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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
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目次
まえがき
第 1 章:V8.3の新機能
第 2 章:一般ユーザ機能
第 3 章:システム管理機能
第 4 章:光メディアのマスタリング
第 5 章:プログラミング機能
第 6 章:InfoServerユーティリティ
第 7 章:関連製品の機能
第 8 章:新規および改訂されたドキュメント
第 9 章:英語版ドキュメント一覧
第 10 章:各英語版ドキュメントの内容
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HP OpenVMS
V8.3 新機能説明書


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第 4 章
OpenVMS 上での光媒体のマスタリング

この章では,OpenVMS 上での CD 媒体や DVD 媒体の作成 (マスタリング) について説明します。

CD 媒体や DVD 媒体の作成では,以下の作業を行います。

  1. ステージング領域でのディスク・ボリューム構造の作成

  2. ボリューム構造へのファイルの追加

  3. 光媒体へのマスタのコピー

OpenVMS では,ステージング領域として論理ディスク (LD) デバイスを使用し, INITIALIZE,MOUNT,COPY,および BACKUP などの DCL コマンドを使用して,ステージング領域にディスク・ボリュームを作成してデータを格納します。次に,COPY/RECORDABLE_MEDIA コマンドを使用してディスク・ボリュームの内容をコピーします。

4.1 LD,CD,および DVD デバイスの概要

ここでは,OpenVMS 上での光媒体のマスタリングに関連する概念について説明します。

4.1.1 論理ディスク・デバイス

論理ディスク (LD) デバイスは,光媒体に書き込むデータのマスタ・コピーをステージングするための仕組みとして使用されます。 LD ディスク・デバイスを使用して記録操作の元データを作成した後, COPY/RECORDABLE_MEDIA コマンドを実行してマスタを光媒体にコピーします。

LD ディスク・デバイスを作成して管理するには, LD ユーティリティを使用します。その後,標準的な OpenVMS DCL コマンドを使用して LD ディスク・デバイスを初期化,マウント,アクセスします。

LD ディスク・デバイスについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

4.1.2 CD デバイスと DVD デバイス

光媒体デバイスでは,さまざまな記録形式が使用できます。一般に,OpenVMS では,使用するターゲット・デバイスでサポートされている形式の媒体を読み込むことができます。

OpenVMS では,以下の 4 つの形式の媒体に対して記録できます。

形式 説明
CD-R Compact Disc Recordable
CD-RW Compact Disc Rewritable
DVD+R Digital Versatile Disc Recordable
DVD+RW Digital Versatile Disc Rewritable

ターゲットとなる CD デバイスと DVD デバイスの特性と機能は,システム,記録デバイス,記録媒体に依存します。たとえば,ローカルのハードウェア構成やソフトウェア構成によって, CD の最大許容記録速度が, CD 記録デバイスがサポートしている速度よりも遅い速度に制限されることがあります。必要な入出力帯域幅を備えていない OpenVMS システムで CD を記録しようとすると,ターゲット CD デバイスのデータ・キャッシュでアンダフローが発生することも考えられます。このような操作を行うと,記録エラーとなって失敗し,記録媒体が無駄になります。

記録デバイスはさまざまな記録形式と媒体をサポートしています。逆に,OpenVMS や特定のデバイスでサポートされていない記録形式もあります。現在サポートされているデバイス・ハードウェアとそれに関係するプラットフォーム構成については,次の Web サイトを参照してください。

http://www.hp.com/go.server

使用している I64 プラットフォームまたは Alpha プラットフォームを探し,そのプラットフォームのサポート・マトリックスを探してください。

4.2 データ・ディスクのマスタリングを行うための一般的な手順

光媒体のマスタリング (記録する,または焼くと言うこともあります) を行うための手順は以下のとおりです。

  1. 次のコマンドを実行して,OpenVMS 論理ディスク (LD) を作成します。


    $ @SYS$STARTUP:LD$STARTUP.COM 
    

    注意

    LD$STARTUP を実行するためには,特権 TMPMBX,NETMBX,および SYSLCK が必要です。この手順の後の方で使用する COPY/RECORDABLE_MEDIA コマンドは,必要な特権とともにインストールされています。


    このコマンドは,OpenVMS をブートするたびに一度だけ実行します。このコマンドを自動的に実行するようにするには,サイト固有のシステム・スタートアップ・プロシージャ SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM にこのコマンドを追加します。このようにすると,OpenVMS システムがブートするたびにコマンドが実行されます。

  2. 媒体マスタのステージング領域として使用する論理ディスク (LD) を作成します。この LD ディスク・デバイスは,通常の物理ディスク・デバイスのように使用できますが,サイズの指定やサイズ変更が容易に行えるという柔軟性を備えています。また,必要に応じてデバイスの作成や削除を行うことができます。
    LD ディスク・デバイスへの接続や管理を行うための LD ドライバは,バックアップ・ストレージ・ファイルを使用します。これにより,リブートしても LD ディスク・デバイスの内容が保持されます。 LD ディスク・デバイスの容量 (および対応するバックアップ・ファイルのサイズ) は,格納するファイルやボリューム構造データのサイズに等しいか,それよりも大きい必要があります。また,LD ディスク・デバイスの容量は,ターゲットとなる光媒体の容量に等しいか,それよりも小さい必要があります。マスタの内容は,ターゲット媒体に収まる必要があります。
    通常,大まかな最大容量は以下のとおりです。

