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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
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目次
まえがき
第 1 章:New Desktopの概要
第 2 章:New Desktopの使用方法
第 3 章:New Desktopの管理
第 4 章:New Desktopのアプリケーションの統合
第 5 章: New Desktopのプログラミング・リソース
付録 A :New DesktopとCDEの相違
付録 B :複数画面のサポート
付録 C :CDEのAPIルーチン
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New DesktopとCDEとの相 違 | HPE 日本

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A New DesktopとCDE との相違

本付録では,OpenVMS AlphaのNew DesktopとUNIXシステムのCDEとの最も大きな相違点について説明します。OpenVMS Alpha に組み込まれていないいくつかの機能を除いて,New Desktop ではCDE と同様の外観を実現しています( 表 5-1を参照)。

共通する構成要素間の相違点は,主としてオペレーティング・システムの相違によるものです。 たとえば,ファイル名の指定が異なっていますし, New Desktopでは環境変数ではなく論理名を使用しているなどです。

A.1 全般的な相違

ファイル名は必ずOpenVMSのファイル指定方式で表示され,また受け付けられます。 ただし,UNIXパス指定もNew Desktopのあらゆるアプリケーションの入力として使用することができます。 たとえば/sys$manager /login.comは,SYS$MANAGER:LOGIN.COMに相当します。

いくつかのCDEファイルはシンボリック・リンクの使用によって,UNIX システムの複数の場所に現れます。New Desktopでは,ファイルは1ヶ所にしか現れません。アプリケーション専用のディレクトリ階層構造に置かれたアプリケーション専用ファイルに対するシンボリック・ リンクをシステム・ディレクトリに作成するdtappintegrate アプリケーションはありません。新規アプリケーション・ ファイルは,CDE$USER_DEFAULTS:[*...]システム・ディレクトリに置かれる必要があります。

OpenVMSのファイル名は大文字と小文字を区別しません。ファイル名を別のコンテキストで使用する場合, たとえばアクションとアクション(stub) ・ファイルとの対応付けに使用する場合や,パレットや背景の記述リソース名として使用する場合には, 小文字で指定しなければなりません。

A.2 ログイン・マネージャの相違

New Desktopのログイン・プロセスのユーザ・インタフェースはCDEのものと基本的に同じですが,OpenVMS Alpha のログイン・マネージャdtloginの仕様は異なっています。 主な相違は次のとおりです。

  • OpenVMSのログイン・マネージャは,1つのXディスプレイしか管理することができません。 ログイン・マネージャは,ディスプレイを管理するための異なるサブプロセスを作成せず, ログイン・マネージャのプロセスはユーザがログインすると終了します。

  • New Desktopは,セッションを実行する代替システムを選択するためのchooser アプリケーションを提供していません。

  • New Desktopは,ログイン・マネージャのイメージを提供していません。 代わりに,共有可能イメージであるCDE$SYSTEM_ DEFAULTS:[BIN]DECW$LOGINOUT.EXEが,OpenVMSのログイン・プロセスであるSYS$SYSTEM:DECW$LOGINOUT.EXE により,動的に起動されます。 DECwindowsあるいはNew Desktopのログイン・ プロセスは,RUN SYS$SYSTEM:DECW$STARTLOGINコマンドにより起動されます。

  • Xsetup,Xstartup,Xrese,dtprofileなどのCDEで使用されるいくつかのスクリプトは,New Desktop ではサポートされていません。 代わりに,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMとSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM の各プロシージャにカスタム構成情報が定義されています。

  • New Desktopでは,システム全体で有効な環境変数は論理名としてサポートされます。 ただし,CDE環境変数のうちのユーザ変数(XMUSER* とDTUSER*)はサポートされていません。

  • ログイン時に「New Desktopを起動中です。」と表示するログインへの移行アプリケーションであるdthello は,Xsessionスクリプトからでなくdtlogin から直接に起動されます。コマンド行引数をdthello に渡すことはできません。

