIND]

    /RECORD 修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録する。 将来,追加型バックアップを行う場合は,必ずこの /RECORD 修飾子を指定すること。 /SINCE=BACKUP 修飾子は, 前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップ以降の日付のファイルをバックアップすることを指示する。 /REWIND 修飾子は任意であり,テープを初期化する場合に指定する。 /LABEL 修飾子は,テープのラベルを指定するときに使用する。

次は追加型バックアップを行う BACKUP コマンドの例であり,前回の BACKUP/RECORD コマンド以降に変更された DRA1: のすべてのファイルを 20APR2000.SAV というセーブ・セットに保存します。

$ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP/RELEASE_TAPE
From: DRA1:[000000...]
To: MIA0:20APR2000.SAV/LABEL=20JUNE

/LABEL 修飾子は,テープのボリューム・ラベルを示します。 イメージ・バックアップではなく,追加型バックアップであるため,DRA1:[000000...] を明示的に使用して,DRA1 のすべてのファイルをバックアップ対象にすることを指示する必要があります。 /SINCE=BACKUP 修飾子は,前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップ以降に作成または変更されたすべてのファイルを保存しなさいという指示です。 /RELEASE_TAPE 修飾子は,BACKUP がセーブ・セットを書き込んだ後, /RECORD 修飾子の処理を行う前に出力テープ・デバイスをディスマウントして,アンロードします。

11.15.5 ディスクへの追加型バックアップ

11.2 項 「バックアップのタイプ」 で説明したように,ディスクの追加型バックアップでは,前回 /RECORD 修飾子を用いて行われたイメージまたは追加型バックアップ以降に作成または変更されたファイルのコピーしか作成されません。

作業方法

ディスクに追加型バックアップを行う手順は次のとおりです。

  1. 追加型バックアップを行うためには,まず /RECORD 修飾子を使用してイメージ・バックアップを行う (11.15.2 項 「テープへのイメージ・バックアップ」 を参照)。

  2. 次の例に示すように DIRECTORY/FULL コマンドを使用し, 前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップの日付を確認する。

    $ DIRECTORY/FULL LOGIN.COM
    Directory WORK204:[HIGGINS]
    
    LOGIN.COM;31                  File ID:  (23788,1,0)
    Size:            7/9          Owner:    [ACC,HIGGINS]
    Created:  30-APR-2000 14:37:33.98
    Revised:  30-APR-2000 14:37:34.44 (1)
    Expires:   <None specified>
    Backup:   30-APR-2000 20:20:57.37
    File organization:  Sequential
    File attributes:    Allocation: 9, Extend: 0, Global buffer count: 0, No version limit
    Record format:      Variable length, maximum 94 bytes
    Record attributes:  Carriage return carriage control
    RMS attributes:     None
    Journaling enabled: None
    File protection:    System:RWED, Owner:RWED, Group:RE, World:
    Access Cntrl List:  None
    
    Total of 1 file, 7/9 blocks.
    
    $
    

    上記の "Backup" フィールドに示されているのが,前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップの日付である。 この例では,2000 年 4 月 30 日の 20:20:57.37 に行われたことが分かる。

    注意:

    /RECORD 修飾子を使用してイメージ・バックアップか追加型バックアップを行ったとき,同時に /IGNORE=INTERLOCK 修飾子も使用した場合は, 11.18.3 項 「/IGNORE 修飾子」 を参照してください。 オープンしたままのファイルをバックアップしようとしても,ファイルは追加型バックアップに含まれません。 これは,ファイルのバックアップ日付フィールドの値が, 前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったイメージ・バックアップまたは追加型バックアップの日付より新しくないからです。

  3. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP 入力指定 -
    出力指定 /SAVE_SET

    /RECORD 修飾子は,バックアップした各ファイルのファイル・ヘッダ・レコードにそのときの日時を記録する。 追加型バックアップの第 1 ステップはイメージ・バックアップである (11.15.2 項 「テープへのイメージ・バックアップ」 参照)。 将来,追加型バックアップを行う場合は,イメージ・バックアップを行うときに必ずこの /RECORD 修飾子を指定すること。 /SINCE=BACKUP 修飾子は,前回 /RECORD 修飾子を使用して行ったバックアップ以降の日付のファイルをバックアップすることを指示する。 /SAVE_SET 修飾子は,セーブ・セットをディスクに作成することを指示する。

  1. 次のコマンドは,DJC12: にある順編成ディスク・セーブ・セットに DUA55: のディスクの追加型バックアップを行う。

    $ MOUNT DUA55: DISK1
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK1 mounted on _DUA55:
    $ MOUNT/FOREIGN DJC12:
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK2 mounted on _DJC12:
    $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP
    _From: DUA55:[000000...]
    _To: DJC12:USER1.SAV/SAVE_SET
    
  2. 次の例に示すように,BACKUP コマンド行の出力デバイス指定に複数のディスク・デバイスを指定することもできる。

    $ MOUNT DUA0: USER1
    %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DUA0:
    $ MOUNT/FOREIGN DUB24:
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK2 mounted on _DUB24:
    $ MOUNT/FOREIGN DUB25:
    %MOUNT-I-MOUNTED, DISK3 mounted on _DUB25:
    $ BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP
    _From: DUA0:[000000...]
    _To: DUB24:USER1.SAV,DUB25/SAVE_SET
    

11.15.6 OpenVMS サーバ用の PATHWORKS を使用した追加型バックアップの実行

PATHWORKS for OpenVMS Macintosh サーバの追加型バックアップ操作と, OpenVMS の追加型バックアップ操作には互換性がありません。 これが原因で BACKUP は,(サブディレクトリとそのファイルまでを含めた) ディスクやディレクトリ構造の全体がセーブされることがあります。

BACKUP ユーティリティでは,ファイル・ヘッダ内の Backup Date フィールドに示された日付以降にディレクトリ・ファイルが変更されているかどうかを検出できます。 ディレクトリ・ファイルが変更されている場合は,そのディレクトリのサブディレクトリとファイルが後の復元操作に備えてすべてセーブされます。

OpenVMS システムでは,ディレクトリ・ファイルの変更日付のアップデートは,通常は行われません。 ただし,名前変更でディレクトリ・ファイルの位置を変えた場合などには, アップデートが行われることがあります。 これとは対照的に,PATHWORKS Macintosh サーバでは,Macintosh ユーザのディレクトリ・ファイルの変更日付が保持されます。 つまり,各ディレクトリ変更,ファイル作成,およびファイル削除について変更日付のアップデートが行われます。

このことが原因となって, Macintosh ユーザに対するファイルのサービスに PATHWORKS が使用されている場合に, ディスクの追加型バックアップを行うと, 前回の追加型バックアップ操作以降に作成または変更されたユーザ・ファイルだけでなく,ディスク全体あるいはディレクトリ全体が (その下のサブディレクトリやファイルを含めて) セーブされることになります。

不必要に保存しないようにするには,次のいずれかの方法をとります:

  • /NOINCREMENTAL 修飾子を使用する

    保存操作では,BACKUP の修飾子である /NOINCREMENTAL を使って, 変更されたディレクトリの下にあるファイルとサブディレクトリのすべての保存を回避することができる (ただし,いくつかのファイルは保存される)。 この修飾子は,すべてのデータの保存をしたくないことが確定的なときにだけ使用すること。

    6.2 よりも前のバージョンの OpenVMS では,省略時の設定で, 変更されたディレクトリの下にあるファイルやサブディレクトリの保存は行わなかった。 OpenVMS バージョン 7.0 と 7.1 では,正常な復元を保証するために, 変更されたディレクトリの下にあるすべてのファイルとサブディレクトリをシステムが保存した。 しかしながら,この動作は,後の復元操作では必要にならないファイルやサブディレクトリを保存してしまうことにもなった。 /NOINCREMENTAL 修飾子を使用すると,保存されるファイル・データの量をさらに制御できるようになる。

  • 追加型バックアップを実行する 直前に, 全ディレクトリ・ファイル上で“ダミーの” BACKUP/RECORD 操作を実行する。 次に例を示します。

    $ BACKUP/RECORD/IGNORE=(INTERLOCK) -
    _$ disk:[000000...]*.DIR;* -
    _$ NLA0:DUMMY.BCK/SAVE/NOCRC/GROUP_SIZE=0
    $
    $ BACKUP/VERIFY/FAST/RECORD/IGNORE=(INTERLOCK) -
    _$ /NOASSIST/COMMENT="Incremental backup of DISK:" -
    _$ disk:[000000...]*.*;*/SINCE=BACKUP -
    _$ tape:incr.bck/LABEL=incr/SAVE 
    

    この例では,最初の BACKUP コマンドでダミーのバックアップ操作を実行し, 2 番目の BACKUP コマンドで実際の追加型バックアップを実行しています。 最初のコマンドでは,すべてのディレクトリ・ファイルについて Backup Date フィールドがアップデートされます。 空の出力デバイス NLA0:[000000...] を指定しているため,セーブ・セット・ファイルに書き込まれることはありません。 この操作のファイル情報については,何も保持する必要はないため, /NOCRC 修飾子および /GROUP_SIZE=0 修飾子を指定して CRC および XOR のブロック演算を回避しています。

11.15.7 ワークステーションのディスクのバックアップ

スタンドアロン型のワークステーションでは,たいていシステム管理者がユーザ・ディスクのファイルのバックアップを行います。 11.15.7.1 項 「コマンド・プロシージャによる夜間イメージ・バックアップ」11.15.7.2 項 「コマンド・プロシージャによる夜間追加型バックアップ」,および 11.15.7.3 項 「会話型コマンド・プロシージャによるバックアップ」では, それぞれワークステーション上でユーザ・ディスクのイメージ・バックアップ,追加型バックアップ,会話型バックアップを行うためのコマンド・プロシージャを紹介します。

また SYS$EXAMPLES ディレクトリには,BACKUP コマンド・プロシージャの設計に役立つ 2 つのテンプレート・コマンド・プロシージャが用意されています。 それらコマンド・プロシージャの名前は,BACKUSER.COM と RESTUSER.COM です。

コマンド・プロシージャの使い方がわからない場合は, 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

11.15.7.1 コマンド・プロシージャによる夜間イメージ・バックアップ

ここでは,毎晩イメージ・バックアップを行うコマンド・プロシージャを紹介します。 MUA0 の磁気テープの,FULL_BACKUP.SAVE というセーブ・セットに DUA2: ディスクのすべてのファイルをバックアップします。 このプロシージャは,MicroVAX システムやワークステーションでのファイルのバックアップに特に有用です。

作業方法

夜間のイメージ・バックアップ用コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。

  1. システムのバッチ・キューが使用可能な状態にあることを確認し (14.3 項 「キュー設定の計画」 を参照),コマンド・プロシージャを 1 度だけキュー登録する。 このコマンド・プロシージャは毎日午前 2:00 に動作する。 すなわち,プロシージャは毎朝 2:00 に自動的に自身を再度キュー登録する。 ただし,毎日のテープの物理的なセットは人間が行う必要がある。 これを怠った日は,バックアップ・プロシージャは動作しないが,その後,正しくテープがセットされれば,再び自身をキュー登録して,動作する。

