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Solaris技術者のための「HP-UXへの移行のすすめ」・前編

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Solaris技術者のための「HP-UXへの移行のすすめ」・前編
Solarisで構築済みのITシステムをHP-UXへ移行する──卓越したWeb技術で定評のあるテックファーム株式会社では、この移行作業における問題点や効果を洗い出す検証作業を実施した。同社CTOの小林正興氏は、その検証結果から「ポイントさえ押さえればHP-UXへの移行は難しくない」と説明する。特集の前半では、移行に際して管理者が最初に押さえておくべき違いなどについて説明する。
Solaris技術者のための「HP-UXへの移行のすすめ」・前編
UNIX OSの“バリアフリー化”
Solaris→HP-UX移行のポイント
2004年11月
テクニカルライター 吉川和巳

UNIX OSの“バリアフリー化”


テックファーム株式会社 取締役 副社長 小林正興 氏
  テックファーム株式会社
取締役 副社長
小林正興 氏
テックファームは、「IT分野の法律事務所」ともいうべきユニークなビジネス・モデルのもとにWeb開発を手がけるSIerだ。同社CTOの小林氏は、同社の強みについて「ビジネスを新たに立ち上げるようなお客様にもフォーカスできるよう、技術領域を幅広く持つようにしている」と説明する。NTTドコモ「iモード」の仕様検討への参加(1998年)に代表される傑出した実績は、同社のフットワークの良さの表れといえるだろう。

テックファームのそうしたアドバンテージの1つとして、LinuxやSolaris、HP-UXなど複数のOSをサポートし、様々なシーンに合わせてそれらを使い分けて提案できる柔軟性がある。OS間の隔たりを意識させないこのような提案が可能になった背景には、近年のUNIX OSの“バリアフリー化”も大きく影響している。小林氏は、「UNIX OS全体がかなり歩み寄ってきており、(それぞれの使い勝手が)昔より近づいている」と説明する。「最近はJavaのようなプラットフォーム非依存の言語で動くアプリケーションも多い。ある程度の移行ノウハウを持つことで、どのOSでも提案できるようになった」という。

そこでテックファームでは、SolarisからHP-UXへの移行における問題点や効果を洗い出す検証作業を実施した。ここでは以下のようなニーズを持つ事業者が想定されている。

  • 稼働後4〜5年経過したSolaris上のWebアプリケーションを最新環境に移行したい
  • オープンソース中心だが、信頼性の高い商用UNIXによる運用を継続したい
  • OSの移行後もアプリケーションが正しく動作するか確かめたい

では、こうした事業者がHP-UXへ移行することでどのような恩恵を享受できるのか。まずはその点について、第一線のエンジニアである小林氏の客観的な意見を伺った。


HP-UX移行で開かれる世界


既存のSolarisアプリケーションを最新環境に移行するとき、移行先としてはLinuxが有力候補のひとつとなるだろう。実際、テックファームでもコスト・パフォーマンスの高さからLinuxとx86サーバの組み合わせを顧客に提案するケースが少なくない。

しかし小林氏は、高可用性(HA)や安定性が求められる局面では、Linuxに比べてHP-UXが確固とした優位性を持つと証言する。「いちばんエンジニアが実感するのはスケジューラの安定性だ。Linuxの場合は非常にバラツキが大きく、マルチスレッドで同時に処理を実行させると、早く終わるものと時間のかかるものと大きな差が出る。それに比べHP-UXは安定性が高く、同じ仕事を同じようにスタートさせると、同じタイミングで処理が完了する。とくに体感速度に影響するようなサービスの場合にはその点が結構な差になる」。

こうしたカーネルの安定性の違いは、スケジューリングに限ったことではない。たとえばLinuxが抱えるメモリ管理の問題点について、同氏は次のように指摘する。「Linuxは何も設定しなくてもとりあえず動いてくれる。しかしメモリ不足の影響は深刻で、メモリ不足をプロセス内できちんと検出できなかったり、プロセスごと終了してしまったりするケースも多い。そのためLinuxでは、メモリ全体の6〜7割にとどめる余裕を持たせた設計を行うしかない」。「一方HP-UXでは、スレッドやメモリに関するカーネル設定作業が欠かせない。逆にそこをきちんと理解した上で、確定的な設計や運用が要求される。カーネル・パラメータですべてを制限できるので、『このように確定的に運用しましょう』というプランを描きやすい」(同氏)。

  図1:kcwebによるカーネル・パラメータ管理
図1:kcwebによるカーネル・パラメータ管理

64ビットはこう使う


また小林氏は、64ビット環境の必要性について「この半年がちょうど境目の時期にさしかかっている」という現状を明らかにした。「1年前なら32ビットで十分だったが、最近は64ビットのニーズがかなり増えている」(同氏)。その最大の要因は「メモリ」だ。

「我々が手がけるインターネット上のコンシューマー向けサービスなどでは、ある時間帯だけアクセスが集中するケースが多く、ピークに合わせて設計する必要がある。そうしたときもっとも即効性があるのはメモリのチューニングだ。しかし32ビット環境では、OSの制限上、現実的には2GB程度しか使えない。この2GBという大きさではそろそろ危なくなりつつある」(同氏)。

では、64ビット環境によってもたらされる広大なメモリ空間をどう活用すればよいのか。小林氏は次のように解説してくれた。「データベースとJavaアプリケーション・サーバのキャッシュ領域として使う。最近では1つのアプリケーション・サーバの中にいくつものパッケージを置き、たくさんのアプリケーションを運用するケースもある。そうすると大変な勢いでメモリを消費する」という。

このように、テックファームではすでに64ビットを実戦で使える「武器」として活用しているようだ。とはいえ小林氏によれば、実際に64ビットを有効に活用できるプラットフォームは限られている。「現時点の64ビット・プロセッサーとして選択できるものを考えてみても、SPARCには性能的な問題があり、Opteronはそれをきちんと使えるOSがない」(同氏)。


Itaniumは「SSLにものすごく効く」


またWebアプリケーション開発においてインテル®Itanium®プロセッサ(以下、Itanium)が持つアドバンテージについて、小林氏は「SSL」を第一に挙げ、「(Itaniumは)SSLにものすごく効く」と説明する。同氏によれば、たとえば同じクラスのサーバと比較しても、Itanium搭載サーバはSSLの数倍の性能差があるという。これはつまり、同じ1台のサーバで数倍のSSLセッションを収容できることを意味する。ECサイトなどの運用ではしばしばSSL負荷が深刻なボトルネックとなるだけに、このアドバンテージの意味するところは大きいだろう。

−さらに同氏は、Itanium搭載のHP Integrityサーバが実は“高性能のPA-RISC互換機”でもある点に着目している。HPが提供するPA-RISCコード・トランスレータ「Aries」を用いることで、既存のPA-RISCバイナリをそのままItanium上で実行できるのだ。その性能について、小林氏は「ビックリするくらい速く動く」と驚きを隠さない。Itaniumネーティブのバイナリと比較しても、アプリケーションによってはその半分以上のスピードで動作する」(同氏)。Itaniumネーティブのバイナリと同様とはいかないが、PA-RISC資産をItaniumバイナリへ移行手段の一つとして、Ariesは十分な能力を備えているようだ。

以上のように、レガシー・アプリケーションの移行先としてのHP-UXとHP Integrityサーバは、第一線のエンジニアからも高く評価されていることがわかる。それでは実際にSolarisからHP-UXへの移行を進める際にはどのようなポイントを押さえておけばよいか、その詳細を追ってみよう。


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