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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V8.3-1H1
ライブラリ

タイトル
目次
まえがき
第 1 章:はじめに
第 2 章:新機能
第 3 章:リリース・ノート
第 4 章:MSAユーティリティ
第 5 章:製品のディレクトリ
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HP OpenVMS
V8.3-1H1 for Integrity Servers
新機能およびリリース・ノート


目次 索引

第 2 章
OpenVMS Version 8.3-1H1 の新機能

この章では,OpenVMS I64 Version 8.3-1H1 で導入された新機能について説明します。

2.1 HP OpenVMS Version 8.3-1H1 での ISV アプリケーションとバイナリ互換性

HP OpenVMS のハードウェア・リリース (Version 8.3-1H1) に際し,弊社では,ISV とレイヤード・プロダクト開発者に,現在 OpenVMS Version 8.3 で動作している既存のアプリケーション・バイナリが, OpenVMS Version 8.3-1H1 上でもそのまま動作することを保証しています。 OpenVMS Version 8.3-1H1 は,OpenVMS Version 8.3 とのバイナリ互換性を維持するように設計されています。 OpenVMS Version 8.3 用に作成された数千ものアプリケーションが,高品質のオペレーティング・システム技術とラボ・テストによって保証されたバイナリ互換性により, OpenVMS Version 8.3-1H1 上でも変更なしで動作します。

ソフトウェアの再コンパイルは不要です。またISV とレイヤード・プロダクト開発者は Version 8.3-1H1で,製品のテストや品質検査をやりなおす必要はありません (もちろん行ってもかまいません)。 OpenVMS Version 8.3 で実施した品質検査の結果は, OpenVMS Version 8.3-1H1 にも適用されます。

ISV やレイヤード・プロダクト開発者が, OpenVMS Version 8.3 で動作していた製品が OpenVMS Version 8.3-1H1 では動作しないという問題を発見した場合には,速やかに弊社にお知らせください。 OpenVMS Version 8.3-1H1 で検出された互換性の問題は,責任を持って解決いたします。

2.2 新しいアイテム・コード DVI$_ADAPTER_IDENT

このアイテム・コードは, Alpha および I64 システムで,SYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DAT または COLLECT SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT のいずれかで定義されているアダプタの記述を文字列で返します。このサービスでは,これらのファイルの読み取りを行う訳ではないことに注意してください。これらのファイルは,通常,システムのブート時に SYSMAN IO REBUILD コマンドによってメモリに読み込まれています。

アダプタを識別する文字列を読み込むためのバッファのサイズは, 255 バイトにしておくことをお勧めします。

2.3 新しいアイテム・コード DVI$_MOUNTCNT_CLUSTER

このアイテム・コードは, Alpha および I64 システムで,クラスタ内で特定のデバイスをマウントしているシステムの数をロングワードで返します。この新しいアイテム・コードは,既存のアイテム・コード DVI$_MOUNTCNT を置き換えるものではないことに注意してください。既存のアイテム・コードでは,ローカル・システム上のいずれかのデバイスに関して,それらをマウントしているシステムの数を返します。 MOUNT コマンドで /SHARE 修飾子を使うと,複数のシステムによるマウントが可能です。

2.4 HP Smart Array P800 コントローラ (AD335A) のサポート

OpenVMS V8.3-1H1 は,PCI-Express (PCIe) 接続の Smart Array P800 16 ポート・シリアル接続 SCSI (SAS) コントローラをサポートしています。 HP StorageWorks 60 Modular Storage Array (MSA60) と 70 Modular Storage Array (MSA70) の SAS ストレージ・エンクロージャはこのコントローラの外部ポートに接続できます。

詳細は,次の Web サイトを参照してください。


http://www.hp.com/products1/serverconnectivity/storagesnf2/sas/index.html 
http://h18004.www1.hp.com/storage/disk_storage/msa_diskarrays/drive_enclosures/index.html 



2.5 HP 4GB Fibre Channel アダプタ (AD299A/AD355A) のサポート

OpenVMS V8.3-1H1 は,PCI-Express (PCIe) 接続の 2 ポート 4Gb Fiber Channel アダプタと 1 ポート 4Gb Fibre Channel コントローラをサポートしています。

