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稼働中のシステムイメージのダイナミックな
複製を可能にするDRD

特別企画:HP-UX11i v3 新世代ミッションクリティカルOSへ 第5回

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特別企画:HP-UX11i v3 新世代ミッションクリティカルOSへ 第5回  稼働中のシステムイメージのダイナミックな複製を可能にするDRD
安定したシステム運用のためには、適切なパッチの適用やソフトウェアのアップデートなどのメンテナンス作業が不可欠である。後編では、現在稼働中のシステムのイメージを複製(クローン)することで、パッチ評価用のテスト環境の構築を可能にし、さらにシステムのメンテナンス時におけるダウンタイム短縮に貢献するDynamic Root Disk(DRD)について紹介する。
稼働中のシステムイメージのダイナミックな複製を可能にするDRD
メンテナンスやバックアップの際に有効活用
DRDとIgnite-UXの使い分け
2007年8月
テクニカルライター 大津 真
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メンテナンスやバックアップの際に有効活用

HP-UXの管理ツールとして新たに登場した「Dynamic Root Disk(以下DRD)」は、稼働中のシステムのイメージを停止することなく、複製することを可能にするツールだ。このとき、現在稼働中のシステムイメージを「アクティブ・システムイメージ」、複製された側のシステムイメージを「非アクティブ・システムイメージ」と呼ぶ。複製された非アクティブ・システムイメージに対して、DRDに用意されているコマンドを使用することにより。安全にパッチを適用することが可能だ。その後、複製した非アクティブ・システムイメージをアクティベートして、そこからシステムを起動することができる。つまり、アクティブ・システムイメージと非アクティブ・イメージを"ダイナミック"に入れ替えることが出来るわけだ。

次の図は、DRDによる複製の流れである。

DRDによる複製の流れ
図1:DRDによる複製の流れ

DRDの機能は、複製した非アクティブ・システムイメージをどのように扱うかによって、「Hot Recovery」と、「Hot Maintenance」に大別することができる。

代替システムイメージへのワンポイント切替を可能にするHot Recovery

DRDの用途としてまず考えられるのが、非アクティブ・システムイメージを緊急時のバックアップとして使用する「Hot Recovery」である。オリジナルのシステムイメージでなんらかの問題が発生した場合、事前に作成しておいた非アクティブ・システムイメージから瞬時にシステムを起動できる。 この場合の実行手順の概略は次の通りだ。

  1. 「drd clone」コマンドで複製を作成する(-tオプションで複製先のデバイスを指定) 。

    # drd clone -t /dev/dsk/c1t2d0
    =======  01/23/07 11:16:18 JST  BEGIN Clone System Image (user=root)
             (jobid=hpjmktg1)
    
           * Reading Current System Information
           * Selecting System Image To Clone
           * Selecting Target Disk
           * The disk "/dev/dsk/c1t2d0" contains data which will be overwritten.
           * Selecting Volume Manager For New System Image
           * Analyzing For System Image Cloning
           * Creating New File Systems
           * Copying File Systems To New System Image
           * Making New System Image Bootable
           * Unmounting New System Image Clone
           * System image: "sysimage_001" on disk "/dev/dsk/c1t2d0"
    
    =======  01/23/07 11:46:15 JST  END Clone System Image succeeded. (user=root)
             (jobid=hpjmktg1)

  2. 「drd activate」コマンドを実行し、非アクティブ・システムイメージをアクティベートする(OS起動パスを設定)。

    # drd activate
    =======  01/23/07 14:58:18 JST  BEGIN Activate Inactive System Image
             (user=root)  (jobid=hpjmktg1)
    
           * Reading Current System Information
           * Locating Inactive System Image
           * Determining Bootpath Status
           * Primary bootpath : 1/0/0/3/0.3.0 before activate.  <====== 現行稼働OSのパス
           * Primary bootpath : 1/0/1/1/0/1/1.2.0 after activate. <====== 複製したOSのパス
           * Alternate bootpath : 1/0/1/1/0/4/0 before activate.
           * Alternate bootpath : 1/0/1/1/0/4/0 after activate.
           * To return the primary boot path to its value before "drd activate ",
             issue the command 
             "setboot -p  1/0/0/3/0.3.0"
           * Activating Inactive System Image
    
    =======  01/23/07 14:58:33 JST  END Activate Inactive System Image succeeded.
             (user=root)  (jobid=hpjmktg1)