  2. SYS$MANAGER ディレクトリから次の内容のコマンド・プロシージャを作成し,SYSTEM_BACKUP.COM という名前を付ける。

    $!
    $! Resubmit this procedure --
    $ SUBMIT/AFTER="TOMORROW+2:0" SYS$MANAGER:SYSTEM_BACKUP
    $!
    $  ON ERROR THEN GOTO FAILURE
    $  SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL
    $!
    $  REPLY/ALL -
        "Full Backup About to Begin.  Open Files Will Not Be Saved"
    $!
    $  BACKUP /IMAGE   DUA2:   MUA0:FULL_BACKUP.SAV /REWIND /IGNORE=LABEL_PROCESSING
    $  DISMOUNT MUA0:
    $  EXIT
    $!
    $FAILURE:
    $  WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed"
    $  WRITE SYS$OUTPUT ""
    $  DISMOUNT MUA0:
    $  EXIT
    
  3. 実行環境に合わせてコマンド・プロシージャを編集する。

    • バックアップしたいディスク名を変更する。 複数のディスクをバックアップする場合は,BACKUP コマンド行にそれらのデバイスを列挙する。 たとえば,上記の BACKUP コマンド行は次の行のように書き換えることができる。

      ⋮
      $!
      $ BACKUP/IMAGE WORK_DISK MIA0:WORK_BACK.SAV/REWIND
      $ BACKUP/IMAGE PAYROLL_DISK MIA0:PAYROLL_BACK.SAV
      $!
      ⋮
      

      後日,追加型バックアップを行う場合は,必ず BACKUP コマンド行に /RECORD 修飾子を指定すること。

    • 必要に応じて,使用するテープ・ドライブ名を変更する。

    • 必要に応じて,セーブ・セット名を変更する。

  4. 設定したセーブ・セット名を書き留める。

  5. 次のコマンド行を入力して,コマンド・プロシージャをキュー登録する。 プロシージャに SYS$MANAGER:SYSTEM_BACKUP.COM 以外の名前を付けた場合は,プロシージャ名をその名前に置き換えること。

    SUBMIT/NOPRINT/AFTER="TOMORROW+2:0"/QUEUE= キュー名 -
    SYS$MANAGER:SYSTEM_BACKUP

  6. 必ず,テープを毎日入れ換え, また指定したデバイスに物理的にセットしておくこと。 バックアップが終了したら, バックアップ・テープを安全な場所に保管する。 別のイメージ・バックアップを取るのでないかぎり, 保管したテープは使用してはならない。

キュー登録後にプロシージャの実行を中止する場合は, DELETE/ENTRY コマンドを使用します。 エントリ番号が判らない場合は, 次の例に示すように SHOW ENTRY コマンドで調べることができます。

$ SHOW ENTRY
  Entry  Jobname         Username     Blocks  Status
  -----  -------         --------     ------  ------
     14  SYS_BACKUP   TPROULX                 Holding until 19-APR-2000 02:00
         On generic batch queue CLUSTER_BATCH
$ DELETE/entry=14

11.15.7.2 コマンド・プロシージャによる夜間追加型バックアップ

コマンド・プロシージャを使用して, 毎晩ディスクの追加型バックアップを行うことができます。 次のいずれかの条件を満たす場合は, 夜間の追加型バックアップと毎週のイメージ・バックアップを行う方が好都合です。

  • 常時システムに会話型ユーザが存在しており, バックアップによるシステム性能の低下が著しい。

  • 完全バックアップを行うと複数の磁気テープが必要になるが, 追加型バックアップではそのようなことがない。 この場合,イメージ・バックアップでは,テープを入れ換えるためにオペレータが付き添っている必要があるが, 追加型バックアップはバッチ・ジョブとして実行することができる。

金曜の夜以外の毎晩 11:00 に, 追加型バックアップを行いたいと仮定します。 金曜の夜は, イメージ・バックアップを行うものとします。 この後の手順で紹介するコマンド・プロシージャは,金曜の夜を除く毎晩,3 つのディスクの追加型バックアップを行い,自動的に自身を再キュー登録します。

作業方法

夜間の追加型バックアップ用コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。

  1. SYS$MANAGER ディレクトリから次の内容のコマンド・プロシージャを作成し,INCREMENTAL_BACKUP.COM という名前を付ける。

    $!
    $! Resubmit this procedure --
    $ SUBMIT/AFTER="TOMORROW+23:0" SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP
    $!
    $ TODAY = f$cvtime("today",,"weekday")
    $ IF TODAY .EQS. "Friday" THEN GOTO DONE
    $!
    $  ON ERROR THEN GOTO FAILURE
    $  SET PROC/PRIV=(OPER,BYPASS)
    $!
    $  REPLY/ALL -
        "Incremental Backup About to Begin.  Open Files Will Not Be Saved"
    $!
    $  BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP  DRA0:[000000...]  -
       MIA0:INCREMENT1.SAV /LABEL=INC1
    $  BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP  DRA1:[000000...]  -
       MIA1:INCREMENT2.SAV /LABEL=INC2
    $  BACKUP/RECORD/SINCE=BACKUP  DRA2:[000000...]  -
       MIA2:INCREMENT3.SAV /LABEL=INC3
    $  DISMOUNT MIA0:
    $  DISMOUNT MIA1:
    $  DISMOUNT MIA2:
    $  EXIT
    $!
    $FAILURE:
    $  WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed"
    $  WRITE SYS$OUTPUT ""
    $  DISMOUNT MIA0:
    $  DISMOUNT MIA1:
    $  DISMOUNT MIA2:
    $  EXIT
    
  2. コマンド・プロシージャを編集し,実行環境に合せて以下を変更する。

    • バックアップしたいディスク名を変更する。

    • 使用するテープ・デバイス名を変更する。

    • テープのボリューム・ラベルを指定する。

    • セーブ・セット名を指定する。

    • 追加型バックアップを行わない曜日を指定する。

    この例では,金曜日には追加型バックアップを行わない。 金曜日は,イメージ・バックアップ (完全バックアップ) を行う。

  3. イメージ・バックアップをすでに行っていることを確認する。 イメージ・バックアップでは,必ず,/BACKUP コマンド行に /IMAGE 修飾子とともに /RECORD 修飾子を使用すること。

  4. 次のコマンド行を入力して,コマンド・プロシージャをキュー登録する。 プロシージャに SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP.COM 以外の名前を付けた場合は,プロシージャ名をその名前に置き換えること。

    $ SUBMIT/AFTER=23  SYS$MANAGER:INCREMENTAL_BACKUP
    
  5. 必ず,指定したデバイスにテープを物理的にセットしておくこと。 追加型バックアップが終了したら,バックアップ・テープを安全な場所に保管する。 別のイメージ・バックアップを取るのでないかぎり,保管したテープは使用してはならない。

11.15.7.3 会話型コマンド・プロシージャによるバックアップ

ここでは,会話形式で磁気テープにディスクをバックアップするためのコマンド・プロシージャを紹介します。

作業方法

会話型コマンド・プロシージャを使用する手順は次のとおりです。

  1. 自分のディレクトリに次の内容のコマンド・プロシージャを作成する。

    $ ! Command procedure DAILYBACK.COM
    $ !
    $ ! Execute this command procedure interactively
    $ !  by entering the command @[directory]DAILYBACK
    $ !  at the DCL prompt.
    $ !
    $ ! The BACKUP command in this procedure contains the
    $ !  output save-set qualifier /REWIND.  Therefore, this
    $ !  command procedure always initializes the output tape.
    $ !
    $ ON ERROR THEN GOTO FAILURE
    $ INQUIRE DRIVE "Enter the drive name (without a colon)"
    $ ALLOCATE 'DRIVE'
    $ INQUIRE SAVESET_SPEC "Enter the save-set specifier"
    $ INQUIRE LBL "Enter the tape label"
    $ INQUIRE EXP "Enter the tape expiration date"
    $ BACKUP/NOASSIST/RECORD/IGNORE=INTERLOCK/SINCE=BACKUP -
      [...] 'DRIVE':'SAVESET_SPEC'/REWIND/LABEL='LBL'/TAPE_EXPIRATION='EXP'
    $ DISMOUNT 'DRIVE'
    $ EXIT
    $!
    $FAILURE:
    $  WRITE SYS$OUTPUT "---> Backup failed"
    $  WRITE SYS$OUTPUT ""
    $  DISMOUNT 'DRIVE'
    $  EXIT
    
  2. プロシージャを実行して,デバイス,セーブ・セット, テープ・ラベル, およびテープ満了情報を入力する。

  3. 指定されたテープ・デバイスが割り当てられると,BACKUP テープのボリューム・ヘッダ・レコードを検索してボリューム・ラベルを探し出す。 そして,ボリューム・ヘッダ・レコードにボリューム・ラベルがない場合は,/LABEL 修飾子に指定されたラベルと満了日をヘッダ・レコードに書き込んで,テープを初期化する。 ボリューム・ヘッダ・レコードにボリューム・ラベルがある場合は, そのラベルを指定されたラベルと比較し,テープが満了しているか調べる。

    テープが満了していない,またはラベルが一致しない場合, コマンド・プロシージャは終了する。 テープが満了し,かつラベルが一致する場合は,指定された満了日をヘッダ・レコードに書き込んで,テープを初期化する。 テープの初期化を終えると,BACKUP が,現在の省略時のディレクトリ・ツリー内にあって,前回の保存以降に作成または変更されたすべてのファイルを指定された名前のセーブ・セットに保存する。

11.15.8 ボリューム・シャドウ・セットのバックアップ

ボリューム・シャドウイング機能は,同一データのコピーを複数のディスク・ボリュームに作成して管理します。 システムでボリューム・シャドウイング機能を使用している場合は,個々のディスク・ボリューム (シャドウ・セット・メンバ) を統合し,1 つのシャドウ・セットを形成することができます。 このときボリューム・シャドウイング機能は,シャドウ・セットの各メンバにデータのコピーを作成します。 シャドウ・セットに含める各ディスクについて,ディスクごとにライセンスが取得できます。 このオプションは,少数のディスクしかシャドウイングしないようなクラスタで効果的です。 ただし,シャドウイングを行うディスクが多い大規模なシステムでは, 従来の容量ごと (CPUごと) のライセンスの方が適切な場合があります。

シャドウ・セットに含めることができるディスク数の制限を 表 11-9 「サポートされるシャドウ・セットの数」 に示します。

表 11-9 サポートされるシャドウ・セットの数

シャドウ・セットのタイプ

サポートされるセット

単一メンバ

セット数無限

複数メンバ

2メンバ・セットおよび 3メンバ・セット,または両方でディスク総数 400

 

これらの制限はクラスタごとに適用されます。 たとえば,合計400 のディスクは,各クラスタにおいて, 2メンバ・シャドウ・セット200または, 3メンバ・シャドウ・セット 133に構成することができます。 1 つのクラスタに単一メンバ,2メンバ,3メンバのシャドウ・セットが混在している場合には, 最高400 のディスクを2メンバと3メンバのシャドウ・セットに入れることができます。

RAID レベル 1 (シャドウイング) のファームウェアのインプリメンテーションでは, 単一の SWXCR-xx コントローラにローカルで接続されている SCSI ディスクを使用して,シャドウ・セットを作成することができます。 StorageWorks RAID Array 210 Subsystem (SWXCR-EA または SWXCR-EB EISA Backplane RAID のコントローラ) と StorageWorks PCI Backplane RAID コントローラ (SWXCR-PA または SWXCR-PB) は, 独自のファームウェアで RAID レベル 0,1,5 を実現します。

