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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3
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目次
まえがき
第 1 章:システム構成の概要
第 2 章:ビジネス要件とアプリケーション要件の決定
第 3 章:システムの選択
第 4 章:インターコネクトの選択
第 5 章:ストレージ・サブシステムの選択
第 6 章:SCSI と Fibre Channel ストレージに対するマルチパスの構成
第 7 章:ストレージ・インターコネクトとしての Fibre Channel の構成
第 8 章:可用性を目的とした OpenVMS Cluster の構成
第 9 章:可用性とパフォーマンスを目的とした CI OpenVMS Cluster の構成
第 10 章:スケーラビリティを目的とした OpenVMS Cluster の構成
第 11 章:システム管理の手法
付録 A :インターコネクトとしての SCSI
付録 B :MEMORY CHANNEL 技術概要
付録 C :CI-to-PCI アダプタ (CIPCA) サポート
付録 D :マルチサイト OpenVMS Cluster
索引
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HP OpenVMS
OpenVMS Cluster 構成ガイド


目次 索引

第 1 章
OpenVMS Cluster システム構成の概要

この章では,OpenVMS Cluster の一般的な構成規則とともに,ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素について説明します。

1.1 OpenVMS Cluster の構成

OpenVMS Cluster システムは,OpenVMS システム,ストレージ・サブシステム,インターコネクト,ソフトウェアが 1 つのグループとしてまとまって働く仮想システムです。 OpenVMS Cluster システムは,Alpha,VAX,または Intel® Itanium® プロセッサを搭載した HP Integrity サーバのいずれかの同じアーキテクチャで構成された環境で,OpenVMS が動作するように構成できます。また,OpenVMS Cluster システムは,異なるアーキテクチャを組み合わせたクラスタ環境として実行することもできます。有効な組み合わせは,Alpha と VAX,または Alpha と HP Integrity サーバの 2 種類の組合せです。

OpenVMS Cluster システムでは,各システムが次のことを行います。

  • 処理リソース,キュー,データ・ストレージ・デバイスを共用します。

  • 個別にブートや障害処理できます。

  • OpenVMS オペレーティング・システムを実行します。

また OpenVMS Cluster システムは,1 つのエンティティとして管理されます。

注意

異種混在型のクラスタでは,システム・ディスクおよびシステム・ブート・ブロックごとに 1 つのアーキテクチャのみサポートします。詳細は, 第 11.8 節 を参照してください。

表 1-1 は,OpenVMS Cluster システムの利点を述べたものです。

表 1-1 OpenVMS Cluster システムの利点
利点 説明
資源の共用 複数のシステムが同じストレージ・デバイスにアクセスできます。これはクラスタ全体でユーザがファイルを共用するためです。アプリケーション,バッチ,およびプリントジョブ処理も複数のシステムに配布できます。共用資源にアクセスするジョブは,どのシステムでも実行できます。
可用性 個々のシステムがシャットダウンしても (ダウンが予定されたものであるかどうかに関係なく),データやアプリケーションは引き続き利用できます。さまざまな構成により,ディザスタ・トレラントな操作にも対応できるさまざまなレベルの可用性を設定できます。
柔軟性 OpenVMS Cluster コンピューティング環境は,幅広い価格帯とパフォーマンス域にまたがる互換ハードウェアとソフトウェアを提供します。
スケーラビリティ その他のシステムに影響を与えることなく処理資源とストレージ・リソースを追加できます。ハイエンド・マルチプロセッサ・システムから小型ワークステーションまで,各種システムを相互接続でき,ニーズの増大に合わせて簡単に構成できます。パフォーマンスと可用性のレベルは拡張に応じて制御できます。
管理の容易さ OpenVMS Cluster 管理は,効率的で安全です。OpenVMS クラスタは単独のシステムとして管理されるため,さまざまなタスクも 1 回実行するだけですみます。OpenVMS Cluster では,ユーザ,バッチ,印刷作業の各負荷のバランスが自動的に調整されます。
オープン・システム IEEE,POSIX,OSF/1,Motif,OSF DCE, ANSI SQL,および TCP/IP の各標準に準拠しているので,OpenVMS Cluster システムはアプリケーションの移植性と相互運用性を提供できます。



