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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:システムの概要
第 2 章:DECwindows Motif の起動
第 3 章:ディスプレイ・サーバの構成
第 4 章:DECwindows の使用方法
付録 A :DECwindows システムのチューニング
付録 B :DECwindows Motif キーマップ名
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HP DECwindows Motif for OpenVMS | HPE 日本(日本ヒューレット・パッカード株式会社)

HP DECwindows Motif for OpenVMS
管理ガイド


目次 索引

第 4 章
DECwindows の使用方法

この章では,DECwindows が起動した後で使用する以下の内容について説明します。

  • ディスプレイの設定

  • New Desktop および Traditional DECwindows Desktop での DECwindows Motif のログイン・プロセスの説明

  • ログイン環境のカスタマイズ

  • スタートアップ環境のカスタマイズ

  • セッション・マネージャのデフォルトの動作変更

  • システム・リソース・ファイルの変更

  • クライアント・アクセス制御の指定

  • プリント・フォーマットのカスタマイズ

注意

この章の内容は,各デスクトップの基本的または高度なユーザ情報を総合的に説明することを目的としたものではありません。以下のマニュアルの補足となることを意図しています。

  • 『HP OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』 (SET DISPLAY コマンドと SHOW DISPLAY コマンド)

  • 『日本語 DECwindows Motif New Desktop使用概説書』

  • 『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 操作ガイド』



クライアント・アプリケーションが起動すると,ディスプレイ・サーバに対する接続を 1 つ以上オープンします。ディスプレイ・サーバは,ローカル・システムにあることもあれば,リモート・システムにあることもあります。アプリケーションは,基盤となる Xm,Xt,または Xlib ルーチンに対して,ディスプレイ・サーバのノード名とその他の接続情報を通知する必要があります。この情報は, ディスプレイ名と呼ばれる文字列に埋め込まれています。

X ウィンドウ・システムの用語では,ディスプレイ名は,「ハードウェア・ディスプレイ名を指定します。これは,使用するディスプレイと通信ドメインを決定します。 [...] ディスプレイ名が NULL の場合,デフォルトでは環境変数 DISPLAY の値が使用されます。」と説明されています。

OpenVMS システムでは,ディスプレイ名は,必要なサーバ情報が格納された WSA デバイス,または必要なサーバ情報を明示的に指定するディスプレイ名文字列のどちらかの形式となります。どちらの形式のディスプレイ名も指定されないと, Xlib は論理名 DECW$DISPLAY を展開してディスプレイ名を取得します。 DECW$DISPLAY 論理名が定義されていない場合には, Xlib は論理名 DISPLAY を展開します。論理名 DISPLAY も定義されていないときには, Xlib は論理名 SYS$OUTPUT を展開します。

事前に WSA デバイスを作成し,SET DISPLAY コマンドを使用してディスプレイ・サーバ情報を指定しておく必要があります。 SET DISPLAY コマンドを実行していない場合には,論理名 DECW$DISPLAY および DISPLAY は親プロセスから継承されます。なお,SET DISPLAY コマンドでは, /CREATE 修飾子を使用し論理名を指定していない場合には,論理名 DECW$DISPLAY と DISPLAY が設定されます。

4.1.1 ディスプレイ名の形式

ディスプレイ名文字列の形式は次のとおりです。

[transport/]node:[:]server[.screen]



transport

ディスプレイ・サーバに接続するために使用するトランスポートを指定します。指定できるトランスポートを以下に示します。 表 4-1 に, DECwindows Motif がサポートしているすべてのトランスポート名とその意味を示します。一部のトランスポート名の実装は, X の仕様で定義されているものと少し異なる場合がありますので注意してください。

表 4-1 サポートされている DECwindows Motifのトランスポート名
トランスポート名 意味
DECNET DECnet ネットワーク・プロトコルを使用します。
DNET DECnet ネットワーク・プロトコルの X ウィンドウ・システムの名前です。 DNET は,ほとんどの場合 DECNET と同等です。
INET IPv4 プロトコル上の TCP を使用します。このオプションは,TCPIP に対する X の同義語です。 IPv6 サポートの追加により,TCPIP が意味する 2 つのトランスポートのどちらかになります。
INET6 IPv6 プロトコル上の TCP が利用できればそれを使用します。 IPv6 プロトコルが利用できない場合は,IPv4 プロトコルが使用されます。これは TCPIP が意味する 2 つのトランスポートのどちらかになります。
LAT LAT プロトコルを使用します。このトランスポートに対する X の同義語はありません。
LOCAL 同じホスト内のサーバ・プロセスとクライアント・プロセスの間で共用メモリを使用します。
TCP TCPIP プロトコル・オプションの X ウィンドウ・システム名です。 TCP は TCPIP の同義語です。
TCPIP あるバージョンの IP 上の TCP プロトコルを使用します。以前は,このオプションは INET を指す X の同義語でした。 IPv6 のサポートが追加されたため,このオプションは,論理名 DECW$IPV6_SUPPORT の設定に応じて, INET または INET6 のどちらかを指すようになりました。この論理名の設定についての詳細は 第 4.4.3 項 を参照してください。

