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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (上巻)

第8章 周辺装置の管理

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:本書の概要
第2章:管理ユーティリティとツール
第3章:インストールとアップグレード
第4章:システムの起動と停止
第5章:オペレーティング・システムのカスタマイズ
第6章:システム時刻の設定
第7章:ユーザアカウントの管理
第8章:周辺デバイスの管理
第9章:記憶媒体の管理
第10章:ファイルとディレクトリの操作
第11章:BACKUPの使用方法
第12章:機密保護
第13章:キュー・マネージャとキュー・データベースの管理
第14章:キューの設定と保守
索引
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目次

8.1 装置名
8.2 アドオン I/O アダプタとコンソールの名前
8.3 システムの装置情報の取得
8.3.1 ボリュームのリビルドが必要な場合の決定
8.3.2 ISO 9660 形式の装置についての情報の取得
8.4 装置の機密保護特性の設定
8.4.1 個々の装置へのアクセスの付与
8.4.2 すべての装置へのアクセスの付与
8.5 装置の接続とデバイス・ドライバのロード
8.5.1 手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (VAX のみ)
8.5.2 手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (Alpha のみ)
8.5.3 装置の自動構成の禁止
8.6 OpenVMS Alpha システムに対する装置の自動構成
8.6.1 装置構成とは
8.6.2 ファイル・ベースの自動構成の使用
8.6.3 ユーザ装置用にサポートされるバス
8.6.4 SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT のサポート終了
8.7 ターミナルの管理
8.7.1 ターミナル特性の設定
8.7.2 仮想ターミナルの管理
8.8 モデムの管理
8.8.1 モデムの理解
8.8.2 モデムの設定
8.8.3 モデムのトラブルシューティング
8.9 プリンタの管理
8.9.1 プリンタ特性の設定
8.9.2 プリンタのスプール
8.10 磁気テープ装置の管理
8.10.1 磁気テープ装置情報の取得
8.10.2 磁気テープ装置特性の変更
8.11 カード・リーダの管理 (VAX のみ)
8.11.1 カード・デック・タイプの確認 (VAX のみ)
8.11.2 会話形式での入力シンビオントの実行 (VAX のみ)

システム管理者は,ターミナルやプリンタなどの周辺装置を設定し管理します。 この章では,このような周辺装置に関連する作業について説明します。 ディスクやテープなどの記憶媒体の管理については, 第9章 「記憶媒体の管理」 を参照してください。

この章の内容

この章では,次の作業について説明します。

作業

参照箇所

システム上の装置についての情報の取得

8.3 項 「システムの装置情報の取得」

装置の機密保護特性の設定

8.4 項 「装置の機密保護特性の設定」

装置の接続とデバイス・ドライバのロード

8.5 項 「装置の接続とデバイス・ドライバのロード」

OpenVMS Alpha システムに対する装置の自動構成

8.6 項 「OpenVMS Alpha システムに対する装置の自動構成」

ターミナルの管理

8.7 項 「ターミナルの管理」

モデムの管理

8.8 項 「モデムの管理」

プリンタの管理

8.9 項 「プリンタの管理」

テープ・ドライブの管理

8.10 項 「磁気テープ装置の管理」

カード・リーダの管理[11]

8.11 項 「カード・リーダの管理 (VAX のみ)」

[11] VAX のみ

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

装置名

8.1 項 「装置名」

アドオン I/O アダプタとコンソールの名前

8.2 項 「アドオン I/O アダプタとコンソールの名前」

装置の構成

8.6.1 項 「装置構成とは」

プリンタのスプール

8.9.2 項 「プリンタのスプール」

8.1 装置名

一部のシステムでは,装置名は ddcu の形式を取ります。 dd はデバイス・コード, c はコントローラ指定,u はユニット番号です。

ローカル DSA (Digital Storage Architecture) 装置は,どの物理コントローラに置かれているかに関係なく,コントローラ名として “A” を取ります。

  • すべてのローカル DSA ディスク装置の名前は DUAn (n は一意のディスク・ユニット番号)

  • ローカル DSA テープ装置の名前は MUAn (n は一意のテープ・ユニット番号)

一文字のコントローラ名を使用するためには,すべてのローカル DSA 装置のユニット番号を一意にする必要があります。 ローカル・ディスクが置かれているコントローラが異なれば,同じユニット番号を使用することができます。

システムが OpenVMS Cluster 環境のメンバの場合,装置名の形式は次のような方法で決定します。

  • 装置が1台のコンピュータまたは HSC (階層記憶制御装置) サブシステムに接続されている場合は, 装置名はノード名を含む node$ddcu の形式で,node は装置が存在するシステムのノード名を指す。

  • 装置が 2 台のコンピュータまたは HSC サブシステムからアクセスされている場合や,デュアル・ポート接続されている場合, 装置名は割り当てクラスを含み, 一意で,パスに依存しない名前でなければならない。

    割り当てクラスは 1 ~ 255 の数値である。 この値を使用して, $割り当てクラス$装置名 という形式の装置名が作成される。 たとえば,$11$DUA8 という割り当てクラス装置名は,ともに割り当てクラスが 11 である 2 台のコンピュータまた HSC サブシステムからアクセスされるディスクを示す。

  • 装置が SCSI バス接続で,システム・パラメータDEVICE_NAMING が1に設定されている場合は,0から32767までの数値のポート割り当てクラスを割り当てることができる。

  • 装置が ポート割り当てクラス0を割り当てられている場合, その形式はノード名 $ddcuuu となる。 装置は他のCPUに接続されているSCSIバス上には接続できない。

  • 装置が 0でないポート割り当てクラスを割り当てられている場合, その形式は $割り当てクラス$ddAuuuとなる。 装置は他のCPUに接続されているSCSIバス上に接続できる。 この場合は,そのCPUはSCSIバスと同じポート割り当て番号を持つ場合に限る。

VAXcluseter または OpenVMS Cluster 環境における装置名の形式についての詳細は, 『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。 FC (Fibre Channel) ディスクとテープ装置の名前の形式については, 『OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。

8.2 アドオン I/O アダプタとコンソールの名前

OpenVMS バージョン 6.2 およびそれ以降では,各種のアドオン I/O アダプタおよびコンソールがサポートされています。 弊社の Alpha プラットフォームは,一般的に,1 つ以上の統合 SCSI アダプタやネットワーク・アダプタをサポートし,オプションとして追加のアダプタをインストールすることができます。 プラットフォームによって Alpha コンソールと OpenVMS で使用するデバイス命名規則が異なるため,OpenVMS デバイス名は,コンソールに表示される名前と一致しないことがあります。

たとえば,EV6 システムより前のプラットフォーム (GS AlphaServer 140 を除く) では,統合 SCSI アダプタ上の SCSI デバイスのコンソールでの指定は DKA100 となります。 しかし,アドオン SCSI アダプタが 2 つ追加されている場合,OpenVMS を実行すると,A 指示子が C になり,DKA100 が DKC100 となります。

このデバイス名の不一致は,EV6 およびそれ以降のプラットフォームでは発生しません。

コンソールと OpenVMS のデバイス名が異なっている場合でも,アドオン SCSI アダプタやネットワーク・アダプタの追加や削除を行わなければ,コンソールで指定するデバイス名と OpenVMS 下のデバイス名の対応は変わりません。

8.3 システムの装置情報の取得

システムに接続されている装置に関する情報が必要な場合は, DCL の SHOW DEVICES コマンドを使用します。

装置や修飾子を指定せずに,SHOW DEVICES とだけ入力した場合, システムは,認識するすべての装置情報を表示します。

注意:

装置が表示されない場合,その装置はシステムに認識されていません。 装置が接続されていないか, ドライバがロードされていない可能性があります。 手動で装置を接続し,そのデバイス・ドライバをロードしなければならないこともあります。 詳細は8.5 項 「装置の接続とデバイス・ドライバのロード」 を参照してください。

SHOW DEVICE コマンドで装置名を指定した場合は, その装置の情報のみ表示します。 修飾子を指定した場合は,現在ボリュームをマウントしているかどうか,またはプロセスに割り当てられているかどうかなど,装置の情報を表示します。 SHOW DEVICES コマンドで使用可能な修飾子については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

次に,SHOW DEVICES コマンドのさまざまな使い方を示します。 装置保護は, RWPL (read, write, physical, logical) です。

SHOW DEVICES/FULL の場合は,ボリューム保護と装置保護が表示されます。 さらに,ボリュームが保護されたサブシステムを有効にしていた場合はそれも表示されます。

  1. 次のコマンドは,システムのすべての装置を表示する例です。

    $ SHOW DEVICES
    
    Device                Device        Error   Volume         Free   Trans  Mnt
     Name                 Status        Count    Label        Blocks  Count  Cnt
    $11$DUA9:      (SNAP)  Online           0
    $11$DUA10:     (SNAP)  Mounted          2  PAGE             83643     3  26
    $11$DUA13:     (SNAP)  Mounted          0  WORK1           192297    36  26
    $11$DUA23:     (SNAP)  Online           0
    $11$DUA24:     (SNAP)  Mounted          0  MONITORPLUS     776808    86  26
    
    DAD0:         (TULIP)  Online           0
    DAD9:         (TULIP)  Online           0
    DAD44:        (TULIP)  Mounted wrtlck   0  CDBIN06JUL23     97947     1   1
    ROSE$MUA0:             Online           0
    LAVNDR$MUA0:           Online           0
    
    TULIP$MUA1:            Online           0
    IRIS$MUA1:             HostUnavailable  0
    OPA0:                  Online           0
    DBA0:                  Offline          0
    FTA0:                  Offline          0
    
    FTA239:                Online           0
    LTA0:                  Offline          0
    LTA3401:               Online spooled   0
    LTA3402:               Online spooled   0
    RTA0:                  Offline          0
    RTA1:                  Mounted          1
    
    RTA2:                  Mounted          0
    RTB0:                  Offline          0
    TXA0:                  Online           0
    TXA1:                  Online           0
    XT0:                   Offline          0
    
  2. 次のコマンドは,DAD42: RRD40 という装置の状態に関するすべての情報を表示する例です。 この装置は,OpenVMS Cluster 環境のノード IRIS に置かれています。

    $ SHOW DEVICES/FULL DAD42:
    
    Disk DAD42: (IRIS), device type RRD40, is online, mounted, software write-
        locked, file-oriented device, shareable, error logging is enabled.
    
     Error count                    0   Operations completed                146
     Owner process                 ""   Owner UIC                      [SYSTEM]
     Owner process ID        00000000   Dev Prot    S:RWPL,O:RWPL,G:RWPL,W:RWPL
     Reference count                1   Default buffer size                 512
     Total blocks             1218000   Sectors per track                     4
     Total cylinders            50750   Tracks per cylinder                   6
     Allocation class              11
    
    
     Volume label      "CDBIN06JUL21"   Relative volume number                0
     Cluster size                   3   Transaction count                     1
     Free blocks                15153   Maximum files allowed            152083
     Extend quantity                5   Mount count                           1
     Mount status              System   Cache name        "_$11$DUA21:XQPCACHE" 
     Extent cache size             64   Maximum blocks in extent cache     1515
     File ID cache size            64   Blocks currently in extent cache      0
     Quota cache size               0   Maximum buffers in FCP cache       1330
    
    
    Volume status:  ODS-2, subject to mount verification, file high-water 
      marking, write-through caching enabled.
    
  3. 次のコマンドは,各 DG 装置に関するすべての情報を表示する例です。 この例では,最初の 2 つの装置しか表示していません (マウントされている $1$DGA5001: 装置とマウントされていない $1$DGA5004: 装置のみ)。

    $ SHOW DEVICES/FULL DG
    Ceagle> sh dev /full dg
    Disk $1$DGA5001: (CEAGLE), device type HSV110, is online, mounted, file-oriented
        device, shareable, device has multiple I/O paths, served to cluster via MSCP
        Server, error logging is enabled.
    
        Error count                    0    Operations completed               5773
        Owner process                 ""    Owner UIC                      [SYSTEM]
        Owner process ID        00000000    Dev Prot            S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
        Reference count                1    Default buffer size                 512
        Current preferred CPU Id       0    Fastpath                              1
        WWID   01000010:6005-08B4-0001-42DC-0001-F000-0111-0000
        Total blocks            20971520    Sectors per track                   128
        Total cylinders             1280    Tracks per cylinder                 128
        Host name               "CEAGLE"    Host type, avail  AlphaServer ES40, yes
        Alternate host name      "CLETA"    Alt. type, avail  AlphaServer ES40, yes
        Allocation class               1
    
        Volume label              "5001"    Relative volume number                0
        Cluster size                  21    Transaction count                     1
        Free blocks             19598208    Maximum files allowed            476625
        Extend quantity                5    Mount count                           9
        Mount status              System    Cache name       "_$1$DGA3105:XQPCACHE"
        Extent cache size             64    Maximum blocks in extent cache  1959820
        File ID cache size            64    Blocks in extent cache                0
        Quota cache size               0    Maximum buffers in FCP cache       3444
        Volume owner UIC        [SYSTEM]    Vol Prot    S:RWCD,O:RWCD,G:RWCD,W:RWCD
     
      Volume Status:  ODS-2, subject to mount verification, file high-water marking, 
                       write-back caching enabled.
      Volume is also mounted on VMSROC, PAVER, VMSROL, CLETA, VMSJO, VMSMO, NOME, FARKLE.
    
