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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:V8.3の新機能
第 2 章:一般ユーザ機能
第 3 章:システム管理機能
第 4 章:光メディアのマスタリング
第 5 章:プログラミング機能
第 6 章:InfoServerユーティリティ
第 7 章:関連製品の機能
第 8 章:新規および改訂されたドキュメント
第 9 章:英語版ドキュメント一覧
第 10 章:各英語版ドキュメントの内容
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HP OpenVMS
V8.3 新機能説明書


目次 索引

第 3 章
システム管理機能

この章では,システム管理者向けの新機能,変更,機能拡張について説明します。

3.1 BACKUP ユーティリティの機能拡張

OpenVMS Version 8.3 では,Backup ユーティリティに対して以下の機能拡張が行われています。

  • DVE (動的ボリューム拡張: Dynamic volume expansion)

  • セーブ・セットの暗号化

  • 会話型バックアップ操作の際の,より詳細な Ctrl/T メッセージの表示

  • 拡張された BACKUP メッセージを現在の出力デバイスに送る新しい /PROGRESS_REPORT 修飾子

  • システム上での同時 READ I/O の数を制御する新しい /IO_LOAD 修飾子

これらの機能拡張の詳細については,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

3.1.1 OpenVMS Backup ユーティリティでの DVE (Dynamic Volume Expansion)のサポート

OpenVMS Version 8.3 から,イメージをセーブ・セットにバックアップするときに,ボリューム拡張サイズがセーブ・セット・ヘッダに記録されるようになりました。以前は,BACKUP が出力ボリュームを初期化する際に, DVE 情報を持っていませんでした。そのため,ディスク同士でのバックアップを行う場合やセーブ・セットを復元する場合に,ボリューム拡張サイズや論理ボリューム・サイズが保持されませんでした。

BACKUP/LIST を実行すると,セーブ・セット内にボリューム拡張サイズが格納されていればそれが表示されるようになりました。セーブ・セットを復元すると (またはディスク間のバックアップを行うと),復元先のデバイスはボリューム拡張の上限をセーブ・セットから引き継ぎます。セーブ・セットに拡張サイズが含まれていない場合は, BITMAP.SYS のサイズは以前のバージョンの OpenVMS と同様に決定されます。

/IGNORE=LIMIT オプション

新しいオプション /IGNORE=LIMIT を指定すると,対象デバイスで拡張の上限が継承されなくなります。

/LIMIT 修飾子

新しい修飾子 /LIMIT では,セーブ・セット・ヘッダに格納されている値にかかわらず,復元操作や保存操作の際に,拡張サイズの上限を指定することができます。これは,INITIALIZE ユーティリティの /LIMIT 修飾子の機能と同じです。

特に指定しなければ,論理ボリューム・サイズは保持されません。その理由としては,たとえば 2GB のセーブ・セットを 4GB のディスクに復元する場合,使用可能なディスク領域が 2GB だけになってしまうためです。

/SIZE 修飾子

論理ボリューム・サイズを保持するには,/SIZE 修飾子を使用します。 /SIZE を指定すると,復元先デバイスのジオメトリは, $GETDVI を呼び出してデバイスの物理的な上限から決まるのではなく,論理サイズによって決まります。

/SIZE 修飾子では,ターゲット・デバイスの新しい論理サイズとして,オプションの値を指定できます。この新しい値はセーブ・セット内の既存の値より優先されます。これは,INITIALIZE ユーティリティの /SIZE 修飾子の動作と同じです。

/NOINITIALIZE 修飾子

BACKUP/NOINITIALIZE を使用する場合の制限事項は,このコマンドが出力デバイスの DVE 特性を保持しないことです。その理由としては,対象デバイスがフォーリン・マウントされるため, OpenVMS は拡張サイズと論理サイズを取得することができないためです。この制限に対処するには,/LIMIT 修飾子と /SIZE 修飾子を使用します。

『OpenVMS システム管理者マニュアル』の「記憶媒体の管理」の章には, DVE について詳しく説明している項があります。

3.1.2 BACKUP セーブ・セットの暗号化

OpenVMS Backup ユーティリティでは,機能的に同等なバックアップ・コピーを作成することによって,ファイルやボリュームが破壊されないように保護することができます。 BACKUP は BACKUP 形式で書き込まれたセーブ・セットを作成するため,セーブ・セットのデータを解釈できるのは BACKUP だけです。セーブ・セットを作成する際には,暗号化することで保護を強化することができます。

