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VAX & VMSものがたり


第12章 クラスタの王者の登場

顧客のアプリケーションが成長するに伴い、業界全体でコンピュータ需要が増大していました。 より大きなコンピューティングパワーを提供する一つの方法は、 当時の技術的限界まで巨大で高速なシステムを構築することでした。 DECは、顧客が必要とする分散処理のメリットを犠牲にすることなく、 より多くのパワーを提供できる別な解決法を提案しました。それがクラスタリングでした。

DECが考案したクラスタリングは、単一のコンピュータシステムで提供可能な メインストリームコンピュータ製品を使用して、高度な可用性とスケーラビリティを 提供するための代替手法として広く受け入れられました。 実際、DECのOpenVMSクラスタは他のすべてのクラスタを比較する場合の基準となりました。 クラスタ化により、単一システムを拡張したりアップグレードする方法に代えて、 スケーラビリティという新しい広がりがもたらされ、 これにより使用中の既存のシステムをクラスタとして組み合わせて、 コンピューティングパワーを増強し、データとアプリケーションの高可用性を高める経済的な方法を提供しました。


VAXclusterの発表

1983年5月にDECはVAXclusterを発表しました。VAXclusterはVAXプロセッサを相互に緩やかに結合し、 VAXコンピュータが単一システムとして動作することを可能としました。 これにより、VAXの特長を大容量、高可用性のアプリケーションにまで広げることができました。

写真:VAXClusterは業界初のクラスタ機能をもつ製品でした。 VAXClusterはVAXプロセッサをつなぎ、VAXコンピュータが1つのシステムとして動作することを可能とし、 VAXの特性を高可用性アプリケーションに広げました。


OpenVMSクラスタ

何年もかけVAXclusterはVMSclusterに、そして今日VAXとAlphaシステムのOpenVMS Clusterに進化しました。 現在OpenVMS Clusterは、業界で比較するものがありません。世界中の株式取引、 電子資金振替処理のほとんどは、OpenVMS Clusterにより実行されています。

OpenVMS ClusterはVAXとAlphaシステム、アプリケーション、システムソフトウェア、 記憶装置によって構成された高度に統合されたシステムです。 デスクトップからデータセンターまでの大きさのシステムを接続して、1つのOpenVMS Clusterを構成できます。 OpenVMS Clusterソフトウェアにより、プリンター資源、記憶装置、 プリントキューとバッチ キューを共有する管理しやすいバーチャルシステムとして動作します。

OpenVMS Clusterは、集中システムと分散システムの両方の最高のメリットと、 さらにメインフレームを超えるパワーというメリットを、非常にわずかなコストで提供します。 また顧客の必要性に応じて追加したり分割することが可能です。

Datamation 1995年8月15日号

 

「(Open)VMSは今もクラスタの王者です。DECのテクノロジーは、 今でも他のクラスタ手法を比較する場合の基準です」

 

ローカルエリア VAXcluster

1986年にDECは、分散処理をワークグループに広げ、クラスタの相互接続に Ethernetを利用したローカルエリアVAXclusterを発表しました。

ローカルエリアVAXclusterによってVMSはそのクラスタテクノロジーをNIまで広げました。 CIインターフェイスは大型で高価なVAXシステムだけで使用可能な大型で高価なコントローラでした。 そのことと、CI上では16システムという当時の制限によりCIクラスタは大きな「コンピュータルーム」用の VAXシステムに限定されました。またクラスタがアクセスできるすべての記憶装置は、 直接CIに接続する必要がありました。MicroVAXとVAXワークステーション(1984年、クラスタと同時に)の到来により、 より小型のVMSシステムを多数接続して、クラスタを構成するという要求が起こりました。

この要求に応えるために、DECはVMSに変更を加え、クラスタ通信プロトコルがNI上で動作できるようにしました。 小型のVAXシステムではNIだけが利用可能な相互接続手段でした。さらにクラスタ上のすべての記憶装置が、 クラスタのメンバーすべてからアクセスできるソフトウェアが導入されました。 これによりNIのクラスタメンバーも、直接接続されていないにも関わらず、 HSCベースのディバイスにアクセスできるようになりました。