      I/O paths to device              5
      Path PGA0.5000-1FE1-0015-22AC (CEAGLE), primary path.
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGA0.5000-1FE1-0015-22A9 (CEAGLE).
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGB0.5000-1FE1-0015-22A8 (CEAGLE).
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGB0.5000-1FE1-0015-22AD (CEAGLE), current path.
        Error count                    0    Operations completed               5773
      Path MSCP  (CLETA).
        Error count                    0    Operations completed                  0
    
    Disk $1$DGA5004: (CEAGLE), device type HSV110, is online, file-oriented device,
        shareable, device has multiple I/O paths, served to cluster via MSCP Server,
        error logging is enabled.
    
        Error count                    0    Operations completed                  0
        Owner process                 ""    Owner UIC                      [SYSTEM]
        Owner process ID        00000000    Dev Prot            S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
        Reference count                0    Default buffer size                 512
        Current preferred CPU Id       0    Fastpath                              1
        WWID   01000010:6005-08B4-0001-42DC-0001-F000-0120-0000
        Host name               "CEAGLE"    Host type, avail  AlphaServer ES40, yes
        Alternate host name      "CLETA"    Alt. type, avail  AlphaServer ES40, yes
        Allocation class               1
    
      I/O paths to device              5
      Path PGA0.5000-1FE1-0015-22AC (CEAGLE), primary path.
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGA0.5000-1FE1-0015-22A9 (CEAGLE).
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGB0.5000-1FE1-0015-22A8 (CEAGLE), current path.
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path PGB0.5000-1FE1-0015-22AD (CEAGLE).
        Error count                    0    Operations completed                  0
      Path MSCP  (CLETA).
        Error count                    0    Operations completed                  0
    

8.3.1 ボリュームのリビルドが必要な場合の決定

ボリュームが適切にディスマウントされなければ, リビルドが必要になる場合があります。 ボリュームのディスマウントが不適切というのは,たとえばシステムがクラッシュした場合です。 SHOW DEVICES コマンドに /REBUILD_STATUS 修飾子を指定して,ボリュームのリビルドが必要であるかどうかを判断します。 /REBUILD_STATUS 修飾子は,/OUTPUT 修飾子以外のいかなる SHOW DEVICES 修飾子とも一緒に使用しないでください。

SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS は,各ボリュームに対して,次のいずれかの値を返します。

意味

Yes

リビルドが必要

No

リビルドは不要

Not applicable

ボリュームはリビルドできない。 ボリュームがディスクでないか,書き込み禁止に設定されている。

Information unavailable

リビルドの情報が得られない。 ボリュームがマウントされていないか,マウント・チェックを実行中である。

ボリュームのリビルドには,次のいずれかの操作を行います。

  • SET VOLUME/REBUILD コマンドを実行する。

  • ボリュームをディスマウントした後,MOUNT/REBUILD を使用して, 再度ボリュームをマウントする。

次の例の装置 EMUL$DKB500 は,リビルドが必要です。

$ SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS

Device Name             Rebuild needed?

ADU15$DKA300:           Information unavailable
EDIV$DKA300:            Information unavailable
EMUL$DKB200:            No
EMUL$DKB300:            No
EMUL$DKB500:            Yes
FTA0:                   Not applicable
OPA0:                   Not applicable

8.3.2 ISO 9660 形式の装置についての情報の取得

SHOW DEVICE コマンドを使用すれば, ISO 9660 形式の装置についての情報を表示することができます。 次の例では,SHOW DEVICES/FULL コマンドを使って, ISO 9660 形式の CD-ROM についての情報を出力します。 ACP プロセス名が指定されていることと, ボリューム状態が ISO 9660 と表示されていることに注意してください。 この表示は,マウントされたボリューム・セットのメンバが, 相対ボリューム番号 (RVN) 1,64,65535 であることを示しています。

$ SHOW DEVICE DKA1/FULL
Disk $1$DKA1: (VMSRMS), device type RRD40, is online, allocated,
    deallocate on dismount, mounted, software write-locked, file-oriented
    device, shareable, served to cluster via MSCP Server.

    Error count                    0    Operations completed                  9
    Owner process           "_FTA5:"    Owner UIC                    [FIN,USER]
    Owner process ID        20200066    Dev Prot            S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
    Reference count                2    Default buffer size                 512
    Total blocks                 256    Sectors per track                    32
    Total cylinders                1    Tracks per cylinder                   8
    Allocation class               1

    Volume label          "VOLUME_1"    Relative volume number                1
    Cluster size                   0    Transaction count                     1
    Free blocks                    0    Maximum files allowed                 0
    Extend quantity                0    Mount count                           1
    Mount status             Process    ACP process name             "DKA1CACP"

  Volume status:  ISO 9660.
  Members of this volume set are $1$DKA1: (rvn 1), $1$DKA7: (rvn 64), $1$DKA16:
          (rvn 65535).

8.4 装置の機密保護特性の設定

次のDCL コマンドを使って,装置に機密保護特性を設定できます。

  • INITIALIZE

  • MOUNT

  • SET SECURITY/PROTECTION

  • SET VOLUME

これらのコマンドについての詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』 を参照してください。

省略時の設定では,テープまたはディスク装置の割り当てには VOLPRO 特権が必要です。 ただし,特権のないユーザには次の2通りでアクセスを許可できます。

  • グループまたはワールドへの制御アクセスを付与するように,必要に応じて装置保護を設定する。

  • 装置に ACL を追加し,アクセスの必要なユーザすべてに汎用識別子を付与する。

VOLPRO 特権についての詳細は,9.3.4 項 「ボリュームのアクセスおよび初期化におけるユーザ支援」を参照してください。

8.4.1 個々の装置へのアクセスの付与

個々の装置へのアクセスを付与するには,SET SECURITY コマンドを, 次のいずれかの方法で使用します。

$ SET SECURITY/CLASS=DEVICE DKA300/PROT=W:RWC

上記の例では,DKA300装置のワールド読み込み,書き込み,および制御アクセスを付与します。

$ SET SECURITY/CLASS=DEVICE DKA300/ACL=(IDENTIFIER=CHEKOV, ACCESS=CONTROL)

上記の例では,CHEKOV識別子を持つユーザへのDKA300 装置の制御アクセスを付与します。

8.4.2 すべての装置へのアクセスの付与

次の方法を使用すれば,特定のクラスのユーザに, すべての装置へのアクセスを付与できます。

  1. 目的のクラスのユーザへのアクセスを許可するために,特定の装置タイプの機密保護テンプレートを設定します。 ディスク装置のテンプレートを設定する,以下のようなコマンドを使用します。

    $ SET SECURITY/CLASS=SECURITY_CLASS/PROFILE=TEMPLATE=DISK -
    _$ DEVICE/ACL=(ID=CHEKOV, ACCESS=R+W+D+C)
    

    このアクアセスは,将来はすべての指定の初期化装置に適用されます。

  2. 次のコマンド・プロシージャを実行します。

    $ @SYS$EXAMPLES:RESET_DEVICE_PROTECTION.COM
    

    このコマンド・プロシージャは,機密保護テンプレートですべての現在の装置に指定された保護に適用されます。

8.5 装置の接続とデバイス・ドライバのロード

システムは,デバイス・ドライバというソフトウェア・コンポーネントを使用して,特定のタイプの装置の入出力操作を制御します。 OpenVMS システムで装置を使用するためには,その装置を接続して, 対応するデバイス・ドライバをメモリにロードする必要があります。

AUTOCONFIGURE コマンドはシステムに物理的に接続されているすべての装置を接続して,対応するデバイス・ドライバをロードします。 このコマンドを利用することによって,そうした作業が簡単になり, 間違いを犯す可能性が少なくなります。

汎用スタートアップ・コマンド・ファイル STARTUP.COM には AUTOCONFIGURE コマンドが入っているので,装置を自動的に構成します。

VAX システムの STARTUP.COM には,次の自動構成用コマンドが入っています。

$ SYSGEN := $SYSGEN
$ SYSGEN AUTOCONFIGURE ALL

Alpha システムの STARTUP.COM には,次の自動構成用コマンドが入ってます。

$ SYSMAN := $SYSMAN
$ SYSMAN IO AUTOCONFIGURE

STARTUP.COM による自動構成の CONFIGURE フェーズでは, 次の操作を行う独立プロセスを作成します。

  • HSx (階層記憶制御装置) 装置 (ストレージ・コントローラ) に接続されているすべての装置の検出

  • HSx 用デバイス・ドライバのロード

  • HSx 装置のシステムへの登録

  • OpenVMS ホストからサービスを受けているディスクとテープ装置のシステムへの登録

注意:

ここで HSx 装置とは,HSC,HSG,HSJ 装置のいずれかを指します。

一般に,SCSI ディスクまたはテープを追加するときには, デバイスを接続する前に,システムをシャットダウンし,マシンの電源を切断する必要があります。 システムに電源を投入すると,OpenVMS が自動的に装置を設定します。

HSZ シリーズのような一部のコントローラでは,SCSI バスを停止してから, 装置の追加や取り外しを行うことができます。 装置を追加するときには,AUTOCONFIGURE を返す必要があります。 ただし,サービスを受けるストレージ・デバイスでは,システムが CONFIGURE プロセスを実行している必要があります。

また,システム起動時の装置の自動構成を禁止したい場合もあります。 詳細は,次の表に示す項を参照してください。

項目

参照箇所

手動による装置の接続とドライバのロード[12]

8.5.1 項 「手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (VAX のみ)」

手動による装置の接続とドライバのロード[13]

8.5.2 項 「手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (Alpha のみ)」

自動構成の禁止

8.5.3 項 「装置の自動構成の禁止」

[12] VAX のみ

[13] Alpha のみ

8.5.1 手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (VAX のみ)

VAX システムでは,可能であれば,SYSGEN コマンド AUTOCONFIGURE コマンドを使って標準装置を接続し,デバイス・ドライバをロードしてください。 しかし,弊社以外の装置などの場合,AUTOCONFIGURE コマンドを使用できません。 また,次の装置についても, AUTOCONFIGURE では,装置の接続とデバイス・ドライバのロードが実行されません。

  • コンソール記憶装置

  • ネットワーク通信用論理装置

  • 仮想ターミナル

これらの装置のほかにも,AUTOCONFIGURE で接続やロードができない装置やドライバがあります。 VAX システムの場合,SYSGEN ユーティリティを使用して手動で装置を接続したり,デバイス・ドライバをロードしたりできます。

詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SYSGEN の項目と, 『OpenVMS VAX Device Support Manual』 を参照してください (後者のマニュアルは,アーカイブ扱いですが OpenVMS ドキュメンテーション CD-ROM に含まれています)。

重要:

SYSGEN CONNECT と LOAD に対するエラー・チェックはほとんど行われません。 これらのコマンドは十分注意して使用してください。 たとえば,ベクトル・アドレスや装置名を間違えると,入出力データベースが破壊されて,システムが正しく動作しないことがあります。

システム・スタートアップのたびに手動で特殊装置を接続するには, 該当する SYSGEN コマンドをサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYCONFIG.COM に追加します。 詳細は5.2.4.1 項 「非標準装置の接続」 を参照してください。

コンソール記憶装置

VAX システムにコンソール記憶装置を接続する場合は, 次の CONNECT コマンドを使用します。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> CONNECT CONSOLE
SYSGEN> EXIT
注意:

このコマンドは,プラットフォームによって異なることがあります。 特定のプラットフォームで利用可能なコンソール・コマンドの詳細については,VAX のインストールとアップグレードのマニュアルを参照してください。

ネットワーク通信用装置

VAX システムにネットワーク通信用論理装置を接続する場合は, 使用するネットワーク・プロトコルに対応するスタートアップ・ファイルを実行します。 次に,一般的なネット・スタック・スタートアップを示します。

@SYS$STARTUP:TCPIP$STARTUP

! TCP/IP Services

@SYS$STARTUP:NET$STARTUP

! DECnet-Plus

@SYS$STARTUP:STARTNET

! DECnet Phase IV

仮想ターミナル

仮想ターミナルの接続とそのデバイス・ドライバのロードについては, 8.7.2 項 「仮想ターミナルの管理」 を参照してください。

TCP/IP Services Telnet で使用するように仮想ターミナルを構成する方法については,『TCP/IP Services for OpenVMS Management』を参照してください。

イベント処理デバイス・ドライバ

弊社が提供する SYS$SYSTEM:CONINTERR.EXE は, リアルタイム・プロセスが割り込みベクトルに接続して, リアルタイム・イベントに速やかに応答し,特別な処理を行えるようにするデバイス・ドライバです。 このドライバは特定のタイプの装置には対応していません。 詳細は,『OpenVMS VAX Device Support Manual』 を参照してください (このマニュアルは,OpenVMS マニュアル CD-ROM に保管されています。

次は,VAX システムに接続されている装置を自動構成して, コンソール・ブロック記憶装置とネットワーク・ソフトウェア・デバイスを接続している例です。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> AUTOCONFIGURE ALL
SYSGEN> CONNECT CONSOLE
SYSGEN> EXIT
$ @SYS$MANAGER:STARTNET

8.5.2 手動による装置の接続とデバイス・ドライバのロード (Alpha のみ)

Alpha システムの場合,装置の接続とデバイス・ドライバのロードを行うコマンドは, SYSMAN ユーティリティに含まれています。 Alpha システム上で入出力構成の制御または表示を行う SYSMAN コマンドには,IO という接頭辞が付いています。

標準の装置の接続とデバイス・ドライバのロードには,できるかぎり IO AUTOCONFIGURE コマンドを使用してください。

IO AUTOCONFIGURE は,ネットワーク通信の論理装置に対しては装置を接続したり,デバイス・ドライバをロードしたりしません。 また,この他にも IO AUTOCONFIGURE が接続やロードをしない装置やドライバもあります。