詳細は,次の Web サイトを参照してください。


http://www.hp.com/products1/serverconnectivity/storagesnf2/4gbfibre/index.html 



2.6 HP StorageWorks Ultrium 448c テープ・ブレード

OpenVMS V8.3-1H1 は,HP BladeSystem c-Class エンクロージャ用の統合データ保護ソリューションを備えた Ultrium 448c ハーフ・ハイト・テープ・ブレードをサポートしています。

詳細は,次の Web サイトを参照してください。


http://h18004.www1.hp.com/products/servers/storageworks/c-class/ultrium-448c/index.html 



2.7 OpenVMS V8.3 のリリース後にサポートされるようになったストレージおよびネットワーク I/O コントローラ

以下に示すストレージおよびネットワーク I/O コントローラは, OpenVMS V8.3 の出荷後にリリースされました。 V8.3 でのサポートは,パッチ・キットで提供されていましたが,これらのすべてのデバイスが,OpenVMS V8.3-1H1 でサポートされています。

  • HP Smart Array P400

  • HP StorageWorks SB40c ストレージ・ブレード

  • 2 ポート 4Gb FC PCIe (AD300A)

  • 2 ポート 4Gb FC メザニン (403619-B21)

  • 1 ポート 4Gb FC & 1 ポート GigE HBA PCI-X コンボ (AD193A)

  • 2 ポート 4Gb FC & 2 ポート GigE HBA PCI-X コンボ (AD194A)

  • 1 ポート 1000Base-R PCI-X (AD331A)

  • 2 ポート 1000Base-R PCI-X (AD332A)



2.8 特定の HP Integrity サーバ・プラットフォームでの Graphics Console のサポート

OpenVMS V8.3-1H1 は,特定の HP Integrity プラットフォームで, Graphics Console をサポートしています。この機能を使うことで,システムの本体パネルに用意されているコネクタにモニタ,キーボード,マウスを直接接続することができます。 OpenVMS の以前のバージョンでは,コンソール接続には,本体パネルのシリアル・ポートに接続されたシリアル・ターミナル接続,またはネットワーク・インタフェースを使ったターミナル・エミュレータ接続しか許されていませんでした。

さらに,PCI スロット内のグラフィックス・オプション・カードを Graphics Console とすることもできます。一部の HP Integrity サーバ・システムでは,この機能と,マルチ・ヘッド・グラフィックス機能で使用するグラフィックス PCI カードの数に制限があります。プラットフォームごとのオプション・カード Graphics Console とマルチ・グラフィックス・ヘッドについての制限については,HP Integrity サーバのマニュアルを参照してください。

注意

一部のプラットフォームは,組み込みのグラフィックス・デバイスを備えていません。このようなプラットフォームで Graphics Console を使うためには,グラフィックス・オプション・カードが必要になります。



rx2600 のような一部の古いプラットフォームは, Graphics Console をサポートしていません。 OpenVMS の Graphics Console をサポートするために必要となる機能がファームウェアにないためです。

現在 OpenVMS の Graphics Console は,以下の HP Integrity サーバ・プラットフォームでサポートされています。

  • rx1600

  • rx1620

  • rx2620

  • rx4640

  • rx3600

  • rx6600

  • rx2660

  • BL860c サーバ・ブレード



2.8.2 サポートされる PCI グラフィックス・オプション・カード

上記の HP Integrity サーバで現在サポートされている PCI グラフィックス・オプション・カードは,ATI Radeon PCI Graphics カード (HP 部品番号 AB551A) だけです。

2.8.3 Graphics Console の制限

Graphics Console には,現在以下の制限があります。

  • Conversational Boot for Graphics Console は, IA64 プラットフォームではサポートされていません。ブート・フラグのビット 0 (BootFlag(0)) をオンにして Conversational Boot を有効にすると,Boot Loader から情報メッセージが表示され,先に進む前に Conversational Boot フラグが自動的にクリアされます。

  • XDELTA Boot for Graphics Console は, IA64 プラットフォームではサポートされていません。ブート・フラグのビット 1 (BootFlag(1)) をオンにすると, Boot Loader から情報メッセージが表示されます。 Boot Loader は先に進む前に, Boot Flags 変数内のこのビットを自動的にクリアします。