OpenVMS Version 8.3 には,以下の暗号化機能が新たに追加されています。

  • AES (Advanced Encryption Standard) 暗号化アルゴリズムのサポート

  • ALGORITHM オプションに対する以下の AES キーワードのサポート


    AESCBC          AESCFB 
    AESECB          AESOFB 
    


    各モードでは,3 種類の長さ (128,192,および 256 ビット) のユーザ定義の秘密鍵が使用でき,合計 12 通りの鍵の組み合わせがあります。 ALGORITHM オプションの後に =AES を指定すると,省略時の指定として AESCBC128 になります。

  • ユーザが指定した AES 暗号化アルゴリズムを使用した,セーブ・セット内のデータの暗号化

注意

スタンドアロン BACKUP は,OpenVMS オペレーティング・システムのサポートなしで動作する Backup ユーティリティで, /ENCRYPT 修飾子をサポートしていません。



BACKUP を使用して会話型でデータをバックアップまたは復元する場合, Ctrl/T を押して操作の進行状況を表示することができます。 OpenVMS Version 8.3 では,以下の状況のいずれかでこの情報が増加します。

  • ディスクからセーブ・セットを復元する場合

  • セーブ・セットを使用してテープまたはディスクにイメージをバックアップする場合

表示されるようになった追加の情報は以下のとおりです。

  • 完了した操作の割合

  • 操作を完了するために必要な時間の予測

新しい /PROGRESS_REPORT 修飾子を使用すると,拡張されたメッセージを現在の出力デバイスに送ることができます。

3.1.4 新しい /PROGRESS_REPORT 修飾子

第 3.1.3 項 で説明している BACKUP 操作を実行する際に新しい /PROGRESS_REPORT 修飾子を指定すると,BACKUP 操作の進行状況を示すメッセージが出力デバイスに送られます。

3.1.5 新しい /IO_LOAD 修飾子

OpenVMS Version 8.3 では,新しいストレージ・コントローラでより効率的に動作するように BACKUP が最適化されています。 /IO_LOAD 修飾子を使用すると,システム上で同時に実行する読み込み動作の数を増加または減少させることができます。

コマンドと修飾子の形式は次のとおりです。


BACKUP /IO_LOAD=n

ここで,n は,1 からプロセスの AST リミットの間の整数です。省略時の値は 8 で,コマンド行で /IO_LOAD 修飾子を省略した場合に使用されます。

3.2 光媒体 CD および DVD の記録ツール

OpenVMS Version 8.3 では,光媒体 CD と DVD に記録するための新しいツールがサポートされています。これらのツールを利用することで,ローカルにマスタリングされたディスク・ボリューム・ファイルまたはディスク・イメージ・ファイルを,簡単に直接 CD-R,CD-RW,DVD+R,DVD+RW の光媒体記録デバイスに記録することができます。記録ツールで作成した光媒体データ・ディスクは,データ・アーカイブ操作,ソフトウェア配布のマスタ・ディスクの作成などの作業の一部として使用することができます。

COPY/RECORDABLE_MEDIA コマンドおよび関連するツールと診断機能は, CD 光媒体記録ツール SYS$MANAGER:CDRECORD.COM を補完し,最終的にはその代わりとして使用することができます。

COPY/RECORDABLE_MEDIA コマンドについては,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。サポート要件と機能については,本書の 第 4 章 を参照してください。

3.3 Integrity サーバ向け OpenVMS でのクラスタ・サテライトのサポート

OpenVMS Version 8.3 では, OpenVMS for Integrity Servers (I64) システムのクラスタ・サテライト・ブートがサポートされています。 I64 サテライト・システムでの動作や要件は,Alpha システムのものとは大きく異なります。クラスタに I64 システムを追加する前に,この項全体をお読みください。

3.3.1 Alpha のサテライトと I64 のサテライトの違い

表 3-1 に,Alpha のサテライトと Integrity サーバのサテライトの違いを示します。

表 3-1 Alpha のサテライトと Integrity サーバのサテライトの違い
  Alpha Integrity サーバ
ブート・プロトコル MOP PXE (BOOTP/DHCP/TFTP)
クラッシュ・ダンプ DOSD (Dump Off the System Disk) によりリモート・システムのディスクまたはローカルのディスクにクラッシュ・ダンプを格納可能。 DOSD が必要。リモート・ディスクへのクラッシュ・ダンプの格納は不可。
エラー・ログ・バッファ 常にリモート・システムのディスクに書き込まれる。 エラー・ログ・バッファは,DOSD と同じディスクに書き込まれる。
ファイル保護 標準のシステム・ディスクと全く同じ。 すべてのロード可能 execlet が W:RE (省略時の設定) であり,特定のファイルで VMS$SATELLITE_ACCESS 識別子による ACL アクセスが可能であることが必要。