    媒体 最大ブロック数 容量
    CD-R 1,200,000 ブロック 600 MB
    CD-RW 1,400,000 ブロック 700 MB
    単層 DVD+R 9,180,416 ブロック 4.6 GB
    単層 DVD+RW 9,180,416 ブロック 4.6 GB


    作成できる LD のサイズは,ターゲット媒体の最大サイズまでです。光媒体では,4 ブロック (2048 バイト) のセクタ・サイズを使用するため,必ず 4 ブロックの整数倍の容量を持つ LD ディスク・デバイスを作成して使用する必要があります。推奨される容量は,16 ブロックの整数倍の容量です。

  3. LD マスタを作成するには,まずマスタの LD バッキング・ストレージ・ファイルを作成します。コマンドの例を次に示します


    $ LD CREATE /size=9180416 filespec.ISO 
    


    この LD ストレージ・ファイルの作成は,一度だけ行います。

  4. LD ストレージ・ファイルを LD 論理ディスクに接続します。コマンドの例を次に示します


    $ LD CONNECT filespec.ISO LDA1: 
    


    OpenVMS システムをブートするたびに LD ディスク・デバイスに再接続する必要があります。 LD CONNECT コマンドを,サイト固有のシステム・スタートアップ・プロシージャ SYSTARTUP_VMS.COM に追加すれば,システムがブートするたびに自動的にコマンドが実行されます。

  5. マスタを使用するための準備を行います。
    先に進む前に,LD マスタの内容を完全に消去することをお勧めします。これにより,ローカル・システムに関する機密情報が意図せずに公開されてしまうのを防ぐことができます。ディスク・マスタの内容を消去する方法には,さまざまなものがあります。たとえば,ODS-2 または ODS-5 のボリューム構造を作成している場合は, DCL コマンド INITIALIZE/ERASE を使用する方法があります。
    ターゲット媒体で OpenVMS ODS-2 または ODS-5 のボリューム構造を使用する場合は, DCL コマンド INITIALIZE を使用してボリューム構造を作成します。次に,標準の MOUNT コマンドを使用して,他の OpenVMS コマンドからマスタ・ディスク・ボリュームにアクセスできるようにします。
    コマンドの例を以下に示します。


        $ INITIALIZE LDA1: ボリューム・ラベル - 
            /SYSTEM [/ERASE] [/...] - 
            [/CLUSTER=n] [/STRUCTURE=n] [/...] 
     
        $ MOUNT LDA1: ボリューム・ラベル
    

  6. ボリューム構造が使用可能になったら,マスタにデータをコピーします。
    LD マスタにコピーするデータには,データ・ファイル,インストール・キット,実行可能イメージ,ツールなどのファイルが含まれます。 ODS-2 や ODS-5 のボリュームなどの標準的な物理ディスク形式と同様に, BACKUP,COPY,CREATE/DIRECTORY などの標準的な DCL コマンドとプロシージャを使用して,LD マスタの内容を作成することができます。
    ODS-2 または ODS-5 のボリューム構造を使用する場合は, OpenVMS セキュリティ識別子や ACL をマスタに格納しないでください。これらの情報はシステム固有であり,記録した媒体を他の OpenVMS システムでマウントまたはアクセスすると,アクセスが予期せずに許可されたり拒否されることがあります。

  7. マスタが格納されている LD ディスク・デバイスに必要な内容をコピーし終えたら,次のコマンドを使用してデバイスをディスマウントします。


    $ DISMOUNT LDA1: 
    

  8. LD マスタの内容を光媒体に記録します。
    まず,適切な空の媒体を光媒体ディスク・ドライブに挿入します。その後,次のコマンドを入力します。


       $ COPY/RECORDABLE_MEDIA LDA1: DQA0: - 
       _$ [/FORMAT][/BELL][/SPEED=speed][/VERIFY] 
    


    このコマンドは,LDA1: マスタの内容をターゲット・デバイスにコピーします。
    この例では,以下の点に注意してください。

    • ターゲット・デバイスは DQA0: であり,書き換え可能な媒体が挿入されているものと想定しています。ターゲット・デバイス名は,お使いのハードウェアの構成によって変わります。

    • /FORMAT 修飾子は,書き換え可能な媒体にのみ適用できます。この修飾子を指定すると,書き換え可能媒体が消去され,記録が可能な状態になります。

    • /SPEED 修飾子を指定することで,デフォルトで設定される速度よりも記録速度を遅くすることができます。この修飾子が必要になるのは, CD や DVD の記録でバッファ・アンダランやデータ不足エラーとなる場合や, CD 形式の記録の際に,記録速度の遅い CD 媒体を使った場合です (つまり,CD 媒体の定格速度が,CD 記録デバイスの定格速度よりも遅い場合)。
      /SPEED を使用して,CD または DVD の記録速度を指定できます。指定できる最大速度は,使用している OpenVMS システムの入出力性能で決まります。この修飾子を使用して指定できる速度は,ターゲット・ドライブとターゲット記録媒体の定格最大記録速度によって制限されます。
      /SPEED は,速度を早めるのではなく,速度を遅くするための仕組みです。品質が低い媒体や,特に欠陥のある媒体を使用する場合など,問題があるときに速度を遅くする必要があります。