比類なきOpenVMSクラスタのメリット

 
  • ハイ アベイラビリティ
    複合接続システムによるデータとアプリケーションへのアクセスの保証

  • 成長の容易性
    ビジネスの変化に応じて、1つのクラスタは2システムから96システムまでの、いくつでも構成できます。

  • シェアド アクセス
    すべてのユーザーはクラスタ内のアプリケーション、記憶装置、プリンタにアクセスできます。

  • 管理の容易性
    クラスタ全体を、単一のシステムとしてリモートまたはオンサイトで管理できます。

  • 投資保護
    既存システムを新しいVAXとAlphaテクノロジーと組み合わせて一つのクラスタに統合できます。

  • 複数の相互接続方法
    クラスタはCI、DSSI、SCSI、NI、FDDIなどの多くの相互接続手段によって構成することができます。

  • 自動キャッシュ
    パフォーマンスを向上しI/O動作を減少させます。

  • DECamds
    リソース可用性をリアルタイムでモニターし管理できるオプションの可用性管理ツールです。

  • ロック マネージャ サービス
    ファイルやそのデータを喪失したり損傷することなく、リソースやファイルへのアクセスを信頼性高く実現します。
 

より多くの相互接続手段でクラスタをサポート

それ以来、DECはクラスタ接続をサポートするより多くの接続方法を追加してきました。

  • FDDI
    業界標準の光ファイバー接続で、イーサネットよりも約十倍高速。FDDIはまた、 多くのコモンキャリヤの通信メディアのブリッジへのアクセスを可能とし、 長距離のクラスタ接続を可能にしました。
  • DSSI
    最高3つのVMSシステムの接続と、少数の直接接続ディスクを可能とした低コストのCI。
  • メモリチャネル
    相互に近接したVMSシステム間の非常に高速なダイレクトメモリアクセスパス。

ロバを追加する

 

農業と似ています。畑をもっと耕すには、自分のロバをもっと長く懸命に働かせるか、 年老いたロバを、より強力で大きいロバと取り替えることができます。 もう一つの方法はロバをもう一頭購入してチームに加えることです。

処理を分散するためにクラスタ化する、または複数のコンピュータを結びつけることは、 ちょうどロバをもう一頭結びつけることに似ています。 そして3頭、4頭と増えて行きます。顧客はそれまでの投資を維持したまま、さらに成長できます。

 

フォールト トレラントおよびディザスタトレラントのシステム

ちょうどクラスタリングがネットワーキングによって生まれたように、 フォールトトレラントおよびディザスタトレラントのシステムは、 クラスタリングから生まれました。

クラスタは、ハイアベイラビリティを提供しますが、フォールトトレラントではありません。 クラスタリングは、24時間365日のサービスを保証したアベイラビリティを提供することによって、 フォールトトレラントおよびディザスタトレラントなシステムの開発を可能にしました。 フォールトトレラントシステムは、いわゆるファイブナインのアベイラビリティを提供します。 つまり、システムが99.999パーセントの時間、動作可能であることを意味します。 フォールトトレラントシステムでは、装置の故障が発生した場合でも、アプリケーションは処理を継続できます。 システムは、障害が発生しても再起動やブートのために待機する必要がありません。 というより、故障発生時点から冗長ペアが動作し、その間に装置の故障部分が落とされるのです。 この種のアベイラビリティは、特定の状況において必要とされます。 たとえば、110番や119番の緊急サービス、金融/株式市場のトランザクション、 航空管制、および原子炉監視などです。フォールトトレラントなアプリケーションは、 コンピュータが数分間以上停止した場合に、大損害を引き起こすような場合に必要です。 フォールトトレラントのフェイルオーバが1分以内に起こり、データの喪失はありません。

複数のサイトにクラスタされたシステムは、ディザスタトレラントなアプリケーションで利用されます。 ディザスタトレラントシステムは、テロリズム、火災、地震、洪水などの人為的災害や自然災害に備えて準備されます。 こうした状況はすべて、コンピュータルームを破壊する可能性があります。 データを他の場所に送出できるバックアップシステムがあれば、システムは機能し続け、 中断によるデータやビジネスの損失を防ぐことができます。 2つの別々なフォールトトレラント システムを2箇所でクラスタ結合することによって、 サイトの多様性と災害から離れたサイトへの自動フェイルオーバを可能にします。 一方のサイトが破壊された場合でも、他方のサイトがオペレーション引き継いで継続するので、 一時も停止することはありません。


OpenVMS Clusterは、クラスタの王者として支配し続ける

今日、65,000台以上のOpenVMS Clusterシステムが、証券取引、ファームバンキング、 医療、電気通信、製造などのクリティカルアプリケーションのための 継続的な運用ソリューションの中核に利用されています。 14年間以上、継続的運用環境を提供してきたOpenVMS Clusterシステムに匹敵するソリューションは他にありません。 OpenVMS Clusterシステムだけが、大規模な自然災害や人為的災害時でも最大800kmの距離で継続動作を可能にし、 最大限のデータおよびトランザクションの完全性と迅速な回復を保証します。OpenVMS Clusterシステムは、 「ローリングアップグレード」をサポートしているため、動作を中断させることなく、 システムプロセッサ、ボード、周辺機器、オペレーティングソフトウェア、データベース、 およびプログラムモジュールを交換、アップグレード、アップデートすることが可能です。

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