SYSMAN の IO CONNECT と IO LOAD コマンドを使えば, 接続されていない装置や標準でない名前の装置を接続したり, デバイス・ドライバをロードしたりできます。

詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』および『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』の SYSMAN に関する記述を参照してください。

重要:

IO CONNECT と IO LOAD コマンドを使用する際は十分注意してください。 間違った使い方をすると,システムが正しく動作しないことがあります。

ネットワーク通信装置

Alpha システムにネットワーク通信用論理装置を接続する場合は, 使用するネットワーク・プロトコルに対応するスタートアップ・ファイルを実行します。 次に,一般的なネット・スタック・スタートアップを示します。

@SYS$STARTUP:TCPIP$STARTUP

! TCP/IP SERVICES

@SYS$STARTUP:NET$STARTUP

! DECnet-Plus

@SYS$STARTUP:STARTNET

! DECnet Phase IV

次は,物理的に Alpha システムに接続されている装置を自動構成して,ドライバをロードし, ネットワーク・ソフトウェア・デバイスを接続します。

SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE ALL
SYSMAN> EXIT
$ @SYS$MANAGER:STARTNET

仮想ターミナル

仮想ターミナルの接続とそのデバイス・ドライバのロードについては, 8.7.2 項 「仮想ターミナルの管理」 を参照してください。

TCP/IP Services Telnet で使用するように仮想ターミナルを構成する方法については,『TCP/IP Services for OpenVMS Management』を参照してください。

8.5.3 装置の自動構成の禁止

装置の自動構成は,労力を軽減し,エラーの発生を防ぎます。 しかし,次のような理由で自動構成を禁止したい場合もあります。

  • 装置を構成する順序を変更したい。

  • ブート中に問題が発生し,その原因を究明したい。

  • SCSI (Small Computer System Interface) ベースのワークステーションが他のワークステーションの SCSI バス上の装置を使用する場合,ブート時の衝突を起さない。

自動構成を禁止したい場合は, SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM の最後に次のコマンド行を追加してください。

$ STARTUP$AUTOCONFIGURE_ALL == 0
重要:

SYCONFIG.COM の最終行で STARTUP$AUTOCONFIGURE_ALL を 0 に設定すると, STARTUP.COM の CONFIGURE フェーズが実行されません。 その結果として,遠隔ノードの DSSI コントローラまたは HSC コントローラ (システム・ブート時に使用されるコントローラは除く) と MSCP サービス装置が使用できず, サテライト・ノードがネットワーク・デバイスとブート・ディスクにアクセスできなくなります。 このために,サテライト・ノードのブートが不可能になることがあります。

自動構成を禁止し,遠隔ノードの HSC と MSCP サービス・デバイスの設定を行う場合は,SYCONFIG.COM の最後に次の行を追加します。

$ STARTUP$AUTOCONFIGURE_ALL == 0
$ @SYS$SYSTEM:STARTUP CONFIGURE
$ EXIT

これらのコマンドは,自動構成を禁止し,STARTUP.COM の COFIGURE フェーズの実行を行います。

しかし,コマンド @SYS$SYSTEM:STARTUP CONFIGURE を SYCONFIG.COM に追加している場合,AUTOGEN は次のエラーを表示し失敗します。

%RUN-F-CREPRC, process creation failed
-SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name

このエラーの原因は,SYCONFIG.COM が STARTUP.COM と AUTOGEN の両方から呼び出されたためです。 AUTOGEN を実行するとき, CONFIGURE プロセスがすでに存在しています (このプロセスは,SYCONFIG.COM が STARTUP.COM によって実行されたとき起動されます)。 AUTOGEN が SYCONFIG.COM を呼び出したとき, 追加したコマンドは 2 番目の CONFIGURE プロセスを起動しようとします。 このコマンドは失敗し,その結果 AUTOGEN も失敗します。

8.6 OpenVMS Alpha システムに対する装置の自動構成

自動構成 は,システム上のハードウェア装置の検出とそれに対する適切なデバイス・ドライバのロードを行う処理です。 ファイル・ベースの自動構成は, OpenVMS Alpha がサードパーティ・ハードウェア装置を自動的に構成できる機能です。

OpenVMS Alpha バージョン 7.1 以降,装置構成テーブルは OpenVMS Alpha オペレーティング・システム・ディスク上の ASCII テキスト・ファイルから構築されるようになりました。 適切な ASCII テキスト・ファイルにサードパーティ装置の簡単な記述を追加すると, サードパーティとエンド・ユーザは,弊社でサポートしていない装置を構成し, ユーザが作成したデバイス・ドライバをロードすることができます。

これ以降の項では,装置の構成方法を簡単に説明し,また, 弊社でサポートしていない装置を構成するための新しいファイル・ベースの自動構成の方法を説明します。

8.6.1 装置構成とは

装置は,システム・コードがバス上にある装置の位置を特定し, その装置に名前を付け,デバイス・ドライバをロードすると, 構成されます。 装置が自動構成されると,これらのすべてのステップはユーザからの介入なしに行われます。

OpenVMS は,ブート処理中にバス固有の手法で装置を検出します。 検出処理には,検出した装置についてのデータをバス固有のデータ構造で格納することも含まれています。 これらのデータ構造は, 既知装置の構成テーブルを検出するために後で使用されます。 構成テーブルは,適切なドライバをロードし,接続するためのドライバ名,装置名,その他のパラメータを判断するために必要な情報を提供します。

OpenVMS Alpha の 7.1 よりも前のバージョンでは, 構成テーブルは,OpenVMS カーネル内に構築されていたので, システム・イメージを置き換えないと変更することができませんでした。 OpenVMS Alpha バージョン 7.1 で,構成テーブルはシステム・ディスクの ASCII テキスト・ファイルから構築されるようになりました。 OpenVMS がサポートするすべての装置に対してシステム・ファイル (SYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DAT) が提供され,また,サードパーティ,レイヤード製品,ユーザ作成のすべてのデバイス・ドライバに対しては,ユーザ・ファイル (SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT) が提供されます。 システムは,ブート処理中にこれらのファイルを読み込み, これらのファイルを使って構成テーブル群を作成します。 構成テーブルは, この後に続くハードウェア装置の自動構成に使用されます。 構成テーブルは 2 つのファイルから構築され,バス・タイプごとに収集されるのですが,これらは既知装置の 1 つの論理的な構成テーブルとみなすことができます。

SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルによる装置の自動構成方法については, 8.6.2 項 「ファイル・ベースの自動構成の使用」 を参照してください。

8.6.2 ファイル・ベースの自動構成の使用

ファイル・ベースの自動構成は,システムのブート時に次の 2 つのファイルを読み込んで既知装置の構成テーブルを構築します。

  • SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT

  • SYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DAT

両方のファイルは同じ形式を使用し,両方のファイルにあるデータはシステム上のバスそれぞれに対する構成テーブルを作成するために結合されます。 SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルが先に読み込まれ, 両方のファイルに重複した装置記述が含まれていないかがあらかじめ確認されます。 単一のファイルに複数の装置記述が存在した場合,最初にある記述が使われます。

構成ファイルは装置記述ブロックから構成されており,そのそれぞれが装置に対する正しいデバイス・ドライバを構成するために必要な情報を提供しています。

装置記述ブロックは,それぞれ, DEVICE キーワードで始まり, END_DEVICE キーワードで終わる一連の文から構成されています。 この 2 つのキーワードの間に,ハードウェア ID,装置名,ドライバ名, バス・タイプ,その他, 必須情報または省略可能情報を定義する追加のキーワードがあります。

SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルは ASCII テキスト・ファイルなので, 可変長レコード・ファイルを取り扱う任意のユーティリティ(たとえばテキスト・エディタや DCL コマンド) で処理できます。

注意:

SYS$CONFIG.DAT ファイルは,読み込み専用であり,ユーザやサードパーティはこれを変更しないでください。 このファイルは弊社だけが変更できるものであり, OpenVMS のアップグレードによって置き換えられる可能性もあります。 このファイルに不適切な編集を行うと, システムがブートできなくなることもあります。

8.6.2.1 SYS$USER_CONFIG.DAT への記述の追加

SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT 内の文は,次の一般形式を取ります。

KEYWORD = 値

ここで,値は,文字列,引用符で囲まれた文字列,数値のいずれかになります。 END_DEVICE キーワードに関連する値はありません。 たとえば,ディスク以外の装置の最低限の記述は次のようになるでしょう。

DEVICE          = "My device"
 NAME           = UU
 DRIVER         = USER$UUDRIVER
 ID             = 0x0005111
 ADAPTER        = PCI
 FLAGS          = NOVECTOR
END_DEVICE

この例で,装置記述は, PCI バス上でハードウェア ID 5111 (16 進) の装置が見つかったとき, UU という名前の装置を構成し,USER$UUDRIVER デバイス・ドライバをロードすることを示しています。 また,この例は,デバイス・ドライバが割り込みベクタに接続しないことも指定しています (バス情報にベクタがある場合には,無視されます)。

上記の例が示す値に加えて,次の暗黙の値も指定できます。

UNITS           = 1
NUM_VECTORS     = 1

これらの値は,通常,単一のユニット・コントローラの省略値になります。

8.6.2.2 構成ファイルの構文

SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルには次に示す構文規則が当てはまります。

  • 空白は,すべて 1 個のスペース文字と同じになります。 読みやすさを考えて,空行,複数のスペース文字, タブを使用することはできますが, パーサはこれらを 1 個のスペース文字として扱います。

  • 引用符で囲まれていない文字列は,すべて大文字に変換されます。

  • 1 個の引用符記号は 1 つの文字列内部に渡すことはできません (削除されます)。

  • すべての数値は C 言語形式 : 省略値は 10 進数, 8 進数は前に “0”をつけ,16 進数は前に "0x" をつける, で指定されます。

  • コメントは,ファイルのどこにでも置くことができ,感嘆符 (!) で始めます。 感嘆符からその行の最後までのテキストはすべて無視されます。

8.6.2.3 装置記述

最低限の装置記述には,DEVICE,NAME,DRIVER,ADAPTER,END_DEVICE 文があります。 次に示すキーワードはファイル・ベースの自動構成装置記述で定義されます。

  • DEVICE = 文字列

    DEVICE キーワードは装置記述を開始する。 DEVICE キーワードは文字列引数を取り,この文字列引数が,定義される装置についての任意の記述になる。

    例: DEVICE = "NI (Tulip)"

    文字列引数は,$ANALYZE/SYSTEM の CLUE CONFIG コマンドのようなユーティリティで使用される。 正しく表示されるようにできるだけ短くすること。

    SDA> CLUE CONFIG
     .
     .
     .
    Adapter Configuration:
    ----------------------
    TR Adapter     ADP      Hose Bus   BusArrayEntry  Node Device Name/HW-Id
    -- ----------- -------- ---- -------------------- ---- -----------------
     .
     .
     .
     4 PCI         80949900   60 PCI
                                       80949B50          1 MERCURY
                                       80949BC0  GQA:    3 S3 Trio32/64
                                       80949C30  EWA:    5 NI (Tulip)
    
    
  • END_DEVICE

    END_DEVICE は現在の装置記述を終了させるもので,すべての必須キーワードが指定された場合にはパーサが新しいテーブル・エントリを作成する。 パラメータは必要ない。

  • ID = {数値 {, 数値} | 文字列}

    ID キーワードは,装置のハードウェア ID を指定する。 ハードウェア ID は 64 ビットであり,1 組の 32 ビット値 (下位,上位) で指定することも,あるいは,最大 8 文字の ASCII 文字列として指定することもできる。 1 つの数値だけが指定された場合には,上位の 32 ビットは 0 に設定される。

    例: ID = 0x00051000 ! NCR810 の 16 進数のハードウェア ID

    例: ID = FLOPPY ! ASCII でのフロッピーのハードウェア ID

    例: ID = 0x906010B5, 0x113310DF ! 64 ビット ID => 下位 32,上位 32

    システムで使用されるビットの数値は,アダプタ・タイプに依存する。 EISA と PCI は 32 ビットを使用する。 ISA は 64 ビットを使用する。 PCI は FLAGS=EXTENDED_ID キーワードを使って 64 ビットまで拡張できる。

  • NAME = 文字列

    NAME キーワードは装置に対するニーモニックを指定する。 これは,通常は 2 文字の名前であるが,それより多くすることもできる。

    例: NAME = PK

  • DRIVER = 文字列

    DRIVER キーワードは装置に対するデバイス・ドライバのファイル名を指定する。

    例: DRIVER = SYS$PKEDRIVER

  • ADAPTER = 文字列

    ADAPTER キーワードは,装置のバス・タイプを示す。 現在のアダプタは,PCI,EISA,ISA,TC (TURBOchannel) である。

    例: ADAPTER = PCI

  • UNITS = 数値

    UNITS キーワードは,コントローラに対して作成されたユニット (UCB) の数を示す。 指定されないと省略値は 1 になる。

    例: UNITS = 1

  • FLAGS = 文字列

    FLAGS キーワードは,ドライバのロード方法についてのオプション情報を示す。 1 つ以上のフラグをコンマ (,) で区切って指定できる。

    例: FLAGS = NOVECTOR, CASE_BLIND, EXTENDED_ID, ISA_ON_EISA

    フラグ

    説明

    NOVECTOR

    装置には割り込みベクタがない。

    CASE_BLIND

    ID が ASCII 文字列として取り扱われ,大文字に変換される。 さらに,ハードウェアからの ID も比較の前に大文字に変換される。 このフラグは,コンソールの ISACFG コマンドが HANDLE を大文字に変換しないので,ISA 装置文字列には便利である。 このフラグが指定された場合,ID は,数値としてではなく,文字列として記述に入力する必要がある。 数値として入力した場合には,エラーが表示され,記述は無視される。

