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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS
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タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:COM for OpenVMSに関するリリースノート
第 2 章:OpenVMS Registryに関するリリースノート
第 3 章:COM for OpenVMSの概要
第 4 章:COM for OpenVMSのインストール
第 5 章:アプリケーションの開発と運用のためのCOM for OpenVMSユーティリティ
第 6 章:COM for OpenVMSアプリケーションの開発
第 7 章:OpenVMS Registryの概要
第 8 章:OpenVMS Registryシステム管理
第 9 章:OpenVMS Registryサーバの管理
第 10 章:OpenVMS Registryシステムサービス
第 11 章:OpenVMS イベント
第 12 章:認証
付録 A :MIDLコンパイラのオプション
付録 B :トラブルシューティング
付録 C :サンプルアプリケーションの作成
付録 D :V1.0からV1.1へのアップグレード
付録 E :相違点,API,インタフェースの一覧
付録 F :インストールされるファイル一覧
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OpenVMS Alpha オペレーティング・システム | HPE 日本

OpenVMS Alpha
オペレーティング・システム
コネクティビティ開発者ガイド


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第 2 部
OpenVMS Registry

この後の章では,OpenVMS Registry データベースの概要,構成,OpenVMS Registry のインタフェースである $REGISTRY システム・サービスおよび $REGISTRYW システム・サービスについて説明します。

第 7 章
OpenVMS Registry の概要



Windows NT Registry は,ハードウェアとソフトウェア (オペレーティング・システムとアプリケーションの両方) に関する構成情報を格納した,システム全体で有効な 1 つの階層型データベースです。Windows NT Registry は,Windows 3.x.iniファイルに代わるものであり,アプリケーションと構成に関する情報を 1 つの場所に格納できます。

OpenVMS と Windows NT が協調動作できるようにするために,Compaq は OpenVMS でもレジストリを提供しました。Windows NT Registry と同様に,OpenVMS Registry は OpenVMS Registry データベースと OpenVMS Registry サーバの 2 つのコンポーネントで構成されています。OpenVMS Registry データベースはシステム単位またはクラスタ単位の階層型データベースであり,構成情報が格納されます。この情報はキーと関連値という形式で,データベース構造として格納されます。OpenVMS Registry サーバは,OpenVMS Registry データベースの作成とバックアップ,キーと値の作成,表示,変更,削除など,OpenVMS Registry のすべての操作を制御します。

OpenVMS Registry にはインタフェース (COM API とシステム・サービス) が含まれていて,アプリケーションは OpenVMS Registry サーバを制御し,OpenVMS Registry データベースに読み書きできます。また,OpenVMS Registry にはサーバ管理ユーティリティも含まれているので,システム管理者は OpenVMS の DCL コマンド・ラインから OpenVMS Registry 情報を表示し,更新できます。

OpenVMS Registry は Windows NT Registry と互換性があります。RegEdt32などの NT クライアント・アプリケーションは,OpenVMS Registry に接続して,これを編集することができます。

7.1.1 参考文献

Windows NT Registry および関連項目の詳細については,次の参考文献を参照してください。

  • Windows NT レジストリに関する書籍:

    • Windows NT Server 4.0 Unleashed』 Jason Garms 著,SAMS Publishing,Indianapolis,IN,1998。ISBN: 0-672-30933-5



7.2 OpenVMS Registry の概念と定義

OpenVMS Registry は Windows NT Registry と同様に,複数の分岐を含む階層型データベースです。

ここでは,OpenVMS Registry データベースの要素と操作について説明します。

7.2.1 キー,サブキー,値

キーとは,OpenVMS Registry データベースの基本的な要素の 1 つです。キーには,コンピュータ,システム,ユーザ固有の情報が格納されます。キーは OpenVMS Registry データベースのヘッダ・フィールドです。キーは階層構造 (ツリー構造) に並べることができます。

OpenVMS Registry には,次の 2 つのメイン (ルート) キーがあります。

  • HKEY_USERSには,各ユーザの情報が格納されます。

  • HKEY_LOCAL_MACHINEには,ハードウェア,ソフトウェア,セキュリティ,全般的なシステム構成情報が格納されます。

HKEY_CLASSES_ROOTというキーは, HKEY_LOCAL_MACHINECLASSESサブキーを指し示します。これらのルート・キーについては,第 7.3 節 で詳しく説明します。

