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ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・後編

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ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・後編

Metroclusterは、最大200kmの規模で展開できるDTクラスタである。HPのサワーズ氏によれば「特にSAP R/3向けに広く採用されている」という。一方Continentalclustersは、数100km〜数1000km離れたサイト間を結ぶソリューションであり、国内では2002年に小売大手のユーザが導入済みだ。こうしたDTクラスタの構築では、「ITシステムの継続」と「業務の継続」の違いを理解することが肝要となる。日本ヒューレット・パッカードの鬼山氏は、「きちんとプロセス化しないと、ディザスタ発生時に『とりあえず集まって議論する』という事態になりがち。こうした『考える時間』を極力なくすのがポイントだ」と説明する。

ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・後編
地域災害に対応するMetrocluster
大規模広域災害まで対応できるContinentalclusters
2005年5月
テクニカルライター 吉川和巳

クラスタ・ロックの実現方法

Extended Campus Clusterのサイト構成は、クラスタ・ロックの実現方法と密接に関わり合う(クラスタ・ロックについて詳しくは、特集「HAクラスタの疑問を解く・後編」を参照のこと)。例えば2つのサイトで構成されたクラスタでは、クラスタ・ロックとしてQuorum Serverを用いることはできない。どちらか片方のサイトにQuorum Serverを設置すると、ディザスタ発生時にはクラスタ・ロック機能も同時に失われるからだ。

そこで2サイト構成では、両サイトのストレージを使った「デュアル・ロック・ディスク」を設定する。これにより、ディザスタ発生時にもクラスタ・ロック機能はいずれかのサイトに残るため、スプリット・ブレイン解決を実施できる仕組みである。ただしServiceguardの制限上、この方法では両サイト合わせて最大4台のノードまでのサポートとなる。

一方、もし第3のサイトを設けることができれば、ロック・ディスクとは別の方法でクラスタ・ロックを実装し、最大16ノードのクラスタを構成可能になる。それは、第3のサイトに「アービトレータ・ノード」もしくはQuorum Serverを設置する方法だ。

アービトレータ・ノードとは、「クラスタ・ロックとして振る舞うServiceguardのノード」である。この場合、第1・第2のサイトのいずれかでディザスタが発生した際には、第3のサイトに設置されたノード上のServiceguardがクラスタ・ロックとして調停を行う。よって、デュアル・ロック・ディスクを設定する必要がなくなる。なお、第3のサイトのノードはストレージのミラーリングに参加できないため、おもにアプリケーション・サーバなど「データのフェイルオーバーが不要な用途」に振り向けることになる。

もっとも、ダークファイバで結ばれたデータセンターを3か所も設置するのはかなりのコストがかかる。そこで第3のサイトにQuorum Serverを配置しクラスタ・ロックとする方法もある。Quorum Serverはごく軽量のプロセスで通信量もごくわずかなので、例えば遠隔地の支店や営業所にあるWAN接続されたLinuxサーバなどでも運用できる。この方法ならば、2か所のデータセンターだけでも最大16ノードのDTクラスタを構成可能だ。


地域災害に対応するMetrocluster

Metroclusterは、最大200kmの規模で展開できるDTクラスタである。Extended Campus Clusterと同様にダークファイバでサイト間を接続し、全体で1つのServiceguardクラスタを構成することで自動フェイルオーバーを実現する(図1)。Metroclusterは米国やヨーロッパ、アジア、日本国内で多数の導入事例があり、サワーズ氏によれば「特にSAP R/3のDTクラスタ化に広く採用されている」という。なおMetroclusterではロック・ディスクが使用できないため、第3のサイトへのアービトレータ・ノードもしくはQuorum Serverの設置が必須となる。

 
図1:Metroclusterのネットワーク構成例
  Metroclusterの特徴は、ソフトウェア・ミラーリングの代わりに、ストレージ製品に備わるミラーリング機能を利用する点だ。具体的には、以下の3つの製品をサポートする。
  • HP StorageWorks Continuous Access XP
  • HP StorageWorks Continuous Access EVA
  • EMC SRDF

例えばHP StorageWorks Continuous Access XP(以降、CA XP)は、Disk Array XPシリーズ用のミラーリング・ソリューションである。CA XPでは、OSやファイルシステムが介在することなく、ストレージ同士がFibreChannel回線を通じてミラーリングを実行する。図1の例は、サイト1のPVOL(プライマリ・ボリューム)からサイト2のSVOL(セカンダリ・ボリューム)へ、そしてサイト2のPVOLからサイト1のSVOLへと、CA XPによる双方向のミラーリングを実施する構成例である。


CA XPのミラーリングの振る舞い

CA XPでは、アプリケーションの要件に応じて、ミラーリングの振る舞いを「同期」と「非同期」のいずれかに設定する。同期ミラーリングでは、PVOLとSVOLのデータをつねに一致させるため、フェイルオーバー後も最新データをもとに処理を継続できる。ただしPVOLとSVOL双方のデータ書き込みを待たねばならず、パフォーマンス面での制約がある。またサイト間のリンクやSVOLに障害が発生すると、ミラーリングを手動停止するまではPVOLへの書き込みが行えなくなる。パフォーマンスや可用性よりもデータの整合性確保を優先した設定である。

一方の非同期ミラーリングでは、データがキャッシュに書き込まれた段階で次の処理に進めるため、より高いパフォーマンスが得られる。データはキャッシュからPVOLおよびSVOLに非同期的に保存され、またリンクやSVOLの障害時にもPVOLだけで処理を継続できる。つまり非同期ミラーリングは、データの整合性よりもパフォーマンスと可用性を重視した構成となる。

このようにMetroclusterは、ストレージ製品のミラーリング機能をフルに活用したDTクラスタを実現するソリューションだ。

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