このようなコントローラに接続されている SCSI ディスクも,OpenVMSでホスト・ベースのボリューム・シャドウイングで作成されたシャドウ・セットに入れることができます。 たとえば,ホスト・ベースのボリューム・シャドウイングでは,クラスタ内に配置されている別個の SWXCR-xx RAID コントローラに接続されている 2 つの同様のディスクを含む RAID1 シャドウ・セットを作成することができます。 OpenVMS でボリューム・シャドウイングを行うシステムに接続すれば,SCSI ディスクをシャドウ・セットとして構成できます。

電源が落とされているか,ポーリングに応答しない状態の直接接続されている SCSI デバイスの場合,デバイスをシャドウ・セットから取り外すには, 1 分近く時間がかかることがあります。 その他の状況では,ほぼ SHADOW_MBR_TMO パラメータで指定された秒数だけかかります。

ボリューム・シャドウイングは,デバイス上でジオメトリと最大論理ブロック数 (LBN) をチェックします。 これによって,RZ28 や RZ28B のようなデバイスが,同じシャドウ・セット中で動作できます。 デバイス ID が異なっていても,同様のコントローラ (たとえば 2 台の HSJ コントローラ) 上で構成されていれば,ジオメトリや最大 LBN は一致します。

個々のユーザは,1 つの仮想ユニットとして作成されたシャドウ・セットにアクセスすることができます。 たとえば,DUA1:,DUA2:,DUA3: という 3 つのディスクをまとめて,DSA1 という 1 つの仮想ユニットを作成したと仮定します。 この場合,ユーザはシャドウ・セットのメンバに直接アクセスすることはできません。 メンバを操作する場合は,仮想ユニット (DSA1:) にアクセスします。

ボリューム・シャドウイング機能はシャドウ・セットの各ボリュームにデータの複製を作成するため,シャドウ・セットのバックアップには特別な注意が必要です。 ここでは,シャドウ・セットをバックアップする 1 つの方法として,BACKUP ユーティリティを使用する方法を簡単に紹介します。

重要:

シャドウ・セットのバックアップを行おうとして, シャドウ・セット・メンバを個別にディスマウントしたり,アクティブなシャドウ・セット・メンバをバックアップしたりしないでください。 シャドウ・セットは全体としてディスマウントし,メンバを 1 つ除いてシャドウ・セットを再作成します。 この制約に従わないと,作成したバックアップ・コピーに矛盾するデータが含まれることがあります。

作業方法

ここでは,BACKUP を使用してシャドウ・セットをバックアップする手順の要約を示します。 詳しい手順については, 『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』を参照してください。

注意:

紹介する手順を使用して追加型バックアップをしないでください。 バックアップしたディスク・ボリュームを既存のシャドウ・セットに戻すと,バックアップ日付が書き換えられます。

  1. すべてのシャドウ・セット・メンバが完全なメンバであり, 結合状態やコピー状態になっていないことを確認する。

  2. シャドウ・セット全体をディスマウントする。

  3. メンバを 1 つ除いてシャドウ・セットを再作成する。 除外したメンバの日付が,他のすべてのシャドウ・セット・メンバの日付に反映される。

  4. 前のシャドウ・セット・メンバをマウントする。

  5. 前のシャドウ・セット・メンバのイメージ・バックアップを行う。

  6. バックアップが終了したら,前のシャドウ・セット・メンバをディスマウントする。

  7. バックアップしたシャドウ・セット・メンバを追加する。

11.15.8.1 ホスト・ベースのシャドウ・セットへのディスクのマウント

ホスト・ベースのシャドウ・セットで, StorageWorks RAID Array 110 Subsystem にディスクをマウントするには, MOUNT コマンドに /OVERRIDE=NO_FORCED_ERROR 修飾子を指定します。

StorageWorks RAID Array 110 Subsystem は,SCSI で FORCED ERROR 機能を実現するのに必要なREAD/WRITE LONG SCSI コマンドをサポートしません。 FORCED ERROR 機能がなければ,シャドウイング・ドライバでチェック内容を上書きしなければなりません。

11.15.8.2 混合アーキテクチャ・クラスタでの支援型マージ

支援型マージはミニマージとも呼ばれ,シャドウ・セットが OpenVMS Alpha ノードや同じクラスタ内の他のタイプのノードにマウントされると, 使用禁止になります。 支援型マージを再び使用可能にするには,シャドウ・セットをマウントする全 OpenVMS Cluster ノードに,CSCPAT (TIMA) キットをインストールします。

ミニマージが使用禁止になっても,シャドウイングは正常に機能し続けます。 ただし,マージ処理が必要な場合は,常に完全なマージが行われます。 完全なマージは,ミニマージよりかなり時間がかかります。 CSCPAT (TIMA) キットのインストールをお勧めします。

11.16 ユーザ・ディスクの復元

ディスク・デバイスが故障して,ディスクの内容が壊れた場合などは, バックアップ・コピーを使用してディスク全体を復元することができます。 ときどき保存したイメージ・バックアップを復元することにより, ディスクのフラグメンテーションを防ぐこともできます。

ディスクを復元する方法は,最後に行ったバックアップがイメージ・バックアップ (完全バックアップ) か,追加型バックアップのどちらであるかによって異なります。 次の11.16.1 項 「イメージ・バックアップの復元」 では,イメージ・バックアップの場合のディスクの復元方法について, また11.16.2 項 「追加型バックアップの復元」 では, 追加型バックアップの場合のディスクの復元方法について説明します。

11.16.1 イメージ・バックアップの復元

この節では,最後に行ったバックアップが /IMAGE 修飾子を使用したイメージ・バックアップの場合の, ディスクのすべての内容の復元手順を紹介します (11.15.2 項 「テープへのイメージ・バックアップ」 参照)。

作業方法

イメージ・バックアップを復元する手順は次のとおりです。

重要:

復元で /IMAGE 修飾子を使用すると,復元先のディスクが初期化され, 既存のファイルのリンクが削除されることになります。 ディスク全体ではなく,ファイルやディレクトリを個々に復元する場合は, 11.14 項 「ファイルとディレクトリの復元」 を参照してください。

  1. 11.8.2 項 「ボリュームのマウント」 で説明したように, MOUNT/FOREIGN コマンドを使用してファイルの復元先のディスクをマウントする。

  2. イメージ・バックアップ・コピーを含むボリュームをセットして, マウントする。 バックアップ・コピーが Files-11 セーブ・セットの場合は,Files-11 形式でボリュームをマウントすること。 順編成ディスク・セーブ・セットの場合は,ボリュームをセットしてから,MOUNT/FOREIGN コマンドでマウントする。 また,テープ・セーブ・セットの場合は,最初のテープをセットする。

  3. セーブ・セット名が分からない場合は,次のいずれかの操作を行う。

    • ディスク・セーブ・セットの場合は,Files-11 形式でディスクをマウントしていることを確認してから,次の例に示すように DIRECTORY コマンドを使用し,セーブ・セット名を調べる。

      $ DIRECTORY BACKUP_DISK:[BACKUPS]
      Directory SYS$SYSDEVICE:[BACKUPS]
      
      19APRIL2000.SAV;1
      
      Total of 1 file.
      

      この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。

    • 磁気テープ・セーブ・セットの場合は,テープをセットしてから, 次のコマンドを入力し,テープ・デバイス名を MIA1: に置き換える。

      $ BACKUP/LIST/REWIND MIA1:
      Listing of save set(s)
      
      Save set:          19APRIL2000.SAV
      Written by:        SYSTEM
      UIC:               [000001,000004]
      Date:              19-APR-2000 22:03:03.63
      	⋮
      

      この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。

  4. 次の形式で /IMAGE 修飾子を指定して BACKUP コマンドを入力して, セーブ・セットを復元する。

    BACKUP/IMAGE デバイス:セーブ・セット指定 [/SAVE_SET] 出力デバイス

    ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は, セーブ・セット指定 (デバイス: セーブ・セット指定) の直後に/SAVE_SET 修飾子を指定する必要がある。

  5. セーブ・セットが複数のテープかディスク,ディスケットにまたがっている場合,BACKUP は最初のボリュームをディスマウントして,アンロードする。 これを終えると BACKUP からプロンプトが表示されるので, その時点で次のボリュームをセットすること。

  6. /NOUNLOAD 修飾子を使用して,ファイルを復元したばかりのディスクをディスマウントする。

ここでは,次のことを前提にイメージ・バックアップを復元する例を紹介します。

  • バックアップ・コピーが含まれているセーブ・セットは, イメージ・バックアップで作成された,FULL_BACKUP.SAV という磁気テープ・セーブ・セットである。

  • FULL_BACKUP.SAV の入ったテープは MIA1 デバイスにセットされている。

  • ファイルの復元は,デバイス名が DUA2: というディスクに対して行う。

$ MOUNT/FOREIGN DUA2: 1
%MOUNT-I-MOUNTED, DISK1 mounted on _DUA2:
$ BACKUP/IMAGE  MIA1:FULL_BACKUP.SAV/REWIND  DUA2: 2
$ DISMOUNT/NOUNLOAD  DUA2: 3

この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行います。

1

ファイルの復元先である DUA2: ディスクをマウントする。

2

DUA2: を初期化して,効率良くディスクの既存のデータを消去し, さらに,FULL_BACKUP.SAV セーブ・セットから DUA2: ディスクにディレクトリ構造とすべてのファイルを復元する。 BACKUP は DUA2: ディスクにファイルを連続して書き込むので,ディスクのフラグメンテーションも解消される。

/IMAGE 修飾子があると,元のディスクの論理的な複製が作成されて, ディレクトリ構造全体が復元され,ファイルがそれぞれのディレクトリに書き込まれる。
3

ディスクをディスマウントする。

11.16.2 追加型バックアップの復元

イメージ・バックアップの後に追加型バックアップを行ったときのファイルの復元は,2 段階に分かれます。 第 1 段階は,最後に行ったイメージ・バックアップの復元です。 その後で,最新のものから始めて,順次各追加型バックアップの復元を行います。

アクセス可能なディレクトリ構造のレベルについては, 11.14.1 項 「深いディレクトリ構造内のファイルへのアクセス」を参照してください。

作業方法

追加型バックアップを復元する手順は次のとおりです。 最初の数ステップは,イメージ・バックアップの復元手順と同じです。

  1. MOUNT /FOREIGN コマンドを使用してファイルの復元先のディスクをマウントする(MOUNT コマンドについての詳細は, 11.8.2 項 「ボリュームのマウント」を参照)。

  2. ディスクの最新のイメージ・バックアップ・コピーを含むテープかディスク,またはディスケットをセットする。 バックアップ・セーブ・セットが複数のボリュームにまたがる場合は, セットの最初のボリュームをセットすること。 バックアップ・コピーがディスクまたはディスケット・セーブ・セットにある場合は, 続いてボリュームをマウントする。

  3. セーブ・セット名が分からない場合は,次のいずれかの操作を行う。

    • ディスク・セーブ・セットの場合は,ディスクをマウントしていることを確認してから,次の例に示すように DIRECTORY コマンドを使用し, セーブ・セット名を調べる。

      $ DIRECTORY BACKUP_DISK:[BACKUPS]
      Directory SYS$SYSDEVICE:[BACKUPS]
      
      19APRIL2000.SAV;1
      
      Total of 1 file.
      