  • New Desktopではログイン用ログ・ファイルは,/usr/dt /configリソース・ファイルのDtlogin.errorLogFileリソースではなく,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイル(第3.5節を参照)を使用して, オプションで有効とすることができます。

  • New Desktopでは,セッション起動用ログ・ファイルは$HOME /.dt/startlogではなく,SYS$LOGIN:DECW$SM.LOGです。

New Desktopのログイン・プロセスはXSESSION.COM ファイルを使用してdtsessionプロセスを起動し,New Desktopでは特殊な起動コマンド・ファイルの処理用にCDE$SYSTEM_ DEFAULTS:[BIN.XSESSION_D]ディレクトリを使用します。さらに,New Desktopは各国語対応バージョンを含む標準リソース・ファイル・セットをサポートしています。

A.3 ファイル・マネージャの相違

OpenVMSのファイル・マネージャは,次の部分でUNIXのものとは異なっています。

  • ファイルのバージョン

    UNIXシステムにはファイルのバージョンはありません。OpenVMS Alpha システムでは,ファイルの全バージョンを表示するか,最新バージョンだけを表示するかを選択することができます。 ファイルを選択してから[ 選択済み]メニューの[パージ]を選択すると,ファイルをパージすることができます。 どのバージョンのファイルを選択しても,そのファイルの全バージョンがパージされます。

  • [保護]ダイアログ・ボックス

    OpenVMSシステムでは付加的な保護コードが利用可能です。

  • ディレクトリの更新

    UNIXシステムでは変更されたディレクトリは自動的に更新されます。 OpenVMS Alphaシステムでは,ファイル・マネージャでファイルの移動, 削除,コピーなどの操作を行うことによってディレクトリを変更した場合, ディレクトリの表示が自動的に更新されます。ディレクトリの変更が別のプロセスによるものであるかどうかを確認するには,[ 表示]メニューの[更新]オプションを選択します。

  • OpenVMS Alphaシステムでは,ルート・ディレクトリに相当するものはありません。

    1台のディスクあるいは論理名で定義された論理ディスクから別のディスクに移動することはできません。

  • 追加プロセスの使用制限

    UNIXのファイル・マネージャでは,付加的な子プロセスを広範に使用します。OpenVMS では,特定のファイル・システム操作のためにだけ付加的なプロセスを使用します。 このため,ディレクトリの更新などの特定の操作では, 処理が完了するまで待たないと別の処理を行うことができません。

A.4 印刷に関する相違

New Desktopの印刷機能はCDEの印刷機能とは異なっています。CDEの現在の印刷機能は, 基本部分でUNIXのラインプリンタ・コマンドlp(1)とラインプリンタ・ デーモンlpd(8)に大きく依存しています。CDEの印刷環境は標準化されていないため, この種のオペレーティング・システム固有の仕様をOpenVMS Alpha に移植するのは実用的ではありません。

OpenVMS Alphaでは,New Desktopの印刷環境は[印刷ダイアログ]という新しいアプリケーションで構成されています。 このアプリケーションは,UIL (ユーザ・インタフェース言語)とDECwindows印刷ウィジェット (Motif ライブラリのDECWindows拡張機能の一部)を使用して,OpenVMS Alphaの印刷機能を起動できるようになっています。

New Desktopの仕様は異なりますが,印刷機能の使い勝手がCDEを実行するUNIX で印刷する場合と大きく違わないよう,OpenVMS Alphaの印刷機能のCDE への統合を試みました。OpenVMS Alphaでも,ファイル・アイコンをドラッグしてプリンタ・ アイコンにドロップするか,ファイルを選択して[ 印刷ダイアログ]ボックスを選択することによって印刷ジョブを開始し, プリンタをデスクトップ上のオブジェクトとして管理することができるようになりました。