1.2 ハードウェアの構成要素

OpenVMS Cluster システムは,システム,インターコネクト,アダプタ,ストレージ・サブシステム,周辺機器など,さまざまなハードウェア構成要素からなります。 表 1-2 は,これらの構成要素と例をまとめたものです。

表 1-2 OpenVMS Cluster システムのハードウェア構成要素
構成要素 説明
システム 1 つの処理体として機能する 1 つ以上のプロセッサ,メモリ,入出力 (I/O) アダプタを組み込んだキャビネット。

関連項目: OpenVMS システムの詳細については, 第 3 章 を参照してください。

OpenVMS Cluster システムには,サポートされている Alpha, VAX,または HP Integrity サーバの各システムを組み込むことができます。
インターコネクト OpenVMS Cluster ノード間のハードウェア接続であり,これを通じてノード通信を行います。

関連項目: OpenVMS Cluster インターコネクトの詳細については, 第 4 章 を参照してください。

OpenVMS Cluster システムには,次に示す相互接続を 1 つ以上使用します。

  • CI

  • Digital Storage Systems Interconnect (DSSI)

  • Fiber Distributed Data Interface (FDDI)

  • MEMORY CHANNEL

  • Small Computer Systems Interface (SCSI)

  • Fibre Channel

  • Ethernet,Fast Ethernet,Gigabit Ethernet

  • ATM (非同期転送モード)

ストレージ・サブシステム データを保存するデバイスとデバイスを管理するオプション・コントローラ

関連項目: OpenVMS ストレージ・サブシステムの詳細については, 第 5 章 を参照してください。

ストレージ・サブシステムには,次のものがあります。

  • SCSI ディスクとテープ

  • SDI,STI ディスクとテープ

  • ストレージ・アレイ・キャビネット

  • SDI/STI ストレージ・コントローラと SCSI ストレージ・コントローラ

  • InfoServer システム

アダプタ OpenVMS Cluster 内のノードをインターコネクトとストレージに接続するデバイス。

関連項目: アダプタの詳細については, 第 4 章 を参照してください。

Peripheral Component Interconnect (PCI) システムで使用されるアダプタは,次のとおりです。

  • CIPCA (CI)

  • KFPSA (DSSI)

  • KZPSA (SCSI)

  • DEFPA (FDDI)

  • DE435 (Ethernet)

  • KGPSA (Fibre Channel)

  • DEGPA (Gigabit Ethernet)

周辺機器 システムへの出力を提供し,システムからの出力を生成するデバイス。 周辺機器には,次のものがあります。

  • ターミナル,ターミナル・サーバ,モデム

  • プリンタ,プロッタ



1.3 ソフトウェア構成要素

OpenVMS Cluster システム・ソフトウェアのタイプは,次のように分類できます。

  • OpenVMS オペレーティング・システム構成要素

  • ネットワーキング構成要素

  • ストレージ拡張ソフトウェア

  • システム管理ソフトウェア

  • ビジネス・アプリケーション



1.3.1 OpenVMS オペレーティング・システム構成要素

オペレーティング・システムは,ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素,および資源が適切に動作するように管理します。

表 1-3 は,OpenVMS Cluster の動作に必要なシステム構成要素です。これらの構成要素は,すべて OpenVMS オペレーティング・システム・ライセンスまたは OpenVMS Cluster ライセンスがないと使用できません。

