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VAX & VMSものがたり


第7章 ネットワーキング

DECは、顧客が種々のシステムを結び、その機能を統合する手段を必要としていることを開発当初から認識していました。 このニーズを解決するため、早くも1972年には、このネットワーク分野で研究を開始しました。 そしてこのとき、大規模なメインフレームと同等のパワーを得るため、 多数のミニコンピュータを接続したマルチプロセッサを開発しました。

1975年までに、DECはネットワーキングの設計と開発を行うグループを組織しました。 このグループの目標は、すべてのコンピュータファミリの絶対的な互換性と相互接続性を達成することでした。 初期の成果は、レイヤ化したプロトコルを実現した、DIGITALネットワークアーキテクチャでした。 この方法はシステムを接続するための最新のテクノロジーとされ、DECは業界の第一人者となりました。


DECnet

1974年に、DECは分散処理用の業界初の製品であるDECnetを発表しました。 ゴールの1つは、ネットワークを使用し易くして、多数の顧客がネットワークを より大規模に利用できるようにすることでした。

VAXとVMS V1.0 DECnetは、VMSオペレーティングシステムの最初の顧客出荷に間に合い、 VAX-11/780の成功に非常に貢献しました。

端末とホストとの接続に重点を置いたそれまでのネットワーキングとは異なり、 DECnetは初めてピアツーピアのネットワーキングを提供しました。 これはクライアント/サーバのコンピューティングモデルへの重要なステップでした。 DECは最良で安価な分散コンピューティングソリューションを開発し、 この技術で業界のリーダになりました。

DECnetは、DECのシステムを柔軟性に富んだネットワークで接続して、 変化する要求に対応することができました。これで同じ組織レベルのコンピュータ間で直接通信ができ、 階層構造にしたり専用のホストコンピュータを導入する必要はありませんでした。 DECのネットワークは、IBMの硬直的で階層構造の製品とは異なり、 モジュラー方式で柔軟でした。かつ、他ベンダーのコンピュータも接続でき、 異なるコンピュータシステム間で一定の互換性を提供しました。これには業界で匹敵するものがありませんでした。

長期間にわたり、DECnetは5つのフェーズを通じて進化しましたが、 各フェーズは次フェーズと前フェーズとも機能するように設計されていました。 また、DECは主要なネットワーキングの標準作成に貢献し、OSIやTCP/IPなどの重要な標準をDECnetに統合しています。


イーサネット

イーサネット通信がDECnetフェーズ IVに統合されて、DECnetユーザは自分達のネットワークを イーサネットのローカルエリアに拡張することができました。

イーサネットの時代は、まったく新らしいコンセプトをネットワーキングにもたらしました。 ローカルエリアネットワークの推奨方式としてイーサネットを制定することにより、 DECはXeroxとIntelと共同でイーサネットの標準仕様を設定しました。 3社は協同してイーサネット標準を設定し、ローカル エリアネットワークの一般化を主導しました。 イーサネットは中速度で長距離のネットワークとなり、1キロメートルも離れたコンポーネントを接続しました。


CI、NI、BIインターコネクト

DECは、種々のインプリメンテーション レベルでコンピュータシステムのコンポーネントを 相互に接続するための戦略を説明するために、CI、NI、BIという新たな用語を造りました。

  • NI
    Network Interconnect。ネットワーク内のコンピュータ間を接続する最も高レベルの相互接続でした。 NIはすぐにイーサネットと同義になりました。イーサネットは、最高1,000個までの接続と 1.5マイル規模のローカルエリア ネットワークの構築が可能でした。

  • CI
    Cluster Interconnect。CIも個々のコンピュータシステムを接続しました。 NIとは対照的に、これは半径90フィートの範囲に最高で16システムまでという小さい構成が可能でした。 CIは規模では十分ではありませんでしたが、速度でこれを補い、NIの10倍以上の通信が可能でした。 DECはCIに接続されたストレージ制御装置を開発しましたが、 これはクラスタVMSシステムの基となりました(次のセクションを参照)。

  • BI
    Backplane Interconnect。 バックプレーンは、単一キャビネット内のコンピュータシステムのコンポーネントの接続に使用されました。 BIは、すべてのPDP-11と初期のVAXシステムで使用されたUNIBUSのさらに高速な代替品として開発されました。 VAX8200とVAX8300は、そのネイティブな相互接続(例えば、I/Oとメインメモリ)として、 BIを使用しました。後のVAX(他の8000と6000シリーズ)ではBIを使用して、I/Oコントローラを接続しました。

  • SI
    Storage Interconnect。ストレージ デバイス(ディスクやテープ)とその制御装置間の標準的な接続。

  • XI
    すべての相互接続。NIとCIを置き換える将来の相互接続インターフェイスであり、 上記のいずれよりも高速で大規模でした。XIのようなものは最終的にFDDIで実現されましたが、 CIもNIも置き換えることはありませんでした。

ネットワーキングの次の必然的なステップは、コンピュータクラスタでしたが、 この概念はDECが最初でした。現在、DECはクラスタリングにおいて業界のリーダとしての地位を維持しています。



DECnetの5つのフェーズ

  1. フェーズ I
    ポイントツーポイント(直接ワイヤ接続)とタスク間(顧客アプリケーションを ネットワークプロトコルで相互に通信するように作成)

  2. フェーズ II
    リモート ファイル アクセスと一般的なタスクアクセスを追加(すなわち、 アプリケーションがリモートシステム上のコマンド プロシージャを起動)。このバージョンは、 VMS V1.0によりサポートされ、VMSには最初からリモート ファイルアクセスが、 基本ファイル システムに組み込まれました。

  3. フェーズ III
    ルーチング機能の追加。これは、DECnetを通じて通信するのに、 2つのシステム間を直接ワイヤ接続する必要がもはやないことを意味しました。 ネットワークトラフィックは複数の中間のルーチング ノードにより、2つのシステム間を転送されます。 SET HOST(リモートのシステムに対話的にログインする機能)とMAIL(企業の電子メールの発端)も提供しました。

  4. フェーズ IV
    イーサネットサポートの追加。イーサネットは、ポイントツーポイントの配線を不要にして、 多数のシステムがローカルエリアネットワーク内の単一のワイヤに接続できるようなりました。 フェーズ IVはより大きなアドレスとエリア(電話のエリアコードと類似)の概念も提供しました。 これで、ネットワークを65,000ノードまで拡大できました。

  5. フェーズ V
    OSI標準のネットワーキングをDECnetに統合しました。 OSIアドレッシングを使用すると、無制限のアドレス空間/ノード数をサポートし、 大きなローカルファイルを使用すると100,000ノードをサポートしました。
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