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HAクラスタの疑問を解く・後編

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HAクラスタの疑問を解く・後編
HAクラスタの疑問を解く・後編
フェイルオーバーの全体像
第2段階:クラスタの再構成
第3段階:パッケージのリカバリ

第3段階:パッケージのリカバリ


以上のように、エレクション、クラスタ・ロックの取得、そしてクワイエセンスという3つの手順によるクラスタの再構成により、障害ノードを取り除いた新しいHAクラスタが形成される。これらがすべて完了すると、最後の段階である「パッケージのリカバリ」が始まる。

パッケージのリカバリでは、おもに以下の作業が行われる。

  • スタンバイ・ノードの決定
  • IPアドレスの引き継ぎ
  • ディスク・ボリュームの引き継ぎ
  • アプリケーションの起動
特集1で説明したとおり、Serviceguardではパッケージごとに「フェイルオーバー・ポリシー」を設定することができる。そこでまずは、同ポリシーの内容に基づき、パッケージのフェイルオーバー先となるスタンバイ・ノードとして適切なノードが選択される。

つぎに、プライマリ・ノードで障害直前まで用いられていたIPアドレスをスタンバイ・ノードに移行する。Serviceguardでは、個々のノードに対して「ステーショナリ(固定)IP」と「リロケータブル(移動可能)IP」という2種類のIPアドレスを割り当てている。ハートビートなどの送受信には前者を用い、パッケージ内のアプリケーションへのアクセスには後者を用いる。

フェイルオーバー時、Serviceguardは、このリロケータブルIPをプライマリからスタンバイに移動する。具体的には、ARP(Address Resolution Protocol)のブロードキャストを配信し、LAN上のすべてのデバイスに対して同IPがスタンバイ・ノードに移行したことを告知する。これにより、障害直前までアプリケーションに接続していたクライアントが同じIPアドレスを継続して利用できる仕組みだ(ただしTCPコネクションは再接続が必要)。

IPアドレスの移行と同時に、共有ディスク上のボリュームの移行も行われる。Serviceguardでは、ボリューム・マネージャとしてHP-UXのLVM(Logical Volume Manager)およびVERITASのVxVM(Veritas Volume Manager)をサポートしている。フェイルオーバー時には、これらのマネージャが管理するボリュームをスタンバイ・ノードにマウントし、プライマリからのデータの引き継ぎを行うのである。

これら一連のリカバリ処理が完了したのち、スタンバイ・ノード上でアプリケーションが起動される。Serviceguardによるフェイルオーバー処理はこれで完了だ。

高速フェイルオーバーを実現するSGeFF


冒頭でも述べたとり、以上のフェイルオーバー処理には、最短でも30秒程度の時間がかかる。しかし、今年6月に新たにリリースされたオプションである「Serviceguard Extension for Faster Failover(SGeFF)」を導入することで、この時間を5秒にまで短縮できるようになった。

この大幅な短縮は、以下のような最適化(図4)によって実現されたものだ。

  • 2ノード構成のみサポート
  • クォーラム・サーバの設置
  • ハートビート専用LANの設置と二重化
図4:SGeFFの構成
図4:SGeFFの構成

SGeFFでは、2ノード構成のHAクラスタのみをサポートしている。上述したとおり、2ノード構成ではクラスタ再構成におけるエレクションの手順は意味をなさない。そこでSGeFFでは、エレクションをすべて省略し、それに要する時間をカットしている。

また、クラスタ・ロックとして、ロック・ディスクは利用不可となり、クォーラム・サーバの設置を義務づけている。なぜなら、クラスタ・ロックとしてロック・ディスクを用いた場合、共有ディスクのSCSIバスやFibreChannlインタフェースのリセットに10〜30秒の時間を要するからだ。これに対し、クォーラム・サーバであれば、クラスタ・ロックの取得を瞬時に完了できる。

さらに、SGeFFではハートビート専用LANを設置し、それを二重化することを必須としている。こうしてハートビートの伝送路の信頼性を高め、パケット紛失の可能性を低くすることで、ハートビートのタイムアウト時間を最短で1.6秒にまで短縮可能にしている。

以上、特集2ではServiceguardにおけるフェイルオーバー処理にスポットをあて、そのメカニズムを明らかにした。ここまでの説明によって、HAクラスタにまつわる漠然とした疑問が解けたのではないだろうか。取り扱いが難しく複雑そうな印象のあるHAクラスタであるが、その振る舞いを理解し使いこなすことができれば、高可用性を達成するための強力なツールとなるのである。

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