表 1-3 オペレーティング・システム構成要素
構成要素 機能
レコード管理サービス (RMS) と OpenVMS ファイル・システム OpenVMS Cluster 環境のディスクやテープ上の共用読み込みアクセスと書き込みアクセスを提供します。
クラスタ全体のプロセス・サービス クラスタ全体でプロセスを作成, 削除するだけなく,SHOW SYSTEM や SHOW USERS などの OpenVMS コマンドのクラスタ規模による操作を可能にします。
分散ロック・マネージャ 多数のユーザによる共用資源へのアクセスを同期します。
分散ジョブ・コントローラ バッチやプリント・キューをクラスタ全体で共用可能にし,資源を最適化します。
接続マネージャ OpenVMS Cluster メンバのメンバシップとクォーラムを制御します。
SCS (システム通信サービス) System Communications Architecture (SCA) により,ノード間の OpenVMS Cluster 通信を可能にします。
MSCP サーバ 直接アクセスできるローカル接続ディスクを, OpenVMS Cluster 内の他のシステムにも開放します。
TMSCP サーバ 直接アクセスできるローカル接続テープを, OpenVMS Cluster 内の他のシステムにも開放します。

図 1-1 は,代表的な OpenVMS Cluster システムにおけるハードウェアとオペレーティング・システム構成要素の組み合わせを示したものです。

図 1-1 ハードウェアとオペレーティング・システム構成要素




1.3.2 ネットワーキング構成要素

表 1-4 は,1 つのOpenVMS Cluster システム・ノードと他の OpenVMS Cluster ノード間の通信と資源を共用するためのオプション・ネットワーキング・ソフトウェアを説明したものです。

表 1-4 OpenVMS ネットワーキング構成要素
オプション・ソフトウェア 機能
DECnet-Plus ネットワーク通信はノード間通信に必要です。
Distributed File Service (DFS) 遠距離にあるシステム間で通信と資源共用をするためのソフトウェアです。
LAT ソフトウェア ターミナル・サーバ・ハードウェアで,Ethernet ベースのキャラクタ・セル・ターミナルをサポートするために使用します。システムに障害が発生すると,LAT ソフトウェアは残った他のシステムのどれかに自動的に接続します。
Advanced Server for OpenVMS および PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) PC システムを OpenVMS Cluster システムにリンクするクライアント・サーバ・ネットワーキング・ソフトウェアです。
TCP/IP Services for OpenVMS ソフトウェア OpenVMS 用の Network File System (NFS) サーバであり,Internet ネットワーキング・プロトコルをサポートします。



1.3.3 ストレージ拡張ソフトウェア

オプションのストレージ拡張ソフトウェアは,ストレージ・サブシステムのパフォーマンスや可用性を改善します。

たとえば,次のようなものがあります。

  • Volume Shadowing for OpenVMS (RAID レベル 1)

  • DECram for OpenVMS (RAM ディスク)

  • RAID Software for OpenVMS (RAID レベル 0 アレイ (ディスク・ストライピングをサポート) と RAID レベル 5 アレイ (パリティ付きアクセス・ストライピング))

  • Hierarchical Storage Manager (HSM)

OpenVMS ストレージ管理製品に関する最新情報については,次の OpenVMS ウェブ・サイトにある OpenVMS 製品のページを参照してください。


http://www.hp.com/go/openvms 

または


//www.hpe.com/jp/openvms 



1.3.4 システム管理ソフトウェア

システム管理ソフトウェアは,OpenVMS Cluster システムを管理します。

たとえば,次のようなものがあります。

  • HP Availability Manager および DIGITAL Availability Manager for Distributed Systems (DECamds)
    注意: Availability Manager および DECamds は, OpenVMS オペレーティング・システムで提供されます。

  • HP Archive/Backup System for OpenVMS

  • HP Code Management System for OpenVMS

  • HP Graphical Configuration Manager (GCM)



