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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V7.3-2
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:新機能概要
第 2 章:アップデート抄録
第 3 章:制限事項
第 4 章:リタイア情報
索引
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日本語 OpenVMS
V7.3-2 リリース・ノート


目次 索引

第 1 章
新機能概要

この章では,日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 の新機能およびアップデートされた機能を説明するとともに, V7.3-1,V7.3 の新機能およびアップデートされた機能について説明します。

1.1 日本語 OpenVMS Alpha V7.3-2 の新機能およびアップデートされた機能

日本語 OpenVMS V7.3-2 では以下の新機能の提供および品質の改善が行なわれています。

  • XTPU の UTF-8 端末入出力

  • 問題点の修正

    • JSYCP

    • FH driver

    • JMAIL

  • レイヤード・ソフトウェアのアップデート

  • オンラインヘルプのアップデート



1.1.1 XTPU の UTF-8 端末入出力

XTPU が端末に送受信するコード (キーボード・コードセット) を UTF-8 に設定できるようになりました。次のコマンドで設定します。

[Do] tpu set(keyboard_codeset,utf8)

1.1.2 ロケールデータファイルの提供

DEC 漢字 2000 コードセットをサポートするロケールである deckanji2000 のロケール定義ファイルおよびコンバータは, XPG4 ロケール・データ・ファイル・キットで提供されることになりました。これらのファイルはオペレーティング・システムのインストレーションの際に「日本語サポート」を選択した場合にインストールされます。

1.1.3 問題点の修正

本リリースでは, V7.3-1 あるいはそれ以前に発見された以下の問題点の修正が含まれています。

  • JSYCP のハング
    コマンドの処理中に Ctrl/Y を押すとプロセスがハングするという問題を解決しています。

  • FH driver のクラッシュ
    外字の表示中にシステムがクラッシュするという問題を解決しています。この修正は V7.3-1 ECO1 で提供されたものです。

  • JMAIL のデータ消失
    メッセージテキスト本文中に null 文字が含まれる場合, extract コマンドでファイルに出力すると null文字から行末までのデータが消えてしまうという問題を解決しています。

  • 日本語 EVE で空白の付加
    ファイルを保存する場合にカーソルが文字の存在しない部分(行末より右、バッファの終わりより下)にあるとそのカーソル位置まで空白が付加されてしまうという問題を解決しています。

  • XTPU における「ヴヵヶ」のひらがな変換および「"」「'」の全角変換
    これらの変換は DEC 漢字 2000 コードセット用の変換ですが,従来の DEC 漢字コードセット等でも変換できるようになっているという問題を解決しています。



1.1.4 レイヤード・ソフトウェアのアップデート

本リリースでは,以下のレイヤード・プロダクトをバンドルします。

Advanced Server V7.3A ECO2
日本語 DECprint Supervisor V2.1A
日本語 DECwindows Motif V1.3-1
日本語 TCP/IP Services V5.4
ESCPトランスレータ V1.1
ロケール・データファイル (VMSI18Nキット)


標準版の変更に合わせて,DCLの翻訳版オンラインヘルプがアップデートされています。

1.2 日本語 OpenVMS Alpha V7.3 および V7.3-1 の新機能およびアップデートされた機能

この節では,日本語 OpenVMS Alpha バージョン 7.3 およびバージョン 7.3-1 でアップデートされた機能と新機能について説明します。

日本語 OpenVMS Alpha バージョン 7.3-1 は,次の新機能を提供します。

  • 日本語 ESCPトランスレータ

日本語 OpenVMS Alpha バージョン 7.3 は,次の新機能を提供します。

  • 日本語環境設定ユーティリティ (JSY$CONTROL)