    最大速度のエンコード方法には,CD 媒体と DVD 媒体で以下の違いがあります。

    • CD 媒体では,媒体の製造時に最大速度が設定されているものの,最大速度がエンコードされていません。エンコードされた上限がないため,記録するときに規定の速度を超えてしまう可能性が高くなります。

    • DVD 媒体では,最大速度がエンコードされています。記録速度は,媒体で規定されている上限を超えることはできません。


    媒体にかかわらず,構成内のその他の制限によって,最大記録速度が低く抑えられる場合があります。この最大速度を超えると,記録操作は失敗します。
    /BELL 修飾子を指定すると,操作の完了時にベルが鳴ります。
    /VERIFY 修飾子を指定すると,記録操作が完了した後で,記録された媒体の内容が読み込まれ入力データと比較されます。

  9. 光媒体を正常にマスタリングした後で,マスタリング用の LD 論理ディスクが必要でなくなった場合は,関連付けられているバックアップ・ストレージ・ファイルが専有していたディスク領域を解放することができます。次のコマンドを入力して,システムから LDA1: デバイスを切断し削除します。その後バックアップ・ストレージ・ファイルを削除します。


       $ LD DISCONNECT LDA1: 
       $ DELETE filespec.ISO;* 
    



4.3 例

光媒体のマスタリングの例

以下のコマンド・シーケンスは,LD ディスク LDA600: を使用して, CD 対応の記録デバイス上で 600 MB の CD-R 媒体を作成する方法を示しています。ストレージ・コピー・ファイルはデバイス DISK$SCRATCH: に格納されます。このシーケンスでは,空の CD-R ディスクがターゲット・ドライブ DQA0: に挿入されているものと想定しています。ディレクトリが作成され,ユーザの LOGIN.COM ファイルがそのディレクトリにコピーされます。記録が完了すると,記録済みの媒体には, [DATA] という OpenVMS ディレクトリが 1 つだけ含まれます。


 
$ @SYS$STARTUP:LD$STARTUP 
$ LD CREATE DISK$SCRATCH:[000000]CD600.ISO/SIZE=1200000 
$ LD CONNECT DISK$SCRATCH:[000000]CD600.ISO LDA600: 
$ INITIALIZE/ERASE/SYSTEM LDA600: CDDATA 
$ MOUNT/SYSTEM LDA600: CDDATA 
$ CREATE/DIRECTORY LDA600:[DATA] 
$ COPY SYS$LOGIN:LOGIN.COM LDA600:[DATA] 
$ DISMOUNT LDA600: 
$ COPY/RECORDABLE_MEDIA LDA600: DQA0:/VERIFY/BELL 
$ LD DISCONNECT LDA600: 
$ DELETE DISK$SCRATCH:[000000]CD600.ISO; 

DVD へのフォーマットとデータの記録の例

次の例は,媒体をフォーマットし,ディスク・マスタ LDA600: に格納されたデータを DVD+RW ドライブとそれに挿入された DVD+RW 媒体に記録する例を示します。この媒体はデバイス DQA0: 上にあります。


$ COPY/RECORDABLE_MEDIA LDA600: DQA0:/FORMAT 
 
 
HP OpenVMS CD-R/RW and DVD+R/RW Utility, V1.0-1 Copyright 1976, 
2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
 
 
Output device vendor: HL-DT-ST 
Output device product name: DVD+RW GCA-4040N 
Output device revision: 1.15 
Commencing media format operation Formatting may require up to an hour 
Output medium format: DVD+RW 
Input data from: LDA600: 
Writing data to: DQA0: 
Input data size: 1200000 blocks 
 
 
Starting operation at: 08:48:17 
 
 
16 sectors written 
 
30000 sectors written; estimated completion in 00:07:36; at 08:56:44 37000 
sectors written; estimated completion in 00:07:37; at 08:56:57 46000 
sectors written; estimated completion in 00:07:15; at 08:56:50 57000 
sectors written; estimated completion in 00:06:43; at 08:56:34 71000 
sectors written; estimated completion in 00:06:33; at 08:56:48 88000 
sectors written; estimated completion in 00:05:56; at 08:56:39 110000 
sectors written; estimated completion in 00:05:23; at 08:56:42 137000 
sectors written; estimated completion in 00:04:37; at 08:56:41 171000 
sectors written; estimated completion in 00:03:33; at 08:56:33 213000 
sectors written; estimated completion in 00:02:23; at 08:56:32 266000 
sectors written; estimated completion in 00:00:59; at 08:56:36 300000 
sectors written; operation completed 
 
 
Operation completed at: 08:56:32 
Elapsed time for operation: 00:08:14 
Synchronizing with output device cache 
Processing completed 
$ 


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