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HP-UX 11i v2からHP-UX 11i v3への移行で押さえるべきポイント

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HP-UX 11i v2からHP-UX 11i v3への移行で押さえるべきポイント

前回の特集でもお伝えしたとおり、Integrity VM 4.0ではホストOSとしてHP-UX 11i v3がサポートされた。Integrity VM 3.5まではHP-UX 11i v2が必要だったが、Integrity VM 4.0の登場によって仮想マシンの環境をHP-UX 11i v3へ統一することが可能になった。これによりHP-UX11i v2の機能を全てカバーすることになった、HP-UX11i v3への移行は今後加速されるだろう。そこで、HP-UX 11i v3の特徴を概観するとともに、HP-UX 11i v2から11i v3へ移行する際のポイントをまとめてみたい。
HP-UX 11i v2からHP-UX 11i v3への移行で押さえるべきポイント
着実に進化するHP-UX 11i v3
コールドインストールとアップデートインストール
2008年10月
テクニカルライター 米田 聡
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着実に進化するHP-UX 11i v3

HP-UX 11i v3は、より高いスケーラビリティ、信頼性、そしてパフォーマンスを目指して開発されたHP-UXの最新バージョンだ。本Knowledge-on-Demandの特集でも過去に何度もHP-UX 11i v3を取り上げてきているので、主な特長や新機能は承知している方が多いだろう。

2007年2月にリリースされたHP-UX 11i v3だが、以後もアップデートが順調にリリースされており、今年9月にはアップデート3がリリースされた。このアップデートでも先に述べた3点について強化が図られている。そこで、アップデート3から加えられた新しいフィーチャーを中心に見ていくことにしたい。

まず、HP-UX 11i v3はv2に比して平均30%ものパフォーマンス向上を果たしている。カーネルの最適化に加え、I/Oスタックの設計が一新されるなど大きなチューニングが加えられているためだ。さらにアップデートごとにパフォーマンスの改善が進められており、今回のアップデート3でもパフォーマンスに関わるフィーチャーが追加されている。

例えば、アップデート3ではTune-N-Toolsが標準でバンドルされるようになる。Tune-N-Toolsは2008年5月にWebでリリースされているのでご存じの方も多いだろうが、カーネル調整パラメータを用途に応じて最適と思われる推奨値に設定してくれるツールだ。Oracle、SAPといったワークロードに応じた最適値がプリセットされており、簡単にカーネルをワークロードに最適化することができる。

また、やや地味だがメモリを確保するmallocのパフォーマンスを改善した「MallocNextGen」がアップデート3で提供される。これは1KB以下の小さなメモリブロックを頻繁に確保・開放するようなアプリケーションで効果が大きいとされ、特にマルチスレッドを使用するアプリケーションでは20%以上のパフォーマンスアップが得られる場合もあるとされている。

MallocNextGenはシェアドライブラリとして提供されるため、既存のバイナリでもLD_PRELOADを使ってバイナリ実行時にプリロードさせることで利用できる。中には問題が生じるアプリケーションが存在する可能性もあるので、慎重にテストを行う必要があるだろうが、既存のアプリケーションを手軽にブーストできるという点で注目できる機能だろう。

カーネル周りでは、その他に省電力機能が追加されている。データセンターの省電力は今や世界的な課題といってよく、HP-UX 11i v3の過去のアップデートでも改良が加えられているポイントだ。アップデート3ではカーネルのスケジューラが改良され、アイドル状態に入るとプロセッサーを省電力ステートに移す機能が追加された。省電力ステートを保つ頻度は、pwr_idle_ctlというカーネル調整パラメータで1〜5までの5段階が設定できる(もちろんオフも設定可能)。なお、推奨値は1で、1を超える値を設定するとより省電力にはなるが、性能とのトレードオフを考慮する必要がある。

その他にも信頼性をより向上させるPCI Expressのエラーリカバリが新たにサポートされるなどの改良が加えられており、HP-UX 11i v3は順調に進化を続けている。


HP-UX 11i v3へのアップデートによって得られるパフォーマンス

HP-UX 11i v2からv3へのアップデートでどの程度のパフォーマンス向上が得られるのか、わかりやすいデータがあるので紹介してみたい。

v1からv3へのアップデートによるスループット向上
図1:v1からv3へのアップデートによるスループット向上

これは32プロセッサーのHP9000から同じく32プロセッサーのIntegrityサーバーにアップグレードを行い、どの程度のスループットの向上が得られるかを示したグラフだ。同じHP-UX 11i v2でも当然、それなりの向上は得られるが、HP-UX 11i v3を導入することでさらに30%以上のスループットの向上が果たせるのだ。HP9000比では実に2倍の性能が得られるのである。

v3にアップグレードすることによってカーネルスケーラビリティも向上
図2:v3にアップグレードすることによってカーネルスケーラビリティも向上

図2のグラフはスケーラビリティを比較したものだ。HP-UX 11i v2ではプロセッサーコア数が大きくなるほどグラフが平坦になるが、HP-UX 11i v3ではプロセッサーコア数に応じてほぼスケーラブルに高いスループットが得られている。


HP-UX 11i v3への移行ポイント〜事前に行うべき作業

以上のようにHP-UX 11i v3への移行には大きな利点がある。そこで、移行に関する少し具体的な手順を紹介していくことにしよう。

HP-UX 11i v3への移行は、新規にインストールを行うコールドインストールと、既存の環境を引き継ぐアップデートインストールに分けられるが、いずれの場合でもハードウェアやファームウェアがHP-UX 11i v3のインストール要件を満たしているかを事前に調べておかなければならない。ハードウェア要件はこちらのページで、ファームウェアの情報はこちらのページで確認できる。

また、HP-UX 11i v2が動作している環境であれば、サーバーの構成がHP-UX 11i v3に適するかどうかをチェックするmsv2v3checkというツールが利用できる。Software Depotから入手できるので利用するとよいだろう。

msv2v3checkの実行例
図3:msv2v3checkの実行例

アップデートインストールを予定している場合、ディスクの空き容量も事前にチェックしておいたほうがいい。

表1:HP-UX 11i v3をインストールするために必要なディスク容量
File System HP-UX 11i v2 Size HP-UX 11i v3 Size
/usr 2.6-3.7GB 3.8GB
/stand 304MB 1.9GB
/var 4.5GB 8.5GB
/tmp 208MB 512MB
/opt 2.7-4.5GB 4.7-5.8GB
/home 32MB 112MB
/ 230MB 1GB
Swap 実装メモリ以上 実装メモリ以上
Itanium EFI Boot 500MB 500MB
Itanium HP Service 400MB 400MB
PA-RISC Boot 100MB 100MB
※: 実装メモリは最低でも1.5GBは必要

表1はHP-UX 11i v2とv3で、それぞれのディレクトリに必要な容量を示しているが、これらの中で大きく変わったのが/standの容量だ。HP-UX 11i v2までは/standに大きな容量が必要とされていなかったため、大きな容量を割り当てていないケースも多いと思われるが、HP-UX 11i v3では/standに十分な容量がないとインストールに失敗する。

/standに十分な空きがない場合、make_tape_recoveryなどを使ってシステムのリカバリイメージを作成した後、HP-UX 11i v2のOSメディアで起動してinstallation/recovery processを起動させ、パーティション構成を変更して/standに十分な容量を割り当てた後、先のリカバリイメージをリストアするという手順で/standを拡張していただきたい。


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