      この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。

    • 磁気テープ・セーブ・セットの場合は,テープをセットしてから, 次のコマンドを入力し,テープ・デバイス名を MIA0: に置き換える。

      $ BACKUP/LIST/REWIND MIA0:
      Listing of save set(s)
      
      Save set:          19APRIL2000.SAV
      Written by:        SYSTEM
      UIC:               [000001,000004]
      Date:              19-APR-2000 22:03:03.63
      ⋮
      

      この例では,セーブ・セット名は 19APRIL2000.SAV である。

  4. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/IMAGE デバイス:セーブ・セット指定 [/SAVE_SET] 出力デバイス

    /IMAGE 修飾子は,行おうとしているバックアップがイメージ・バックアップであることを示す。 ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は,セーブ・セット指定 (デバイス: セーブ・セット指定) の直後に /SAVE_SET 修飾子を指定する必要がある。

  5. セーブ・セットが複数のテープかディスク, またはディスケットにまたがっている場合は, BACKUP からプロンプトが表示されるので, その時点で次のテープまたはディスケットをセットすること。

  6. /NOUNLOAD 修飾子を使用して,ファイルを復元したばかりのディスクをディスマウントする。

  7. 次の形式で MOUNT コマンドを使用し,復元するディスクをファイル構造を持つボリュームとしてマウントする。

    MOUNT デバイス名:ボリューム・ラベル

    デバイス名には, マウントするボリュームがセットされているデバイスの名前を指定する。 ボリューム・ラベルは, INITIALIZE コマンドでボリュームに割り当てた, 1 文字から 6 文字の長さの英数字からなる識別名である。

  8. イメージ・バックアップ・コピーが含まれている媒体をディスマウントして, 最新の追加型バックアップ・コピーが含まれているテープ,ディスク,またはディスケットをマウントする。

  9. 最新の追加型バックアップから始めて,順番に追加セーブ・セットを復元する。 この復元では,次の形式で BACKUP コマンドを使用する。

    BACKUP/INCREMENTAL セーブ・セット指定 [/SAVE_SET] 出力デバイス

    ディスクまたはディスケット・セーブ・セットの場合は, セーブ・セット指定の後に必ず /SAVE_SET 修飾子を指定すること。

    最後のイメージ・バックアップ以降に行ったすべての追加型バックアップを処理し終えるまで,新しいものから古いものの順に追加型バックアップの復元を行う。 追加型バックアップが複数のボリュームにまたがる場合は, BACKUP からプロンプトが表示されるので, その都度,次のボリュームをセットする必要がある。

    復元は,最も古い追加型バックアップの復元を終えた時点で終了する。

ここでは,次のことを前提に,一連の追加型バックアップが行われたディスク全体を復元する例を紹介します。

  • イメージ・バックアップ・コピーが含まれているセーブ・セット名は, /BACKUP/IMAGE/RECORD コマンドで作成した WORK_BACKUP.SAV である。

  • 追加型バックアップのセーブ・セットは 3 つあり,それぞれ次の名を持つ。

    • WORK_16_JAN.SAV

    • WORK_17_JAN.SAV

    • WORK_18_JAN.SAV

  • イメージと追加型バックアップ・セーブ・セットはすべて DUA3: というディスクに存在し,このディスクはすでにマウントされている。

  • ファイルの復元先のディスク名は DUA2 である。

$ MOUNT/FOREIGN DUA2: 1
%MOUNT-I-MOUNTED, WORK_B mounted on _DUA2:
$ BACKUP/IMAGE DUA3:WORK_BACKUP.SAV/SAVE_SET DUA2: 2
$ DISMOUNT/NOUNLOAD  DUA2:  3
$ MOUNT DUA2: WORK_B 4
%MOUNT-I-MOUNTED, WORK_B mounted on _DUA2:
$ BACKUP/INCREMENTAL  DUA3:WORK_18_JAN.SAV/SAVE_SET  DUA2: 5
$ BACKUP/INCREMENTAL  DUA3:WORK_17_JAN.SAV/SAVE_SET  DUA2: 6
$ BACKUP/INCREMENTAL  DUA3:WORK_16_JAN.SAV/SAVE_SET  DUA2: 7

この例の番号を振ったコマンドはそれぞれ次のことを行います。

1

ファイルの復元先である DUA2: ディスクをマウントする。 /FOREIGN 修飾子が使用されていることに注意すること。

2

WORK_BACKUP.SAV セーブ・セットから DUA2: ディスクにディレクトリ構造とすべてのファイルを復元する。 これは,イメージ・バックアップの復元である。 追加型バックアップ・セーブ・セットを復元する場合は,その第 1 段階としてイメージ・バックアップ・セーブ・セットを復元する必要がある。

3

DUA2: ディスクを論理的にディスマウントする。

4

DUA2: ディスクを,今度は Files-11 ボリュームとして再マウントする。

5

最新の追加型バックアップを復元する。

6

次の追加型バックアップを復元する。

7

最も古い追加型バックアップを復元する。

ファイルを復元する最も効率的な方法は,発生の逆順に追加型バックアップを復元する方法である。 最も古い追加型バックアップの復元を終えた時点で,復元は終了する。

11.16.2.1 ターゲット・ディスク構造への復元

BACKUP は,ターゲット・ディスクとセーブ・セットの内容を検査して, セーブ・セットのどの項目を無視し,ターゲット・ディスクのどの項目を削除するか決定します。 BACKUP が,ターゲット・ディスクからディレクトリやその他のファイルを削除しようとして,特権エラーを検出すると, BACKUP は,そのファイルの保護を変更してファイルを削除します。

BACKUP は,変更されたディレクトリ・ファイルを検出すると,その後で, 名称変更されたディレクトリを適切に復元できるように, そのディレクトリとサブディレクトリの内容を保存します。

注意:

ディレクトリの名前は変更しないようにしてください。 また,ディレクトリの機密保護情報を変更すると,変更日が変わります。 そのため,ファイルの保護や機密保護情報が変わると,ディレクトリが “名称変更”されたように見え,内容が追加型セーブ・セットに含まれることがあります。 名称変更したディレクトリの内容が追加されると,追加型セーブ・セットのサイズが増加します。

BACKUP は,ディレクトリのレベルごとに,ターゲット・ディスクのディレクトリ構造をアルファベット順に処理します。 このため BACKUP は,ターゲット・ディスクに追加型セーブ・セットを正しく復元できないような状況が生じることがあります。 たとえば,ターゲット・ディスク上の元のディレクトリやその内容を削除しなければ, ターゲット・ディスクには, 新たに「名称変更」されたディレクトリとその内容を入れるのに十分なスペースがない場合もあります。

ディスク・スペースが不十分なために追加型の復元ができない場合には, (他の操作を行う前に) もう一度追加型のセーブ・セットを適用する, という解決方法もあります。 これにより,最初の追加型の復元が継続され, ディレクトリとその内容が削除されて,ターゲット・ディスクの使用可能スペースが増加します。 セーブ・セットからファイルを選択して復元するという方法もあります。

BACKUP は, 別名ファイルや同義語ファイルのエントリの複数処理を指定しない, 追加型の復元処理 (/NOALIAS) で, 別名ファイルや同義語ファイルのエントリを復元しようとします。 別名ファイルのエントリが適切に復元できない場合, BACKUP はエラー・メッセージを表示して, 別名ファイルのエントリ,その 1 次ファイル, 失敗の原因を示す 2 次状態を表示します。

/LOG 修飾子を指定すると,別名ファイルのエントリが正しく復元されたときに, BACKUP はメッセージを表示します。

/VERIFY 修飾子を指定すると,BACKUP はチェック・パスの間に別名ファイルのエントリを復元しようとします。 指定しない場合には, 別名ファイルのエントリの復元は,通常のファイル復元と同時に行なわれます。 これは,BACKUP は,1 次ファイルを全部復元してから, これらのファイルを参照する別名ファイルのエントリを復元しようとするからです。

11.16.3 ボリューム・シャドウ・セットの復元

ボリューム・シャドウイング機能は,シャドウ・セットを構成する各ディスクに同一データの複製を作成するため,シャドウ・セットの復元には特別な注意が必要です。 シャドウ・セットの復元方法については, 『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』を参照してください。

注意:

BACKUP 出力デバイス (シャドウ・セット) は, /FOREIGN 修飾子を使用してマウントする必要があります。 そのため,弊社ではイメージ・セーブ・セットの仮想ユニットへの復元操作をサポートしていません。

11.17 システム・ディスクのバックアップと復元

次のような条件の下では,システム・ディスクのバックアップが非常に大切です。

  • ソフトウェアのアップグレード,アップデート, またはインストール中に問題が発生した場合。 このような処理を行っているときに問題が発生すると,システム・ディスクが使用不能になることがあるので,処理を行う前に,システム・ディスクのバックアップを取ること。 問題が発生した場合は,そのバックアップ・コピーを使用してシステム・ディスクを復元することができる。

  • 誤った消去など,システム・ファイルの消失に備えたい場合。 オペレーティング・システムやその他ソフトウェア製品のインストール,アップグレード,またはアップデートを行った後には,システム・ディスクのバックアップを行うこと。 システム・ファイルが削除された場合は, そのバックアップ・コピーを使用して,システムの運用を続けることができる。

  • システム・ディスクをセットしているデバイスが誤動作した場合。 オペレーティング・システムと他のソフトウェアのバックアップを取っておけば,正しく動作するシステム・ディスク・デバイスを使用して, システムの運用を続けることができる。

  • ファイルの不連続書き込みによるディスクのフラグメンテーションを解消したい場合。 磁気テープまたは別のディスクにシステム・ディスクのイメージ・バックアップを行った後, ファイルを元のシステム・ディスクに復元する。 この復元により,ファイルはシステム・ディスクに連続して書き込まれる。 ディスクのフラグメンテーションは, /SAVE_SET 修飾子を使用せずにディスク間イメージ・バックアップを行うことによっても解消することができる。 これにより,ファイルは連続して書き込まれ, 機能的にはシステム・ディスク全体と等価のコピーが作成される (11.17.5 項 「ディスクへのシステム・ディスクのバックアップ」 を参照)。

OpenVMS Alpha または VAX オペレーティング・システムのディストリビューション・コンパクト・ディスクにアクセスできる場合は, そのディスクのメニュー・システムを使用して, システムをバックアップしてください。 メニュー・システムの使用についての詳細は, 11.17.1 項 「メニュー・システムの起動」 を参照してください。

注意:

メモリの少ない VAX システム (メモリ 32 MB 未満) 上で大規模なシステム・ディスクのバックアップを行うと,BACKUP ユーティリティがページングを必要とするために操作に失敗する可能性があります。 この問題が起こる場合は,スタンドアロン BACKUP を使用して VAX 上のシステム・ディスクのバックアップを行ってください。

OpenVMS VAX オペレーティング・システムのディストリビューション・コンパクト・ディスクにアクセスできない場合は, スタンドアロン BACKUP を使用して, システム・ディスクのバックアップと復元を行ってください。 スタンドアロン BACKUP についての詳細は 11.17.2 項 「スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)」 を参照してください。

11.17.1 メニュー・システムの起動

OpenVMS Alpha または VAX オペレーティング・システムのディストリビューション・コンパクト・ディスクにアクセスできる場合には, この項で説明するメニュー・システムを使用して, システム・ディスクとユーザ・ディスクのバックアップまたは復元を行います。