サテライト

OpenVMS Version 8.3 システムまたはセル・ベース・システムの nPartitions は,サテライトとして使用できます。 nPartitions をサポートするためには,ファームウェアのアップグレードが必要です。

サテライト・ブートは,コア I/O LAN アダプタでのみサポートされます。すべてのサテライト・システムでは,クラッシュ・ダンプをサポートし,リブート後もエラー・ログ・バッファを保持するために, 1 つ以上のローカル・ディスクが必要です。ディスクレス・システムでは,ソフトウェアが異常終了した場合にクラッシュ・ダンプを取得することができません。

ブート・サーバ

OpenVMS Version 8.3 がサポートしているすべての Integrity サーバ・システムは,ブート・サーバとして使用することができます。現時点では,Integrity サーバ・サテライト・システムのクロス・アーキテクチャ・ブートはサポートされていないため, Integrity サーバ・サテライト・システムが含まれているクラスタでは, 1 台以上の Integrity サーバ・システムがブート・ノードの役目も果たすようにする必要があります。

必要なソフトウェア

  • OpenVMS Version 8.3

  • HP TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.6 以降

他のサテライト・システムと同様に,システム・ソフトウェアは 1 台以上のノードによってクラスタにサービス提供されるディスクから読み込まれます。サテライト・システム・ディスクは,ブート・サーバのシステム・ディスクと同じでかまいませんが,必ずしも同じである必要はありません。 Alpha のサテライトでは,システム・ディスクをブート・サーバにマウントすることが推奨されているものの必須ではありませんが, I64 のサテライト・システムでは,システム・ディスクがブート・サーバにマウントされていることが必須です。

TCP/IP はブート・サーバのシステム・ディスクにインストールする必要があります。ブート・サーバのシステム・ディスクとサテライト・システム・ディスクが違う場合は,OpenVMS Version 8.3 はその両方にインストールする必要があります。

TCP/IP では,BOOTP と TFTP を設定し,1 つ以上のインタフェースを有効にしておく必要があります。少くとも 1 つの設定済みのインタフェースを,サテライト・システムからアクセス可能なセグメントに接続する必要があります。ブート・サーバとすべてのサテライト・システムには IP アドレスが必要です。 TCP/IP Services for OpenVMS の構成についての詳細は,『TCP/IP Services for OpenVMS V5.6 インストレーション/コンフィギュレーション・ガイド』を参照してください。

3.3.2 サテライト・システムからの情報収集

サテライトに OpenVMS がインストールされているローカル・ディスクがある場合は,ログインします。そのようなディスクがない場合は,インストール DVD でブートして,オプション 8 (Execute DCL commands and procedures) を選択し,次のコマンドを実行します。


$ LANCP :== $LANCP 
$ LANCP SHOW CONFIG 


 LAN Configuration: 
 Device Parent Medium/User Version Link Speed Duplex Size  MAC Address       Current Address   Type 
 ------ ------ ----------- ------- ---- ----- ------ ----  ----------------  ----------------  ---- 
 EIB0          Ethernet    X-16    Up   1000  Full   1500  00-13-21-5B-86-49 00-13-21-5B-86-49 UTP i82546 
 EIA0          Ethernet    X-16    Up   1000  Full   1500  00-13-21-5B-86-48 00-13-21-5B-86-48 UTP i82546 

ブートに使用するアダプタの MAC アドレスを書き留めます。ブート・サーバに対してサテライト・システムを定義する際に必要になります。 Current Address が MAC Address と違う場合は,MAC Address を使用します。

3.3.3 ブートとクラッシュ用にサテライト・システムを設定する

サテライトに,OpenVMS がインストールされたローカル・ディスクがある場合は,ログインします。そのようなディスクがない場合は,インストール DVD でブートし,オプション 8 (Execute DCL commands and procedures) を選択します。 SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS.COM を使用して,ブートに使用するネットワーク・アダプタのブート・メニュー・オプションを追加します。手順の中で,このネットワーク・エントリがサテライト・ブート用かどうかが質問されます。その旨を指定すると,そのブート・メニュー・エントリに対して,メモリ・ディスク・ブート・オプション・フラグ (0x200000) が設定されます。メモリ・ディスク・フラグは,サテライト・ブートに必要です。