    • 日本語ファイル名の制御

    • ロケールの制御

    • かな漢字変換の制御

  • JIS X0213 第 3 水準サポート

    • コードセットおよびロケールの定義

    • PC ターミナル・エミュレータでの文字の表示

    • 主な JVMS ユーティリティ拡張機能

    • JSY ルーチン・サポート

  • JMAIL の機能拡張と問題点の修正

    • deckanji2000 コードセットのサポート

    • コマンドライン上での日本語入力のサポート

    • 日本語ファイル名の最大長の拡張

    • 日本語ファイル名の署名ファイルへの使用

    • 半角カナのファイル名のサポート

    • 非常に長い日本語を入力する場合の制限の解決

  • 日本語ファイル名の拡張

    • NAM での最大パス長の拡張

    • NAML での最大パス長の拡張

    • $CVT_FILENAME 問題点の修正

    • サブプロセスでの日本語ファイル名

    • BACKUP ユーティリティ日本語機能の標準版へのマージ

    • JSYSHR でのファイル名変換ルーチン

    • ISO Latin-1 句読文字

  • 日本語ターミナル・ドライバ

    • 漢字入力時のカラム位置

    • Telnet ログイン時の日本語行編集機能

  • 日本語メッセージの自動チェック



1.2.1 日本語 ESCPトランスレータ

日本語 ESCPトランスレータが日本語 OpenVMS にバンドルして提供されるようになりました。

日本語 ESCP トランスレータは OpenVMS システムから PRINT コマンドを発行して,ESC/P プリンタ (EPSON VP-1800 など) で印刷を行うためのソフトウェアです。詳しくは『日本語 ESCP トランスレータソフトウェア仕様書』を参照してください。

1.2.2 日本語環境設定ユーティリティ (JSY$CONTROL)

日本語 OpenVMS バージョン 7.2 で追加された JSY$CONTROL ユーティリティは,バージョン 7.3 で機能を大幅に拡張し,総合的な日本語環境設定ユーティリティになりました。

日本語環境設定ユーティリティ(JSY$CONTROL) は,日本語 OpenVMS の持つ,各種の日本語機能の設定を一括して制御します。以下の機能を制御できます。

日本語ファイル名の制御 (JSY$CONTROL)
日本語端末ドライバの制御 (KANJIGEN)
日本語テキスト表示ユーティリティの制御 (TYPE /PAGE=SAVE)
日本語 EVE エディタの制御 (JEVE/XTPU)
個人辞書の制御 (JSYKOJIN.JISHO, JSY$LEARN.DAT)
ロケールの制御 (LANG)
日本語ヘルプの制御 (JSY$SWITCH.COM)
IMLIB の制御 (IM$PROFILE)
日本語画面管理ライブラリの制御 (JSMG)

JSY$CONTROL ユーティリティでは,上記の機能を以下のカテゴリーに分けて,それぞれを一括して設定,変更,表示する機能を提供します。

日本語ファイル名の制御
ロケールの制御
かな漢字変換の制御

詳しくは『日本語ユーティリティ   利用者の手引き』を参照してください。

1.2.3 JIS X0213 第 3 水準サポート

2000 年 1 月に制定された JIS X 0213「 7 ビット及び 8 ビットの 2 バイト情報交換用符号化拡張漢字集合」をサポートします。なお日本語 OpenVMS V7.3 では第 3 水準 (Level 3) のみのサポートです。第 4 水準 (Level 4) については将来のバージョンでのサポートとなります。

日本語 OpenVMS V7.3 では,新しく DEC 漢字 2000 コードセットおよび deckanji2000 ロケールをサポートします。

DEC 漢字 2000 コードセットは,従来の Super DEC 漢字コードセットから JIS 補助漢字 (JIS X 0212) を取り除き,かわって JIS X 0213 を追加したものです。

表 1-1 deckanji2000 の仕様
文字集合 コード領域
C0 Control 00 〜 1F
ASCII/JIS X 0201 LH 20 〜 7F
C1 Control 80 〜 9F
第 1 〜第 3 水準 A1A1 〜 FEFE
第 4 水準 (future support) SS3 A1A1 〜 SS3 FEFE
半角カナ SS2 A1 〜 SS2 DF
ユーザー定義文字 A121 〜 FE7E

なお,半角カナは継続してサポートします。

日本語 OpenVMS V7.3 では新たに DEC 漢字 2000 コードセットのためのロケールとして deckanji2000 をサポートします。現在のロケールを deckanji2000 に設定すると,ロケールをサポートするアプリケーションで DEC 漢字 2000 コードセットを使用できます。

