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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
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目次
まえがき
第 1 章:New Desktopの概要
第 2 章:New Desktopの使用方法
第 3 章:New Desktopの管理
第 4 章:New Desktopのアプリケーションの統合
第 5 章: New Desktopのプログラミング・リソース
付録 A :New DesktopとCDEの相違
付録 B :複数画面のサポート
付録 C :CDEのAPIルーチン
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New Desktopの概要 | HPE 日本(日本ヒューレット・パッカード株式会社)

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1 New Desktopの概要

本章では次の事柄について説明します。

  • CDE概要(第1.1節)

  • CDEを採用する理由(第1.2節)

  • New Desktop概要(第1.3節)

  • New Desktopの基本的な操作方法(第1.4節)

  • New Desktopの生産性向上のための機能(第1.5節)

  • ユーザ・アプリケーション(第1.6節)

  • New Desktopで利用できるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)およびアプリケーション統合サービス(第1.7節)

  • New Desktop関連ドキュメント(第1.8節)

1.1 CDE概要

MotifおよびX11をベースとしたCDE (共通デスクトップ環境)は,次世代デスクトップとして知られています。CDE は,UNIXベンダ大手数社(Hewlett- Packard,Sun,IBM,Novell)によって開発され,UNIXデスクトップ・インタフェースを統合し, 一貫したユーザ環境と開発環境を定義しているものです。

CDEは,これらのUNIXベンダならびにOSF (Open Software Foundation, Inc.)が開発した既存のテクノロジの上に構築されたものです。CDE は,Motifを置き換えるものではなく,図 1-1 に示すように,Motifの上位層として位置付けられる付加的なソフトウェア層です。CDE はMotifを補助するものとしてプログラミング・ ユーティリティを追加し,一貫性のある統合されたユーザ・インタフェースおよび開発インタフェースを提供します。

1.2 CDEを採用する理由

弊社はTru64 UNIXオペレーティング・システムにCDEを採用し,CDEの主要な部分をOpenVMS Alpha でも実現しています。DECwindowsデスクトップの後継として位置付けられるCDE は,最新技術のグラフィカル・ユーザ・インタフェースです。 このインタフェースは視覚的な操作性に優れ,生産性を向上させる多くの機能を提供しています。

ユーザ・インタフェースの標準化により,CDE提供ベンダが開発したシステムで, 一般ユーザならびにシステム管理者が作業を行う場合の能率が向上します。 また,ソフトウェアを習得するためのトレーニング費用の削減にもなります。 このように多様なシステムで使用することができるように開発環境を標準化することにより, アプリケーションの作成と保守が容易になります。

1.3 New Desktop概要

OpenVMS Alphaで実現されたCDEをNew Desktopと呼びます。以前のバージョンのDECwindows Motifユーザ・ インタフェースは,DECwindowsデスクトップです。DECwindows Motifは,図 1-1で示すようにNew Desktop のベースとなっています。最上位のアプリケーションは, 下位のすべてのアプリケーションを呼び出すことができます。

New Desktopを使用したために, DECwindows Motifのアプリケーションを実行できなくなることはありません。New Desktop 環境であっても, 漢字端末エミュレータを使用して任意のDECwindows Motifアプリケーションを実行することができます。 さらに,New Desktop環境で,すべてのDECwindowsアプリケーションを実行できるように構成することもできます。

OpenVMS AlphaではNew Desktopがデフォルトのデスクトップですが, 従来のDECwindowsデスクトップを使用することもできます。New Desktop のインストレーション時に, またはNew Desktopのログイン・ボックスからDECwindowsデスクトップを選択することができます。 インストレーション後,特権ユーザがシステムのセットアップ・ ファイルを編集してDECwindowsを再起動することにより,2 つのデスクトップを切り替えることができます。詳細は,本書の第3.2節を参照してください。

