Jump to content 日本-日本語

製品  >  ソフトウェア  >  HP- UX Developer Edge

gWLMが描く仮想データセンターの理想像・前編

HP-UX/Integrityサーバー お問い合せ
コンテンツに進む
商用UNIXのパーティション技術最新事情
gWLMが描く仮想データセンターの理想像・前編
仮想データセンターはIT部門に残された道
コンテナとSRDを理解する

コンテナとSRDを理解する


gWLMのワークロード管理を理解するには、その基盤をなす2つの概念、「コンテナ」と「SRD(Shared Resource Domain)」について知っておく必要がある。


「コンテナ」とは何か


「コンテナ」とは、VMWareなどのサーバ仮想化ソフトにおける「パーティション」や「仮想マシン」に相当するものである。gWLMでは以下の3種類のコンテナを管理できる(Linuxサーバではpsetのみサポート)。

  • vPars(Virtual Partitions)
  • pset(Processor Sets)
  • FSSグループ(Fair Share Scheduler group)

vParsは、HP-UX 11iが提供する論理パーティションである。vParsを使えば、1台のHP-UXサーバのCPUやメモリ、I/Oデバイスを複数のパーティションに分割し、それぞれを別々のOSイメージを持つ仮想サーバとして運用できる。また、それらのパーティション間でCPUリソースの動的な移動が可能である(vParsについて詳しくは、コラム「サーバを増やす「打ち出の小づち」──vParsを使いこなす」を参照していただきたい)。

一方、psetとFSSグループは、いずれもOS内に設けられるリソース・パーティションである。OS内で動作する各アプリケーション(プロセス)に、個別のCPUリソースを割り当てる技術だ。これにより、共用ホスティングでありながら専用ホスティングのように常時一定のパフォーマンスを保証できる(ただしOSは1つなので、個別のリブートやバージョンアップは行えない)。psetでは「CPUの個数」でリソース配分を指定するのに対し、FSSグループでは「CPUの使用率」によるきめ細かな制御が可能だ(この2つについて詳しくは、コラム「サーバ仮想化によるスケールアウト」の新潮流・後編」を参照のこと)。


SRD(Shared Resource Domain)


SRDとは、「CPUリソースを共有するコンテナの集まり」のことだ。たとえばLinuxサーバの場合、同サーバのCPUリソースを複数のpsetが共有し、負荷状況に応じてpset同士がCPUを融通し合う。この場合、Linuxサーバ=SRDとなる。またHP-UXサーバで複数のvParsやFSSグループを運用するケースでは、HP-UXサーバ=SRDとなる。もっとも、かならずしも1サーバ=1 SRDとする必要はない。たとえば1台のサーバに複数のSRDを構成することも可能だ。

以上が、gWLMにおけるコンテナとSRDの位置づけである。たとえば前述した図1は、合計4つのSRDをCMSが統括し、Node Managerを通じてvParsやpsetなどのコンテナを制御する構成を表している。CMSは、これらのコンテナの負荷変動に呼応して、SRDが有するCPUリソースの配分をリアルタイムに調整する。これがgWLMにおけるワークロード管理のメカニズムである。

ちなみに現状では、複数のLinuxサーバやHP-UXサーバにまたがってSRDを構成することはできない。つまり、VMWareにおけるVMotionのような「サーバを隔てたワークロードのマイグレーション」には未対応だ。とはいえ、仮想データセンター構築のメリットは、少数のサーバにリソースを集約してTCOを下げることにある。つまりサーバ・コンソリデーションを前提とすれば、マイグレーションの必要性はあまりない。またマイグレーションを実装するには、プロセスの一時停止や共有ディスクを介した移動が必要だ。そのコストとリスクの増加に見合うメリットが得られるかは疑問だ。


データセンター規模のプロビジョニングと監視


続いて、gWLMが備えるプロビジョニングと監視の機能を説明しよう。gWLMは、データセンター規模のワークロード管理に必要なプロビジョニングをスムーズに進めるためのGUIツールを用意している(図2)。

  図2:gWLMの設定画面(HP SIM)
図2:gWLMの設定画面(HP SIM)
 

図2を見てわかるとおり、gWLMのGUIはHP SIM(Systems Insight Manager)に統合されている。SIMとは、HPが提供するWebベースの統合管理ツールであり、多数のサーバをひとつのGUIから集中管理することができる(SIMについて詳しくは、コラム「運用管理の一元化」を参照のこと)。SIMには、FSSグループやpset設定のためのPRM(Process Resource Manager)や、nPars設定のためのPartition Managerも統合されている。そのためSIMを通じて、コンテナとSRDの構成に必要なひととおりのGUIツールにシームレスにアクセスできる。

gWLMにおける設定作業は、すべて図2のようなウィザード形式のGUI上で実施可能だ。あらかじめ管理対象サーバにNode Managerをインストールしておけば、データセンター内に存在するすべてのSRDとコンテナがCMSによって自動検出される。あとは、個々のコンテナに対するCPUリソースの配分ポリシーをメニューで選択すればよい。HPでは、vParsやpsetなどのコンテナに関する知識を持つ管理者であれば、gWLMの設定作業は30分以内で可能だと説明している。


ワークロードのリアルタイム状況と履歴を追跡


ミッションクリティカルなITシステムの運用では、「サーバの内側でいま何が起きているか」、そして「これまでに何が起きたか」をきちんと把握することが肝要だ。そこでgWLMでは以下の2つの管理機能を提供している。

  • ワークロードのリアルタイム監視とアラーム送出
  • ワークロード履歴の監査レポート作成

gWLMのGUIを使えば、個々のワークロードについて、CPUリソースの割り当て状況やCPU使用率をリアルタイムにグラフ表示できる(詳しくは後編にて説明)。さらにコンテナが発するCPUリソース不足などのアラームは、SIMのEMS(Event Monitoring System)に転送される。gWLMとEMSの連携によって、データセンター規模の障害管理体制を構築できる仕組みだ。

こうしたリアルタイム監視のほかに、これまでの運用履歴をデータベースに保存し、そこから監査レポートを作成する機能も備えている。このレポートをレビューすれば、「ワークロードに保証したCPUリソースが実際に提供されたかどうか」、「保証分を上回るCPUリソースの消費はどの程度か」といったサービスレベルの監査が可能だ。

続く後編では、実際のデモを通じて、gWLMによる仮想データセンターのプロビジョニングと監視をひととおり紹介したい

トップへ 戻る    

記事の内容に関するご意見・ご質問・お問い合わせ

  日本ITフォーラムにて承っております(別途、会員登録が必要です)。

日本ITフォーラム
 

その他のコラム(特集)もお読み下さい

 
 

本ページの内容は執筆時の情報に基づいており、異なる場合があります。
印刷用画面へ
プライバシー ご利用条件・免責事項