    EXTENDED_ID

    このフラグは PCI バス上の装置に対してだけ有効である。 通常,32 ビット・ハードウェア ID だけが PCI に使用される。 V2.1 PCI バス仕様をサポートする PCI ボードがある場合には, このフラグを設定する。 ハードウェア ID の上位 32 ビットは,サブシステム ID とサブシステム・ベンダ ID を含む必要がある。 たとえば,次の例で,1133 はサブシステム ID であり,10DF はサブシステム・ベンダ ID である。

    FLAGS = EXTENDED_ID
    ID = 0x906D1OB5, 0 x 113310DF
    

    特殊なドライバをロードするために EXTENDED_ID フラグを使用すると同時に,EXTENDED_ID ビットを持たない同一の ID が汎用ドライバをロードするために定義されている場合,EXTENDED_ID を伴う記述を汎用記述よりも前に置く必要がある。

    ISA_ON_EISA

    このフラグは,値 EISA が ADAPTER キーワードに与えられ,装置が ISA 装置であるときにだけ有効である。 ISA 装置には,ID キーワードに与えられた値が正しく解釈されることを保証するためにこのフラグを設定する。 ISA 装置に対して,システムは ASCII 文字列として ID 値を保持する。 これが EISA 装置であるとシステムが解釈したとき,ID 値はバイナリ形式に圧縮される。

  • PRIVATE_DATA = 文字列

    このキーワードは,値 ISA が ADAPTER キーワードに与えられたときにだけサポートされる。 文を複数行に継続することはできない。 文字列に複数の単語が含まれる場合には引用符で囲むこと。 引用符を文字列の一部として渡すことはできない。 ISA ドライバは IOC$NODE_DATA を呼び出し, 機能コード IOC$K_ISA_USER_PARAM を渡すことでこの文字列を取り出すことができる。

  • BEGIN_PRIVATE

    このキーワードは,値 ISA が ADAPTER キーワードに与えられたときにだけサポートされる。 BEGIN_PRIVATE キーワードと END_PRIVATE キーワードは PRIVATE_DATA の代わりに使用できる。 これらは,PRIVATE_DATA 文の一部としては使用されない。 BEGIN_PRIVATE と END_PRIVATE を使用する際,この 2 つのキーワードの間に含まれるすべてのデータがドライバに渡される。 データには引用符などの特殊な文字を含めることもできる。 データは複数行にすることができる。 複数行が使用された場合,ドライバは新しい行を示すライン・フィード文字を検出する。

    BEGIN_PRIVATE と END_PRIVATE は,ISA_CONFIG.DAT にあるいくつかのエントリをファイルに変換する際に使う必要がある。 たとえば,ISA_CONFIG.DAT の文が次の場合,

    USER_PARAM = "some data" 
    

    次に変換される必要がある。

    BEGIN_PRIVATE
    "some data"
    END_PRIVATE
    

    ISA_CONFIG.DAT にある USER_PARAM キーワードは引用符を渡すので, この変換を行うときに PRIVATE_DATA は使用できない。

    ISA ドライバは,関数コード IOC$K_ISA_USER_PARAM 付きで IOC$NODE_DATA を呼び出すことで, BEGIN_PRIVATE と END_PRIVATE の間にあるデータを取り出すことができる。

  • END_PRIVATE

    END_PRIVATE キーワードは, BEGIN_PRIVATE 文の後に追加されたデータを終了させるためだけに使用する。

  • NUM_VECTORS = 数値

    NUM_VECTORS キーワードは,装置が使用するベクタの数を指定する。 指定されていない場合,省略値は 1 になる。

    例: NUM_VECTORS = 4

表 8-1 「キーワードの要約」 は, 構成ファイルに入れられるキーワードを示しています。

表 8-1 キーワードの要約

キーワード

必須

説明

DEVICE

必須

装置記述を開始する

END_DEVICE

必須

装置記述を終了する

ID

必須

ハードウェア ID を指定する

NAME

必須

装置名

DRIVER

必須

ドライバ名

ADAPTER

必須

アダプタ・タイプ

UNITS

必須ではない

ユニット 省略値: 1

FLAGS

必須ではない

装置フラグ: 省略値: フラグなし

PRIVATE_DATA

必須ではない

プライベート・データを指定する

BEGIN_PRIVATE

必須ではない

プライベート・データの開始を指定する

END_PRIVATE

必須ではない

プライベート・データの終了を指定する

NUM_VECTORS

必須ではない

ベクタの数 省略値: 1

 

8.6.2.4 SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルの再構築

REBUILD キーワードは,SYSMAN に対して,SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT と SYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DAT を再読み込みし,解析して, アダプタ・ブロックのそれぞれに付加された構成テーブルを再構築することを要求します。 REBUILD コマンドは,バスのタイプに関係なく, 常にすべての構成テーブルを再構築します。 そして,次のように,AUTOCONFIGURE コマンドを再実行して, 新しく定義された装置すべてに対してデバイス・ドライバをロードする必要があります。

$ MC SYSMAN IO REBUILD
$ MC SYSMAN IO AUTOCONFIGURE

ドライバは,特定の装置に対してロードされた後は,再ロードできないことに注意してください。

MC SYSMAN IO REBUILD/VERIFY コマンドを実行すると, SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルと SYS$SYSTEM:CONFIG.DAT ファイルを SYSMAN が読み取り,処理することになりますが, OpenVMS 用の構成ファイルの再構築は行いません。 エラーが検出されたときには,メッセージが表示されます。 このコマンドは,開発者が,現在のシステムを変更せずに SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT への新しい変更をテストするときに使用できます。

8.6.3 ユーザ装置用にサポートされるバス

ファイル・ベースの自動構成は,PCI,ISA,EISA,TURBOchannel のバスに対して, ユーザが作成したデバイス・ドライバ用にサポートされています。 この項では,構成に特化した追加情報を含んでいます。

8.6.3.1 ISA 装置の構成

ISA 装置は,バス・プロービング中に検出できる読み込み可能な装置 ID を提供しません。 ユーザはコンソールでこの装置の存在を明示的に示し,なおかつコンソールでこの装置に対するリソース (IRQ,入出力ポートなど) を予約する必要があります。 装置がコンソールに認識されると, OpenVMS は次にファイル・ベースの自動構成を使ってこの装置を自動構成します。

ISA 装置は ISA バスまたは EISA バスのどちらかで使用されます。 システムに ISA バスがある場合,ISA 装置は ISACFG を使ってコンソールで構成されます。 システムに EISA バスがある場合,ISA 装置は ECU を使って構成されます。 両方のコンソール・ユーティリティで装置リソースを予約することができます。

8.6.3.1.1 ISA バス上の ISA 装置の構成

OpenVMS Alpha の以前のバージョンでは,ISA バス上の ISA 装置は, ISA を定義していた SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルにエントリを持つことと,コンソール・コマンド ISACFG を使用して IRQ などのシステム・リソースを予約することが必要でした。

重要:

OpenVMS Alpha バージョン 7.2 からは,ISA_CONFIG.DAT ファイルはサポートされなくなりました。 詳細については,8.6.4 項 「SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT のサポート終了」 を参照してください。

8.6.3.1.2 EISA バス上の ISA 装置の構成

ISA 装置は,コンソールから実行される EISA Configuration ユーティリティ (ECU) を使用して手動で構成する必要があります。 装置には,DOS フロッピーで提供される CFG ファイルがあるはずです。 この CFG ファイルは,装置 ID である文字列 (最大 7 文字) を提供します。

CFG ファイル形式の詳細については,そのカードの製造業者に問い合わせるか, EISA バス仕様を参照してください。

ECU フロッピー (DOS 形式) には,新しい構成ファイル用のモデルとして使用できるサンプルの ISA CFG ファイル (ISA000.CFG) が含まれています。 詳細については, 『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』 の「EISA Bus Support」の章を参照してください。

ECU が起動されると, 装置はファイル・ベースの自動構成を使用して構成することができます。

注意:

ISA 装置は,OpenVMS Alpha の 7.1 よりも前のバージョンでは, EISA バス・システムに対して簡単には自動構成を行えません。 これは,その ID が ECU データから OpenVMS バス構造にコピーされないためです。

8.6.4 SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT のサポート終了

SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルを使用した ISA 装置のサポートは, OpenVMS Alpha バージョン 7.2 からは行われなくなりました。 このファイルを使用している場合は,コンソールからの ISACFG ユーティリティと, 以下の項で説明するファイル・ベースの自動構成手法を使用する方法に変えてください。

表 8-2 「ISA_CONFIG.DAT キーワードとそれに対応するもの」 には, ISA_CONFIG.DAT からのキーワードと,それに相当するファイル・ベース自動構成または ISACFG ユーティリティのリストを示しています。

表 8-2 ISA_CONFIG.DAT キーワードとそれに対応するもの

ISA_CONFIG.DAT

ファイル・ベースの自動構成

ISACFG

未使用

ID

-handle

NAME

NAME

 

DRIVER

DRIVER

 

IRQ

 

irqx

NODE

 

slot

DMA

 

dmachanx

PORT

 

iobasex

MEM

 

membasex

FLAGS

ビット 1 (未サポート)

 
 

ビット 2 (FLAG=NOVECTOR)

 

USER_PARAM

PRIVATE_DATA

 

 

ISA_CONFIG.DAT のエントリは, NODE キーワードで指定された番号を使用する ISA 装置用の内部データに照合されます。 ただし,SYS$USER_CONFIG.DAT ファイルを使用して ISA 装置を構成するとき, 装置を定義するブロックと, コンソールから ISACFG コマンドで入力されるデータを照合するために ID キーワードが使われます。 ID キーワードに示される値は, ISACFG-handle キーワードで指定される値と同じである必要があります。

ISA 装置には任意の識別文字列を使用できます。 文字列は 8 文字以内にします。 ISACFG コマンドは,-handle 値を大文字に設定しないので, 構成キーワード ID を使用して指定された値とこの値を照合させるには, 2 つの手法を使用できます。 つまり,大文字への変換を行わないように引用符で ID 値を囲むこともできますし (-handle 値で使用した文字の照合), また,構成キーワード FLAGS=CASE_BLIND を使用すれば, 大文字小文字を区別しない比較を行うこともできます。

たとえば,ISACFG で次のものを使用した場合,

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -enadev 1 -type 1 -handle MyDevice

SYS$USER_CONFIG.DAT にある次のエントリと照合することができます。

DEVICE   = "My Device"
ID = MYDEVICE
FLAGS = CASE_BLIND
            .
            .
            .
END_DEVICE

ISA_CONFIG.DAT で使用した各パラメータに対する変換の説明は,次のとおりです。

NAME = xx

SYS$USER_CONFIG.DAT で NAME キーワードを使用します。 同じ値を使用し,xx は装置コードとします (装置コードは通常 2 文字です)。

例: NAME = ER

DRIVER = driver_name

SYS$USER_CONFIG.DAT で DRIVER キーワードを使用します。 ファイル・ベースの自動構成と同じ値を使用します。 driver_name は SYS$LOADABLE_IMAGES のドライバの名前です。

例: DRIVER = SYS$ERDRIVER

IRQ = i

ISACFG ユーティリティで IRQx を使用します。 4 つの IRQ,-IRQ0 から -IRQ3 までを表すことができます。 ISA_CONFIG.DAT で使ったのと同じ値を使用します。 IRQ は 0 から 15 までの値であり,これは装置が割り込みを報告するためにどの ISA IRQ を使用するかを指定します。

例 :

この例は,装置に IRQ 10 と 5 を割り当てます。

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -handle MYDEV -enadev 1 -etyp 1  -irq0 10 -irq1 5
NODE = n

ISACFG ユーティリティで -slot を使用します。 スロット番号 (n) は装置が存在するスロットを表しているわけではありません。 これは論理的な番号であり,物理的な番号ではありません。 ただし,この番号は 1 から,マシンにあるスロットの最大番号までの間にする必要があります。 スロット番号 0 はユーザには利用できません。

例 :

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -enadev 1 -etyp 1 -handle MYDEV -dmachan0 1 -irq0 10

この例は,スロット 3 で表される装置に値を割り当てます。 このコマンドを実行するマシンには少なくとも 3 つのスロットが存在する必要があります。 使用される論理スロットがどれであるかを確認するには,次のコマンドを入力します。

                
>>>isacfg -all
DMA = (j,k, ...)

ISACFG ユーティリティで -dmachanx を使用します。 値 j,k などは 0 から 7 までの値であり, 情報を中継するために装置が使用している DMA コントローラのチャネルを指定します。 ISACFG に対しては,j,k などと同じ値を使用しますが,それぞれには異なる DMA チャネルを指定します。 キーワード -dmachan0 から -dmachan3 までを使って,4 つの DMA チャネルを指定できます。

例 :

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -enadev 1 -etyp 1 -handle MYDEV -irq0 10 -dmachan0 1 -dmachan1 3

この例は,2 つの dma チャネル,1 と 3 を装置に割り当てます。

PORT = (aa:b, cc:d, ... )

ISACFG ユーティリティで -iobasex を使用します。 キーワード -iobase0 から -iobase5 までを使用して 6 つのポートを指定できます。 長さフィールド b,d などには相当するものはありません。 ISACFG ユーティリティは,ドライバがポートの長さを知っていると想定しています。 キーワード IOC$K_EISA_IO_PORT 付きで IOC$NODE_DATA ルーチンを呼び出して,戻されたロングワードの上位ワードの長さを取得しているドライバは,その上位ワードの調査をやめてください。 ISA_CONFIG.DAT では長さが返ってきましたが,その長さは常に 8 でした。

例 :

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -enadev 1 -etyp 1 -handle AAA321 -irq0 10 -iobase0 2F8

この例はポート 2F8 を装置に割り当てます。

MEM = (ee:f, gg:h, ...)