サブキー とは,別のキーの子です。各キーには 0 個以上のサブキーを含むことができます。サブキーを使用すると,関連するキーを階層構造またはツリー構造の別のキーの下にまとめることができます。

値エントリ (または ) とは,名前付きのデータ要素です。これはレジストリ・データベース内のレコード・フィールドです。各キーには 0 個以上の値が関連付けられます。値には値名,値タイプ,一連のフラグ,関連データ (値のタイプによって定義されるもの) があります。OpenVMS Registry では次の値タイプをサポートしています。

  • 最後が Null の文字列

  • 最後が Null の文字列の配列 (最後が Null)

  • 環境変数を含む,最後が Null の文字列 (論理名またはシンボル)

  • 32 ビット・データ・アイテム

  • 64 ビット・データ・アイテム

  • 未加工のバイナリ

図 7-1 はキー,サブキー,値の関係を示しています。

図 7-1 キー,サブキー,値の関係



     Key1=Value1 
     Key2 
       | 
       +-Subkey1=Value1 
       | 
       +-Subkey2=Value1,Value2 
       : 
       . 



OpenVMS Registry のキーと値は,不揮発性または 揮発性として定義できます。不揮発性キーは OpenVMS Registry ファイルに保存されます。揮発性キーはテンポラリ・ファイルにキャッシュされます。

Windows NT システムでは,揮発性キーと値はシステムの再起動時に削除されます。

OpenVMS では,揮発性キーと値は,クラスタ内のすべてのノードがリブートされるときに自動的に削除されます。OpenVMS では,サーバ・フェールオーバのときに揮発性キーが削除されないようになっていますが,クラスタのリブート時には削除されます (スタンドアロン・システムでは,揮発性キーと値はシステムのリブート時に削除されます)。

キーを作成するときに,OpenVMS Registry がキーの変更情報をいつ書き込まなければならないかを指定できます。書き込みオプションは次のとおりです。

  • ライトスルー: 変更はディスクに直ちに書き込まれます。

  • ライトバック: 変更はキャッシュに格納され,後で書き込まれます。

Cache Action属性を使用すると,キーの書き込み属性を指定できます。キーの作成時にキャッシュ・アクション属性を指定しなかった場合は,キーは親の属性を継承します。

SYS$REGISTRYインタフェースを使用する場合は,キャッシュ・アクション属性の値とは無関係に,直ちに書き込みが行われるように (ライトスルー),処理中の要求に対してREG$M_NOW機能コード修飾子を使用できます。

OpenVMS Registry キーは他の OpenVMS Registry キーにリンクすることができ,同じデータに対して複数のパスを提供できます。同様に,OpenVMS Registry の値は他の OpenVMS Registry 値にリンクできます。これらのキーと値のリンク,つまりシンボリック・リンクは,ファイルのリンクによく似ています。シンボリック・リンクは名前の参照です。

たとえば,Key AKey Bにリンクできます。Key Aとその値を検索すると,Key Bの値が返されます。

また,シンボリック・リンクを連鎖させることもできます。つまり,Key AKey Bを指し,Key BKey Cを指すように設定できます。この結果,Key AKey Cも指すようになります。リンクを指定するには,$REGISTRY システム・サービスを使用するか,OpenVMS Registry サーバ管理コマンド・ライン・インタフェースを使用します。

キーと値の名前には次の規則が適用されます。

  • 1 つのキーにサブキーと値を含むことができます。

  • キー名では Unicode (4 バイト) 文字を使用できます。ただし,バックスラッシュ (\) 文字と Null 文字は使用できません。少なくとも 1 文字を指定しなければなりません。

  • 値の名前は Unicode (4 バイト) 文字で作成できます。

  • キー文字列は名前 (たとえばdisk) またはパス (たとえば,Hardware\cosmos\disk) のいずれかです。

  • 値文字列は名前のみです。

  • キーを定義するときに,パスを指定したのに,1 つ以上のパス・サブキーが見つからない場合は,これらのサブキーが自動的に作成されます。作成されるキーは親の属性を継承します。