2.8.4 Graphics Console サポートのためのファームウェア要件

表 2-1 に,本書の作成時点での,Graphics Console をサポートするために必要なファームウェア・リビジョンをプラットフォームごとに示します。

表 2-1 VGA Console サポートのためのファームウェア要件 (プラットフォーム別)
HP Integrity サーバ システム・ファームウェア ベースボード管理コントローラ 管理プロセッサ
rx1600 4.13 4.01 E.03.30
rx2620 4.21 4.03 E.03.30
rx4640 4.21 4.05 E.03.30
rx3600,rx6600 2.03 5.14 F.01.58
rx2660 1.05 5.02 F.02.58
BL860c 1.01 74.52 T2.02

システム・ファームウェア,ベースボード管理コントローラ,管理プロセッサのファームウェアは,単一のファームウェア・イメージでアップデートされます。

システムのファームウェア・リビジョンは,以下のいずれかの方法で調べることができます。

  1. EFI Shell>プロンプトから

  2. MP:CM>プロンプトから

  3. cli>プロンプトから

  4. EFI Boot Manager Menu から ( 『HP OpenVMS V8.3-1H1 インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照)

すべてのシステムでは,EFI インタフェースと, Management Port (MP) インタフェースあるいは BMC ポート (cli) インタフェースの両方またはいずれか 1 つが用意されます。以下の例は,rx2620 での例です。

EFI Shell を使ってファームウェア情報を取得するには,次のように, Shell>プロンプトで, info fwコマンドを入力します。


Shell> info fw 
- 
FIRMWARE INFORMATION 
- 
   System Firmware Revision: 4.03 [4624] 
   BMC Revision: 4.01 
   Management Processor Revision: E.03.28 



注意

ご使用のシステムが Management Port オプションを備えていることを確認してください。詳細はシステムのドキュメントで確認してください。

ネットワーク経由で Management Port にリモート接続している場合でも,背面パネル上に MP 用に用意されているシリアル・ポートの DE9 コネクタ経由で Management Port に接続している場合でも,MP プロンプトにアクセスするには,まず最初にユーザ名とパスワードを入力する必要があります。すでに EFI Shell>プロンプトになっている場合には, Ctrl/b を入力します。

MP プロンプトからファームウェア情報を取得するには,次のように, MP>プロンプトで cmコマンドを入力します。


MP> cm 
- 
        (Use Ctrl-B to return to MP main menu.) 
- 
MP:CM> 

次のように, MP:CM>プロンプトで, sysrevコマンドを入力します。


MP:CM> sysrev 
- 
SYSREV 
- 
Current firmware revisions 
-                       
 MP FW     : E.03.28 
 BMC FW    : 04.01 
 EFI FW    : 05.46 
 System FW : 04.03 



cli>プロンプトを表示する BMC シリアル・ポートは,すべてのシステムに用意されているわけではありません。システムのドキュメントで確認してください。シリアル・ターミナルは,背面パネルの BMC ポートに用意されている DE9 コネクタに接続します。 cli>インタフェースに接続するには, esc-()コマンドを入力します。次のように, cli>プロンプトから, srコマンドを入力してください。


cli> sr 
Current firmware revisions: 
- 
 MP FW      E.03.28 
 BMC_FW     04.01 
 EFI FW     05.46 
 System FW  04.03 



ファームウェア・バージョンを調べるには,EFI Boot Manager の System Overview パネルを参照してください。

2.8.5 プラットフォームごとの接続の詳細

注意

マルチ・ヘッド・グラフィックス動作を実現するためには,ファイル DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATEの名前を DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMに変更する必要があります。