[印刷ダイアログ]の実行可能ファイルは,次のディレクトリに他のNew Desktop実行可能ファイルとともに置かれています。

     CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN]PRINTDIALOG.EXE

A.5 メッセージ交換の相違

New Desktopのメッセージ交換機能はCDE の機能よりも制約があります。UNIXのCDEで同期化している一部の動作は,New Desktop では同期化していなかったり,ユーザによる介入が必要な場合があります。 この制約は次の場合に顕著に現れます。

  • New Desktopでは,フロント・パネルの通話中ランプと砂時計型カーソルとのタイミングがずれる場合があります。

  • 第A.3節の説明のように, ファイルが自動的に更新されない場合があります。

  • [アクション作成]アプリケーションから[アイコン・エディタ] を起動してアイコン・ファイルを編集し,[アイコン・エディタ] を終了した場合に,編集結果が表示されているアイコンに自動的に表示されません。UNIX のCDEの場合は表示されます(第4.1.6項を参照)。

  • New Desktopでは,テキスト・エディタdtpadはスタンドアローン・ モードでのみ実行できます。

A.6 プロセス起動の相違

New Desktopで起動されるプロセスの大部分は,アクションに対応する実行文字列(EXEC_STRING) とともにアクションを使用して起動されます。New Desktopでは,これらのEXEC_STRINGは1つの有効なDCLコマンドであることが必要です。 ファイル名で始まる文字列は,フォーリン・コマンド行に自動的に変換されます。

A.7 New DesktopとCDEのディレクトリ構造

この節では,New Desktopのディレクトリ構造とCDE ディレクトリ構造との相違について説明します。

CDEはUNIXシステム用に開発されたもので,New Desktopでオンラインで用意されているCDE関連ドキュメントは,UNIX パス指定を使用します。

A.7.1 システムのデフォルトの構成ディレクトリ

表 A-1は,New Desktopのデフォルト構成ディレクトリに対応するCDEパス指定をまとめたものです。CDE ファイル・システムあるいはディレクトリ階層構造についての詳細は, マニュアル・ページ・ビューアにより表示できるdtfilsys.5 リファレンス・ページを参照してください。

[マニュアル・ページ・ビューア]はアプリケーション・マネージャの[デスクトップ・ アプリケーション]グループにあります。dtfilsys.5を表示させるには, マニュアル・ページ・ビューアを起動して,表示されるプロンプトでdtfilsys.5 を入力してください。

表 A-1 システムのデフォルトの構成ディレクトリ

OpenVMSのディレクトリ名 UNIXのパス指定
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[000000] /usr/dt
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APP-DEFAULTS.lang[1]][2] /usr/dt/app-defaults/<lang>
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG] /usr/dt/appconfig
CDE$SYSTEM_DEFAULTS: -
[APPCONFIG.APPMANAGER.lang[1]]
/usr/dt/appconfig/appmanager
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.lang[1]] /usr/dt/appconfig/help
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.ICONS.lang[1]][3] /usr/dt/appconfig/icons
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.TYPES.lang[1]] /usr/dt/appconfig/types
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BACKDROPS] /usr/dt/backdrops[4]
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN] /usr/dt/bin
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG] /usr/dt/config
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.lang[1]] /usr/dt/config/<lang>
- /usr/dt/dthelp[5]
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[EXAMPLES] /usr/dt/examples[4]
- /usr/dt/include[5]
DECW$INCLUDE:, DT: /usr/dt/include/Dt[4]
SYS$MANAGER:CDE$STARTUP.COM /usr/dt/install/dec/start.cde.dec
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[LIB] /usr/dt/lib
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[MAN] /usr/dt/man[4]
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[PALETTES] /usr/dt/palettes[4]
- /usr/dt/share[5]

[1] OpenVMSのディレクトリ名やファイル名のlang (または%L)の値, ロケール名の点(.)やアット・マーク(@)は,下線(_)に変換されます。 たとえば,UNIXのja_JP.deckanjiはOpenVMSのJA_JP_DECKANJIのことです。