ISACFG キーワード -membasex を使用してメモリ・ベースを指定し,-memlenx でメモリ長を指定します。 ISA_CONFIG.DAT に対して使用したように,ee,gg などと f,h などに対して同じ値を使用してください。 キーワード membase0 から membase2 までと,memlen0 から memlen2 までを使用して,3 つのメモリ領域を指定できます。

例 :

>>>isacfg -slot 3 -dev 0 -mk -enadev 1 -etyp 1 -handle MYDEV -irq0 10 -membase0 80000 -memlen0 20
FLAGS = n

ISA_CONFIG.DAT の FLAGS フィールドには 2 つの意味のあるビットがありました。

ビット 0 は SCSI アダプタで構成される装置を示しています。

ビット 1 は装置には必要な割り込みがないことを示しています。

ビット 0 が使用可能になることはありえなかったので, ビット 0 はファイル・ベースの自動構成では現在サポートされていません。 ビット 1 は,ファイル・ベースの自動構成では, FLAGS=NOVECTOR 文で表すことができます。

USER_PARAM = テキスト

この値を表すには,ファイル・ベースの自動構成で PRIVATE_DATA キーワードを使用します。 USER_PARAM 値で引用符を使用した場合は, ドライバに引用符を引き続き渡すために BEGIN_PRIVATE と END_PRIVATE を使用する必要があります。 ISA 装置には,PRIVATE_DATA 値は USER_PARAM と同じ方法で取得できます (つまり,IOC$K_ISA_USER_PARAM キーワード付きで IOC$NODE_DATA ルーチンを使用すること)。

ISACFG を使用しているときには, 次に示すコマンドも知っている必要があります。

構成をその初期状態に戻すには,次のものを使用します。

>>>isacfg -init

変更を保存するには,次のものを使用します。

        
>>>init

エントリを削除するには,次のものを使用します。

    
>>>isacfg -slot 1 -dev 0 -rm

現在構成されている装置をすべて確認するには,次のものを使用します。

    
>>>isacfg -all

装置を変更するには,-mod を使用します。

        
>>>isacfg -slot 2 -dev 0 -mod  (など)

次に示すキーワードは,ISA_CONFIG.DAT には相当するものがありません。

-enadev a_number

数値 0 (無効) と 1 (有効) を取る。 これによって,リソース割り当て計算で装置を使用しないよう装置を無効にすることができる。

-etyp a_number

このエントリ用のエントリ・タイプを定義する。 OpenVMS は値 0 と 1 だけをサポートする。 これは常に 1 と指定すべきである。 次に示す値を取る。

  • 0 エントリを削除する

  • 1 単一オプション

  • 2 埋め込み型マルチポート装置

  • 3 マルチポート・オプション装置

8.7 ターミナルの管理

ターミナルの管理では次の作業を行います。

  • システムへのターミナルの物理的な接続

  • ターミナル特性の設定

  • 仮想ターミナルの設定

以降の項では,これらの作業のうち,ターミナル特性の設定と仮想ターミナルの設定について説明します。

8.7.1 ターミナル特性の設定

ターミナル装置の特性とは,1 行に何文字表示するかなど,ターミナルの性質のことです。 このターミナル装置の特性には,それぞれ省略時の値が設定されています。 使用するターミナルに合わせて,ターミナルの特性の値を変更する必要があります。

ターミナル装置の特性を変更する場合は,次の形式に適切な修飾子を付けて,SET TERMINAL コマンドを使用します。

SET TERMINAL/[ 修飾子 ,...] [ 装置名 [:]]

たとえば,次に示すコマンドは,ターミナルの行幅を 132 文字に, 1 ページの大きさを 60 行に設定するよう指示しています。 /NOBROADCAST は,ブロードキャスト・メッセージの受信を禁止する修飾子です。 /PERMANENT 修飾子は,現在のターミナル・セッションの終了後もターミナル特性を保持するよう指示します。 システムをブートするたびにこれらの特性を再設定するためには,次のコマンドをサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャに追加する必要があります。

$ SET TERMINAL/WIDTH=132/PAGE=60/NOBROADCAST/PERMANENT

SET TERMINAL コマンドとその修飾子についての詳細は, 『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

8.7.1.1 システム・パラメータによる省略時の特性の設定

ノード上のすべてのターミナルの省略時のターミナル特性を変更するには, システム・パラメータ TTY_DEFCHAR と TTY_DEFCHAR2 に値を指定します。 システム・パラメータの設定と使用についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

8.7.1.2 システム起動時の特性設定

システムをブートするたびに SET TERMINAL コマンドを実行する場合は, サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにコマンドを登録します。 システムの構成が簡単な場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを登録します。 システムの構成が複雑で,たくさんのコマンドが必要な場合, 別のコマンド・プロシージャ (TERM_SETUP.COM など) を作成し, その装置構成コマンド・プロシージャを SYSTARTUP_VMS.COM から実行します。 装置構成コマンド・プロシージャの実行が終了すると,制御は SYSTARTUP_VMS.COM に戻ります。

重要:

スタートアップ・コマンド・プロシージャに登録する SET TERMINAL コマンド数に上限を設けることをお勧めします。 数百個といった大量の SET TERMINAL コマンドが含まれていると,システムの起動が大幅に遅くなります。 ターミナルの数が多い場合は, 8.7.1.1 項 「システム・パラメータによる省略時の特性の設定」 で説明したように, TTY_DEFCHAR と TTY_DEFCHAR2 を使って省略時の特性を変更します。

次の例に示すように,SET TERMINAL コマンドには,ターミナルの所有者名などの注釈を付けることができます。

次は,スタートアップ・プロシージャで使用可能なターミナル装置設定コマンドの例です。

$ SET TERMINAL TTC2:/SPEED=300/DEVICE_TYPE=LA36/PERMANENT  !JONES
$ SET TERMINAL TTD1:/SPEED=9600/PERMANENT                  !WRENS
$ SET TERMINAL TTD4:/SPEED=1200/PERMANENT                  !JRSMITH
$ SET TERMINAL TTG4:/SPEED=1200/MODEM/PERMANENT            !DIALUP1

8.7.2 仮想ターミナルの管理

仮想ターミナル機能を使用することにより,ユーザはプロセスを終了することなく,つまり,仮想ターミナルでプロセスをアクティブにしたまま, 物理ターミナルを切り離すことができます。 仮想ターミナルの用途は次のとおりです。

  • モデム回線の接続が失われたときにプロセスに再接続する。

  • 切断された複数のターミナル上でセッションを継続する。

  • 動的な非同期 DECnet 通信機能を利用する。

仮想ターミナル機能の利用

VAX システムで仮想ターミナルを設定するためには,次のコマンドを入力します。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> CONNECT VTA0/NOADAPTER/DRIVER=TTDRIVER
SYSGEN> EXIT

Alpha システムで仮想ターミナルを設定するためには,次のコマンドを入力します。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> IO CONNECT VTA0/NOADAPTER/DRIVER=SYS$TTDRIVER
SYSMAN> EXIT

仮想ターミナルの装置名は VTAn: です。 SYSGEN または IOGEN コマンドの入力後,ログイン前に TT2$M_DISCONNECT 特性が設定されたターミナルはすべて仮想ターミナルと見なされます。

注意:

TT2$M_DISCONNECT 特性が設定されている場合, LAT ターミナル (LTAn:) は切り離すことができますが, 遠隔ターミナル (RTAn:) は切り離せません。

TT2$M_DISCONNECT 特性は, 次のいずれかの方法で設定することができます。

  • システム・パラメータ TTY_DEFCHAR2 の適切なビットを設定することによって,システム単位で特徴を有効にする。 RTAn: 装置など,動的に作成されたターミナル・デバイスには,この方法を使用する。

  • DCL の SET TERMINAL/DISCONNECT コマンドを使用して, ターミナル単位で特性を有効にする。

仮想ターミナルの使用制御

仮想ターミナル・セッションは,次の方法で制御することができます。

  • SYLOGIN で,サイトにおける仮想ターミナルの使用について, システム単位のポリシーまたはユーザ個人のポリシーを強制する, ユーザが作成した DCL プロシージャを含める。

  • UAF 資源制限の MAXDETACH 値を指定することによって,個々のユーザが作成可能な独立プロセスの最大数を指定する。 この制限を使用する意味と, MAXDETACH ユーザ制限の設定の詳細については, 表 7-9 「SYSTEM および DEFAULT アカウントの説明」 にある MAXDETACH ユーザ制限の部分を参照のこと。

  • システム・パラメータ TTY_TIMEOUT を使用して, 切断されたセッションがログアウトされるまでの時間の長さを指定する。

  • ターミナル単位で使用可能な仮想ターミナルを設定する。

  • UAF フラグの DISRECONNECT を指定することによって,個々のユーザが切断されたターミナル・セッションに再接続できないようにする。

  • 自分のサイトで優先するポリシーを提供するサイト固有の LGI コールアウト・モジュールを作成する。 LGI コールアウトの詳細は,『OpenVMS Utility Routines Manual』を参照のこと。

8.7.2.1 動的な非同期 DECnet for OpenVMS 通信における仮想ターミナルの利用 (VAX のみ)

動的な非同期 DECnet 通信を行うためには,仮想ターミナルが必要です。 動的な非同期回線は,静的な非同期回線や他の DECnet 回線など, 通常,2 つのノード間のダイアルアップ接続中はネットワーク専用に切り替えられるものとは異なります。 ターミナル回線が動的に非同期 DDCMP 回線に切り換えられるのは,次の条件が満たされる場合です。

  • 両方のノードとも,DECnet ライセンスが登録およびロードされている。

  • 両方のノードとも,非同期 DDCMP ドライバの NODRIVER がロードされている。

  • 両方のノードとも,DYNSWITCH が特権付きの共用可能イメージとしてインストールされている。

  • 遠隔ノードの仮想ターミナル機能が有効になっている。

動的な非同期 DECnet 回線を設定する手順についての詳細は, 『DECnet-Plus for OpenVMS Applications Installation and Advanced Configuration』を参照してください。

8.7.2.2 仮想ターミナルの物理ターミナル・タイプの決定

仮想ターミナルに関連付ける物理ターミナル・タイプを決定する必要が出てくることがあります。 これは,直接接続回線と LAT 回線の両方が仮想型の場合,システムのスタートアップ時に LAT ターミナルのターミナル特性が判らないことがあるためです。 直接接続回線の特性は,システムのスタートアップ時に設定することができます。 しかし,LAT 回線の特性を決定するためには, SET TERMINAL/INQUIRE コマンドを入力する必要があります。 LAT ソフトウェアについては,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

注意:

SET TERMINAL/INQUIRE コマンドを使用すると, 先読みを可能にするバッファがクリアされます。

次は,システムのスタートアップ時に直接接続回線と LAT 回線の両方の物理ターミナル特性を決定するコマンド・プロシージャです。 次の行をシステム単位のログイン・プロシージャ (SYLOGIN.COM) に登録しておきます。 このプロシージャでは,スタートアップ・プロシージャがすべてのスイッチをセットし,LAT 回線を “unknown” と設定していると仮定しています。

$ DEVCLASS = 'F$GETDVI ("SYS$COMMAND","DEVCLASS")'
$ IF DEVCLASS .ne. 66 then goto alldone   !Not a terminal
$ DEVTYPE = 'F$GETDVI ("SYS$COMMAND","DEVTYPE")'
$ IF DEVTYPE .ne. 0 then goto got_devtype
$ SET TERMINAL/INQUIRE   !Try to determine the device type
$ DEVTYPE = 'F$GETDVI ("SYS$COMMAND","DEVTYPE")'
$ got_devtype:
$! Can now dispatch on 'devtype' to do different things depending
$! on the type of terminal.
$ alldone:

LAT ターミナルを識別するためには,F$GETDVI レキシカル関数に TT_ACCPORNAM を指定します。 この関数は,ターミナル・サーバのノード名とポート名を戻します。

8.8 モデムの管理

モデム は電気的信号をあるデータ形式から別のデータ形式に変換する装置です。 モデムは通常,双方向に対してこの変換を行います。 具体的にはモデムは,ローカル・データを他のデータ形式に変換し結果を送信することができ, 一方データを受信し,データをローカル・データの形式に変換し戻すことができます。 ほとんどのモデムはデータをデジタル形式からアナログ形式に変換し, アナログデータをデジタル形式に変換し直します。

1組のモデムがあれば, デジタル・データによる交信を電話回線などのアナログ・メディアを介して送信し, 遠隔地で再び交信内容をデジタル・データに戻して受信ことができます。 モデムはターミナルやローカル・コンピュータを遠隔地のコンピュータ・システムに互いに接続するために使用されます。

以降の節では,次のトピックについて説明します。

  • モデムの理解

  • モデムの設定

  • モデムのトラブルシューティング

8.8.1 モデムの理解

モデムはキャリア信号上のデジタル情報を変調することによって, デジタル信号をアナログ信号に変換します。 逆に,モデムはアナログ信号をデジタル信号に逆変調する, すなわち展開することによって, アナログ送信機器(たとえば電話回線)上のアナログ信号をデジタル信号に変換します。 2 つの用語,変調(MOdurator)と逆変調(DEModurator)からモデム(Modem)という名前がつきました。