システムを主にサテライト・ブートで使用する場合は,位置 1 にネットワーク・ブート・オプションを配置します。また,サテライト・システムでは,クラッシュ・ダンプ用と,書き込まれていないエラー・ログ・バッファをリブートやクラッシュ後も保持するために,DOSD (Dump Off the System Disk) が必要です。 BOOT_OPTIONS.COM は,DOSD デバイス・リストを管理するために使用することもできます。 DOSD デバイス・リストはこの時点で作成することをお勧めします。 DOSD デバイス・リストの設定方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

3.3.4 ブート・サーバに対するサテライト・システムの定義

I64 サテライト・システムは,PXE プロトコルを通じてブートします。 OpenVMS では,PXE は TCP/IP 製品の BOOTP によって処理されます。クラスタで複数の I64 ブート・サーバを使用している場合は, BOOTP データベースを共通のディスクに格納してください。 TCP/IP コンポーネントの設定については,TCP/IP のドキュメントを参照してください。サテライト・システムを定義する前に,TCP/IP をインストール,設定し,動作させておく必要があります。

I64 ブート・サーバ上で,システム管理者または適切な特権を持つ他のアカウントでログインします。コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN.COM を実行します。(DECnet を使用してサテライト・ノードを設定する CLUSTER_CONFIG.COM は,I64 システムをサポートしていません。ただし,I64 システムでは自動的に CLUSTER_CONFIG_LAN を起動します。) CLUSTER_CONFIG_LAN はメニュー方式のコマンド・プロシージャで,サテライト・システムの設定に役立つように設計されています。メニューはコンテキスト依存であり,アーキテクチャとインストールされている製品によって変わります。手順に慣れていない場合は,システム管理ドキュメントで CLUSTER_CONFIG_LAN のより幅広い概要を参照してください。

I64 サテライトを追加するために不可欠な情報としては,ノードの SCS ノード名,SCS システム ID,ハードウェア・アドレスがあります。また,サテライトの IP アドレス,ネットワーク・マスク,場合によってはゲートウェイ・アドレスも必要になります。これらの概念について詳しくない場合は,TCP/IP のドキュメントを参照してください。プロシージャは,サテライト用のシステム・ルートを作成します。

CLUSTER_CONFIG_LAN では,サテライト・システムをブート可能にするためのすべての手順が実行されます。ローカルなページング・ファイルとスワップ・ファイルを選択すると,ファイルを作成するために,サテライト・システムをクラスタ内でブートするように促されます。ローカルに作成しない場合は,ページング・ファイルとスワップ・ファイルはサービスされるシステム・ディスク上に作成され,都合の良いときにサテライトをブートすることができます。

3.3.5 サテライトのブート

ブート・メニューにオプションを追加した場合は,そのオプションを選択します。オプションを追加しなかった場合は,ハードウェアのドキュメントでネットワーク・アダプタからのブートに必要な手順を参照してください。環境変数 VMS_FLAGS は,必ずメモリ・ディスク・ブート・フラグ (0x200000) が含まれるように設定してください。システムは,ネットワークから VMS_LOADER を取得すると,詳細なブートの進行状況をシステム・メッセージの形で表示します。ブート・シーケンスを開始するためにダウンロードした各ファイルに対して,コンソール・デバイスにピリオドが 1 つ表示され,最後に IPB (一次ブートストラップ・イメージ) がロードされたことを示すメッセージが表示されます。

以下に例を示します。


Loading.: Satellite Boot EIA0 Mac(00-13-21-5b-86-48) 
Running LoadFile() 
 
CLIENT MAC ADDR: 00 13 21 5B 86 48 
CLIENT IP: 16.116.43.79  MASK: 255.255.248.0  DHCP IP: 0.240.0.0 
 
TSize.Running LoadFile() 
 
Starting: Satellite Boot EIA0 Mac(00-13-21-5b-86-48) 
Loading memory disk from IP 16.116.43.78 
............................................................................ 
Loading file: $13$DKA0:[SYS10.SYSCOMMON.SYSEXE]IPB.EXE from IP 16.116.43.78 
%IPB-I-SATSYSDIS, Satellite boot from system device $13$DKA0: 
 
 
    HP OpenVMS Industry Standard 64 Operating System, Version V8.3 
    (c) Copyright 1976-2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
 

最初のフル・ブート時には,サテライト・システムは AUTOGEN を実行してリブートします。


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