図 1-1 New Desktopのアーキテクチャ

1.4 New Desktopの基本的な操作方法

次の手順に従って本書を参照しながらアプリケーションを使用することにより,New Desktop の基本的な操作方法を習得することができます。

  1. 本書の第1章と第2章をお読みください。また,必要に応じて第3 章〜第5章も参照してください。

  2. フロントパネルからアクセスできるオンライン・ヘルプの[デスクトップの紹介] を利用してください。特に[デスクトップの外観]の項目が有用です。

    このオンライン・ヘルプは,New Desktopに最初にログインする際に表示されますが,フロントパネルのヘルプ・ アイコンからもアクセスすることができます。

  3. CDEアプリケーションをいくつか選択して実行し,そのヘルプまたはオンライン・ マニュアルを参照してください。

1.5 New Desktopの生産性向上のための機能

New Desktopは,DECwindows Motifにはない多くの機能を提供します。 特に作業の生産性を向上させる機能として, 次のものがあります。

図 1-2 フロントパネル

  • フロントパネル

    フロントパネル(図 1-2)は,アプリケーションへの高速アクセスを実現しています。 ユーザがカスタマイズしたワークスペースのいずれかをフロントパネルから選択したり, アイコンで表示されているアプリケーションを起動することができます。 選択ならびに起動は,ワークスペースのアイコンまたはアプリケーション・ アイコンをマウスでシングル・クリックするだけで実行できます。 すべてのワークスペースについて,図 1-2 と同様のフロントパネルが表示されます。

    フロントパネルの3つのアイコンはサブパネルを持っています。サブパネルを持つアイコンには, その上部に矢印が付いています。この矢印をシングル・ クリックすれば,選択項目メニューが入ったサブパネルが表示され, 矢印が下向きに表示されます。この矢印をシングル・クリックすると, メニュー表示が消えます。

    アイコン,ワークスペース名,サブパネルに表示されるアプリケーションなど, フロントパネルの各種部分をカスタマイズすることができます。

    フロントパネルには,DECwindowsセッション・マネージャで提供されている多くの機能が用意されています。 アプリケーションを選択する場合はそのアプリケーションのアイコンをクリックし, 現在のセッションを休止する場合はロック・ アイコンをクリックし, 終了する場合はEXITボタンをクリックします。フロントパネルはNew Desktopのウィンドウ・ マネージャの一部です。

  • ワークスペース

    ワークスペースは仮想画面です。ワークスペースを選択すると, そのワークスペースに含まれているアプリケーションだけが表示されます。 複数のワークスペースの使用により,作業内容に応じて, 日常的に同時に使用するアプリケーションをグループにまとめて,作業を整理することができます。 たとえば,1つのワークスペースをプロジェクト管理用,2 つ目をインターネット通信用,3つ目を経理業務用として使用することができます。

    ワークスペースの追加,削除,名前の変更を動的に行うことができます。 デフォルトのワークスペース数は4面(図 1-2 )ですが,最大64面まで使用することができます。ワークスペースの数はシステム・ リソースによって制限される場合があります。

  • アイコン・ベースのファイル・マネージャ

    アイコン・ベースのファイル・マネージャでは,ドラッグ・ドロップ機能を使用することによって, ファイルを迅速かつ簡単に管理することができます。 また,ファイル・マネージャでは,(アプリケーション・ マネージャを介した)アプリケーションの一覧機能およびごみ箱という2 つの特殊なタイプの最上位レベル・ウィンドウもサポートしています。

    ファイル・マネージャを使用することで,ディレクトリの階層構造を簡単に移動することができます。 ファイル・マネージャには,たとえばツリー構造の表示, あるいはファイルサイズ,改訂日付を含む拡張された詳細情報の表示などのいくつかの表示オプションが含まれています。 また,ファイル型を指定したファイルの選択,いくつかの条件による並べ替えを実行することができます。

  • ワークスペースごとに起動しているアプリケーションの自動的な保存および復元

    ログアウト時に,現在のセッションの状態が保存されます。ログアウト時に起動していたアプリケーションが自動的な保存および復元をサポートする場合は, 次回のログイン時に,自動的にログアウト時の状態に戻ります。 あるいは使用中のセッションの状態を保存して,ログイン時にその時点の状態に戻すこともできます。New Desktop に含まれているアプリケーションはすべてこの機能をサポートしています。