図 8-1 「基本的なモデムの構成」 はターミナルと遠隔コンピュータ・システム間の交信を示しています。 これは通常コンピュータ・システム間の交信にも適用されます。 一方のモデムは,アナログ電話接続のローカルな終端点でデジタル信号をアナログ信号に変換し,もう一方のモデムはアナログ電話接続の遠隔の終端点でアナログ信号をデジタル信号に変換します。

図 8-1 基本的なモデムの構成

基本的なモデムの構成

モデムは通常ペアで使用されます。 それぞれのモデムは送信装置としてと受信装置としての両方の動作をします。

モデムを構成する場合,次の事項に注意します。

  • 受信または送信モデムがただしく配線されていること。

  • モデム同士がお互い互換性のあるデータ形式と転送速度をサポートしていること。

  • 双方のモデムが,接続されるターミナルまたはコンピュータと互換性のあるデジタル形式をサポートしていること。

いったんモデムの接続が確立されると, 接続した回線にデータの交信を重ね合わせて載せることができます。 ほとんどのモデムが提供している基本的な非同期シリアルASCII通信プロトコル上で,広範な交信プロトコルを最低 1 つ,場合によっては複数重ねることができます。 ポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)と, 非同期DECnet はモデム・リンク上で操作できるプロトコルの例です。

表 8-3 「モデム関連文献」 は, モデムに関連する通信プロトコルについての OpenVMS 文献です。

表 8-3 モデム関連文献

文献

説明

Decnet-Plus for OpenVMS Network Management Guide

2ノード間での動的非同期 DECnet 接続を確立するためのモデムの使用法を説明。 非同期 DECnet はモデム・データ・リンクを介して操作できるプロトコル。

TCP/IP Services for OpenVMS Management

PPP (Alpha のみ) と SLIP プロトコルおよび TCP/IP Services を使用して,シリアル接続を確立するためのモデムの使用法を説明。

OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド

DECnet モデム・コネクションとダイアルイン・モデム・ラインの保守について説明。

TCP/IP Networking on OpenVMS Systems

PPP ユーティリティとそれに関連するコマンドを説明します。

OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻)

遠隔システム間と交信するため,OpenVMS Alpha と OpenVMS VAX 上での PPP の使用法について説明。

8.7.2 項 「仮想ターミナルの管理」

仮想ターミナルの構成と管理の方法について説明。

OpenVMS DCL ディクショナリ』とオンライン・ヘルプ

DCLコマンド SET HOST/DTE について,遠隔システムへモデムを接続する方法を説明。

DCLコマンド CONNECT と DISCONNECT について,仮想ターミナルを設定, 切断する方法を説明。

 

直接接続または間接接続

モデムをコンピュータまたはターミナルに構成するには, モデムをどんなタイプのアクセス方法でユーザのコンピュータ環境に接続するのかと, どのシリアル通信ポートが一番ユーザの要求に適するかを決めることが必要です。

モデムを直接ホスト・システムに接続することも, 間接的に中間ネットワーク・サーバに接続することもできます。 ネットワーク・サーバの例としては DECserver等があります。 この 2 つの接続タイプを以下に説明します。

  • 直接接続

    直接接続は特定のホスト・システム向けにモデムを専有します。 モデム呼び出し側への可能なアクセス量を削減し, モデムを介しての未許可アクセスに対して保護すべきシステム数を減らすことができます。

    これは小規模コンピュータ環境や,モデムを単一のコンピュータやターミナルに接続する場合に選択される構成です。

  • 間接接続

    間接接続は,LAN 内で多様なコンピュータ・システム用にモデム群を接続する方法です。 これには LAT や Telnet 等のプロトコルを使用するホスト・コンピュータと通信するサーバを含みます。 このタイプの接続は空いている電話回線を効率よく使用することができますが,機密保持面で満たすべき要件が増します。

    これは比較的大規模なコンピュータ環境で用いられます。 間接接続は通常,LAT やTelnet プロトコルを使用し, モデム・プールと呼ばれる多数のモデムを接続して多数のコンピュータ・システムでアクセスを共有します。

いずれのタイプの接続の場合でも,モデムが接続されているホスト, あるいは,サーバが機能していない場合は使用できません。

図 8-2 「間接モデム構成と直接モデム構成」 は,モデムの間接構成と直接構成を表しています。 ターミナル 1 とターミナル 2は,DECserver とLAT プロトコルを介してホスト 1 とホスト 2 にそれぞれ間接接続されています。 ターミナル 3 は,ホスト 3 に直接接続されています。

図 8-2 間接モデム構成と直接モデム構成

間接モデム構成と直接モデム構成

どのシリアル通信ポートを使用するかと,ホストかターミナル・サーバのいずれに接続するか決めた後は,使用するポートのピンアウトとコネクタ,およびモデムをポートにどのように配線するかを決めます。 モデムとポートについては関連マニュアルを参照してください。 8.8.2 項 「モデムの設定」も参照してください。

8.8.2 モデムの設定

モデムの設定は次の手順で行います。

  1. 接続とピンアウトの配線の決定

    コネクタとピンアウトにより, モデムとポートを接続するために必要な特定の配線アダプタやケーブルが決まります。 モデムのコネクタとピンアウト,およびモデムを接続するポートのコネクタとピンアウトを決定するにはモデムとポートの関連マニュアルを参照してください。

    表 8-4 「 EIA-232 DB23 接続の共通ピンアウト」は,EIA-232 DB25 接続の 2 つの共通ピンアウトです。

    表 8-4  EIA-232 DB23 接続の共通ピンアウト

    ピンアウト

    説明

    データ・ターミナル装置 (DTE)

    送信情報はピン2,受信情報はピン3, 他は標準ピン割り当て。

    データ通信装置 (DCE)

    送信情報はピン3,受信情報はピン2, 他は EIA-232 ピン割り当て。

     

    ストレートスルー,クロスオーバ配線

    ストレートスルー,クロスオーバ配線について次に説明します。

    • DCE 装置は DTE装置と ストレートスルー配線で通信します: ケーブル両端の送信ピンは反対の端の対応する受信ピンに配線されています。 ケーブルのピン2は,もう一方のケーブルのピン2に接続され, ケーブルのピン3は,もう一方のケーブルのピン3に接続されます。

    • DCE ピンアウトで配線された装置は,DCE 配線のコネクタと通信するために クロスオーバ配線が必要です。 ケーブルのピン2と3は,もう一方のケーブルのピン3と2にそれぞれ接続されます。 クロスオーバ配線は,2つの送信ピンと2つの受信ピンが互いに配線されないため特定の状況でのみ必要とされます。 これはたとえば,2つの DTE 装置同士を配線する場合や,2つの DCE 装置同士を配線する場合などです。

      クロスオーバ配線ケーブルは,ヌル・モデム・ケーブルとも呼ばれます。 これは適当な長さのヌル・モデム・ケーブルは, モデム・ベースの通信接続のいずれのコンポーネントをも論理的に置き換えることができるため, 具体的には,ローカル・シリアル・ケーブル,ローカル・モデム, 介在電話回線,リモート・モデム, リモート・シリアル・ケーブルとヌル・モデム・ケーブルを置き換えることができるためです。

    表 8-5 「コネクタ」 は,モデムを配線するために使用される最も一般的なコネクタを説明しています。

    表 8-5 コネクタ

    コネクタ

    [1]

    説明

    DB9

    9-ピン・コネクタは 4ピン1列と5ピン1列からなる。 DB9 は EIA-574 を持っており, PCシステムまたは MicroVAX コンソールで使用された旧標準接続 で通常使用される。

    DB25

    25-ピン・コネクタ, 12ピン1列と 13ピン1列からなる。 DB25 は通常,EIA-232 ピンアウトを使用し, データ・ターミナル装置(DTE),またはデータ通信装置(DCE)に配線されます。

    MMJ

    6-ピン・モジュラ・ジャック。 DEC-423 信号線を使用し通常 DECconnect 配線と呼ばれる。 DECconnect 配線は装置の配線を大きく簡素化する。 装置接続に適合するアダプタを用意するだけでよい。 対応する BC16E ケーブルは障害なく配線できる。

    [1] この表のすべてのコネクタはオス/メスいずれでも使用できます。

     

    共通コネクタ用ピンアウトとアプリケーションを 表 8-6 「コネクタ・アプリケーション」に掲げます。

    表 8-6 コネクタ・アプリケーション

    コネクタとピンアウト

    アダプタ

    [1]

    EIA-574 PC互換ピンアウトつき DB9 9ピン・コネクタ

    DB9 コネクタは ほとんどのPC, AlphaStation, AlphaServer システムに装備されている。

    H8571-J または互換 MMJ アダプタを使用する。

    EIA-574 ピンアウト以前の DB9 9ピン・コネクタ

    各種 MicroVAX システムのコンソール・コネクタは EIA-574 ピンアウト以前のピンアウトを使用する。

    H8575-B または 互換 MMJ アダプタを使用する。

    EIA-232 接続の DB25 25ピン・コネクタ

    多くのターミナルの通信ポート

    次のリストから適切なアダプタを使用する [2],あるいは 次のリストに記載されていないアダプタについては弊社の営業担当または弊社の販売代理店に問い合わせる。

    H8575-A

    MMJ アダプタへの DB25 メス, ストレートスルー[3]

    H8571-C

    MMJ アダプタへの DB25 オス,クロスオーバ[4]

    H8575-E

    MMJ アダプタへの DB25 オス,ストレートスルー[3]

    8ピン DIN (丸型) コネクタ

     

    H8584-AB または互換 MMJ アダプタを使用。

    MMJ(変更モジュラ・ジャック) DECconnect ソケット

     

    [1] この表は使用できる DECconnect アダプタのサブセットのみを表示。 この表のアダプタは特定のアプリケーションの要件を満たすものではありません。 この他の DECconnect アダプタが弊社から提供されています。

    [2] 掲示されたオスメスの区別は,アダプタ上のコネクタについて。

    [3] ストレートスルーは,EIA-232 送信データ信号が DEC-423 送信データ信号に配線されており, 以下も同様に配線されていることを表す。

    [4] クロスオーバは,EIA-232 送信データ信号が DEC-423 受信データ信号に配線されており,逆もまた同様に配線されており, DTR と DSR も 同様に接続されている。

     

    ユーザ・アプリケーションが次に掲げた シリアル配線接続のいずれも使用していない場合,その装置特有のピンアウトと要件を決定する必要があります。 また,そのアプリケーションに適切なケーブル接続も決定します。 ハードウェア・サポート担当者,弊社のサポート要員,弊社の代理店のいずれかに問い合わせます。

    MMJ アクセサリ

    表 8-7 「DECconnect アクセサリ」 は, 弊社が提供する DECconnect アクセサリの製品番号と説明です。

    表 8-7 DECconnect アクセサリ

    製品番号

    説明

    BC16E-02, BC16E-10, BC16E-25, BC16E-50, BC16E-A0

    DEC-423 (EIA-423 に準拠) MMJ オフィス・ケーブル。 各種サイズ対応

    H8571-C

    25ピン オス EIA-232 = DEC-423 DECconnect アダプタ

    H8571-E

    DEC-423 DECconnect 25ピン アダプタ。 ネジつき。

    H8571-J

    9ピン MMJ アダプタ。 PC互換EIA-574 DB9 配線とともに使用

    H8572-00

    MMJ ケーブル延長器。 2 つの BC16E ケーブルを直接接続

    H8575-A

    メス 25ピン DEC-423 DECconnect MMJ = EIA-232 汎用アダプタ。

    H8575-B

    メス 9ピン DEC-423 DECconnect プリンタ接続アダプタ。 一部の MicroVAX コンソール・ポートの DB9 配線で 使用される。

    H8584-AB

    8ピン DIN = DEC-423 DECconnect アダプタ。 各種 Apple 製コンピュータで最も使用される

     

  2. モデム制御タイプの選択

    モデムを装置に接続する際,ホスト・ポートとモデム間の配線を追加することができます。 これらの配線は, モデム制御信号と呼ばれる信号を送るために使用されます。

    モデムをダイヤル・アウト用にローカル・ターミナルへ接続する際, モデム制御信号は特別に重要ではありません。 モデムは,モデム制御信号を無視するように配線するか構成します。 あるいは,配線を ターミナルからモデムへのモデム制御信号を通過させるように設定します。

    モデムをコンピュータに接続する場合は,はるかに重要性が増します。 ホスト・コンピュータはモデム制御信号を使用してモデムに入力電話コールを受け取るように指示するからです。 モデム制御信号はこの他にも,モデムに受信があったこと,そのコールが終了したことをホストに知らせることができます。 これらの信号により,モストとモデムは特定のイベントに対して適切な対応をすることができます。

    注意:

    モデムによってモデム制御信号が使用されることに加え, ホストと他のシリアル・プリンタ等のシリアル装置間で装置状態を通信するためによく使用されます。 モデムが使用するのと同様に,各種シリアル・プリンタもモデム制御信号を使用します。 プリンタの電源がオンになっており出力を受け付け可能状態であること,あるいはプリンタが電源オフ状態かまたは何か出力を処理することができない状態であることをホストに伝えるなどのために使用します。