以下のロケール定義ファイルを提供します。

  • SYS$I18N_LOCALE:JA_JP_DECKANJI2000.LOCALE

また,以下のコンバータを提供します。

  • DECKANJI2000_EUCJP.ICONV

  • DECKANJI2000_ISO2022JP.ICONV

  • DECKANJI2000_SDECKANJI.ICONV

  • DECKANJI2000_SJIS.ICONV

  • EUCJP_DECKANJI2000.ICONV

  • ISO2022JP_DECKANJI2000.ICONV

  • SDECKANJI_DECKANJI2000.ICONV

  • SJIS_DECKANJI2000.ICONV



日本語 Compaq DECwindowws/Motif の漢字端末エミュレータ (JDECterm) 上で JIS X 0213 第 3 水準文字を表示するためのサンプル・フォント・ファイルを JSY$EXAMPLES ディレクトリに提供します。Level3 部分は,平成明朝フォントです。

  • JDECW_SCREEN_KANJI11_14_14_LEVEL3.PCF 14 ドット・フォント

  • JDECW_SCREEN_KANJI11_16_18_LEVEL3.PCF 18 ドット・フォント

  • JDECW_SCREEN_KANJI11_24_24_LEVEL3.PCF 24 ドット・フォント

  • JSY$JISLEVEL3TRIAL.COM  設定用コマンド・プロシージャ

サンプル・フォント・ファイルを有効にするためには,システム・マネージャ・アカウントでログインし,以下のコマンドを入力します。


    @ JSY$JISLEVEL3TRIAL.COM ENABLE    

コマンド実行後に起動される漢字端末エミュレータでは,サンプル・フォント・ファイルが有効になります。なお,この設定はシステム全体で有効になるため,特定のユーザのみがサンプル・フォント・ファイルを使うことはできません。

サンプル・フォント・ファイルを無効にするためには,システム・マネージャ・アカウントでログインし,以下のコマンドを入力します。


    @ JSY$JISLEVEL3TRIAL.COM DISABLE    

平成明朝フォントの使用について:

この書体は,日本ヒューレット・パッカード株式会社が(財)日本規格協会と使用許諾契約を締結して使用しているものです。フォントとして無断複製することは禁止されています。



日本語 Windows ME/98 上のサード・パーティ製ターミナル・エミュレータで, JIS X 0213 第 3 水準文字を表示するためには,以下のフリーのフォントをご利用ください。

  • Habian 2000 TrueType font

  • 拡張 Watanabe 明朝 (Kandata3) TrueType font



日本語 OpenVMS の持つ以下のユーティリティでは JIS X 0213 第 3 水準をサポートします。

  • CLIUTL
    $ TYPE コマンドによって日本語テキスト・ファイルを表示する場合に, JIS X 0213 第 3 水準のサポートを行います。/PAGE=SAVE 修飾子を使用した場合も,正常に JIS X 0213 第 3 水準の表示を行うことができます。
    なお,検索機能は日本語をサポートしていません。

  • JEVE/XTPU
    日本語エディタでの JIS X 0213 第 3 水準サポートを行います。対象は deckanji2000 コードセットとします。 JIS X 0213 の規格票にある Shift_JISX0213 コードセットはサポートしません。

  • JMAIL
    日本語メール・ユーティリティによって JIS X 0213 第 3 水準を含むテキストの送受信をサポートします。これに伴い, JMAIL ユーティリティのコマンド行は日本語 SMG を使用するように変更されました。
    ただし,サポートするのは DECnet の MAIL11 プロトコルを利用した場合のみとし, SMTP を利用した場合は対象外とします。

  • JSMG
    日本語画面管理ライブラリでの JIS X 0213 第 3 水準の入出力をサポートします。ただし,日本語画面管理ライブラリでは Super DEC 漢字コードセットと DEC 漢字 2000 コードを区別しません。JIS X 0213 第 3 水準を使用する場合は,文字集合の指定に SDK を指定してください。



JSYSHR.EXE の持つ各種日本語ルーチンは,JIS X 0213 第 3 水準をサポートします。以下のルーチンは JIS X 0213 第 3 水準サポートのために内部が拡張されています。