各プラットフォームごとに以降の説明に従って,マウスとキーボードを,本体パネルの USB コネクタに挿入していることを確認します。

マルチ・ヘッド動作では DVI コネクタは使わないでください。

オプション・グラフィックス・カード上のアナログ DB15 コネクタを使ってください。



注意

組み込みグラフィックス・デバイスは,これらのシステムではオプションです。詳細は,システムのドキュメントで確認してください。

これらのシステムは,オプションの組み込みグラフィックス・デバイスを備えていない可能性があります。その場合には,グラフィック・コンソール用に,グラフィックス・オプション・カードをシステムの PCI オプション・スロットに挿入する必要があります。 2 つの PCI オプション・スロットが用意されていますが,グラフィックス・カードを収容できる大きさを持ったスロットは 1 つだけです。したがって,組み込みグラフィックス・デバイス・オプションなしでは,マルチ・ヘッド・サポートは利用できません。

Graphics DB15 グラフィックス・コネクタにモニタを接続し,マウスとキーボードを USB パネル・コネクタに接続します。

注意

組み込みグラフィックス・デバイスは,これらのシステムではオプションです。詳細は,ご使用のシステムのドキュメントで確認してください。

背面パネルには,組み込みグラフィックス・コントローラ用のアナログ DB15 コネクタと,マウスとキーボード用の USB コネクタがあります。

マルチ・ヘッド機能を使用する場合は,オプションのグラフィックス・カードを空いている PCI スロットに挿入します。

オプションのグラフィックス・カード上の DVI コネクタは使わないでください。必ず,DB15 アナログ・コネクタを使ってください。

注意

組み込みグラフィックス・デバイスは,これらのシステムではオプションです。詳細は,ご使用のシステムのドキュメントで確認してください。

背面パネルには,組み込みグラフィックス・コントローラ用の DB15 アナログ・コネクタと,マウスとキーボード用の USB コネクタがあります。また,マウスやキーボード用に使える前面パネル USB コネクタもあります。

マルチ・ヘッド機能を使用する場合は,オプションのグラフィックス・カードを空いている PCI スロットに挿入します。

オプションのグラフィックス・カード上の DVI コネクタは使わないでください。必ず,DB15 アナログ・コネクタを使ってください。

内蔵 DVD ドライブを使って,グラフィック・コンソールから OpenVMS をインストールする場合には,キーボードは前面パネルの USB コネクタに接続してマウスは背面パネルの USB コネクタに接続するか,またはマウスとキーボードを 2 つの背面パネル USB コネクタに接続しなければなりません。

注意

組み込みグラフィックス・デバイスは,このシステムではオプションです。詳細は,ご使用のシステムのドキュメントで確認してください。

背面パネルには,組み込みグラフィックス・コントローラ用の DB15 アナログ・コネクタと,マウスとキーボード用の USB コネクタがあります。また,マウスやキーボード用に使える前面パネル USB コネクタもあります。

マルチ・ヘッド機能を使用する場合は,オプションのグラフィックス・カードを空いている PCI スロットに挿入します。

オプションのグラフィックス・カード上の DVI コネクタは使わないでください。必ず,DB15 アナログ・コネクタを使ってください。

内蔵 DVD ドライブを使って,グラフィック・コンソールから VMS をインストールする場合には,モニタとキーボードは前面パネルの DB15 コネクタと USB コネクタに接続し,マウスは背面パネル USB コネクタに接続してください。

モニタ,キーボード,マウス用に背面パネル・コネクタを使いたい場合には,マウスとキーボードは,2 つの背面パネル USB コネクタに接続する必要があります。

BL860c システムには,組み込み Graphics Console Device 用の DB15 コネクタとキーボードとマウス用の 2 つの USB コネクタを備えた, SUV ドングルが付属しています。

外付け USB DVD ドライブを使って OpenVMS をインストールする場合には,ドライブをいずれかの USB コネクタに接続し,キーボードを他方の USB コネクタに接続します。インストール時にはマウスは不要です。文字ベースのメニューが表示されるためです。

2.9 OpenVMS 国際化データ・キット (VMSI18N)

OpenVMS V8.3-1H1 国際化データ・キットには,以下の新しい iconv コンバータが含まれています。

  • DECKANJI2000_UCS-2.ICONV

  • DECKANJI2000_UCS-4.ICONV

  • DECKANJI2000_UTF-8.ICONV

  • UCS-2_DECKANJI2000.ICONV

  • UCS-4_DECKANJI2000.ICONV

  • UTF-8_DECKANJI2000.ICONV



2.10 LDAP 外部認証

LDAP 外部認証で改良された点は,以下のとおりです。

2.10.1 LDAP 外部認証で改良されたイメージ LOGINOUT.EXE と SETP0.EXE

本リリースでは, SYS$ACMシステム・サービスを利用してユーザ認証やパスワードの変更を行うオプションのイメージ LOGINOUT.EXEおよび SETP0.EXE (SET PASSWORD)を提供しています。