    表 8-8 「装置がサポートするモデム制御信号のタイプ」 は,装置がサポートすることができるモデム制御信号のタイプを説明します。

    表 8-8 装置がサポートするモデム制御信号のタイプ

    モデム制御のタイプ 説明

    モデム制御なし

    ホストとモデムは,ホストまたはモデムの状態を互いに通信することはできない。 このポートのモデムを使用することはできるが, このタイプのポートはモデム用に推奨できない。

    さらにモデム制御なしでは,電話コールが切断されたことと, そしてホストが適切な対処(対応するユーザ・プロセスの中断またはログアウト)を行う必要があることを,モデムはホストに知らせることができない。 (機密保持問題については,手順 5 を参照してください)。

    加えて,モデム制御なしでは, モデムはホストが応答可能であるかを知ることができないため, 受信コールを常に応答できるようにモデムを設定あるいは配線しておく必要がある。 (この 2 項目は,機密保持とモデム制御と密接な関係がある。)

    制限つきモデム制御

    ホストとモデムは,他の装置の状態に基き,通信し,対処することができる。 制限つきモデム制御はほとんどのアプリケーションにとって最善の選択肢である。

    完全モデム制御

    ホストとモデムは 通信することができ,広範な分量の制御情報,状態情報を送ることができます。 ホストとモデムは両方とも,他の装置の状態に基いて対処を取ることができます。 制限つきモデム制御では同じような機能があるが, この構成を大きく変更したものである。 制限つきモデム制御では接続時の配線を少なくできる。 このためこの方法は経済的な方法である。

     

    装置とモデムがサポートするモデム制御のタイプについては, 装置のドキュメントを参照してください。 参照した情報により, 通信に必要な配線や配線接続の数が分かります。 次の例は,モデム制御のタイプの種類と必要な配線を示しています。

    • DECconnect は制限つきモデム制御をサポートしている。 これは DECconnect ケーブルの 6 本の配線のうちの 2 本を使用する。 残りの 4 本の配線は次の目的に使用する。

      • データ送信

      • データ受信

      • 送信グランド

      • 受信グランド

    • 完全モデム制御はモデム制御信号に専有させている 2 本の配線以上に配線が必要である。

    • モデム制御をサポートしていない装置は,信号に専有させる配線が必要ではない。

    モデム・コマンドまたは専用配線ケーブルを使用し, モデム制御をサポートしていない装置とともにモデムを動作させることができます。 しかし,この方法はホスト・システム上での一般的な使用には推奨できません。 これは配線に潜在的に機密保持の問題があるためです。

  3. モデムが使用するコマンド・セットの決定

    コマンド・セットには,モデムに電話呼び出しをかけさせコマンド, 呼び出しをする電話番号を求めるコマンド,モデムを構成するコマンドがあります。

    次にコマンド・セットの例を掲げます。

    • AT コマンド・セット:

      ATDT 電話番号
      

      意味:

      • AT は “attention” を表す -- モデムに後続のコマンド受け付けのための待機を要求する。

      • DT は “dial tone”を表す。 (PT は “pulse tone”を表す。)

    • DMCL コマンド・セット:

      Ctrl/B [Return]
      Ready
      DIAL T 電話番号
      

      意味:

      • T は “tone”を表す。 (P “pulse”を表す。)

      • phone-number は現在ダイアルしている番号を表す。

    コマンド・セットは,モデムと通信して電話番号をダイアルし,遠隔モデムと接続するなど, モデムに何かの対処を要求するものです。 直接接続されたターミナルから直接にモデム・コマンドを入力することができ, あるいは SET HOST/DTE のように間接的にDCL コマンドでモデムを使用することもできます。

  4. ポートの構成

    モデムを OpenVMS コンピュータまたは DECserver のコネクタへ接続し終えたら次にポートを構成します。 ポートの構成により,モデムを認識させ, 正しくモデムが操作できるようになり,自動ボー・レート検出機能が有効になります。

    注意:

    自動ボー・レート検出操作は通信の速度(ボー・レート)を検出します。 /AUTOBAUD 修飾子は必ずしも指定する必要はありません。 ただし,自動ボー・レート検出機能が禁止されると, 管理者がホスト・ターミナルまたは DECserver ポートとモデムの両方のボー・レートを同じ速度に設定する必要があります。

    入力するコマンドは OpenVMS ホスト・システムをしようしているか DECserver を使用しているかによって異なります。

    • OpenVMS ホスト・システムでは,次のコマンドを会話型で実行します: この場合,システム・ワイドのスタートアップ・ファイル SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に次のコマンド行を追加しておきます。

      $ SET TERMINAL /MODEM /AUTOBAUD /PERMANENT TTAO:
      

      TTA0: は,モデムが配線されているターミナル装置の名前です。

      このコマンドは特権が必要です。

    • DECserver では, ポートを次のコマンドで構成します:

      DECserver> SET PORT n MODEM ENABLE
      DECserver> SET PORT n FLOW CONTROL XON ENABLE
      DECserver> SET PORT n AUTOBAUD ENABLE
      

      n はポート番号です。

      コマンドはモデムの XON,と 自動ボー・レートを有効にします。 これらのコマンドの実行には DECserver 上で特権が必要です。

  5. モデムによる機密保護

    ダイアル・イン回線により,遠隔サイトからの登録されていないユーザがシステムへのアクセスが可能になります。 登録されていないユーザからシステムを安全に保つため, 管理者は一貫した機密保護を行いシステムを良好に保ちユーザ・パスワード管理を行う必要があります。

    次のリストは,システムの機密保護を保つための方法を紹介しています。

    • DECserver をパスワードつきで構成し, モデムの他の機能にアクセスできないようにすることができる。 このパスワードにより,登録されていないユーザが, ローカル・ネットワーク構成に関する任意の情報にアクセス,参照することを防ぐことができる。 ユーザはパスワードを入力することによってこれらの操作ができる。 特定のポートについてだけパスワードを許可することもできる。

    • OpenVMS ではシステム単位のパスワードを設定できる。 これはシステムがユーザ・パスワードの入力を求めるプロンプトを表示する前に, システム単位パスワードの入力を求める設定である。 この追加パスワードの設定により, ユーザが単純なパスワードを設定することによって増加する機密保護リスクを低下させる助けとすることができます。 任意のホストのポートにシステム単位パスワードを設定することができます。

    • OpenVMSでは,最短パスワード長を設定することができます。 また,システム生成パスワードを許可することもできます。 これらの設定により, ユーザが単純なパスワードを設定することによって増加する機密保護リスクを低下させる助けとすることができます。

    • モデム制御のフォームの一部を常に使用し構成するようにする。 モデム制御なしの場合,なんらかの理由で切断された電話接続は, ホストにログインされたままになる可能性があり, その後にやってくるモデムへの呼び出しが, パスワードの入力なしにログイン・セッションを受けとってしまう。 モデム制御なしの場合さらに, プロセスのログアウト等の特定のシステム・イベントがモデムに発生した場合にモデム・セッションが終了するようにホストに要求することもできない。

    システムを登録されていないアクセスから守るこれらの方法, あるいはここに掲げられていない他の方法については詳しくは 『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。

8.8.3 モデムのトラブルシューティング

シリアル・コミュニケーション問題,特にモデムに関する問題のトラブルシューティングにおいては,1 つ 1 つのコンポーネント,配線,装置を一度に 1 つづつテストし,可能な限り問題の切りわけを行います。

表 8-9 「通信問題のトラブルシューティング」に,一般的なトラブルシューティングのヒントを掲げています。 ただし,これはすべてのヒントを掲げているわけではありません。 シリアル回線-ブレイクアウト・ボックスなど基礎的なシリアル通信テスト装置は通信問題や配線問題を解決する手助けとなるでしょう。 さらに手助けが必要な場合には,その部署のハードウェア・サポートの担当者に要請してください。

表 8-9 通信問題のトラブルシューティング

問題 考察

モデムが応答しない

呼び出している電話番号が正しいかどうか確認する。

モデムに電源がはいっているか確認する。

システムまたは装置に電源が入っており,動作中であるか確認する。

可能なら,モデムと入れ替えてターミナルを直接接続する。

ホストのモデム制御信号がでているか,正しく配線されているかを確認する。

SET TERMINAL, SET PORT コマンドまたはその他の適切なホスト・コマンドを使用して,ホスト装置がモデム用に正しく構成されているか, どうかを確認する。

配線を確認する。 配線の破損,誤配線 切断などがないか確認する。

コネクタが,外れていないか,破損していないか, 紛失していないか, ピンが折れ曲がっていないかを調べる。

電話故障

通常の電話受話器を使用し電話回線上で人間の音声の通話ができるかを試す。

電話回線上で関知される干渉,または他に何か障害の原因がないか。

モデムのインジケータ・ライトが点灯していない

電源の接続を確認する。

モデムのスイッチがオンになっているか確認する。

モデムがアプリケーションの自己診断テストをパスしているか確認する。

モデムを他のモデムと取り替えてみる。

応答なし,あるいはタイプの応答がおかしい

モデムの状態ライトを確認し,送信ライン上に受信データを表示していないか, 受信ライン上に送信データを表示していないか確認する。 この場合,送信受信データの配線誤りが考えられる。 シリアル・ケーブルとアダプタをストレートスルーあるいはクロスオーバのいずれにも配線できる。

信号線が交錯していないか確認する。

不適切な通信速度検出が行なわれていないか確認する。 自動ボー・レート検出は不適切な通信速度を設定する場合がある。 自動ボー・レート検出が許可されていないラインでは, 適切な通信速度が設定されているか確認する。 自動ボー・レート検出がサポートされているラインでは, データ送信と受信の双方の速度を確認する。

ポートに,自動ボー・レート検出が許可されているかどうか確認する。 ポートとモデムが同じ通信速度で構成されているか確認する。

干渉または配線の接続断が起っていないか確認する。

配線に問題がないか確認する。

シリアル通信に干渉する可能性のあるあらゆる隣接する配線, 電源,ビデオ信号を確認する。

 

8.9 プリンタの管理

プリンタの管理では,次の作業を行います。

作業 参照箇所

プリンタ特性の設定

8.9.1 項 「プリンタ特性の設定」

プリンタのスプール指定

8.9.2.1 項 「プリンタのスプール指定」

プリンタのスプール指定の解除

8.9.2.2 項 「プリンタのスプール解除」

スプールした装置のテスト

8.9.2.3 項 「スプールしたプリンタのテスト」

8.9.1 プリンタ特性の設定

プリンタの特性は,プリンタ用のキューを開始する前に設定してください。 DCL コマンド SET PRINTER コマンドは,ライン・プリンタの特性を設定します。 SET TERMINAL コマンドは,ターミナルまたは LAT ポートに接続されたプリンタの特性を設定します。

さらに,プリンタのスプールは,スプールするプリンタ用のキューを開始する前に行ってください。 プリンタのスプールについての詳細は, 8.9.2 項 「プリンタのスプール」 を参照してください。

システムをブートするたびにプリンタ特性を設定する場合は,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにコマンドを登録します。 システムの構成が簡単な場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを登録します。 システムの構成が複雑で,たくさんのコマンドが必要な場合,別のコマンド・プロシージャ (PRINTER_SETUP.COM など) を作成し,そのコマンド・プロシージャを SYSTARTUP_VMS.COM から実行します。 プリンタ設定コマンド・プロシージャの実行が終了すると, 制御は SYSTARTUP_VMS.COM に戻ります。

次は,プリンタ特性を設定するコマンドをスタートアップ・コマンド・プロシージャに登録する例です。 この例には,プリンタをスプールするコマンドも含まれています。 このように,通常,プリンタ特性を設定するコマンドは,プリンタをスプールするコマンドと一緒に登録します。

$! Set up line printer devices
$!
$ SET PRINTER/PAGE=60/LOWERCASE/TRUNCATE LPA0:
$ SET PRINTER/LA11/UPPERCASE/WRAP LPB0:
$ SET DEVICE/SPOOLED=(LINE_PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPA0:
$ SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPB0:
$!
$! Set up LAT printers
$!
$   SET TERMINAL LTA331:/SPEED=9600/DEVICE=LN03 -
    /NOBROADCAST/NOECHO/HARDCOPY/NOTYPE_AHEAD/PERMANENT
$   SET DEVICE LTA331:/SPOOLED=(MKTG$LN03_1,SYS$SYSDEVICE)
$!
$   SET TERMINAL LTA332:/DEVICE=LA210/PAGE=66  -
    /NOBROADCAST/PERMANENT
$   SET DEVICE LTA332:/SPOOLED=(LA210$PRINT,SYS$SYSDEVICE)

8.9.2 プリンタのスプール

アプリケーションの中には,プリント出力をキューに登録せずに,直接プリンタに書き込みまたは複写するものがあります。 プリンタのスプールとは,このようなアプリケーション・プログラムからの入出力をディスクなどの中間記憶装置に書き込ませるための技術です。 この結果,アプリケーション・プログラムの実行中でも,他のシステム上のユーザがプリンタを利用できます。

プリンタをスプールするためには, そのプリンタに関連する記憶装置と出力キューを指定します。 アプリケーションを実行しているプロセスが, アプリケーションの出力をスプールされたプリンタに送ると,実際には, その出力は記憶装置の一時ファイルに送られます。 そのファイルがクローズされると,システムはそのファイルを, 関連付けられた出力キューに登録します。 出力ファイルを中間記憶装置にスプールしたり, そのファイルをキューに登録したりする作業に,ユーザが手を加えることはありません。

プリンタに直接出力を書き込むようなアプリケーションを使用する場合,プリンタをスプールすることをお勧めします。 また,特権付きユーザが間違って直接 LAT プリンタに書き込まないように, LAT プリンタをスプールすることをお勧めします。 LAT プリンタに直接書き込みを行った場合,そのプリンタを使用するキューが何らかの問題を起します。