  • OpenVMS Registry データベースでは,キーと値の名前で大文字と小文字の区別が保存されます。$REGISTRY システム・サービスを呼び出すときに,REG$M_CASESENSITIVE機能コード修飾子を指定しないと,名前の比較で大文字と小文字は区別されません。

  • 純粋なバイナリ・データの場合,値の最大サイズは 1 MB (Windows NT との互換性を維持するため) です。



7.2.2 クラス

Class属性を使用すると,各キーに追加情報を格納できます。たとえば,Class text stringを指定すると,指定したキーで使用できるデータ・タイプを格納できます。

7.2.3 ハイブ

ハイブとは,OpenVMS Registry に格納されている関連キー,サブキー,値の集まりです。

Windows NT システムでは,ハイブは関連するLOGファイルと共に,
%SystemRoot%\system32\configディレクトリの 1 つのファイルに格納されます。Windows NT では,ユーザはディスクの指定されたファイルにハイブを保存することができ,これらのファイルを後でロードすることができます。

OpenVMS システムでは,OpenVMS Registry データベース全体が
REGISTRY$LOCAL_MACHINE.REGREGISTRY$USERS.REGという 2 つのハイブで構成されています。OpenVMS では,ハイブのロードとアンロードはサポートされません。

7.3 OpenVMS Registry の構造

Windows NT アプリケーションが OpenVMS Registry データベースとインタフェースをとることができるようにするために,OpenVMS Registry データベースには Windows NT Registry であらかじめ定義されているキーとサブキーの一部が含まれています。

OpenVMS Registry には次の定義済み標準キーが含まれています。

  • HKEY_CLASSES_ROOT
    Windows NT システムでは,このキーはドキュメントのクラスの定義とこれらのクラスに関連するプロパティのために予約されています。
    OpenVMS システムでは,デフォルト設定でこのキーにはサブキーや値は含まれていません。
    このエントリ・ポイントはHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classesサブキーにマップされます。

  • HKEY_USERS
    Windows NT システムでは,このエントリ・ポイントの下のエントリはローカル・システムのユーザのデフォルト・ユーザ構成と,現在のユーザ構成を定義します。
    OpenVMS システムでは,デフォルトでこのキーにはサブキーや値は含まれていません。

  • HKEY_LOCAL_MACHINE
    このエントリ・ポイントの下のエントリは,システム構成情報用に予約されています。
    Windows NT システムでは,この領域にはバス・タイプ,システム・メモリ,インストールされているハードウェアとソフトウェアに関する情報が格納されます。
    OpenVMS システムでは,このキーには次の定義済みサブキーが含まれています。

    • Hardware

      Windows NT システムでは,ブート時に収集した情報からこのキーの揮発性サブキーが作成されます。
      OpenVMS システムでは,このキーにはデフォルトでサブキーや値は含まれていません。

    • Security

      Windows NT システムでは,これらのキーにはローカル・コンピュータのすべてのセキュリティ情報が格納されます。これらのキーの情報はシステムが所有し,必要に応じて保護されます。
      OpenVMS システムでは,デフォルトでこのキーにはサブキーや値は含まれていません。

    • Software

      Windows NT システムでは,このキーにはローカル・システムのソフトウェアに関する情報が格納されます。格納される情報はユーザ単位の構成とは無関係な情報です。
      OpenVMS システムでは,このキーには次の定義済みサブキーが含まれます。

      • Classes

      • Compaq Computer Corporation

      • Microsoft

    • System

      Windows NT システムでは,このキーには装置とサービスに関する情報が格納されます。
      OpenVMS システムでは,このキーには次の定義済みサブキーが含まれます。

      • CurrentControlSet

        Windows NT システムでは,このキーには Control,Enum,Hardware Profiles,Services に関する情報が格納されます。
        OpenVMS システムでは,このキーは Advanced Server for OpenVMS で使用するために予約されています。

      • Registry

        このサブキーは Windows NT システムにはありません。OpenVMS システムでは,このキーにはサブキーと値という形式で,OpenVMS Registry サーバの構成パラメータが格納されます。定義済みサブキーは次のとおりです。