これらのイメージを使うと,ログインおよびパスワード変更の要求が, SYS$ACMサービスに送られ, ACME_SERVERプロセスの認証エージェントで処理されます。

デフォルトでは,OpenVMS の標準のログインおよびパスワード変更要求をサービスする OpenVMS 認証エージェントが構成されます。また,LDAP バージョン 3 ディレクトリ・サーバを使ってログインおよびパスワード変更要求をサービスする LDAP 認証エージェントをインストールすることもできます。

2.10.2 Active Directory のサポート

LDAP 外部認証には,Active Directory の LDAP 操作のための追加認証機能とパスワード変更機能がサポートされています。

詳細は, SYS$HELP:ACME_DEV_README.TXTを参照してください。

2.11 リンカの新機能

ここでは,本リリースでの OpenVMS Linker の改良点について説明します。

2.11.1 大きな I/O セグメントのサポート

OpenVMS V8.3 のリンカには, I/O セグメントは最大で 65535 ページレットという制限がありましたが, I64 のイメージ (ダイナミック・セグメント) では,それよりも大きな値の指定が許されていました。 RMS ユーザが大きなバッファを使用できるようにするために, I/O セグメントの上限は引き上げられました。 OpenVMS I64 Linker は,最大で 512MB (P1 空間の半分) の I/O セグメントをサポートするようになりました。

2.11.2 Linker 生成コードの最適化

OpenVMS I64 では,リンカはコード・スタブを生成して,遠くのオフセットへの分岐や,ローカルでないルーチンの呼び出しに対して,コンパイラ生成の PC 相対分岐が使用できるようにする必要があります。 OpenVMS V8.3 Linker では,分岐/呼び出しごとにコード・スタブが作成されます。たとえば, printfを複数回呼び出すと,リンカは複数個のコード・スタブを作成します。

OpenVMS V8.3-1H1 では,リンカは作成済みのコード・スタブをできるだけ再利用するように改良されました。 printfを複数回呼び出しても,変更されたリンカでは,1 つのコード・スタブしか作成されません。

また,OpenVMS V8.3-1H1 Linker は,すべてのコード・スタブをコード・セグメントの最後に配置します。その結果,未使用のコード・スタブは削除できるようになりました。

リンカマップの Program Section Synopsis で,この改良点を見ることができます。多くの場合,コード・スタブはリンカが作成した PSECT ( "$LINKER C$n",n=0,...) 内に現われます。複数のコード・セグメントがある場合には,このセクションは複数回現われます。 OpenVMS V8.3-1H1 Linker は,従来のリンカと同様に,大きなコード・セグメントに対しては,追加の <Linker> コードを生成します。

リンカが生成する新しいコード PSECT は,ユーザは変更できません。

2.11.3 マップ・ファイル内にフラグが付けられるシグネチャ・セグメント

変換されたイメージとの相互動作ができるようにリンカがシグネチャ・セグメントを作成した場合には,リンカマップの Image Segment Synopsis 内のそのセグメントにはフラグが付けられます。

2.11.4 アンワインド・セグメントはコード・セグメントと一緒に移動する

ユーザがリンカにコードを P2 空間に移動させるように要求すると (/SEGMENT_ATTRIBUTE=CODE=P2), V8.3.1-1H1 Linker は対応するアンワインド・セグメントも P2 空間に移動させます。通常,コードは P2 領域に移されて, P0 領域内の仮想アドレス空間は解放されます。この改良によって, P0 空間で使用できるアドレス空間が増えました。

2.12 System Dump Analyzer (SDA) ユーティリティ

ここでは,OpenVMS I64 Version 8.3-1H1 で導入された SDA の新機能について説明します。 SDA コマンドの説明とパフォーマンス情報については,『VMS System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。