  3. システムをリブートする。

アクティブなシステムイメージが入れ替わる。つまり、これまでアクティブ・システムイメージだったものが非アクティブ・システムイメージに、非アクティブ・システムイメージだったものがアクティブ・システムイメージに入れ替わるわけだ。

より安全なパッチの適応やシステム修正を可能にするHot Maintenance

DRDのコマンドを使用すると、オリジナルのシステムイメージを変更することなく、非アクティブ・システムイメージに対してパッチの適用などの修正を加えることが可能だ。これを「Hot Maintenance」と呼ぶ。通常、システムのリブートが必要な複数のパッチを当てる場合、その数だけシステムを立ち上げ直す必要があるが、DRDを使用するとリブートが一度で済むためダウンタイムを短くできるわけだ。さらに、パッチの適用によってなんらかの問題が生じた場合にも、オリジナルのシステムイメージには変更を加えていないので簡単に戻すことが可能である。

なお、Hot Maintenanceを使用してパッチを適用するには、前述のHot Recoveryの「手順2(drd activate)」の前に、非アクティブ・システムイメージに対してパッチを適用すればよい。それには、「drd runcmd <SDコマンド>」を実行する。ここで、「SDコマンド」とは、ソフトウェア・パッチの管理コマンド群であるSoftware Distributor UX(SD-UX)に用意されているコマンドだ。たとえば、ソフトウェアのパッチのインストールにはSDコマンドとして、swinstallコマンドを指定すればよい(-sオプションでdepotのパスを指定) 。

# drd runcmd swinstall -s depot_server:/var/opt/patches \*

非アクティブ・システムイメージのマウント

なお、パッチが正しく適用されているのかを調べたい、あるいは非アクティブ・システムイメージ内の設定ファイルの中身を確認/変更したいといった理由で、非アクティブ・システムイメージ内のファイルシステムにアクセスしたいといったケースもあるだろう。

そのような場合には、次のようにして「drd mount」コマンドを実行する。

# drd mount

これで、非アクティブ・システムイメージが「/var/opt/drd/mnts/sysimage_001」といったディレクトリにマウントされ、自由にアクセスできるようになる。なお、逆に、非アクティブ・システムイメージをアクティベートし、複製されたシステムからブートしていた場合には、「drd mount」コマンドを実行するとオリジナルであったシステムイメージが「/var/opt/drd/mnts/sysimage_000」にマウントされる。

DRDの想定する環境について

HP-UX 11iでは通常、複数のディスクをひとつのグループにまとめ仮想的なパーティションを切り出すことを可能にするLogical Volume Manager(LVM)でディスクを管理しているが、ルート・ファイルシステムは「vg00」という名前のボリュームグループ内に置かれる。DRDではオリジナルのシステムイメージが、そのvg00内に存在しているものとして処理を行う。vg00以外のボリュームグループに存在するファイルシステムは複製の対象外となるので注意してほしい。
また、複製先はオリジナルと同等以上のディスク容量がある物理ディスクである必要があるが、OSブート可能なものであればSAN環境に複製を作成することも可能だ。なお、現在、DRDはHP-UX 11i v2(B.11.23)2004年9月以降とHP-UX11i v3(B.11.31)2007年9月以降のリリースをサポートしている。

DRDの適用パターン

DRDの概要が理解できたところで、3つの典型的な適用パターンを示そう。
  • 障害対策のためのDRD基本パターン
    まず1つ目は基本パターンと言うべきもので、ミラーリングされていない環境のディスクを複製するものだ。必要に応じて個別パッチを適用し、非アクティブ・システムイメージをアクティベートすることで複製されたシステムイメージからOSを起動できるようになる。

DRD基本パターン(HW/SW障害対策)
図2:DRD基本パターン(HW/SW障害対策)

  • ミラー構成での複製作成
    DRDでは、ハードディスクがミラーリング構成の環境を、複製することも可能だ。

DRD from Mirrordisk/UXパターン(HW/SW障害対策)
図3:DRD from Mirrordisk/UXパターン(HW/SW障害対策)

  • 複数のテスト環境の構築
    テスト環境を構築したり、もしくはある時点でのシステムのスナップショットを保存するといった目的で、複数の複製を作成することもできる。この場合、DRDから直接管理することができるのは最新の複製だけである点に注意されたい。他の複製からOSを起動させたい場合には、ユーザが設定ファイルを変更する必要がある(OSの起動パスを明示的に変更すること)。

DRD複数構成パターン(簡単なテスト環境構築)
図4:DRD複数構成パターン(簡単なテスト環境構築)

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