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OpenVMS マニュアル


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OpenVMS V7.3-2
ライブラリ

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目次
まえがき
第 1 章:はじめに
第 2 章:入出力について
第 3 章:文字/文字列/引数リスト関数
第 4 章:エラー処理とシグナル処理
第 5 章:サブプロセス関数
第 6 章:Curses画面管理関数とマクロ
第 7 章:算術関数
第 8 章:メモリ割り当て関数
第 9 章:システム関数
第 10 章:国際化ソフトウェアの開発
第 11 章:日付/時刻関数
付録 A:各OSバージョンでサポートする関数一覧
付録 B:非標準ヘッダに複製されているプロトタイプ
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OpenVMS
HP C ランタイム・ライブラリ・リファレンス・マニュアル (上巻)


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これらの関数では,対応する構造体に関して同様の変換は行われません。この動作は,これらの構造体が OpenVMS Version 7.3-2 までは /POINTER_SIZE=LONG でコンパイルした場合も 32 ビット・バージョンとしてのみ存在していたために必要となります。構造体のサイズを変更すると,予測できない実行時エラーが発生することになります。

これらの関数の標準バージョンを使用するプログラムを64 ビット・サポートのためにコンパイルする場合,関連する構造体の64 ビット固有定義を使用する必要があります。標準の関数名および標準の構造体定義を使用するプログラムを /POINTER_SIZE=64 を指定してコンパイルすると,コンパイラ PTRMISMATCH 警告メッセージが発生します。

たとえば次のプログラムは, addrinfo構造体の標準の定義とともに getaddrinfoおよび freeaddrinfoルーチンを使用しています。このプログラムをコンパイルすると,次のような警告メッセージが表示されます。


$ type test.c 
#include <netdb.h> 
 
int main () 
{ 
    struct addrinfo *ai; 
 
    getaddrinfo ("althea", 0, 0, &ai); 
    freeaddrinfo (ai); 
    return 0; 
} 
 
$ cc /pointer_size=64 TEST.C 
 
    getaddrinfo ("althea", 0, 0, &ai); 
....^ 
%CC-W-PTRMISMATCH, In this statement, the referenced type of the pointer value 
"&ai" is "long pointer to struct addrinfo", which is not compatible with "long 
pointer to struct __addrinfo64". 
at line number 7 in file TEST.C;1 
 
    freeaddrinfo (ai); 
....^ 
%CC-W-PTRMISMATCH, In this statement, the referenced type of the pointer value 
"ai" is "struct addrinfo", which is not compatible with "struct __addrinfo64". 
at line number 8 in file TEST.C;1 
$ 

64 ビット用にコンパイルする場合は, 64 ビット固有バージョンの構造体を使用する必要があります。前の例の ai構造体の宣言を次のように変更します。


struct __addrinfo64 *ai; 

あるいは,32 ビットと 64 ビットで柔軟にコンパイルできるようにするために,次のように ai構造体を宣言します。


#if __INITIAL_POINTER_SIZE == 64 
    struct __addrinfo64 *ai; 
#else 
    struct __addrinfo32 *ai; 
#endif 



1.10.4.4 32 ビット・ポインタに制限される関数

HP C RTL の中の若干の関数は 64 ビット・ポインタをサポートしません。これらの関数に 64 ビット・ポインタを渡そうとすると,コンパイラは %CC-W-MAYLOSEDATA 警告を生成します。 /POINTER_SIZE=64 を指定してコンパイルしたアプリケーションでは, 64 ビット・ポインタをこれらの関数に渡さないように変更する必要があります。

表 1-8 は,32 ビット・ポインタに制限される関数を示しています。 HP C RTL では,これらの関数に対して 64 ビットのポインタはサポートされません。これらの関数では 32 ビット・ポインタだけを使用するように注意しなければなりません。

表 1-8 32 ビット・ポインタに制限される関数
atexit frexp ioctl setbuf
execv getopt modf setstate
execve iconv putenv setvbuf
execvp initstate    

表 1-9 は,関数呼び出しの処理の一部としてユーザ指定関数に対するコールバックを作成する関数を示しています。コールバック・プロシージャには 64 ビット・ポインタは渡されません。

表 1-9 32 ビット・ポインタのみを渡すコールバック
decc$from_vms decc$to_vms
ftw tputs



1.10.5 ヘッダ・ファイルの読み込み

ここでは, HP C RTL ヘッダ・ファイルで使用されるポインタ・サイズの操作について説明します。これらのヘッダ・ファイルの読み込みについてより理解を深め,各自のヘッダ・ファイルを変更するのに役立つように,次の例を使って説明します。


#1

: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE (1)
#   if (__VMS_VER < 70000000) || !defined __ALPHA (2)
#      error " Pointer size usage not permitted before OpenVMS Alpha V7.0" 
#   endif 
#   pragma __pointer_size __save (3)
#   pragma __pointer_size 32 (4)
#endif 
: 
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE (5)
#   pragma __pointer_size 64 
#endif 
: 
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE (6)
#   pragma __pointer_size __restore 
#endif 
: 
 
 

