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プロビジョニングとプロアクティブ

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HP-UXでラクするシステム管理・後編「プロビジョニングとプロアクティブ」
プロビジョニングとプロアクティブ
プロビジョニングで「攻めの管理」を実現しよう
「プロアクティブな運用管理」を目指そう
もう一つ、システム管理の新しいあり方を提示するのが、「プロアクティブな運用管理」という考え方である。すなわち、深刻なシステムトラブルやセキュリティ上の脅威に対して、それらが実際に発生してから対処するのではなく、可能な限りその兆候を捉えて未然に対策を打つというアプローチである。

ここで重要なポイントとなるのが、「障害管理」をいかにしてプロアクティブな運用管理に役立てるかという点である。一般には、障害管理というと、WebサイトやDBサーバの動作をpingやプロセス監視によって定期チェックし、トラブル時にはメール等でシステム管理者に通知する、という監視ツールを思い浮かべる向きも多いだろう。しかし、それらは単なるトラブル通知に過ぎない。そこからさらに一歩前進し、トラブルの発生前にシステム管理者に通知を行えるかが、プロアクティブな運用管理を実現するカギとなる。

もちろん、シェルスクリプトによるpingチェックやプロセス監視などでは、このようなインテリジェントなモニタリングの実装には限界がある。とはいえ、商用のネットワーク管理ツールに匹敵する洗練されたイベントフィルタリングやスケジューリングを利用するには、高価な運用管理ツールを導入しなくてはならない。

プロアクティブな障害管理を実現する無償ツール


SIMに統合されている障害管理ツールEMS(Event Monitoring Service)は、そうしたニーズに応えるべく無償で提供されている製品である。EMSは、サイト全体の実に多岐にわたるシステムリソースを網羅し、障害の事前検出のための監視を行う。例えばハードウェアレベルでは、個々のサーバのCPUやディスク、ファン、I/Oステータス、ネットワークデバイスおよびリンク、SANデバイスなどの動作状況を監視。またソフトウェアレベルでは、各種のカーネルリソースやメモリ状況、負荷状況、データベース状態、そしてHA(二重化)構成におけるノード状態に至るまでをモニタリングする。これらの膨大な監視データに対して、イベントの深刻度や種類に応じた高機能のフィルタリングを適用し、システム管理者に通知する仕組みだ。

図2は、EMSによるイベントフィルタリングの設定例である。同図が示すように、SIMのWeb画面を通じて、システム管理者に通知すべきイベントの深刻度を設定できる。また、監視対象ノードの選択についても、ノード名やIPアドレス、OS種別、クラスタグループ、ネットワークプロトコル、ハードウェア状態その他の多彩な属性に基づいて条件設定を行える。システム管理者へのイベント通知方法としては、メールをはじめポケットベル通知、コマンド実行、SNMPトラップ送出などから選択が可能だ。

図2:EMSによるイベントフィルタリングの設定例
図2:EMSによるイベントフィルタリングの設定例

さらには、図3のように、イベント通知を行うスケジュールの設定も、Web画面上で簡単かつ詳細に行うことができる。障害管理に要求されるサービスレベルや用途に応じて、平日9時から5時までのビジネス時間帯を選択したり、その逆に夜間や週末だけの通知を行ったりできる。

以上のように、運用管理ツールの潜在能力をきちんと引き出してやることで、コストを一切掛けなくてもプロアクティブな障害管理を実現できるのである。

図3:イベント通知を行うスケジュールの設定
図3:イベント通知を行うスケジュールの設定

面倒なセキュリティパッチのチェックを自動化


ツールの活用という点では、SIMに統合されたもう一つのツール、「Security Patch Check」の存在も見逃せない。同ツールは、任意のノードに対して適用されていないセキュリティパッチを自動的に検出し、表示するツールである(図4)。パッチ適用の作業は、ノード台数が多い場合、もしくは手作業に依存する管理環境では、つい後手後手にまわりがちである。こうした作業も、Security Patch Checkによってパッチチェックを積極的に実施することで、問題が顕在化する前にセキュリティ対策を施せる。

図4:Security Patch Check
図4:Security Patch Check

カーネルパラメータを目に見えるかたちに


システムトラブルの原因は、ハードウェアやソフトウェアの障害、セキュリティ上の脅威に因るものだけとは限らない。システム管理者が気を配らなくてはならないもう一つの要素が、OSのカーネルパラメータである。

従来の一般的なOSでは、カーネルのビルド時やシステム起動時にのみカーネルパラメータの設定が可能であり、システム動作中の変更は不可能な場合がほとんどである。そのため、システム管理者はノードのインストール時にのみカーネルパラメータの調整を行い、運用が安定すればカーネルパラメータのことは忘れてしまうというケースが少なくない。

しかし、アプリケーションのリソース消費動向に応じてカーネルパラメータを適切に調節しておかなければ、トラブル原因の切り分けが困難な思わぬ障害を引き起こしかねない。例えば個々のプロセスがオープン可能なファイル数や生成可能なスレッド数などが十分な値に設定されていないと、アプリケーション本来のスループットが得られなかったり、高負荷時に突然エラーが発生し始めたりする場合がある。

HP-UXの場合、多数のカーネルパラメータをシステム動作中に設定変更することができ、ミッション・クリティカルなITシステムの要件に応えられるよう設計されている。この能力をさらに活かすためのツールが、SIMに統合されているカーネル構成管理ツール、「kcweb」である。

kcwebでは、SIMのWeb画面を通じて、個々のノードのカーネルパラメータを一覧し、システム動作中の設定変更を容易に行うことができる。図5は、kcwebによるカーネルパラメータの表示例である。同ツールでは、HP-UXに備わるカーネルパラメータの現在の設定値が一覧表示される。また、個々のパラメータの意味を説明するヘルプメッセージ(manページ)や、実際の使用率の1日ごとのグラフ、そしてパラメータに対応するリソースを最も多く消費しているプロセスの一覧が表示される。さらには、各リソースの消費状況を監視し、しきい値に達した場合はシステム管理者に通知するアラーム機能も備えている。これにより、上述のようなカーネルパラメータに起因する問題が実際に発生してしまう前に、未然の対策を講じることが可能になる。

図5:kcwebによるカーネルパラメータの表示例
図5:kcwebによるカーネルパラメータの表示例

以上、本特集の後編では、プロビジョニングおよびプロアクティブという2つのキーワードを軸として、システム運用管理のあるべき姿を検討した。ここで説明したとおり、HP-UX向けに無償で提供されるツールの中には、高価な有償ツールに匹敵する高機能の運用管理機能を提供するものが少なくない。これらの潜在能力を引き出すことで、上述の2つのキーワードが指し示す運用管理の理想形が、コストを掛けずに実現可能であることがご理解いただけたはずだ。

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