        • File Quotas

          OpenVMS Registry データベースを作成する時点では,このサブキーは空です。システム管理者は,OpenVMS Registry ファイルの名前を持つ値を作成することで,各 OpenVMS Registry データベース・ファイルに対してクォータを割り当てることができます。ファイルに対して値が指定されていないときは,OpenVMS Registry サーバは Default File Quota 設定のデフォルト値を使用します。
          たとえば,システム管理者はREG$CPを使用して,1 MB のクォータを OpenVMS RegistryREGISTRY$LOCAL_MACHINE.REGファイルに割り当てることができます。次のコマンドを使用します。


          $ MCR REG$CP
          REG> CREATE VALUE/NAME=REGISTRY$LOCAL_MACHINE/TYPE=DWORD/ -
          _REG> DATA=%D1000000 
          "hkey_local_machine\system\registry\File 
          Quotas"
          

        • File Monitor
          このサブキーは使用されません。

        • Priority
          このサブキーは,OpenVMS Registry データベースを作成する時点では空です。システム管理者は,OpenVMS Registry サーバが存在するクラスタ内のシステムのノード名を持つ値を作成することで,指定のノードで OpenVMS Registry サーバの優先順位を変更できます。
          たとえば,システム管理者は REG$CPサーバ管理ユーティリティを使用して, COSMOSというノードに優先順位 100 を割り当てることができます。次のコマンドを使用します。


          $ MCR REG$CP
          REG> CREATE VALUE/NAME=COSMOS/TYPE=DWORD/DATA=%D100 -
          _REG>
          "hkey_local_machine\system\registry\Priori 
          ty"
          



7.4 OpenVMS Registry への読み込みと書き込み

OpenVMS Registry に対する読み込みと書き込みは,次の方法で行います。

  • OpenVMS で提供される COM API を介して COM for OpenVMS を使用する方法。この方法では,アプリケーション・プログラマは OpenVMS Registry キーと値の入力,変更,削除を行うことができます。

  • $REGISTRY および $REGISTRYW システム・サービスと OpenVMS Registry サーバ管理ユーティリティのコマンドを使用する方法。この方法では,アプリケーション・プログラマは OpenVMS Registry キーと値の入力,変更,削除を行うことができます。詳細については,第 7.4.1 項 を参照してください。

  • Windows NT から Windows NT Registry API を使用するか, RegEdt32(Windows NT レジストリ・エディタ) を使用する方法。この方法では,Windows NT ユーザは OpenVMS Registry キーと値の表示と編集を行うことができます。



7.4.1 $REGISTRY システム・サービス

OpenVMS Registry には,OpenVMS Registry サーバへのインタフェースを提供する 2 つの OpenVMS システム・サービスがあります。OpenVMS Registry システム・サービスを使用すると,OpenVMS Registry データベース内のキー,サブキー,値の照会,更新,作成を行うことができます。

$REGISTRY システム・サービスと $REGISTRYW システム・サービスの詳細については,第 10 章 を参照してください。

7.4.2 REG$CP サーバ管理ユーティリティ

REG$CPサーバ管理ユーティリティを使用すると,OpenVMS DCL プロンプトから OpenVMS Registry 情報を表示し,更新できます。また,このユーティリティでは,必要なシステム特権があれば,OpenVMS Registry データベース全体をファイルにバックアップしたり,ファイルから復元することができます。

REG$CPサーバ管理ユーティリティの詳細については,第 9 章 を参照してください。

7.5 OpenVMS Registry のセキュリティ

OpenVMS Registry では,OpenVMS と Windows NT の両方のセキュリティ・モデルが実装されています。

OpenVMS Registry データベースにアクセスするには,呼び出し側のプロセスは実行する操作にとって適切な OpenVMS Registry ライト識別子を持っているか (たとえば,読み込み操作の場合はREG$LOOKUP,書き込み操作の場合はREG$UPDATE,統計操作の場合はREG$PERFORMANCE),呼び出し側プロセスが SYSPRV 特権を持っていなければなりません。

ここでは,このセキュリティ・モデルについて説明します。


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