[2] UNIXのアプリケーション用デフォルト・ファイルにはファイル拡張子がありません。 OpenVMSでは[APP-DEFAULTS]ディレクトリの各アプリケーション用デフォルト・ファイルには, ファイル拡張子.DATが付いています。 たとえば, /usr/dt/app-defaults/C/Dtpad はNew DesktopではCDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APP-DEFAULTS.C]DTPAD.DATです。 (これは構成ディレクトリ構造にあるリソース・ファイルには適用されません。)

[3] ファイル名に複数のコンマ(.)がある, アイコンのピックスマップおよびビットマップのファイルは, OpenVMSファイル指定に変換されています。 ファイル名の2番目の点は,New Desktopでは下線になります。 たとえば,sysinfo.l.pmはSYSINFO.L_PMになります。

[4] UNIXシステムではbackdrop ,examples, include, man, palettesの各ディレクトリのファイルのパス指定は, 共有ディレクトリにリンク付けされます。 OpenVMS Alphaシステムでは, 上記と同じファイル用のディレクトリには実際のファイルが入っています。

[5] New Desktopにはこれに対応するディレクトリはありません。

A.7.2 ノードとクラスタの構成ディレクトリ

表 A-2は,システム全体で有効となるようにカスタマイズしたリソース, アプリケーション・デフォルト,構成の各ファイルを入れるシステム管理者が作成するディレクトリをまとめたものです。 対応するUNIXパス指定も記載してあります。

表 A-2 ノードとクラスタの構成ディレクトリ

OpenVMSのディレクトリ名 UNIXのパス指定
CDE$USER_DEFAULTS:[000000] /etc/dt
CDE$USER_DEFAULTS:[APPCONFIG] /etc/dt/appconfig
CDE$USER_DEFAULTS: -
[APPCONFIG.APPMANAGER.lang]
/etc/dt/appconfig/appmanager/<lang>
CDE$USER_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.lang] /etc/dt/appconfig/help/<lang>
CDE$USER_DEFAULTS:[APPCONFIG.ICONS.lang] /etc/dt/appconfig/icons/<lang>
CDE$USER_DEFAULTS:[APPCONFIG.TYPES.lang] /etc/dt/appconfig/types/<lang>
CDE$USER_DEFAULTS:[BACKDROPS] /etc/dt/backdrops
CDE$USER_DEFAULTS:[CONFIG] /etc/dt/config
CDE$USER_DEFAULTS:[CONFIG.lang] /etc/dt/config/<lang>
CDE$USER_DEFAULTS:[PALETTES] /etc/dt/palettes

A.7.3 ユーザの構成ディレクトリ

表 A-3は,個々のユーザがカスタマイズ設定用に使用するディレクトリをまとめたものです。

表 A-3 ユーザ構成ディレクトリ

OpenVMSのディレクトリ名 UNIXのパス指定
disk$:[user.DT] $HOME/.dt
disk$:[user.DT.APPMANAGER] $HOME/.dt/appmanager
disk$:[user.DT.HELP] $HOME/.dt/help
disk$:[user.DT.ICONS] $HOME/.dt/icons
disk$:[user.DT.PALETTES] $HOME/.dt/palettes
disk$:[user.DT.SESSIONS] $HOME/.dt/sessions
disk$:[user.DT.TMP] $HOME/.dt/tmp
disk$:[user.DT.TYPES] $HOME/.dt/types

A.7.4 フォント・ディレクトリ

表 A-4は, New Desktopのフォント・ディレクトリとこれに対応するUNIXのパス指定をまとめたものです。

表 A-4 フォント・ディレクトリ

OpenVMSのディレクトリ名 UNIXのパス指定
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.JA_JP_DECKANJI.100DPI] /usr/dt/config/xfonts/ja_JP.deckanji/100dpi
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.JA_JP_DECKANJI.75DPI] /usr/dt/config/xfonts/ja_JP.deckanji/75dpi


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