    注意

    自動的な保存および復元が実行される細部のレベルは, アプリケーションに応じて異なります。アプリケーションによっては, 保存時点のアプリケーションの表示を含む全体の状態を復元するものと, 主要画面だけを復元するものがあります。


1.6 ユーザ用アプリケーション

表 1-1は,New Desktopに含まれるCDEおよびDECwindowsの全ユーザ・ アプリケーションについて, 次の項目別にまとめたものです。

  • アプリケーション名

  • 実行可能ファイル名

  • CDEアプリケーションまたはDECwindowsアプリケーションのいずれか

  • あらかじめ構成されたフロントパネルからのアクセス可能性

New Desktopに統合されたユーザ・ アプリケーションに加え,日本語DECwindows Motif V1.2-4に含まれているすべてのDECwindows アプリケーションもNew Desktopの一部を構成しているため,アプリケーション・ マネージャからアクセスすることができます。なお,New DesktopにはNew Desktop ヘルプ用のヘルプ・ビューアとDECwindowsヘルプ用のBookreader の,2種類のヘルプ・ビューアがあることに注意してください。

表 1-1 ユーザ・アプリケーションおよびサービス

アプリケーション名 実行可能プログラム名 CDEまたはDECwindows フロントパネルからアクセス可/不可
アクション・データベースおよび実行管理ユーティリティ(アクション作成) dtcreate CDE 不可
アクション・ユーティリティ dtaction CDE 不可
アプリケーション・マネージャ,ファイル・マネージャ dtfile CDE
Bookreader decw$bookreader[1] DECwindows
電卓 dtcalc CDE
カレンダ decw$calendar DECwindows
時計 decw$clock DECwindows 不可[2]
漢字端末エミュレータ DECW$TERMINAL DECwindows
フロントパネルおよびワークスペース・マネージャ dtwm CDE -
ヘルプ印刷ユーティリティ dthelpprint CDE 不可
ヘルプ・ビューア dthelpview CDE
アイコン・エディタ dticon CDE 可[3]
メール・プログラム DECW$MAIL DECwindows
印刷ダイアログ PRINTDIALOG DECwindows[4]
セッション・マネージャ dtsession CDE 不可
スタイル・マネージャ dtstyle CDE
テキスト・エディタ dtpad CDE 可[3]
ごみ箱 dtfile CDE
エラー監視 DECW$MESSAGEPANEL DECwindows 不可

[1] [ヘルプ]サブパネルからアクセス可能です。

[2] フロントパネルの時計は表示のみのアイコンのため, このアイコンをクリックしても時計アプリケーションにアクセスすることはできません。 ただし,アプリケーション・マネージャのDECwindowsアプリケーション・グループからアクセス可能です。

[3] [個人アプリケーション]サブパネルからアクセス可能です。

[4] DECwindows印刷ウイジェットをベースとしています。

1.7 APIおよびアプリケーション統合サービス

New Desktopでは, CDEのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース) とアプリケーション統合サービスを利用することができます (本書の第5.2節を参照)。

これらの新規のAPIとアプリケーション統合サービスに加え, すべてのDECwindows MotifのAPIおよびアプリケーション統合サービスをNew Desktopから使用することができます。

1.8 New Desktop関連ドキュメント

DECwindows Motifキットには, New Desktopをサポートするための次のドキュメントが含まれています。

  • オンライン・ヘルプによる紹介

  • オンライン・リファレンス・ページ(マニュアル・ページとも呼ばれます)

  • すべてのCDEアプリケーションに関するヘルプ

  • すべてのDECwindowsアプリケーションに関するヘルプ

  • HTML形式のCDEドキュメント一式

  • Bookreader形式のDECwindows Motifドキュメント一式(ほとんどのドキュメントについて)