このパラメータはオプションです。デフォルトでは,コロン 1 つで終わるノード名では TCPIP トランスポートが使用されます。トランスポート名の代わりに 2 つ目のコロンを指定すると, DECNET トランスポートが使用されます。 DECnet ノード名がコロンで終わる場合は,ノード名を二重引用符 ("") で囲みます。コロン 3 つ (:::) で終わるアドレスは,INET6 または DECnet のどちらかとして解釈されます。

node パラメータには,指定したトランスポートと互換性があるノード値を指定する必要があります。ディスプレイ名文字列を解析する際には, DECwindows Motif は, node パラメータと transport パラメータに互換性があるかどうかを検証しません。パラメータに互換性がないと,実際に接続しようとしたときに失敗します。ディスプレイ名パラメータのトランスポートとノードの両方を省略した場合は, LOCAL トランスポートを指定したものと見なされます。

node

ディスプレイ・サーバの DECnet ノード,TCP/IP ホスト,LAT アドレス,またはローカル・システム名を指定します。以下のいずれかを指定します。

DECnet ノード DECNET トランスポートまたは DNET トランスポートでは, DECnet フェーズ IV ノード名, DECnet フェーズ IV アドレス,DECnet フェーズ V ノード名または別名, DECnet フェーズ V アドレスのいずれかを指定します。ローカル・ノードを指定するには 0 を使用します。 DECnet ノード名は引用符 (" ") で囲むことができます。
TCP/IP ホスト TCPIP,TCP,INET,INET6 のいずれかのトランスポートでは,TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定します。詳細は, 表 4-2 および 表 4-3 を参照してください。ローカルノードを指定するには 0 を使用します。
LAT サービス名 LAT トランスポートの場合は,ローカル・システムの名前を指定します。トランスポートは,この値をサービス名としてのみ使用します。
ローカル・システム名 LOCAL トランスポートの場合は,ローカル・システムの名前または 0 を指定します。

すべてのノード名またはアドレスの後には,実際の node パラメータ内のコロンに加え,コロン 1 つを指定します。さらにもう 1 つコロンを追加して, DECNET トランスポートを指定することもできます。詳細は,transport パラメータの説明を参照してください。ディスプレイ名パラメータのトランスポートとノードの両方を省略した場合は, LOCAL トランスポートを指定したものと見なされます。

INET6 トランスポートの TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定する場合 (または,DECW$IPV6_SUPPORT が TCP_IS_INET6 として定義されているときに TCPIP または TCP を使用する場合) には, 表 4-2 に示す IPv6 形式のいずれかを指定します。

表 4-2 サポートされている IPv6 ホスト名とアドレスの形式
形式
IPv6 ホスト名または完全修飾ドメイン名 ashfld.franklin.mass.us
IPv6 の通常のアドレス FEDC:BA98:7694:3210:FEDC:BA98:7654:3210
IPv6 圧縮アドレス ::7654:3210
IPv4 互換 IPv6 アドレス ::978.765.432.1
IPv4 射影 IPv6 アドレス ::FFFF:978.765.432.1
RFC 2732 スタイル IPv6 リテラル・アドレス [FEDC:BA98:7694:3210:FEDC:BA98:7654:3210]

INET,INET6,TCPIP,または TCP トランスポートの TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定する場合には, 表 4-3 に示す IPv4 形式のいずれかを指定します。

表 4-3 サポートされる IPv4 ホスト名とアドレスの形式
形式
IPv4 ホスト名または完全修飾ドメイン名 ashfld.franklin.mass.us
IPv4 の通常のアドレス 978.765.432.10



server

X サーバ・ディスプレイ・システム上のディスプレイ・サーバのディスプレイ番号を 10 進数で指定します。ディスプレイ番号は通常は 0 から始まります。単一ディスプレイ・サーバ・システムでは,通常は 0 番を使用します。

screen

指定された X ディスプレイ・サーバで使用する画面番号を 10 進数で指定します。画面番号は 0 から始まります。このパラメータはオプションです。デフォルトの画面番号は 0 です。