図 14-9 「スプールされたデバイスを使用するときのキュー構成」 は,プリンタのスプールを使った構成の例です。 8.9.2.1 項 「プリンタのスプール指定」 で,どのようにプリンタをスプールするか説明します。

8.9.2.1 プリンタのスプール指定

プリンタをスプールするためには,DCL の SET DEVICE/SPOOLED コマンドを使用します。 このコマンドは,プリンタをディスクなどの記憶装置と出力キューに関連付けます。

プリンタのスプールは,関連するキューを開始する前に行う必要があります。

SET DEVICE/SPOOLED コマンドの形式は次のとおりです。

SET DEVICE/SPOOLED[=(キュー名 [:], 中間ディスク名 [:])] 出力装置名

中間ディスクとキューは必ず明示的に指定してください。 スプール出力装置に関連付けたキューが汎用キューの場合,装置に書き出されたファイルはそのキューに送られ,そのキューからターゲット・キューの 1 つにジョブとして書き込まれます。 このため,たとえば LPA0: 装置にコピーされたジョブは必ずしもプリンタ LPA0: でプリントされないことがあります。 この場合は,汎用キューの送り先である他のプリンタでプリントが行われます。

中間記憶装置を選択するとき,スプール出力量に見合う十分な未使用空間がその装置にあるか確認してください。 また,ディスク・クォータを設定する場合は,そのプリンタを使用すると予想されるすべてのユーザが,その中間装置に許可されたクォータを持っているか確認します。 中間装置をマウントしていないと,ファイルは書き込めません。

出力装置をスプール指定したら,その装置をテストします。 これは,実際にスプールを行わないかぎり,ディスク名やキュー名のエラーが検出されないためです。 こうしたテストについては,8.9.2.3 項 「スプールしたプリンタのテスト」 で説明します。

システムをブートするたびに出力装置を設定したい場合は, そのためのコマンド・プロシージャを作成することをお勧めします。 コマンド・プロシージャにスプール・デバイスを設定するコマンドを登録してください。 詳細は8.9.1 項 「プリンタ特性の設定」 を参照してください。

次は,プリンタをスプールするコマンドをスタートアップ・コマンド・プロシージャに登録する例です。 この例には,装置特性を設定するコマンドも含まれています。 このように,通常,プリンタをスプールするコマンドは,装置特性を設定するコマンドと一緒に登録します。

$! Set up and spool line printer devices
$!
$ SET PRINTER/PAGE=60/LOWERCASE/TRUNCATE LPA0:
$ SET PRINTER/LA11/UPPERCASE/WRAP LPB0:
$ SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPA0: [1]
$ SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPB0:
$!
$! Set up and spool LAT printers
$!
$   SET TERMINAL LTA331:/SPEED=9600/DEVICE=LN03 -
    /NOBROADCAST/NOECHO/HARDCOPY/NOTYPE_AHEAD/PERMANENT
$   SET DEVICE LTA331:/SPOOLED=(MKTG$LN03_1,SYS$SYSDEVICE)  [2]
$!
$   SET TERMINAL LTA332:/DEVICE=LA210/PAGE=66 -
    /NOBROADCAST/PERMANENT
$   SET DEVICE LTA332:/SPOOLED=(LA210$PRINT,SYS$SYSDEVICE) [3]
  1. 記憶装置 SYS$SYSDEVICE と キュー SYS$PRINT を関連付けることによって,出力キュー LPA0: をスプールする。 アプリケーションから LPA0: に出力が送られると,そのデータは, アプリケーションが終了するまで,一時的に記憶装置 SYS$SYSDEVICE に格納される。 この結果,そのアプリケーションの出力をプリントする準備ができるまで,他のジョブが出力装置 LPA0: を利用できる。 アプリケーションが終了すると,その出力はキュー SYS$PRINT に登録される。

  2. 記憶装置 SYS$SYSDEVICE とキュー MKTG$LN03_1 に関連付けることによって,LAT ポート LTA331: の LN03 装置をスプールする。

  3. 記憶装置 SYS$SYSDEVICE とキュー LA210$PRINT に関連付けることによって,LAT ポート LTA332: の LA210 装置をスプールする。

8.9.2.2 プリンタのスプール解除

装置に対するスプールを解除する必要があることもあります。 たとえば,SET TERMINAL コマンドは,スプールを解除した出力装置にしか実行できません。 出力装置のスプールを解除するときは, SET DEVICE コマンドに /NOSPOOLED 修飾子を指定します。

スプールを変更するためには,前もって対応するキューを停止しておく必要があります。

SET DEVICE/NOSPOOLED コマンドについての詳細は, 『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

8.9.2.3 スプールしたプリンタのテスト

出力装置をスプールとして設定したら,その装置をテストしてみてください。 これは,実際にスプールを行わないかぎり,ディスク名やキュー名の間違いが検出されないためです。 スプールした装置のテストには,次のようなコマンド・プロシージャを使用します。

$!          *****TESTING SPOOLED DEVICE***
$!
$! set the device spooled
$  SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT,SYS$SYSDEVICE:) LPA0:
$!
$! create a test file
$  CREATE TEST.LIS
     !Add the first test record here.
     !Ctrl/Z to exit the file
$!
$! write the file to the output device
$  COPY TEST.LIS LPA0:
$  EXIT

8.10 磁気テープ装置の管理

テープ装置の管理では,次の作業を行います。

作業 参照箇所

磁気テープ装置情報の取得

8.10.1 項 「磁気テープ装置情報の取得」

磁気テープ装置特性の変更

8.10.2 項 「磁気テープ装置特性の変更」

テープ装置上のボリュームの管理については, 9.2 項 「ドライブの割り当てと割り当て解除」 で説明します。

Fibre Channel テープ装置の管理については, 『OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。

8.10.1 磁気テープ装置情報の取得

システムで使用可能な磁気テープ装置を知りたい場合は, SHOW DEVICES コマンドを使用してください。 SHOW DEVICE/FULL コマンドを使うと,特定の磁気テープ装置の詳しい特性情報を得ることができます。

8.10.2 磁気テープ装置特性の変更

以降のファイル操作において磁気テープ装置の省略時の特性を変更する場合は,DCL の SET MAGTAPE コマンドを使用します。 現在他のユーザに割り当てられている装置は指定できません。

次は,MOUNT コマンドと SET MAGTAPE コマンドを組み合せた例です。

$ MOUNT MTB1:/FOREIGN
$ SET MAGTAPE MTB1:/DENSITY=800

MOUNT コマンドで MTB1: 装置にテープをマウントしている。 /FOREIGN 修飾子は,そのテープが OpenVMS オペレーティング・システムの標準形式ではないことを示している。 たとえば,BACKUP ユーティリティの中には,/FOREIGN 修飾子を付けてテープをマウントする必要のある操作がある。

SET MAGTAPE コマンドは,磁気テープへの書き込み密度を 800 bpi と定義する。 磁気テープに書き込みを行った後で,密度を変更することはできない。

$ MOUNT MTA0:/FOREIGN
$ SET MAGTAPE MTA0:/SKIP=FILES:4

MOUNT コマンドで MTA0: 装置にフォーリン磁気テープをマウントし, SET MAGTAPE コマンドで 4 つのファイルをスキップした位置に磁気テープを位置付けるよう入出力サブシステムに指示している。

$ MOUNT MTA1:/FOREIGN
$ SET MAGTAPE/REWIND MTA1:

MOUNT コマンドで MTA1: 装置にフォーリン磁気テープをマウントし, SET MAGTAPE/REWIND コマンド でボリュームを巻き戻している。

8.11 カード・リーダの管理 (VAX のみ)

VAX システムでは, コンピュータのカード・デックの読み取りに, CR-11 カード・リーダを使用します。 ユーザが処理することが可能なカード・デックは次の 2 種類です。

  • バッチ・ジョブ・カード・デック

  • データ・カード・デック

カード・デックを効率良く処理するためには,カード・リーダの特性と使い方をよく理解しておく必要があります。 以降の項では,デックをカード・リーダにかける前に調べておくべきことと,カードの問題について調べる方法を説明します。

8.11.1 カード・デック・タイプの確認 (VAX のみ)

カード・リーダにカード・デックをロードするにあたっては, 次のことを行ってください。

  • バッチ・ジョブ・デックとデータ・デックの区別。 両者の処理方法は異なる。

  • カード・リーダが正しい変換モードになっているかどうかの確認。

以降の項では,この 2 つの事項について説明します。

8.11.1.1 バッチ・ジョブ・カード・デック (VAX のみ)

バッチ・ジョブ・カード・デックは,次のセグメントから構成されます。

  • 初期カード

  • プログラム・カード

  • 最終カード

バッチ・ジョブ・カード・デックの最初の 2 枚のカードは $JOB と $PASSWORD カードです。 これらのカードはシステムにユーザをログインさせ,バッチ・ジョブをキュー登録します。 2 枚の初期カードに続くのは,プログラム・カードです。 プログラム・カードには, バッチ・ジョブの処理に必要なライブラリ,ルーチン,およびデータをシステムに指示する命令から構成されます。 最終カードは,$EOJ コマンドか,EOF カードのいずれかである必要があります。 どちらのカードも,ジョブの終わりをシステムに告げます。

入力チェック

$JOB と $PASSWORD カードがない場合,システムはジョブを実行することができません。 それらのカードがないカード・デックをユーザから受け取った場合は,返却し,両カードを加えてもらってください。

カード・デックにはユーザのパスワードが含まれますから,ユーザのアカウントの秘密が保たれるよう,デックは常に注意して扱う必要があります。

デックの最終カードは,$EOJ コマンドか EOF カードのいずれかである必要があります。

最終カードが上記のいずれかでない場合は,システム管理者がカード穿孔装置でカラム 1 に 12-11-0-1-6-7-8-9 とオーバパンチして終了カードを作成し,デックの最後に追加することも可能です。

出力チェック

カード・リーダがバッチ・ジョブ用に作成するログ・ファイルは, 省略時の設定では,システム・プリンタ・キュー SYS$PRINT に登録されます。 このログ・ファイルを別のキューに登録したい場合は, $JOB カードに /PRINTER 修飾子を指定します。

システムが $JOB と $PASSWORD カードの検証を試みているときにエラーが発生した場合は,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) からカード・オペレータに,ジョブ・カードとエラーを示すエラー・メッセージが送られます。

8.11.1.2 データ・カード・デック (VAX のみ)

データ・デックに入っているデータは,プログラムが読み込んだり,後で処理するためファイルにコピーされたりします。 通常,データ・デックを読み取るプロセスは,ターミナルにいる会話型ユーザか,会話型ユーザがキュー登録したバッチ・ジョブです。 ユーザもプロセスもすでにシステムにログインしているので,最初のカードには任意のデータを指定できます。 それ以上データを指定する場合は,あらかじめ読み取る枚数を指定しておくか,最後のカードに EOF カードを入れるかのいずれかの方法で,プログラムにデータの終わりを知らせる必要があります。

あるユーザがデータ・デックを読み込みたい場合,システム管理者は必ず, そのユーザがカード・リーダの割り当てを行うよう確認してください。 割り当てられなかった場合,システムはデータ・デックをバッチ・ジョブとしてキュー登録しようとします。 この結果,そのデータ・デックはカード・リーダからフラッシュされ,ジョブは拒否されます。

プログラムが指定された枚数を正確に読み取らなかった場合 (COPY コマンドと同様),EOF カードをデータ・デックの最後のカードにする必要があります。 これは,プログラムにデータ・デックの最後を知らせるためです。 EOF カードがなければ,プログラムは半永久的に次のカードを待ちます。 そして,オペレータ・ターミナルに “card reader off line” というメッセージを出します。 カード・デックに EOF カードがない場合は,システム管理者がカード穿孔装置で EOF カードを作成し,データ・デックの最後のカードとしてカード・リーダに入れてください。

8.11.1.3 カード・リーダの変換モードの設定 (VAX のみ)

システムが入力を正しく読み取るためには,カード・リーダが正しい変換モード,すなわち,デックの作成に使用されたカード穿孔装置のモードと同じモードに設定されている必要があります。 OpenVMS システムは,026 と 029 のカード穿孔装置をサポートしています。

カード・リーダを正しい変換モードに設定するには, 次の条件が確実に満たされているようにしてください。

  • デックの最初のカードが変換モード・カードであること。

  • カードが穿孔されたときのモードが判明していること。

同じタイプの大部分のデックについて,カード・リーダの変換モードの設定には,SET CARD_READER コマンドを使用することができます。 SET CARD_READER コマンドについての詳細は, 『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。 システムをブートしたときの省略時の変換モードは 029 です。

8.11.2 会話形式での入力シンビオントの実行 (VAX のみ)

OpenVMS レコード管理サービス (RMS) ファイルからカード・イメージ入力を受け取る入力シンビオントを会話形式で実行することができます。 手順は次のとおりです。

  1. 次の形式で DEFINE/USER コマンドを入力する。

    DEFINE/USER_MODE SYS$INPUT ファイル名

    たとえば,次のように入力する。

    $ DEFINE/USER_MODE SYS$INPUT SPECIAL_FILE.DAT
    
  2. 次のコマンドを入力する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:INPSMB
    

入力シンビオントを会話形式で実行するためには,次の権利が必要。

  • CMKRNL 特権

  • UAF に対する読み込みアクセス権

  • ユーザの省略時のディレクトリに対する書き込みアクセス権

すべてのメッセージは,カード・オペレータではなくターミナルに送られる。

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