ドキュメントについての詳細は,次の表を参照してください。

表 1-2 New Desktopのドキュメント

ドキュメント 内容 アクセス方法
オンライン・ヘルプ
フロントパネルのヘルプ CDEデスクトップの概要を説明するヘルプで, New DesktopのすべてのCDEアプリケーションのヘルプならびにBookreaderへアクセスが可能です。 フロントパネルの[ヘルプ]アイコンをクリックしてヘルプ・マネージャのメニューを表示するか, ヘルプのサブパネルを表示して[デスクトップの紹介], [ヘルプ・マネージャ],[DECwindows Bookreader]のいずれかを選択します。 ヘルプ・マネージャからは, [デスクトップの紹介]と[CDEアプリケーション・ヘルプ]を選択することができます。
CDEアイテム・ヘルプ フロントパネル上およびアプリケーション内のアイコンとコントロール(ボタン)の簡単な説明です。 ヘルプメニューからアイテムを選んでクリックし, 情報を表示したいアイコンまたはコントロールにカーソルを移動してクリックします。 アイテム・ヘルプを利用する場合は,この手順を繰り返してください。
アプリケーション・ヘルプ(CDEおよびDECwindows) アプリケーション内の状況依存ヘルプを含む各アプリケーションの[ヘルプ]メニューです。 アプリケーションを起動し,メニュー・バーからヘルプを選択します。 この[ヘルプ]メニューから必要な項目を選択してください。
オンライン・ドキュメントおよびリファレンス・ページ
CDEオンライン・ドキュメント CDEを開発したUNIXベンダが作成したドキュメントです。 『Online Documentation Library CD-ROM User's Guide』を参照するか, PSファイルを印刷してください。
CDEのオンライン・リファレンス・ページ CDEを開発したUNIX ベンダが作成した CDEシステムの多くのコマンドについて説明しているリファレンス・マニュアルです。 ファイル・マネージャからリファレンス・ページのディレクトリ[1]を選択し, 読みたいファイルを選択します。 アプリケーション・マネージャから[デスクトップ・アプリケーション]を選択し, 次に[マニュアル・ページ・ビューア]を選択して, 読みたいファイル名を入力します。
DECwindows Motifオンライン・ドキュメント 弊社作成のドキュメント フロントパネルの[ヘルプ]アイコンの上部の矢印をクリックし, [ヘルプ]サブパネルを表示します。 続いて[DECwindows Bookreader]アイコンを選択して必要なドキュメントを選択します。[2]
印刷版ドキュメント
印刷版CDEドキュメント CDEを開発したUNIXベンダ作成のドキュメント(Digital UNIXの表紙)。 ご注文は第1.8.1項にある注文番号をお調べのうえ, 弊社にご連絡ください。 ご注文方法は本書の「まえがき」に記載されています。

[1] ディレクトリ名はCDE$SYSTEM_DEFAULTS:[MAN]です。

[2] この選択方法を使用するには,Bookreaderのシステム論理名DECW$BOOKが, ブックリーダのファイルが常駐しているディレクトリを示している必要があります。

1.8.1 CDEドキュメント

CDE(共通デスクトップ環境)ドキュメントとその注文番号は, 表 1-3にまとめてあります。 本書の「まえがき」で説明しているように,弊社にご注文ください。

表 1-3 CDEドキュメントと注文番号

タイトル 注文番号 総ページ数
共通デスクトップ環境: ユーザーズ・ガイド AA-QWKNA-TE 360
共通デスクトップ環境: 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド AA-QWKPA-TE 338
共通デスクトップ環境: プログラマ概要 AA-QWKRA-TE 92
共通デスクトップ環境: プログラマーズ・ガイド AA-QWKXA-TE 210
共通デスクトップ環境: プログラマーズ・ガイド(ヘルプ・システム編) AA-QWKQA-TE 318
共通デスクトップ環境: プログラマーズ・ガイド(国際化対応編) AA-QWKUA-TE 172
共通デスクトップ環境: スタイル・ガイド AA-QWKTA-TE 286


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