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HAクラスタの疑問を解く・後編

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HAクラスタの疑問を解く・後編
HAクラスタの疑問を解く・後編
フェイルオーバーの全体像
第2段階:クラスタの再構成
第3段階:パッケージのリカバリ

第2段階:クラスタの再構成


第1段階で障害が検出されると、フェイルオーバーの処理がスタートし、第2段階の「クラスタの再構成」に進む。これは先に述べたとおり、障害ノードを切り離して生き残ったノードからなる新しいHAクラスタを構成するために必要な手順である。

クラスタの再構成では、以下の3つの手順が実施される。

  • エレクション
  • クラスタ・ロックの取得
  • クワイエセンス

エレクション


「エレクション(election)」とは、障害検出の後に生き残った各ノードが「新たに形成されるHAクラスタに参加する権利」を獲得するための手続きである。たとえば、5台のノードからなるHAクラスタにおいて、ネットワークの障害によって3台と2台がそれぞれ分断された状況を想定してほしい。このとき、互いの生存を確認できた(つまり通信可能な)3台と2台は、それぞれが別々のグループを形成する。もし、それぞれのグループがフェイルオーバーを実行し、同一アプリケーションを並行して起動すると、共有ディスク上のデータは破損してしまうだろう。

そこでServiceguardでは、このような現象を防止するため、「クラスタの半数に満たないグループは参加権を得られない」というルールが組み込まれている。よって、2台のグループはすべて動作を停止し、残る3台のグループによって新しいHAクラスタが形成される。これが、エレクションのメカニズムである。


クラスタ・ロックの取得


だがここで、「クラスタがちょうど半数ずつに分断された」 (この現象は、「スプリット・ブレイン (split brain)」と呼ばれている) というケースを考えてみよう。もっとも可能性が高いのは、2台のノードで構成されるHAクラスタにおいて、ネットワーク障害により互いのハートビートを送受信できなくなる状況だ。この場合、どちらもクラスタの半数に相当するため、エレクションでは参加権を決定できなくなってしまう。こうした状況を想定してエレクションの後に実行されるのが、「クラスタ・ロックの取得」である。

クラスタ・ロックとは、新しいHAクラスタへの参加権をあらわすフラグのようなものであり、いずれか1つのグループのみが先取りできる。これにより、半数ずつのグループが並立することによるスプリット・ブレインを回避する仕組みである。

Serviceguardでは、クラスタ・ロックを実現する手段として、以下の2つの方法をサポートしている。

  • ロック・ディスク
  • クォーラム・サーバ
ロック・ディスクとは、共有ディスクの特定領域をクラスタ・ロックとして利用する方法である。クラスタ・ロックを取得したノードは、その領域にマークを付けることで、ロックを取得したことを表明する。なお、ロック・ディスク専用のドライブを用意する必要はなく、通常のデータ・ディスクで兼用することができる。

一方、クォーラム・サーバ(quorum server)とは、HAクラスタに参加しないノードを1台用意し、その上で特別なソフトウェアを動作させてクラスタ・ロックとして利用する方法である(図3)。

図3:クォーラム・サーバの利用例
図3:クォーラム・サーバの利用例

この場合、生き残った各ノードはクォーラム・サーバに競ってアクセスし、クラスタ・ロックを取得することになる。

ちなみにServiceguardでは、2台のノードのみでHAクラスタを構成する場合、ロック・ディスクもしくはクォーラム・サーバによるクラスタ・ロックの設置を必須としている。2台構成ではエレクションのルールが意味をなさず、スプリット・ブレインの発生確率が高いためである。一方、3台以上のHAクラスタでは、ほとんどの状況においてエレクションによる調停が可能なため、クラスタ・ロックの設置はオプション扱いとなっている。

クワイエセンス


エレクションおよびクラスタ・ロックの取得によって、新しいHAクラスタの構成が決定されると、最後に「クワイエセンス(quiescence)」と呼ばれる一定の待ち時間が設けられる。これは、参加権を得られなかったノードにおいてアプリケーションが完全に停止するのを待ち、共有ディスク上のデータの破損を防ぐことを目的としている。
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