作業方法

  1. オペレーティング・システムが実行中でなければ,ステップ 2 へ進む。

    オペレーティング・システムが実行中であれば, SYSTEM アカウントにログインする。 次のコマンドを入力して Return キーを押す。

    $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
    

    質問に応答する。 自動システム・ブートを実行するかどうかをプロシージャが問い合わせてきたら,NO と答える (Return キーを押す)。 プロシージャが終了すると, 次のメッセージが表示される。

    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE
    

    VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。

    USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    

    このメッセージが表示されたらシステムを停止する。

  2. システムをブートする。

    • OpenVMS Alpha システムの場合, ディストリビューション・コンパクト・ディスクをブートする。

    • OpenVMS VAX システムの場合,ディストリビューション・コンパクト・ディスクを SYS1 ディレクトリからブートする。

    注意:

    使用するブート・コマンドは, ユーザが使用しているシステムのタイプによって異なります。 システムのブートについての詳細は, 使用しているコンピュータのインストールおよび操作マニュアルを参照してください。

  3. システムのブートが実行されるとメニューが表示される。 DCL コマンドおよびプロシージャを実行するメニュー項目を選択する。

  4. DCL プロンプトが表示されると,システム・ディスクおよびユーザ・ディスクのバックアップと復元を実行できる。

    システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成する場合には, 11.17.3 項 「テープへのシステム・ディスクのバックアップ」 を参照してください。

    システム・ディスクを復元するには,11.17.4 項 「テープからのシステム・ディスクの復元」 を参照してください。

11.17.1.1 例

次に,OpenVMS VAX システムにおけるメニュー方式のプロシージャの起動方法の例を示します。

>>>  B/R5:10000100 ESA0
Bootfile: ISL_SVAX_071
-ESA0
 Network Initial System Load Function
 Version 1.1


  FUNCTION        FUNCTION
    ID
    1     -       Display Menu
    2     -       Help
    3     -       Choose Service
    4     -       Select Options
    5     -       Stop

 Enter a function ID value: 3
  OPTION          OPTION
    ID
    1     -       Find Services
    2     -       Enter known Service Name

 Enter an Option ID value: 2
Enter a Known Service Name: VMS071
   OpenVMS VAX Version 7.3 Major version id = 1 Minor version id = 0

%SYSINIT-E, error opening page file, status = 0000025C
%SYSINIT-E, error opening swap file, status = 0000025C
%SYSINIT, primary PAGEFILE.SYS not found; system initialization continuing
%SYSINIT, no dump file - error log buffers not saved
%SYSINIT-E, error mounting system device, status = 00000F64
$!  Copyright (c) 2000 Hewlett-Packard Company.  All rights reserved.
$set noverify



    Copyright © (c) 2000 Hewlett-Packard Company.  All rights reserved.


    Installing required known files...

    Configuring devices...

    ****************************************************************

    The menu can be used to execute DCL commands and procedures for 
    various "standalone" tasks, such as backing up the system disk.

    Please choose one of the following:

        1)  Execute DCL commands and procedures
        2)  Shut down this system

Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?) ) 1
    WARNING --

    The normal VMS startup procedure has not executed.
    Some commands and utilities will not work as documented.


    Enter DCL commands -- Enter "LOGOUT" when done.
    When you enter "LOGOUT" a logout message will be displayed,
    and you will be returned to the menu.

$$$ 

11.17.2 スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)

BACKUP ユーティリティは, オープンされたファイル(会計情報ファイルやオペレータ・ログ・ファイルなど)はコピーしません。 したがって,スタンドアロン BACKUP (VAX のみ)または構成が許せば, メニュー・システムを使用してシステム・ディスクのバックアップを取る必要があります。 オペレーティング・システムがシャットダウン中でも, メイン・メモリにスタンドアロン BACKUP をブートし, BACKUP コマンド修飾子のサブセットを使用すれば, システム・ディスクのファイルの完全なバックアップをとることができます。 スタンドアロン BACKUP は,OpenVMS VAX のみを対象としています。 また,インストールおよびシステム・ディスクのバックアップと復元についてサポートしています。 スタンドアロン BACKUP で使用できる修飾子の一覧を 表 11-10 「使用できるスタンドアロン BACKUP 修飾子」 に示します。

表 11-10 使用できるスタンドアロン BACKUP 修飾子

タイプ

修飾子

省略時の値

コマンド修飾子

/BRIEF

/BRIEF

 

/COMPARE

なし

 

/FULL

/BRIEF

 

/IMAGE

/IMAGE

 

/[NO]INITIALIZE

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/LIST [=ファイル指定]

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/[NO]LOG

/NOLOG

 

/PHYSICAL

なし

 

/RECORD

なし

 

/[NO]TRUNCATE

/NOTRUNCATE

 

/VERIFY

なし

 

/VOLUME=n

なし

入力セーブ セット修飾子

/[NO]CRC

/CRC

 

/[NO]REWIND

/NOREWIND

 

/SAVE_SET

なし

出力セーブ セット修飾子

/BLOCK_SIZE=n

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/BY_OWNER=uic

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/COMMENT= 文字列

なし

 

/[NO]CRC

/CRC

 

/DENSITY=n

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/[NO]EXACT_ORDER

/NOEXACT_ORDER

 

/GROUP_SIZE=n

/GROUP_SIZE=10

 

/LABEL=(文字列 [,...])

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/PROTECTION [=(コード)]

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照

 

/[NO]REWIND

/NOREWIND

 

/SAVE_SET

なし

 

/TAPE_EXPIRATION

Today

 

スタンドアロン BACKUP コットは OpenVMS ディストリビューション・キットに入っていますが, システム・ディスクあるいはユーザ・ディスクに作成した方がブート時間が短縮できます。 各種媒体にスタンドアロン BACKUP を作成し,それらを使用する方法については,使用しているコンピュータのインストールおよびアップグレードの手引書を参照してください。

以降の項では,ディスクまたはテープにスタンドアロン BACKUP を作成し,その BACKUP を使用してシステム・ディスクのバックアップをとる方法を説明します。

11.17.2.1 ディスクへのスタンドアロン BACKUP の作成 (VAX のみ)

スタンドアロン BACKUP は,テープではなく,ディスクに置いたほうが高速に立ち上がるので,ディスクに作成することをお勧めします。

スタンドアロン BACKUP は,システム・ディスクまたはユーザ・ディスクのどちらにでも作成することができます。 ユーザ・ディスクに作成した場合,ディスクの占有空間量はシステム・ディスクのときより大きくなります。 これは,システムのブートに必要なファイルがユーザ・ディスクにないためです。

スタンドアロン BACKUP の作成には, SYS$UPDATE:STABACKIT.COM コマンド・プロシージャを使用します。 このプロシージャは,必要ならばターゲットデバイスに指定されたディレクトリを新たに作成し,スタンドアロン BACKUP をブートするためのファイルをそのディレクトリにコピーします。 コピー先のディレクトリは, システム・ディスクであれば [SYSE], ユーザ・ディスクであれば [SYS0] です。

作業方法

ディスクにスタンドアロン BACKUP を作成する手順は次のとおりです。

  1. SYSTEM アカウントにログインする。

  2. 次のコマンドを入力して,Return を押す。

    $ @SYS$UPDATE:STABACKIT
    Enter the name of the device on which to build the kit:
    
  3. スタンドアロン BACKUP を作成するディスクのデバイス名を入力する。 システム・ディスクに作成する場合は, 次の例に示すようにデバイス名として SYS$SYSDEVICE を入力する。

    Enter the name of the device on which to build the kit: SYS$SYSDEVICE:
    
  4. SYS$UPDATE:STABACKIT.COM コマンド・プロシージャが,指定されたディスクの既定のディレクトリにファイルをコピーし,その間,コピー中のファイルの名前を表示する。 そして,処理を終えると次のメッセージを表示する。

    The kit is complete.
    
RF73 ディスクからのイメージ・バックアップの実行

RF73 ディスク(クラスタ・サイズ4ブロックのディスク) から RF74 ディスク(クラスタ・サイズ7ブロックのディスク) へ イメージ・バックアップを実行する場合, Backup ユーティリティはコピーして書き込むファイル用の領域を割り当てる際にファイル・サイズを確認しません。 したがって,ファイルが 初期化時に設定された CLUSTER_SIZE 属性の値よりも大きなサイズの割り当てを持っていた場合, 実際のファイル・サイズがクラスタ・サイズより小さい場合にも BACKUP は クラスタ 1 つ分余計のブロックをファイルに割り当てます。 たとえば,イメージ・バックアップ時に, 実際のファイル・サイズが6ブロックであるのに, 8ブロックが割り当てられるような場合がこれに相当します (この場合,コピー終了後に DIRECTORY/SIZE=ALL コマンドを実行すると,画面には 6/8 と表示されます)。 実際のサイズはクラスタ・サイズよりも小さくなります。

具体的には次のファイルは, イメージ・システム・ディスクに使用ブロック数6ブロック, 割り当てブロック数14ブロック(6/14)でコピーされます。

  • SYS$COMMON:[SYS$LDR]LIDRIVER.EXE

  • SYS$COMMON:[SYS$LDR]LPDRIVER.EXE

この誤った割り当てサイズにより,スタンドアロン BACKUPはブートされたイメージ・ディスクで障害を発生します。

この問題を解決するには, 上記 2 つのファイルをイメージ・バックアップ後に次のコマンドを使用して同じディレクトリに再びコピーします (このコマンドでは正しい割り当てサイズを指定しています):

$ COPY/ALLOCATION=7 SYS$COMMON:[SYS$LDR]LIDRIVER.EXE
$ COPY/ALLOCATION=7 SYS$COMMON:[SYS$LDR]LPDRIVER.EXE

11.17.2.2 ディスクからのスタンドアロン BACKUP のブート (VAX のみ)

ディスクからスタンドアロン BACKUP をブートする手順を,次に示します。

  1. オペレーティング・システムが停止している場合は,ステップ 2 に進む。

    オペレーティング・システムが停止していない場合は, SYSTEM アカウントにログインし, 次のコマンドを入力して Return を押す。

    $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
    

    質問に答えていき,自動システム・ブートを行うか質問があったら, Return を押して NO を選択する。 処理が終わると,プロシージャは次のメッセージを表示する。

    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE -- USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    
  2. システムを停止させる。

  3. スタンドアロン BACKUP キットが置かれているルートから BACKUP を実行する。 スタンドアロン BACKUP をブートするためのコマンドは, コンピュータの機種によって異なる。 詳細は,使用しているシステムのインストールおよびアップグレードの手引書を参照すること。

    たとえば,MicroVAX 3100 コンピュータを使用している場合は, 次のコマンドを使用して スタンドアロン BACKUP をブートする。

    >>> B/n0000000 device-name
    
    • n は,スタンドアロン BACKUP を含むディスクのルートの番号。

    • デバイス名 は,ディスクがセットされているデバイスの名前。

    たとえば,ディスクのデバイス名が DKA400:, スタンドアロン BACKUP を作成したディレクトリが [SYSE] ディレクトリの場合は, 次のコマンドを入力します。

    >>> B/E0000000 DKA400
    

    デバイス名については,8.1 項 「デバイス名」 を参照すること。

  4. スタンドアロン BACKUP から次のメッセージが表示される。

    VAX/VMS Version Vn.n Major version id = 01 Minor version id = 00
    
  5. プロシージャから日時の質問があるので,24 時間形式で日時を入力して,Return を押す。

    PLEASE ENTER DATE AND TIME (DD-MMM-YYYY HH:MM)  19-JAN-2000 15:00
    
  6. システムのローカル・デバイスの一覧が表示される。

    Available device MKA500:     device type TK50
    Available device DKA100:     device type RRD40
       .
       .
       .
    