/POINTER_SIZE 修飾子をサポートするすべての HP C コンパイラでは, __INITIAL_POINTER_SIZEマクロがあらかじめ定義されています。 HP C RTL ヘッダ・ファイルは,マクロが定義されていない場合,暗黙の値として 0 を使用するという ANSI の規則に従います。

/POINTER_SIZE 修飾子が使用された場合は,マクロは 32 または 64 として定義されます。修飾子が使用されない場合は,マクロは 0 として定義されます。 (1) に指定されている文は,「ユーザが /POINTER_SIZE=32 または /POINTER_SIZE=64 をコマンド・ラインに指定した場合」と考えることができます。

OpenVMS の多くのバージョンでは, C コンパイラがサポートされます。 (2) に示した行は,コンパイラの対象が 64 ビット・ポインタをサポートしないプラットフォームの場合,エラー・メッセージを生成します。

ヘッダ・ファイルでは,ヘッダ・ファイルが取り込まれたときに有効な実際のポインタ・サイズ・コンテキストに関して,何も仮定することができません。さらに, HP C コンパイラでは, __INITIAL_POINTER_SIZEマクロとポインタ・サイズを変更するための機能だけが提供され,現在のポインタ・サイズを判断するための方法は提供されません。

ポインタ・サイズに依存するすべてのヘッダ・ファイルは,ポインタ・サイズ・コンテキストの保存 (3),初期化 (4),変更 (5),復元 (6) を行う責任があります。

#2

: 
#ifndef __CHAR_PTR32 (1)
#   define __CHAR_PTR32 1 
    typedef char * __char_ptr32; 
    typedef const char * __const_char_ptr32; 
#endif 
: 
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE 
#   pragma __pointer_size 64 
#endif 
: 
: 
#ifndef __CHAR_PTR64 (2)
#   define __CHAR_PTR64 1 
    typedef char * __char_ptr64; 
    typedef const char * __const_char_ptr64; 
#endif 
: 
 
 

一部の関数プロトタイプでは, 64 ビット・ポインタ・サイズ・コンテキストで 32 ビット・ポインタを参照しなければなりません。また,32 ビット・ポインタ・サイズ・コンテキストで 64 ビット・ポインタを参照しなければならない関数プロトタイプもあります。

HP C は, typedefが作成されるときに, typedefで使用されるポインタ・サイズをバインドします。 __char_ptr32typedef宣言 (1) は, 32 ビット・コンテキストで行われます。 __char_ptr64typedef宣言 (2) は 64 ビット・コンテキストで行われます。

#3

: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE 
#   if (__VMS_VER < 70000000) || !defined __ALPHA 
#      error " Pointer size usage not permitted before OpenVMS Alpha V7.0" 
#   endif 
#   pragma __pointer_size __save 
#   pragma __pointer_size 32 
#endif 
: 
(1)
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE (2)
#   pragma __pointer_size 64 
#endif 
: 
(3)
: 
int abs (int __j); (4)
: 
__char_ptr32 strerror (int __errnum); (5)
: 
 
 

64 ビット・ポインタをサポートする関数プロトタイプを宣言する前に,ポインタ・コンテキストは 32 ビット・ポインタから 64 ビット・ポインタに変更されます (2)

32ビット・ポインタに制限される関数は,ヘッダ・ファイルの 32 ビット・ポインタ・コンテキスト・セクション (1) に配置されます。他のすべての関数は,ヘッダ・ファイルの 64 ビット・コンテキスト・セクション (3) に配置されます。

ポインタ・サイズの影響を受けない関数 ((4)(5)) は 64 ビット・セクションに配置されます。 32 ビットのアドレス戻り値以外はポインタ・サイズの影響を受けない関数 (5) も 64 ビット・セクションに配置され,前に説明したように, 32 ビット固有の typedefを使用します。

#4

: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE 
#   pragma __pointer_size 64 
#endif 
: 
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE == 32 (1)
#   pragma __pointer_size 32 
#endif 
: 
char *strcat (char *__s1, __const_char_ptr64 __s2); (2)
: 
#if __INITIAL_POINTER_SIZE 
#   pragma __pointer_size 32 
    : 
    char *_strcat32  (char *__s1, __const_char_ptr64 __s2); (3)
    : 
#   pragma __pointer_size 64 
    : 
    char *_strcat64  (char *__s1, const char *__s2); (4)
    : 
#endif 
: 
 
 

この例では, 32 ビット・インプリメンテーションと 64 ビット・インプリメンテーションの両方が用意されている関数の宣言を示しています。これらの宣言はヘッダ・ファイルの 64 ビット・セクションに配置されます。

関数に対する通常のインタフェース (2) は, /POINTER_SIZE 修飾子に指定したポインタ・サイズを使用して宣言されます。ヘッダ・ファイルは 64 ビット・ポインタ・コンテキストに配置され, (1) に示した文が指定されているため, (2) の宣言は,/POINTER_SIZE 修飾子と同じポインタ・サイズ・コンテキストを使用して行われます。

32 ビット固有のインタフェース (3) は 32 ビット・ポインタ・サイズ・コンテキストで宣言され, 64 ビット固有のインタフェース (4) は 64 ビット・ポインタ・サイズ・コンテキストで宣言されます。


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