  • JSY$CHG_KANA_DAKU

  • JSY$CHG_KANA_FULL

  • JSY$CHG_KANA_HALF

  • JSY$CHG_KANA_HIRA

  • JSY$CHG_KANA_KANA

  • JSY$CHG_KANA_KATA

  • JSY$CHG_ROM_CASE

  • JSY$CHG_ROM_HALF

  • JSY$CHG_ROM_LOWER

  • JSY$CHG_ROM_UPPER



JIS X 0213 第 3 水準文字が追加されたシステム辞書 (JSY$TANGO.JISHO) をサンプルとして提供します。サンプル辞書を使用するためには,次のように論理名を定義してください。


    $ DEFINE JSY$TANGO JSY$EXAMPLES:JSYTANGO.JISHO    

論理名はプロセス単位に設定できます。サンプル辞書の使用を終了したら,論理名を削除してください。

なお,サンプル用システム辞書を使用すると個人辞書ファイル (JSYKOJIN.JISHO) に JIS X 0213 第 3 水準文字が学習されるため,論理名を削除しても第 3 水準文字が漢字変換の候補として表示されてしまう場合があります。個人辞書への学習を避けるためには,論理名 JSY$KOJIN_MODE を 2 に定義して,個人辞書参照モードに設定してください。

システム辞書と個人辞書の詳細については『日本語ライブラリ利用者の手引き』の「かな漢字変換辞書」の節を参照してください。

1.2.4 JMAIL の機能拡張と問題点の修正

日本語 OpenVMS V7.3 の JMAIL は,deckanji2000 コードセット対応のための拡張と,日本語ファイル名のサポートの充実のための修正が行なわれています。

日本語 OpenVMS V7.3 でサポートされた deckanji2000 コードセットをサポートします。メールの本文中に JIS X 0213 第 3 水準文字を含んだメールを送受信できます。ただし,サポートするのは DECnet の MAIL11 プロトコルを利用した場合のみです。SMTP ではサポートされません。

注意

メール中に第 3 水準文字を含める場合は,あらかじめメールを受け取る相手が第 3 水準文字を読むことができることを確認してください。



JMAIL のコマンドライン (JMAIL> プロンプト ) での日本語かな漢字変換ができるようになりました。これにより日本語ファイル名の入力が可能になります。

この拡張により JMAIL> プロンプトでの入力は,論理名 IM$PROFILE で指定された日本語かな漢字変換キーパッドに従います。

論理名 IM$PROFILE に TARO キーパッドが指定されている場合など, JMAIL> プロンプトでの日本語かな漢字変換による問題が発生する場合には,論理名 JMAIL$COMMAND_CODESET を OLD と定義することで,漢字変換キーパッドを無効にすることができます。

SEND や EXTRACT 等のコマンドに指定できるパス指定は,最大 4,095 バイト ( すべて全角文字の場合は 2047 文字 ) までサポートします。またファイル名の最大長は,XQP と同じ全角 118 文字をサポートします。

署名ファイルに対して日本語ファイル名を指定できます。

【例】


 
    JMAIL> SET SIGNATURE_FILE USER$:[MYDIR]営業2課^_山田太郎.TXT 
 



EXTRACT や EDIT 等のコマンドの _File: プロンプトに対して半角カナを入力しようとすると,入力が無視されてしまう問題を解決しました。




JMAIL> プロンプトや _File: プロンプトなどで非常に長い日本語を入力した場合, 2 行目以降のカラム位置の計算が不正確になったり,または 2 行目に改行されずに何もエコーバックされなくなる等の問題が発生していましたが,これらの問題は全て解決されています。

1.2.5 日本語ファイル名の拡張

日本語 OpenVMS V7.2 でサポートした日本語ファイル名が拡張され,より使いやすくなりました。

RMS の従来のデータ構造体である NAM を使った場合,日本語 OpenVMS V7.2 および V7.2-1 では最大 42 文字までの日本語パス指定しかサポートされていませんでした。

V7.3 ではこれを拡張し,NAM の最大データ長である 255 バイト ( すべて全角文字の場合は 127 文字 ) のパス指定をサポートします。

またファイル名の最大長は,XQP と同じ全角 118 文字をサポートします。


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