ホスト名の変換方法は,IPv6 と IPv4 のどちらが選択されているかによって変わります。 INET6 または TCPIP トランスポートが指定されていて,論理名 DECW$IPV6_SUPPORT が "TCP_IS_INET6" と定義されている場合は, TCP/IP Services の getaddrinfo 関数を使用して,ローカル・データベースまたはドメイン・ネーム・サーバからアドレス情報が取得されます。複数のアドレスが利用可能な場合は, IPv4 アドレスの前にすべての IPv6 アドレスが試されます。各 IP バージョン内でアドレスを試す順序は不定です。

INET トランスポートが指定されていて,論理名 DECW$IPV6_SUPPORT に "DISABLED" が定義されていない場合は, TCP/IP Services の getaddrinfo 関数を使用して,ローカル・データベースまたはドメイン・ネーム・サーバから IPv4 アドレス情報が取得されます。複数の IPv4 アドレスが利用可能な場合,アドレスが試される順序は不定です。

INET または TCPIP トランスポートが指定されていて,論理名 DECW$IPV6_SUPPORT が "DISABLED" と定義されている場合は, TCP/IP Services の gethostbyaddr 関数を使用してローカル・データベースまたはドメイン・ネーム・サーバからアドレス情報が取得されます。この方法は,以前のバージョンの DECwindows Motif との互換性のためだけに提供されています。

4.2 ログイン・プロセスの説明

ここでは,DECwindows のログイン・プロセスについて説明します。ログイン・プロセスは,「Start Session」ダイアログ・ボックスが表示されてから,セッション・マネージャが起動するまでのプロセスです。

4.2.1 New Desktop のログイン・シーケンス

「Start Session」ダイアログ・ボックに正しいユーザ名とパスワードを入力すると,以下の処理が実行されます。

  1. LOGINOUT.EXE: DECW$LOGINOUT.EXE 内のルーチンが呼び出されます。 このプログラムは,以下の機能を実行します。

    1. DW-MOTIF のライセンスを確認して,システムが,ディスプレイ・サーバとの接続をオープンするライセンスを持っていることを確認します。ライセンスがない場合,DECW$LOGINOUT.EXE は警告メッセージを表示し,自身を再起動して終了します。新しい「Start Session」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    2. 入力ポインタが時計のカーソルに変わります。

    3. 許可ユーザ・リストと信頼ユーザ・リストを変更して,ディスプレイ・サーバに接続するアプリケーションを実行できるようにし,セキュリティの設定を変更します。また,以前設定されたサーバのセキュリティ設定を削除します。

    4. サーバ・プロセスの所有者を,ログイン中のユーザに変更するようにサーバに指示します。

    5. サーバでランダムな magic cookie 値を設定し, X authority ファイル DECW$ENDSESSION.DECW$XAUTH に保存します。この cookie は,セッションを終了するためにプロセスがサーバに接続できることを保証します。

    6. DTGREET プロセスに終了するように指示します。

    7. DTHELLO.EXE を実行するプロセスを起動します。 DTHELLO.EXE は,ウェルカム画面を表示し,スタートアップ・プロセスの間,サーバとの接続を保持します。

    8. プロセス名として DTSESSION を設定します。

    9. 「Start Session」ダイアログの表示に費やした時間がユーザ・プロセスに課金されないように,Start Session プロセスの累積 CPU 時間をゼロに初期化します。

    10. DCL が実行するコマンド・プロシージャとして, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN]XSESSION.COM を渡します。

    11. 終了して,プロセスの制御を DCL に渡します。

  2. XSESSION.COM: セッション・マネージャのデフォルトの DCL コマンド・プロシージャとして動作します。 このコマンド・プロシージャは,以下の機能を実行します。

    1. 論理名 DECW$SM_WSQUOTA が定義されている場合,セッション・マネージャ・プロセスのワーキング・セット制限として論理名の値を設定します。

    2. 論理名 SYS$SYLOGIN が示すシステムのログイン・コマンド・プロシージャを実行します。デフォルトでは SYLOGIN.COM です。

    3. 「Start Session」ダイアログ・ボックスで,ユーザ名の後に /NOCOMMAND を指定しなかった場合,ユーザごとの LOGIN.COM (または UAF レコードで指定されているその他のログイン・コマンド・プロシージャ) が実行されます。リソース・ファイルで使用するディレクトリを変更するには, LOGIN.COM 内で論理名 DECW$USER_DEFAULTS を再定義します。