    一覧にローカル・デバイスがすべて列挙されているか調べ, すべて列挙されていない場合は, すべてのデバイスがシステムに正しく接続されているか調べる。 詳細は,使用しているハードウェアのマニュアルを参照すること。

  7. ブートが終わると,スタンドアロン BACKUP は識別メッセージを表示し,その後,ドル記号プロンプト ($) が表示される。

    %BACKUP-I-IDENT, Standalone BACKUP V7.3; the date is 19-APR-2000 15:00
    $
    

    システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成したい場合は, 11.17.3 項 「テープへのシステム・ディスクのバックアップ」 を参照すること。

    システム・ディスクの復元については,11.17.4 項 「テープからのシステム・ディスクの復元」 で説明する。

11.17.2.3 テープ・カートリッジへのスタンドアロン BACKUP の作成 (VAX のみ)

テープ・カートリッジ・ディストリビューション・キットを持つ VAX システムの場合は,ディストリビューション・キットで提供されるテープ・カートリッジにスタンドアロン BACKUP が含まれています。 この後に紹介する手順は,スタンドアロン BACKUP のコピーが破損した場合, または予備のコピーを作成する必要がある場合に使用してください。

作業方法

テープ・カートリッジにスタンドアロン BACKUP を作成する手順は,次のとおりです

  1. 空の初期化済みテープ・カートリッジを用意し,紙のラベルに S/A BKUP V7.3 と記入して,カートリッジのラベル・スロットにラベルを貼り付ける。

  2. 書き込み禁止スイッチ (ラベル・スロットの横) をスライドさせて, テープ・カートリッジを書き込み可能にする。

  3. デバイスに S/A BKUP V7.3 のラベルの付いたテープ・カートリッジを挿入する。

  4. SYSTEM アカウントにログインする。

  5. 次のコマンドを入力する。

    $ @SYS$UPDATE:STABACKIT
    
  6. ターゲット・デバイス名の質問があるので, スタンドアロン BACKUP を作成するテープ・カートリッジ・デバイス名を入力する。

    Enter the name of the device on which to build the kit: MUA0
    
  7. 次のメッセージが表示される。

    Please place the scratch tape cartridge in drive _MUA0:
    This volume will receive the volume label SYSTEM.
    
    Enter "YES" when ready:
    
  8. 準備ができたら,YES と入力する。

  9. ファイルをコピー中である旨のメッセージが表示される。

  10. スタンドアロン BACKUP の作成を終えると,次のようなメッセージが表示される。

    Ending time   19-MAY-2000 16:44:29.90
    Starting time 19-MAY-2000 16:30:39.05
    
    The Kit is complete.
    
    
    $
    
  11. テープ・カートリッジ・デバイスから S/A BKUP V7.3のラベルの付いたテープ・カートリッジを取り出す。

  12. 書き込み禁止スイッチ (ラベル・スロットの横) をスライドさせて, テープ・カートリッジを書き込み禁止にする。 テープは安全な場所に保管すること。

11.17.2.4 テープ・カートリッジからのスタンドアロン BACKUP のブート (VAX のみ)

テープ・カートリッジにスタンドアロン BACKUP を作成していて, ディスク・デバイスの故障などでスタンドアロン BACKUP の入ったディスクが使用不能になった場合は,代わりにテープ・カートリッジのスタンドアロン BACKUP を使用することができます。 テープ・カートリッジからのスタンドアロン BACKUP のブートに要する時間は,約 20 分です。

作業方法

テープ・カートリッジからスタンドアロン BACKUP をブートする手順は, 次のとおりです。

  1. オペレーティング・システムが停止している場合は,ステップ 2 に進む。

    オペレーティング・システムが停止していない場合は, SYSTEM アカウントにログインし,次のコマンドを入力して,Return を押す。

    $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
    

    質問に答えていき,自動システム・ブートを行うか質問があったら, Return を押して NO を選択する。 処理が終わると,プロシージャは次のメッセージを表示する。

    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE -- USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    
  2. システムを停止させる。

  3. スタンドアロン BACKUP キットが収められているテープ・カートリッジをテープ・カートリッジ・デバイスに挿入する。

  4. 次の例に示すように,BOOT と入力してから, テープ・カートリッジ・デバイスのデバイス名を入力し,Return を押す。

    >>> BOOT MUA0
    
  5. スタンドアロン BACKUP から次のメッセージが表示される。

    VAX/VMS Version V7.3 Major version id = 1 Minor version id = 0
    
  6. プロシージャから日時の質問があるので,24 時間形式で日時を入力して Return を押す。

    PLEASE ENTER DATE AND TIME (DD-MMM-YYYY HH:MM)  19-MAY-2000 15:00
    
  7. システムのローカル・デバイスの一覧が表示される。 HSC と MSCP サービス・デバイスが使用されている場合は,そのデバイスも一覧に表示される。

    Available device DUA0:             device type Generic_DU
    Available device MUA0:             device type TK50
    
  8. ブートを終えると,スタンドアロン BACKUP は識別メッセージを表示し,その後,ドル記号プロンプト ($) が表示される。

    %BACKUP-I-IDENT, standalone BACKUP V7.3; the date is 19-MAY-2000 15:50
    $
    
  9. テープ・カートリッジ・デバイスからテープ・カートリッジを取り出す。

    システム・ディスクのバックアップ・コピーを作成したい場合は, 11.17.3 項 「テープへのシステム・ディスクのバックアップ」 を参照すること。

    システム・ディスクの復元については,11.17.4 項 「テープからのシステム・ディスクの復元」 を参照すること。

11.17.3 テープへのシステム・ディスクのバックアップ

システム・ディスクのバックアップを行う場合には,BACKUP コマンドの /IMAGE と /PHYSICAL 修飾子の機能について理解してから, スタンドアロン BACKUP を行います。

修飾子

機能

/IMAGE

機能的にはシステム・ディスク全体と等価のコピーを作成する。 復元すると,イメージ・バックアップのファイルがシステム・ディスクに連続して書き込まれるので, ディスクのフラグメンテーションの解消にもなる。

/PHYSICAL

ファイル構造を無視し,論理ブロック単位でシステム・ディスク全体をコピー,保存,復元,比較する。

BACKUP ユーティリティの修飾子についての詳細は, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

作業方法

システム・ディスクをテープにイメージ・バックアップする手順は,次のとおりです。

  1. バックアップに使用する空のテープ・カートリッジまたは磁気テープを用意する。

  2. テープを書き込み可能にする。 テープ・カートリッジの場合は, 書き込み禁止スイッチ (ラベル・スロットの横) をスライドすること。 磁気テープの場合は,テープ・リールの背面に書き込み許可リングをセットする。

  3. テープ・デバイスにテープをセットする。

  4. バックアップを行うシステム・ディスクのデバイス名を確認する。 デバイス名の確認については,8.3 項 「システムのデバイス情報の取得」 を参照すること。 ブートを行うシステム・ディスクのデバイス名を知りたい場合は,DCL の SHOW LOGICAL SYS$SYSDEVICE コマンドを使用する。

  5. システム構成に応じて, スタンドアロン BACKUP をブートするか,メニュー方式のプロシージャを起動する。

  6. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/IMAGE/VERIFY 入力指定: -
    出力指定:セーブ・セット.BCK/REWIND/LABEL=ラベル

    • 入力指定は,システム・ディスクがセットされているデバイスの名前。

    • 出力指定は,バックアップ・コピーの書き込み先のデバイスの名前。

    • セーブ・セット.BCK はセーブ・セット名。 この名前は,OCT_31_2000.BCK というように,テープの内容を反映すること。 名前の長さは 17 文字に制限されている。

    • ラベルは,テープのボリューム・ラベル。 初期化済みのテープの場合は,INITIALIZE コマンドで設定したのと同じボリューム・ラベルを使用する。

    こうした構文規則に従った BACKUP コマンドの例を次に示す。

    $ BACKUP/IMAGE/VERIFY DUA1: MUA0:DEC_31_BACKUP.BCK/REWIND/LABEL=WKY101
    
  7. スタンドアロン BACKUP から,ファイルの転送を終え, バックアップ・コピーの検証中であることを示す次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
    
  8. 一本のテープ・カートリッジまたは磁気テープにバックアップ・コピーが収まらない場合は,次のメッセージとプロンプトが表示される。

    %BACKUP-I-RESUME, Resuming operation on volume 2
    %BACKUP-I-READYWRITE, Mount volume 2 on _MUA0: for writing
    Enter "YES" when ready.
    

    これらのメッセージが出されない場合は,ステップ 9 に進む。 これらのメッセージを受け取った場合は,次の操作を行う。

    1. デバイスから現在のバックアップ・テープを取り出す。

    2. 取り出したテープに COMPLETE SYSTEM BACKUP というラベルを付け, 同時に日付とテープの連続番号を記入する。

    3. バックアップ・テープを書き込み禁止にする。

    4. 別の空のテープを書き込み可能にして,デバイスにセットする。

    5. 準備ができたら,Y (YES) と入力して,Return を押す。

    6. ファイルの転送を終え,バックアップ・コピーの検証中であることを示す次のメッセージが表示される。

      %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
      

      この後,マウント要求が出されたら,その都度,a から e のステップを繰り返す。

  9. スタンドアロン BACKUP を使用している際に, バックアップが終了すると,次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation,
    use the console to halt the system.
    
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation,
    ensure the standalone application volume is online and ready.
    Enter "YES" to continue:
    

    ステップ 11 に進む。

  10. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,バックアップが終了すると, DCL プロンプトが表示される。 ログ・アウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  11. デバイスからバックアップ・テープを取り出す。 取り出したテープに COMPLETE SYSTEM BACKUP というラベルを付け,同時に日付も記入する。 複数のテープを使用した場合は,連続番号も記入すること。

  12. テープ・カートリッジまたは磁気テープを書き込み禁止にする。

  13. システムを停止させる。

  14. システムをリブートする。

  15. バックアップ・テープを安全な場所に保管する。

11.17.4 テープからのシステム・ディスクの復元

何らかの問題が発生して,システム・ディスクのブートが不可能になった場合は,バックアップ・コピーを使用してシステム・ディスクを復元することができます。

作業方法

テープからシステム・ディスクを復元する手順は次のとおりです。

注意:

BACKUP で復元したシステム・ディスクのクラスタ・サイズ (ディスク・アクセス方式) などのボリューム・パラメータには,弊社が用意した値が使用されます。 それらボリューム・パラメータの大半は,後で SET VOLUME コマンドを使用して変更することができます。 クラスタにマウントされているボリュームに関しては,SET VOLUME コマンドが発行されたノードに対して変更が起こります。

クラスタ・サイズを変更する場合は,新しいクラスタ・サイズで初期化したディスクにシステム・ディスクを再度バックアップする必要があります。 ディスクの初期化については 9.3 項 「ボリュームの初期化」,BACKUP コマンドの修飾子については『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』をそれぞれ参照してください。

  1. システム構成に応じて,スタンドアロン BACKUP をブートするか,またはメニュー・システムを起動する。

  2. 復元先のシステム・ディスクをセットしているデバイス名を確認する。 デバイス名の確認方法については,8.3 項 「システムのデバイス情報の取得」 を参照すること。

  3. 完全なシステム・ディスク・バックアップが入っている 1 本目をデバイスにセットする。 テープは,必ず書き込み禁止にしておくこと。

  4. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/IMAGE/VERIFY -
    入力指定:セーブ・セット.BCK/REWIND 出力指定:

    • 入力指定は,バックアップ・コピーが収められているドライブのデバイス名。

    • セーブ・セット .BCK はセーブ・セット名。

    • 出力指定は,復元の対象となるシステム・ディスクのデバイス名。

    こうした構文規則に従った BACKUP コマンドの例を次に示す。

    $ BACKUP/IMAGE/VERIFY MUA0:DEC_31_BACKUP.BCK/REWIND DUA0:
    
  5. 次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
    
  6. システム・ディスクのバックアップ・コピーが複数のテープ・カートリッジまたは磁気テープにまたがっている場合は,次のメッセージとプロンプトが表示される。

    %BACKUP-I-RESUME, Resuming operation on volume 2
    %BACKUP-I-READYREAD, Mount volume 2 on MUA0: for reading
    Enter "YES" when ready.
    