1.3.5 ビジネス・アプリケーション

ビジネス・アプリケーションは,ビジネス機能を実行するためのオプションのソフトウェア・パッケージです。

たとえば,次のようなものがあります。

  • Oracle Rdb,Oracle CDD/Repository,および Sybase などのデータベース・システム

  • HP ACMS for OpenVMS などのトランザクション処理システム

  • Reliable Transaction Router などのトランザクション・ルーティング・システム

  • OpenVMS e-Business Infrastructure アプリケーション (COM for HP OpenVMS,HP Secure Web Server for OpenVMS など。 OpenVMS Alpha の場合,これらのアプリケーションは, OpenVMS e-Business Infrastructure の CD-ROM に収録されています。 OpenVMS I64 の場合,Secure Web Server は, OpenVMS I64 Foundation Operating Environment に含まれています。 COM for HP OpenVMS I64 は,将来のリリースで入手可能になります。)



1.4 OpenVMS Cluster システムの構成

OpenVMS Cluster の特徴や利点を活用するには,正しく構成することが重要です。 OpenVMS Cluster の理想的な構成では,次の基準を満たすことができます。

  • ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の最善の組み合わせにより,ビジネス要件を満たす。

  • ビジネスの最優先分野に戦略的に予算を当て,最大の利益を上げる。

  • ビジネス・ニーズの増大や変化に応じて,最新のニーズを満たすとともに投資結果を確保する。

OpenVMS Cluster システムの構成は,さまざまな要因を考慮する必要があるため,慎重に行う必要があります。新しい要因が発生するたびに計画は変更する必要があるかもしれません。設計内容の更新時には,トレードオフに対する利点を評価し,ニーズに最適な決定を下します。

1.4.1 一般的な構成規則

以下の一般規則が,OpenVMS Cluster システムに適用されます。

  • Alpha システムと VAX システムからなる OpenVMS Cluster システムには, 96 台 (合計) を超えるシステムを組み込むことはできません。

  • Alpha システムと I64 システムからなる OpenVMS Cluster システムには, 16 台 (合計) を超えるシステムを組み込むことはできません (I64 の OpenVMS Version 8.2 システムは最大 8 台まで)。より大規模なクラスタは,今後のリリースでサポートされる予定です。

  • Alpha システムと VAX システムは,同じシステム・ディスクからはブートできません。システム・ディスクはアーキテクチャ固有であり,同じアーキテクチャのシステムでないと共用できません。
    クロス・アーキテクチャ・サテライト・ブートをサポートしています。 Alpha サテライト (クライアント) が VAX ブート・サーバから,そして VAX サテライト (クライアント) は Alpha ブート・サーバからブートできます。

  • OpenVMS ノードは,他の OpenVMS Cluster ノードと直接通信できるものとします。
    共用 (マルチホスト) SCSI バスや共用 (マルチホスト) Fibre Channel インターコネクトを使用する構成は,サポートされている他の OpenVMS Cluster インターコネクトとも構成できるものとします。SCSI バスや Fibre Channel ではノード・ツー・ノード通信ができないからです。
    関連項目: SCSI インターコネクトの詳細については, 第 4.8 節 を参照してください。 Fibre Channel インターコネクトの詳細については, 第 4.6 節 を参照してください。
    ストレージとのアクセスのため,MEMORY CHANNEL インターコネクトを使用する構成では,サポートされている他の OpenVMS Cluster インターコネクトとも構成できるものとします。ストレージは,MEMORY CHANNEL 上に構成できません。
    関連項目: MEMORY CHANNEL の詳細については, 第 4.7 節 を参照してください。

  • OpenVMS Cluster ノードまたはストレージ・デバイスを 1 つの OpenVMS Cluster システムにまとめて一度に組み込むことはできません。 1 つずつ組み込みます。

  • DECnet-Plus ソフトウェアは,OpenVMS Cluster 構成には不要です。ただし, DECnet メールボックスによるノード間のプロセス・ツー・プロセス通信が必要な場合, DECnet-Plus が必要です。OpenVMS バージョン 7.0 以降,Monitor ユーティリティは,クラスタ間通信に TCP/IP 伝送または DECnet 伝送を必要に応じて使用しています。

以上の一般的な規則以外に,構成によりさらに詳細なガイドラインが適用されます。本書ではこの後,構成ごとのコンテキストでそれらのガイドラインについて説明します。


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