2.12.1 CLUE ユーティリティの変更点

CLUE コマンドの CONFIG/CPU パラメータの説明として次の内容が適用されます。

システム構成情報のうち,その CPU についての情報を含んでいる部分だけが表示されます。

2.12.2 CLUE ユーティリティの新しい修飾子

CLUE コマンドに, /MEMORY パラメータが追加されました。説明は以下のとおりです。

システム構成情報のうち,物理メモリのレイアウトについての情報を含んでいる部分だけが表示されます。

システム情報は,修飾子のない CLUE CONFIG コマンドで「最初のページ」に表示されるようになりました。

CLUE CONFIG/CPU の出力には,システムやメモリのデータは含まれなくなりました。 Integrity システムでは,CPU 固有情報そのもののレイアウトも変更されました。

2.12.3 SHOW_PFN_DATA コマンドの新しい修飾子

SDA コマンドの SHOW PFN_DATA に,新しい /SUMMARY[=PROCESS] 修飾子が追加されました。 SHOW PFN_DATA/SUMMARY コマンドでは,システムのすべてのページについての要約が 1 ページで表示されます。 PROCESS キーワードを追加すると, SDA は 2 つの追加リストを生成します。 1 つは,システム内のすべてのプロセスについてのアクティブ・ページの内訳のリスト,もう 1 つは,非アクティブ・ページ (たとえば,変更リスト上のページ) を持つすべてのプロセスのリストです。

2.12.4 SHOW SUMMARY コマンドの新しい修飾子

SDA SHOW SUMMARY コマンドに, 2 つの新しい修飾子 /PAGES および /TOTALS が追加されました。 SHOW SUMMARY/PAGES では表示行が追加され,各プロセスについて,プロセスのワーキング・セット内のプロセス・プライベート・ページとグローバル・ページについて内訳が出力されます。 SHOW SUMMARY/TOTALS では,常駐プロセスと非常駐プロセスのプロセス・ページとグローバル・ページの要約と,それに続けて,スケジューリング状態ごとのプロセス (/THREADS も指定した場合には,スレッド) の要約が表示されます。 /PAGES と /TOTALS は同時に指定できます。

2.12.5 SET CPU および SHOW CPU コマンド

  • SET CPU コマンドおよび SHOW CPU コマンドは,動作中のシステムでは機能が制限されるようになりました (CPU データベース・アドレスの表示と,データベースへの CPUDB シンボルの設定)。ダンプで SET CPU を使うと,アドレスの表示と設定を行うことができます。

  • 両方のコマンドに,/FIRST /NEXT /PRIMARY 修飾子が追加されました。

    • /FIRST は,最小番号の CPU (プライマリとは限りません) の設定や表示を行います。

    • /NEXT は,次の CPU (ある場合) の設定や表示を行います。これを使うと,システム内のすべての CPU を順番にたどることができます。最後の CPU の次に対して実行すると,BADCPU エラーが返されます。これは SET PROCESS/NEXT と似ています。以下に例を示します。


      $ CREATE A.COM 
      FORMAT CPUDB 
      SET CPU/NEXT 
      ^Z 
      $ ANALYZE/CRASH 
      ... 
      SDA> SET CPU /FIRST 
      SDA> @A 
      SDA> REPEAT/UNTIL=BADPROC 
      


      REPEAT コマンドも参照してください。

    • SET CPU コマンドに /NOLOG 修飾子が追加されました。 /NOLOG を指定すると,コマンドによるメッセージの生成が行なわれません。



2.13 タイムゾーンの追加

OpenVMS Version 8.3-1H1 では,タイムゾーンの公開データベース tzdata2006n にもとづいた, 552 個のタイムゾーンをサポートします。 OpenVMS Version 8.3-1H1 で,以下の 8 つのタイムゾーンが追加されています。

  • America/Atikokan

  • America/Blanc-Sablon

  • America/North_Dakota/New_Salem

  • Europe/Guernsey

  • Europe/Isle_of_Man

  • Europe/Jersey

  • Europe/Podgorica

  • Europe/Volgograd

すべてのタイムゾーン名のリストについては,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。


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