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新しいHP Integrityサーバの魅力を探る・後編

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新しいHP Integrityサーバの魅力を探る・後編
新しいHP Integrityサーバの魅力を探る・後編
HP sx2000チップセットのフェイルセーフ能力とは
スピードと可用性を両立した高速シリアルリンク

スピードと可用性を両立した高速シリアルリンク

前編で述べたとおり、sx2000ではセルボード間を結ぶクロスバー帯域が4.2倍、I/O帯域も4.4倍に引き上げられている。この帯域拡張を可能にした新技術が、HPが開発した高速シリアルリンクHSS(High Speed Serial link)である。「sx2000では、クロスバーとセルボード間、そしてI/Oサブシステムとセルボード間を結ぶ手段として、従来のパラレル接続より大幅に高速なHSSを新たに開発しました。11.5GB/sというきわめて高帯域のシリアルリンクをゼロから設計し、それをVLSIチップに組み込むのは容易ではなく、sx2000開発で苦労した点のひとつでした」とフェルゼンタール氏は語る。

クロック同期式のパラレル接続によるデータリンクでは、ギガビットレベルへの高速化は困難である。なぜならこのスピードでは信号のひずみやスキュー(到達時間のずれ)が大きくなり、複数ビットのデータ信号をクロックに同期して読み取るのが難しくなるからだ。一方、高速シリアルリンクでは、SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)と呼ばれる機構により複数ビットを1ビットデータの並びに変換し、さらに8B/10BエンコーダやCDR(Clock Data Recovery)によりクロックとデータを同じ1本の信号に織り込む。これによりスキューやひずみの問題を解消しつつ、ギガビットレベルのデータリンクを実現できる仕組みだ。

図2:高速シリアルリンクのメカニズム
図2:高速シリアルリンクのメカニズム

新しいIntegrityサーバでは、クロスバーおよびI/Oサブシステムとの接続手段として、この11.5GB/sのHSSを用いている。さらにセルボードとクロスバー間を3本のHSSで負荷分散することで、セルボード1枚あたり11.5GB/s×3=合計34.6GB/sという帯域を達成している。前編で説明したとおりセルボード内部のメモリ帯域は17.2GB/sであり、異なるセルボードへのメモリ・アクセスでもローカル・メモリと同様のスループットが得られる設計である。「HSSの2重化では帯域が足りず、4重化は物理的に実装が難しい。そこで3重化という設計が選択されました」(白井氏)。またクロスバーの遅延についても、従来のsx1000に比べて2〜3割短縮されているという。

図3:3本のHSSによるクロスバー接続
図3:3本のHSSによるクロスバー接続

クロスバーがもたらす可用性

さらに、このHSSによるクロスバー接続は、帯域向上と同時に可用性向上も実現しているとフェルゼンタール氏は説明する。「HSSではリンクレベルリトライと呼ばれる自己修復機能を実装しています。データ伝送時にエラーが検出されると、そのデータが再送信され、システムダウンを防ぎます。またクロスバーに接続された3本のHSSのうち1本が完全に切断されても、システムは残る2本だけで継続運用する仕組みです。さらに万が一クロスバーチップに障害が起きた場合、以前であればチップを交換するまでシステムを停止する必要がありましたが、sx2000では自動的に障害チップを迂回して継続運用できます」(フェルゼンタール氏)。こうした冗長化設計によって、Superdomeではシステム全体のSPOF(単一障害点)がほとんど排除されているという。

こうしたIntegrityサーバのクロスバー・メカニズムは、nParsによるパーティション分割で威力を発揮する。システム全体をひとつの大きなSMPとして構成するサーバとは異なり、Integrityサーバではシステム全体のリソースをセルボード単位で区切り、複数のnParに割り当て可能だ。「異なるnPar間はクロスバーによって電気的に完全に隔離され、あるnParの障害が他に影響することはありません。複数のnParにわたる障害が発生する確率はきわめて小さく抑えられます。これは(大規模SMPタイプの)他社のサーバでは実現されておらず、Integrityサーバの大きなアドバンテージになっています」(フェルゼンタール氏)。

以上、今回はsx2000チップセットによって生まれ変わった新しいIntegrityサーバの魅力を紹介した。長く使うための構造、継続運用のための仕組み、パーティショニング間のトラフィックを念頭としたシステム設計、これらのメリットはそのままHP-UX 11iに受け継がれる。ミッションクリティカルーサーバとは、ノウハウや知恵の集約であることをご理解いただけたはずだ。
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