    これらのメッセージが出されない場合は,ステップ 7 に進む。 これらのメッセージを受け取った場合は,次の操作を行う。

    1. デバイスから現在のバックアップ・テープを取り出す。

    2. 次のバックアップ・テープをデバイスにセットする。

    3. 準備ができたら,Y (YES) と入力して,Return を押す。

    4. 次のメッセージが表示される。

      %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
      

      この後,マウント要求が出されたら,その都度,a から c のステップを繰り返す。

  7. スタンドアロン BACKUP を使用している際に, 復元が終了すると,次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation,
    use the console to halt the system.
    
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation,
    ensure the standalone application volume is online and ready.
    Enter "YES" to continue:
    

    ステップ 9 に進む。

  8. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,復元が終了すると, DCL プロンプトが表示される。 ログアウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  9. デバイスから最後のバックアップ・テープを取り出す。

  10. システムを停止させる。

  11. システムをリブートする。

  12. バックアップ・テープを安全な場所に戻す。

11.17.5 ディスクへのシステム・ディスクのバックアップ

/SAVE_SET 修飾子を使わずに,ディスク間のイメージ・バックアップを行うことによって, ディスクのフラグメンテーションを解消することができます。 このバックアップでは,ファイルが連続して書き込まれ,機能的にシステム・ディスク全体と等価のコピーが作成されます。

注意:

ディスク間のバックアップでは,出力デバイスが初期化され, 既存のファイルが効率良く消去されます。

作業方法

システム・ディスクをディスク間でイメージ・バックアップする手順は, 次のとおりです。

  1. バックアップに使用する,十分な記憶容量を持つディスクを用意する。 出力ディスクは初期化されるため,必要なファイルが含まれていないことを確認すること。

  2. バックアップするシステム・ディスクのデバイス名を確認する。 デバイス名の確認については,8.3 項 「システムのデバイス情報の取得」 を参照すること。 ブートを行うシステム・ディスクのデバイス名を知りたい場合は,DCL の SHOW LOGICAL SYS$SYSDEVICE コマンドを使用する。

  3. システム構成に応じて, スタンドアロン BACKUP をブートするか,メニュー方式のプロシージャを起動する。

  4. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。

    BACKUP/IMAGE/VERIFY 入力指定: 出力指定:

    • 入力指定は,システム・ディスクがセットされているデバイスの名前。

    • 出力指定は,イメージ・バックアップ・コピーの書き込み先のデバイスのデバイス名。

    こうした構文規則に従った BACKUP コマンドの例を次に示す。

    $ BACKUP/IMAGE/VERIFY DUA0: DUA1:
    
  5. BACKUP から,ファイルの転送を終え, バックアップ・コピーの検証中であることを示す次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
    
  6. スタンドアロン BACKUP を使用している際に, バックアップが終了すると,次のメッセージが表示される。

    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation,
    use the console to halt the system.
    
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation,
    ensure the standalone application volume is online and ready.
    Enter "YES" to continue:
    

    ステップ 8 に進む。

  7. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,バックアップが終了すると, DCL プロンプトが表示される。 ログアウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  8. これでバックアップ・コピーの出力先ディスクを, システム・ディスクとして使用することができる。 ファイルが連続して書き込まれるので, ディスクのフラグメンテーションも解消される。

  9. 元のシステム・ディスクを保管する。

  10. システムを停止させる。

  11. 新しく作成したシステム・ディスクでシステムをリブートする。

11.17.6 InfoServer テープによるシステム・ディスクのバックアップと復元

VAX システムの場合,システム・ディスクを InfoServer テープにバックアップして, InfoServer テープからシステム・ディスクを復元することができます。

作業方法

  1. OpenVMS CD-ROM の現在のバージョンを使用して,SYS1 ディレクトリからシステムをブートする。 CD-ROM は,InfoServer またはローカル・ドライブの読取りデバイスに入れる。

    注意:

    ブート・コマンドは,使用しているシステムのタイプによって異なります。 システムのブートについての詳細は,使用しているシステムのインストールおよび操作の説明を参照してください。

  2. メニューシステムから,オプション 1 を選択する。

  3. プロンプトから,システム・ディスクのバックアップを実行できる。

例 11-1 「InfoServerテープへのシステム・ディスクのバックアップ」 は,システム・ディスクを InfoServer テープにバックアップする手順を示しています。

例 11-1 InfoServerテープへのシステム・ディスクのバックアップ

>>>  B/R5:10000100 ESA0
Bootfile: ISL_SVAX_061
-ESA0
 Network Initial System Load Function
 Version 1.1


  FUNCTION        FUNCTION
    ID
    1     -       Display Menu
    2     -       Help
    3     -       Choose Service
    4     -       Select Options
    5     -       Stop

 Enter a function ID value: 3
  OPTION          OPTION
    ID
    1     -       Find Services
    2     -       Enter known Service Name

 Enter an Option ID value: 2
Enter a Known Service Name: VMS072
   OpenVMS VAX Version 7.3 Major version id = 3 Minor version id = 0
                                                   
%SYSINIT-E, error opening page file, status = 0000025C
%SYSINIT-E, error opening swap file, status = 0000025C
%SYSINIT, primary PAGEFILE.SYS not found; system initialization continuing
%SYSINIT, no dump file - error log buffers not saved
%SYSINIT-E, error mounting system device, status = 00000F64
$!  Copyright (c) 2000 Hewlett-Packard Company.  All rights reserved.
$set noverify

    Copyright © (c) 2000 Hewlett-Packard Company.  All rights reserved.

    Installing required known files...

    Configuring devices...

    ****************************************************************

    The menu can be used to execute DCL commands and procedures for
    various "standalone" tasks, such as backing up the system disk.

    Please choose one of the following:

        1)  Execute DCL commands and procedures
        2)  Shut down this system

Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)  1
    WARNING --

    The normal VMS startup procedure has not executed.
    Some commands and utilities will not work as documented.


    Enter DCL commands -- Enter "LOGOUT" when done.
    When you enter "LOGOUT" a logout message will be displayed,
    and you will be returned to the menu.

$$$ MCR ESS$LADCP SHOW SERVICE/TAPE
$$$ MCR ESS$LADCP BIND/WRITE/TAPE TZL04_TAPE
$$$ MOUNT/FOREIGN MADn
$$$ BACKUP/IMAGE DKA100:  MADn:SYS_DISK.BCK/SAVE_SET
⋮
$$$ LOGOUT
  Process SYSTEM_1 logged out at  2-FEB-2000 23:35:17.52

    ****************************************************************


    The menu can be used to execute DCL commands and procedures for
    various "standalone" tasks, such as backing up the system disk.

    Please choose one of the following:

        1)  Execute DCL commands and procedures
        2)  Shut down this system

Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?) 

11.18 データの整合性チェック

BACKUP には,作成したバックアップ・コピーの整合性をチェックするための修飾子がいくつか用意されています。 元のディスクとバックアップの整合を確実に行いたい場合は, それらの修飾子を使用してください。 この節では,データの整合性を高める方法について説明します。 紹介する修飾子のさらに詳しい内容については, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

11.18.1 /CRC 修飾子

/CRC 修飾子は,ソフトウェアによる巡回冗長性検査 (CRC) を有効にします。 省略時の設定では,検査は有効(オン)です。 検査を無効にするためには,/NOCRC を指定する必要があります。 検査を無効にすると,処理時間が短くなりますが, データ・エラーが起きる危険性が増します。

出力セーブ・セットに /CRC 修飾子が指定された場合は,出力セーブ・セットのブロックに CRC 検査コードが書き込まれます。

入力セーブ・セットに /CRC 修飾子が指定された場合は,入力セーブ・セットに CRC 情報が書き込まれます。

できるだけCRC 検査を行うようにしてください。 処理時間が長くなりますが,データの整合性は向上します。

11.18.2 /GROUP_SIZE 修飾子

/GROUP_SIZE 修飾子は出力セーブ・セット修飾子であり,この修飾子があると, BACKUP は出力セーブ・セットに冗長データを書き込みます。 そして,この冗長データがあると,BACKUP は復元中の読み取りエラーの訂正を試みます。 次の例に示すように,/GROUP_SIZE 修飾子には,冗長情報を書き込むブロック間隔を指定してください。

$ BACKUP/IMAGE/RECORD
_From: DKA100:
_To: MKB100:BACKUP.SAV/LABEL=WKY101/GROUP_SIZE=20

このコマンドは,保存データの 20 ブロックおきに回復ブロックを追加します。 これにより BACKUP は,保存データの 20 ブロック単位で壊れたデータ・ブロックを復元することができます。 /GROUP_SIZE 修飾子の省略時の値は 10 ブロックです。

この修飾子を使用すると,セーブ・セットが大きくなり, 処理時間が長くなりますが, /GROUP_SIZE 修飾子を使用してデータの整合性を向上させてください。

11.18.3 /IGNORE 修飾子

システムのバックアップは, 会話型ユーザのログインがない状態で行ってください。 これは,保存中にオープンしているファイルがある場合, BACKUP はエラー・メッセージを出すだけで, オープンしているファイルのコピーを行わないためです。

オープンしているファイルを保存したい場合は, BACKUP コマンド行に/IGNORE=INTERLOCK 修飾子を指定します。 この修飾子を使用すると, オープンしているファイルのバックアップ時点の内容が保存されます。

/IGNORE=INTERLOCK 修飾子は,常時オープンしていて, 通常の方法ではバックアップを取られることがないファイルが存在する場合に有効です。 ただし,アプリケーション・トランザクション・ファイルやメモリにキャッシュされているデータ・ファイルなど, アプリケーションが常にオープンしているファイルに書き込みを行う場合には, 矛盾したデータを保存する可能性があることを忘れないでください。 また,BACKUP はディレクトリを検索するため, ファイルの作成や削除などのディレクトリ操作が行われていると, ファイルがバックアップ対象から除外されることがあります。 一般的には,システムのバックアップは, オープンしているファイルが最も少ないときに行うのが最適です。

さらに,/IGNORE=INTERLOCK 修飾子を使用して, オープンしているファイルのバックアップを取ると, それ以降の追加型バックアップに影響が出ることがあります。 たとえば BACKUP/IMAGE/RECORD/IGNORE=INTERLOCK コマンドを使用して, オープンしているファイルのバックアップを取った仮定とします。 このファイルのバックアップ日付フィールドは, ファイルがクローズされないかぎり更新されません。 以降の追加型バックアップでファイルがオープンしたままになっていると, バックアップ日付が最後のイメージ・バックアップの日付と異なり,最新ではないため, バックアップにファイルが取り込まれないことになります。