    4. Kerberos 認証が必要な場合,Kerberos のログイン・ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログはプリンシパルとパスワードを要求し,チケットを生成します。

    5. 必要に応じて,ユーザのデフォルトの X authority ファイルへのエントリの挿入や削除を行います。

    6. SYS$MANAGER:DECW$SYLOGIN.COM があれば実行します。

    7. SYS$LOGIN:DECW$LOGIN.COM があれば実行します。

    8. CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN]DTSESSION.EXE を実行してセッション・マネージャを起動します。



4.2.2 Traditional DECwindows Desktop のログイン・シーケンス

「Start Session」ダイアログ・ボックスに正しいユーザ名とパスワードを入力すると,以下の処理が実行されます。

  1. LOGINOUT.EXE: DECW$LOGINOUT.EXE 内のルーチンが呼び出されます。 このプログラムは,以下の機能を実行します。

    1. DW-MOTIF のライセンスを確認して,システムが,ディスプレイ・サーバとの接続をオープンするライセンスを持っていることを確認します。ライセンスがない場合, DECW$LOGINOUT.EXE は警告メッセージを表示して,自身を再起動して終了します。新しい「Start Session」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    2. 入力ポインタが時計のカーソルに変わります。

    3. 許可ユーザ・リストと信頼ユーザ・リストを変更して,ディスプレイ・サーバに接続するアプリケーションを実行できるようにし,セキュリティの設定を変更します。また,以前設定されたサーバのセキュリティ設定を削除します。

    4. サーバ・プロセスの所有者を,ログイン中のユーザに変更するようにサーバに指示します。

    5. サーバでランダムな magic cookie 値を設定し, X authority ファイル DECW$ENDSESSION.DECW$XAUTH に保存します。この cookie は,セッションを終了するためにプロセスがサーバに接続できることを保証します。

    6. スタートアップ・プロセスの間サーバとの接続を保持する DECW$WAITFORSM.EXE を実行するプロセスを起動します。

    7. プロセス名として DECW$SESSION を設定します。

    8. 「Start Session」ダイアログの表示に費やした時間がユーザ・プロセスに課金されないように,Start Session プロセスの累積 CPU 時間をゼロに初期化します。

    9. DCL が実行するコマンド・プロシージャとして, SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM を渡します。

    10. 終了して,プロセスの制御を DCL に渡します。

  2. SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM: セッション・マネージャのデフォルトの DCL コマンド・プロシージャとして動作します。 このコマンド・プロシージャは,以下の機能を実行します。

    1. 論理名 DECW$SM_WSQUOTA が定義されている場合,セッション・マネージャ・プロセスのワーキング・セット制限として論理名の値を設定します。

    2. 論理名 SYS$SYLOGIN が示すシステムのログイン・コマンド・プロシージャを実行します。デフォルトでは SYLOGIN.COM です。

    3. 「Start Session」ダイアログ・ボックスで,ユーザ名の後に /NOCOMMAND を指定しなかった場合,ユーザごとの LOGIN.COM (または UAF レコードで指定されているその他のログイン・コマンド・プロシージャ) が実行されます。リソース・ファイルで使用するディレクトリを変更するには, LOGIN.COM 内で論理名 DECW$USER_DEFAULTS を再定義します。

    4. SYS$SYSTEM:DECW$WSINIT.EXE を実行して,ユーザのワークステーション・カスタマイズ・ファイルを読み込みます。このプログラムは,ディスプレイ・サーバへの接続をオープンし, Xlib の呼び出しを行って,カスタマイズ内容を適用し,画面の背景,ポインタの形状と色,その他のワークステーションの設定を行います。また,ルート・ウィンドウ上で,後から起動した DECwindows アプリケーションにカスタマイズ内容を伝えるためのプロパティを作成します。

      注意

      XUI 版の DECwindows を使用した後で, DECwindows Motif システムに初めてログインすると, DECW$WSINIT.EXE はユーザの XUI リソース・ファイルを読み込み, DECwindows Motif 形式に変換します。

    5. Kerberos 認証が必要な場合,Kerberos のログイン・ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログはプリンシパルとパスワードを要求し,チケットを生成します

    6. 必要に応じて,ユーザのデフォルトの X authority ファイルへのエントリの挿入や削除を行います。

    7. SYS$MANAGER:DECW$SYLOGIN.COM があれば実行します。

    8. SYS$LOGIN:DECW$LOGIN.COM があれば実行します。

    9. SYS$SYSTEM:DECW$SESSION.EXE を実行してセッション・マネージャを起動します。


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