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VAX & VMSものがたり


第5章 期待以上の市場での評価

最初のVAXとVMSシステムの出荷

新しい対話型アーキテクチャの計画に、設計チームが取り掛かってから約18月後、 最初のマシンが製造現場を出て顧客サイトに出荷されました。

最初のVAX-11/780はカーネギー メロン大学にインストールされ、50以上の顧客に出荷されました。 1978年には、VAX-11/780はスイスのCERN、ドイツのマックスプランク研究所に設置され世界的に受け入れられました。


産業界への主な貢献

1977年10月に、新しいアーキテクチャのハードウェアと新しいアーキテクチャのオペレーティングシステムを 発表することによって、DECは産業界に大きな貢献をしました。 VAXアーキテクチャがコンピューティングにもたらした主な進歩の1つは、 アーキテクチャレベルでコンピュータ間相互通信の計画があったことでした。 DECは既存の同種アーキテクチャ間で通信するコンピュータの機能を開発しただけではなく、 個人のワークステーションのレベルから高性能のシステムまでのすべての範囲の コンピュータに対する計画を持っていました。そして、これらはすべて同種のアーキテクチャを持っていました。

  レーガン大統領が、社長/CEOのKen Olsenと共にDECのVAX製造工場を訪問
レーガン大統領が、社長/CEOのKen Olsenと共に
DECのVAX製造工場を訪問

変化に対する抵抗に勝利

VAXとVMSシステムが1978年に使用可能になったとき、顧客は32ビットアーキテクチャの必要性を 理解し始めていたところでした。VAXとVMSシステムの発表後に出されたアナリストのレポートが、 32ビットアーキテクチャの重要性を議論していました。

進歩的な顧客は、特に科学アプリケーションにおける32ビットアーキテクチャの優位性を理解しましたが、 多くのユーザはまだ現在の16ビットアーキテクチャに満足し、 大規模なアドレス空間が必要とは考えませんでした。 変化への抵抗は常に、新しいアイデアを出す際に障害となりますが、 VAXプラットフォームは顧客には確かに変化を意味していました。


PDPからVAXへの移行

VAXとVMSが顧客の環境で効率的に動作するのを顧客が目にしたとき、 その新しいシステムを受け入れる動きが非常に積極的になりました。 多くの組織が突然「我々は、VAXとVMSの会社だ」と宣言しました。 そして、彼等はすべての努力をその方向に向けました。

VAXシステムは、PDPファミリーの開発におけるDECのエンジニアリングの経験に基づいていました。 例えば、UNIBUSのような既存のPDP-11技術でも、可能なものは何でもVAXアーキテクチャは利用しました。 こうして、既存のPDP-11のI/O技術と製品がVAXシステムで使用されました。

新しいVAXシステムは、組み込みの「互換モード」の故に、PDPのインストールベースの顧客にアピールしました。 この互換モードにより、新しい32ビットのアーキテクチャへの移行が容易になり、 かつ顧客のそれまでのPDPへの投資を保護しました。

ウッズ ミーティング

  1983年に、DECは社外での一日のミーティングを開催し始めました。 当初これらのミーティングは、メーン州の森深いKen Olsenの山荘で開催されました。 その後直ぐに、これらの社外でのミーティングが、開催場所に関わらず、 ウッズミーティングとして社内に知られるようになりました。  

重要な成功要因

  1. 低価格の32ビット
    VAX-11/780は市場における最初の32ビットシステムではありませんでしたが、 合理的な価格で大規模な問題を処理することのできた最初のコンピュータでした。

  2. 科学分野用のFORTRAN
    科学とテクニカル コンピューティング分野における市場で、VAXとVMSアーキテクチャが早期に成功したことにより、 主導的な役割が得られ、VAX FORTANに対するDECの投資が可能となりました。
    VAX FORTARNの次の2つの面が、VAXの早期の成功に貢献しました。 第一に、コンパイラは高い品質の高速なコードを生成しました。 これはFORTRANの完全なインプリメンテーションであったので、 競合会社のマシン用に書かれたFORTRANプログラムをVAXシステムに持ち込んで容易に実行させることができました。 第二に、インタラクティブなソースレベルのデバッグ機能により、 プログラマーはマシン言語ではなく、FORTRANのプログラムと対話することができました。
    VAXシステムは、数値と科学計算での最初のコンピュータとなり、CAD、航空、 原子力発電や火力発電の要員教育、電力業界の電力監視や制御システム、 および地震データリダクションといったパワーを必要とするアプリケーションをサポートしました。

  3. スケーラビリティ
    VAXアーキテクチャは設計上スケーラブルでしたが、これは小さいマシン上で作成されたコードが 無修正でより大きなマシンで動作することを意味しました。 これにより、ソフトウェアの開発が安価にできるようになりました。 その理由は、大きなハードウェアの投資をする前に、そのコンセプトを小さなマシンでテストできるからでした。 アプリケーションは、特定のマシンに限定されませんでした。アプリケーションを一度作成すると、 変更なしでどんな規模のVAXシステム上でも動作させることができました。このスケーラビリティにより、 顧客はこれまでのソフトウェアへの投資を心配することなく、 必要なときにVAXシステムを大きくすることができました。 また、ソフトウェアの保守とサポート費用も低減されました。

  4. コネクティビティ
    重要な別の成功要因は、コンピュータとネットワークの相互通信という、 接続性の戦略でした。DECはDECnetを1975年に開発しましたが、 このネットワークソフトウェアのサポートはVAX戦略の重要な部分でした。 複数のコンピュータを接続する機能は、ミニコンピュータにメインフレームのパワーを与えました。 分散ネットワークはまだ新しいコンセプトで、DECはその主導的な立場にいました。
    VAXとVMSのアーキテクチャは、当時の他のシステムよりもより効率的なネットワーキングを可能にしました。 このネットワーキングにより、DECはVAXプラットフォームのアプリケーションのベースを拡張でき、 科学分野を超えて商用分野にまで、その市場規模を広げることができました。

  5. ソフトウェアの機能
    VMS V2.0のソフトウェア機能の広がりに伴い、DECはビジネス市場に進出しました。
    これらの要素とVMSの多数のソフトウェアライブラリや対話性により、 VMSは業界における最良のソフトウェア開発環境になりました。 さらに、初期VMSバージョンの堅牢性と信頼性により、顧客のプログラミングスタッフは、 オペレーティングシステムの問題に惑わされることなく、 自分達のプログラムの作成に時間を割くことことができました。
    つまり、拡張されたアドレス空間、オペレーティングシステムの洗練性、 備わったネットワーク機能、購入し易い価格などが、この新しいテクノロジーの成功の主な要因でした。

Chris Christiansenディレクタ、IDC

 

「DECの多数の顧客が、VAXとVMSの32ビットテクノロジーを受け入れたことは実に注目すべきことでした。 市場が本当に求めたことは、より大規模なアプリケーションをより柔軟に作成できる能力だったと思います。 少ないリソースを効率的に使用するがっちり組まれたコードの作成に関心があるのではなく、 保守が容易で、これらの機能を利用するために32ビットのアドレスを 必要とする大規模なアプリケーションを求めていました。」

 
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