11.18.4 /LOG 修飾子

/LOG 修飾子は,バックアップで処理されたファイルのファイル指定情報を表示したい場合に使用します。 たとえば,あるディレクトリのファイルをコピーするとき,/LOG 修飾子を使用すると, コピーしたファイルのファイル指定情報が表示されます。 次に例を示します。

$ BACKUP/LOG
_From: WORK3:[OCONNELL]*.*
_To: WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]*.*
%BACKUP-S-CREDIR, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH.COM]
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$MAIL.DAT;2
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;42
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;41
⋮

11.18.5 /VERIFY 修飾子

保存,復元,またはコピーを行った後で入力側と出力側の内容を比較したい場合は,/VERIFY 修飾子を使用してください。 検証パスに入るとき,BACKUP は次のメッセージを表示します。

%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass

入力と出力ファイルとの間に相違があると, BACKUP はエラー・メッセージを表示します。

できるだけ/VERIFY 修飾子を使用するようにしてください。 処理時間は長くなりますが,データの整合性は向上します。

/VERIFY 修飾子を使用したセーブ・セットの 2 度バックアップ

この節で説明されている問題は TZ87 とTZ88,TZ89 テープ・ドライブに関しての問題です。 テープ・デバイスを /FOREIGN 修飾子を指定してマウントし, セーブ・セットにファイルを2 度バックアップすると,第 2 のセーブ・セットは次のエラーを表示します。

  • 2 つのセーブ・セットが同じ名前である。

  • BACKUP コマンドに /VERIFY修飾子を指定した。

  • BACKUP コマンドに 4096 バイト(8*512バイト)より小さい /BLOCKSIZE が指定されている。

  • セーブ・セットが,必要とされるだけのサイズを持っていない。 例:

    BACKUP /BLOCKSIZE= の値

    最低限の総ファイル数

    4000

    6300 ブロック[20]

    3580

    5400 ブロック[20]

    [20] 最も近い100単位の数にまるめた数値

次のエラー・メッセージに類似したメッセージが表示されます。

%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
%BACKUP-E-READERR, error reading MKB300:[]SET.SAV;
  -SYSTEM-W-DATAOVERUN, data overrun
%BACKUP-E-INVBLKSIZE, invalid block size in save set
%BACKUP-E-INVRECSIZ, invalid record size in save set
%BACKUP-F-READERRS, excessive error rate reading MKB300:[]SET.SAV;
  -SYSTEM-W-DATAOVERUN, data overrun

11.19 問題が発生したときの対処

この節では,BACKUP の使用中によく見られるエラーと, そうしたエラーからの回復方法を説明します。

11.19.1 BACKUP の致命的なエラー対処オプション

バックアップ中にハードウェアまたは媒体関係の致命的なエラーを検出したり,データの信頼性を損なうと見なされる数のエラーを検出したりした場合,BACKUP は次の情報メッセージとプロンプトを表示します。

%BACKUP-I-SPECIFY, specify option (CONTINUE, RESTART, QUIT)
BACKUP>
注意:

コマンド修飾子 /NOASSIST を指定して BACKUP を会話形式で実行している場合は,BACKUP>プロンプトに対して直接オプションを入力することができます。 BACKUP をバッチ・ジョブで実行している, またはコマンド修飾子 /ASSIST を指定している場合は, オペレータが DCL の REPLY コマンドを使用して,オプションを入力する必要があります。

選択可能なオプションとその制約,使用結果を 表 11-11 「BACKUP のエラー対処オプションと使用結果」 に示します。

表 11-11 BACKUP のエラー対処オプションと使用結果

オプション

制約

結果

CONTINUE

データの信頼性について妥協することがある。 元のエラー位置からテープの位置が変わっておらず,かつエラーによってデータが失われていないと思われる場合にのみ使用すること。

可能な場合,BACKUP はエラーを無視して,処理を継続する。

RESTART

出力ボリュームが先頭ボリュームの場合,意味なし。

BACKUP はデバイスにセットされているテープをアンロードして,別のボリュームをセットするよう促す。 テープがセットされると,元のテープがマウントされた箇所から保存を再開する。

QUIT

なし

BACKUP は処理を終了する。 コマンドを再度入力することができる。

 

次は,一例として, VOL3 に多数のメディア・エラーが検出されたときに発生するイベントを,発生順にまとめたものです。 オプションは,RESTART を選んだものと仮定します。

  1. BACKUP が磁気テープに多数のメディア・エラーが検出されたことを示し, 次のエラー・メッセージとプロンプトを表示する。

    %BACKUP-F-WRITEERRS, excessive error rate writing VOL3
    %BACKUP-I-SPECIFY, specify option (CONTINUE, RESTART, QUIT)
    BACKUP>
    
  2. RESTART と入力する。

  3. BACKUP が VOL3 をディスマウントして,新しいテープをセットするよう求める。 デバイスから VOL3 を取り出す。

  4. デバイスに新しいテープをセットし,プロンプトに対する応答として YES を入力する。

  5. BACKUP が VOL3 の先頭から保存を再開する。 失われたデータはない。

11.19.2 テープ・ラベル・エラー

指定したもとのと異なるラベルのテープを使用するように指示した場合, BACKUP は次のメッセージを表示します。

%MOUNT-I-MOUNTED, DKA0 mounted on _SODAK$MUA0:
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 1 on _SODAK$MUA0 was not mounted because
its label does not match the one requested
%BACKUP-W-EXLABEER, volume label processing failed because
 volume TAPE4 is out of order, Volume label TAPE1 was expected
 specify option (QUIT, NEW tape, OVERWRITE tape, USE loaded tape)
BACKUP>

このメッセージは,保存中に BACKUP が ANSI ラベル以外のテープを検出したときに出されるメッセージです。 ここで選択可能なオプションは,バックアップを強制終了するか (QUIT), 古いテープをディスマウントして新しいテープをマウントするか (NEW), テープのデータを書き換えるか (OVERWRITE), またはセットされているテープを使用する (USE) のいずれかです。

もともと書き換えるつもりの空のテープを使用する場合は, /IGNORE=LABEL_PROCESSING 修飾子を使用してください。 /IGNORE=LABEL_PROCESSING 修飾子を指定すると,前記のメッセージが出力されません。

11.19.3 VMS$COMMON.DIR ファイル回復の問題

OpenVMS システム・ディスクでは,[SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルは,[000000]VMS$COMMON.DIR ファイルの別名ディレクトリです。 つまり,どちらのファイルも同じファイル・ヘッダを指しています。 OpenVMS VAX バージョン 5.5-2 および OpenVMS Alpha バージョン 1.5 より前では,ファイルをアルファベット順で操作していたため,BACKUP は VMS$COMMON.DIR ファイルと [SYSx]SYSCOMMON.DIR 別名の関係を正しく復元していませんでした。 システム・ディスクに影響はありませんが,DCL レキシカル関数でエラーが発生することがあります。

OpenVMS VAX バージョン 5.5-2 および OpenVMS Alpha バージョン 1.5 では,この問題が修正されました。 ただし,古いバージョンの OpenVMS で作成されたイメージ・バックアップを復元すると,この問題がまた発生することがあります。

セーブ・セットとシステム・ディスクの両方をチェックして,どちらかで VMS$COMMON.DIR と [SYSx]SYSCOMMON.DIR 別名との関係が誤っていないか調べることができます。

注意:

[SYSx]SYSCOMMON.DIR にリストされているファイルを削除したときには,セーブ・セットからシステム・ディスクを復元し,VMS$COMMON.DIR ファイルと [SYSx]SYSCOMMON.DIR 別名の関係が正しいことを確認しなければなりません (「システム・ディスクのチェック」を参照)。

セーブ・セットのチェック

セーブ・セットで,VMS$COMMON.DIR ファイルと [SYSx]SYSCOMMON.DIR 別名との関係が誤っていないか調べるには,BACKUP/LIST コマンドを入力して,セーブ・セット内の VMS$COMMON ディレクトリに含まれているファイルについての情報を表示します。 例として,BACKUP/LIST コマンドの出力の,関連する部分を示します。

.		
.		
.		
[000000]VOLSET.SYS;1          0      24-SEP-2002 19:31
[]000000.DIR;1                1      24-SEP-2002 19:31
[]SYSCOMMON.DIR;1             2      24-SEP-2002 19:31
[]SYSLIB.DIR;1               18      24-SEP-2002 19:31
[]SYSTEST.DIR;1               1      24-SEP-2002 19:31
[]SYSMAINT.DIR;1              1      24-SEP-2002 19:31
[]SYSMGR.DIR;1                6      24-SEP-2002 19:31
[]SYSHLP.DIR;1                6      24-SEP-2002 19:31
[]EXAMPLES.DIR;1              1      24-SEP-2002 19:31
[]SYSUPD.DIR;1                4      24-SEP-2002 19:31
[]SYSMSG.DIR;1                3      24-SEP-2002 19:31
.		
.		
.		
[]SECURITY_AUDIT.AUDIT        3       3-FEB-2003 15:23
[]SECURITY_AUDIT.AUDIT       11       3-FEB-2003 15:23
[]BACKUP.EXE;33             273       4-FEB-2003 09:37
[]STABACKUP.EXE;9           486       4-FEB-2003 09:38

VMS$COMMON ディレクトリ内に,空のディレクトリ指定 ([]) で示される紛失ファイルが表示されたら,このセーブ・セット内のシステム・ディスク情報は,この問題の影響を受けています。 このセーブ・セットを使用してシステムの復元を行うときには,この状況を解決するために,「問題の解決」に示す手順を後で実行しなければなりません。

セーブ・セットの作成に使用されたシステムにアクセスできる場合,「システム・ディスクのチェック」で説明されている手順を実行して,システムにこの問題があるかどうかを調べます。 問題がある場合は,「問題の解決」に示す手順を実行します。

システム・ディスクのチェック

VMS$COMMON.DIR ファイルと,システム・ディスク上の [SYSx]SYSCOMMON.DIR 別名との関係をチェックするには,DIRECTORY/HEADER コマンドを入力します。 例を次に示します。

$ DUMP/HEAD/BLOCK=COUNT:0 dr301:[000000]VMS$COMMON.DIR;1

Dump of file $4$DKA301:[000000]VMS$COMMON.DIR;1 on 14-FEB-2002 09:59:14.02

File ID (15,1,0)  End of file block 3 / Allocated 9
             
                            File Header

Header area
    Identification area offset:          40
   . 
   .
   .
Identification area
    File name:                           VMS$COMMON.DIR;1
   .
   .
   .

「File name:」フィールドに表示される名前が上記の例のように VMS$COMMON.DIR;1 の場合は,関係が正しいため,それ以上のアクションは不要です。

しかし,「File name:」フィールドに表示される名前が SYSCOMMON.DIR;1 の場合は,関係が正しくないため,「問題の解決」に説明されている手順を実行しなければなりません。

問題の解決

VMS$COMMON を正しい状態に復元するには,次のコマンドを入力します。

$ SET FILE/ENTER=SYSCOMMON.DIR VMS$COMMON.DIR
$ SET FILE/REMOVE VMS$COMMON.DIR;
$ RENAME SYSCOMMON.DIR VMS$COMMON.DIR
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