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ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・前編

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ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・前編
ITシステムにとってのディザスタ(災害)は、地震や火災だけとは限らない。例えば、近隣の工事作業中に地中の電線や通信ケーブルが誤って切断されたケース。ビルの受配電設備やマシンルームの空調設備の故障。システム運用スタッフの不注意や悪意ある操作。または、大規模なハッキングやウィルス被害によるシステム停止。こうした様々な“ディザスタ”の発生に耐える広域HAクラスタが「ディザスタトレラント・クラスタ」だ。米国HPで高可用性ソリューションの開発を指揮するボブ・サワーズ氏に、ディザスタトレラント・クラスタ構築の要となる技術的ポイントについて話を伺った。
ディザスタトレラント(耐災害)クラスタの構築法・前編
地震や火災以外にもある「ディザスタ」
局所災害に対応するExtended Campus Cluster
2005年5月
テクニカルライター 吉川和巳

地震や火災以外にもある「ディザスタ」


ボブ・サワーズ氏
  ボブ・サワーズ氏
ITシステムにとってのディザスタ(災害)は、地震や火災だけとは限らない。例えば、近隣の工事作業中に地中の電線や通信ケーブルが誤って切断されたケース。ビルの受配電設備やマシンルームの空調設備の故障。システム運用スタッフの不注意や悪意ある操作。または、大規模なハッキングやウィルス被害によるシステム停止。このように、サイト全体規模で障害が発生するあらゆる可能性をディザスタと見なせば、ディザスタリカバリ・システムは「地震や火災への保険」に留まらないことが分かる。むしろ、高度な可用性を達成するためには必要不可欠な手段と言える。

米国HPでHP Serviceguardやディザスタリカバリ・ソリューションの開発を指揮するボブ・サワーズ氏は、ITシステムに求められる可用性がここ数年で急激に高まっている状況を次のように説明する。「10年前は5×8、つまり平日営業時間帯のみのシステム運用が一般的だった。しかし今や7×24、つまり24時間年中無休の運用が当たり前だ」「多くの企業では99.9%(年間9時間のダウン)の可用性を必要としている。また金融機関や証券会社では99.99%(1時間)や99.999%(5分)、さらに通信事業者では99.9999%(30秒)といったレベルになる。例えば電話交換機から課金情報を収集するシステムがダウンすれば、その間の通話はまったく課金できなくなり、莫大な損害が発生する」(サワーズ氏)という。たとえ電話会社ではなくても、短時間のシステム障害が大幅なイメージダウンや減収に直結する企業ならば、通信事業者に匹敵する可用性が求められるだろう。


ローカル・クラスタからDTクラスタへ


以前の特集「HAクラスタの疑問を解く・前編」でも説明したとおり、こうした高可用性を実現する手段としてHAクラスタ(高可用性クラスタ)が広く用いられている。HP Serviceguardをはじめとするクラスタウェアを利用し、システム障害時にはプライマリ・ノードからスタンバイ・ノードへとフェイルオーバーすることで、ダウンタイムを最小限にとどめる手法だ。こうしたサイト内でフェイルオーバーするHAクラスタは「ローカル・クラスタ」と呼ばれる(図1)。
 
図1:ローカル・クラスタ
図1:ローカル・クラスタ
  しかし、こうしたローカル・クラスタでは、冒頭で紹介したようなサイト全体の障害には対処できない。そこで、地理的に離れた場所に複数のサイトを設置し、ディザスタ発生時には遠隔サイトを代替えとするのがディザスタリカバリ・システムである。

ディザスタリカバリの具体的な手段として、従来はテープ・メディアによるデータ移動が一般的だった。つまり、バックアップ作業で作成されたテープを人手で遠隔サイトに運搬し、リカバリ作業を実施する。しかしサワーズ氏は、こうした方法では「手作業によるリカバリ作業が中心となるため、2〜3日、もしくはそれ以上の時間がかかってしまう」と指摘する。またバックアップされた内容が必ずしも最新のデータでない場合もある。

これに対し、近年のネットワーク技術やストレージ技術の進化によって生まれた新しい手法が、ディザスタトレラント(耐災害)クラスタ(以降、DTクラスタ)である。DTクラスタは、その名が示すとおり、「ディザスタの発生に耐えるHAクラスタ」だ。ローカル・クラスタにおけるフェイルオーバーの規模を拡大し、サイトからサイトへのフェイルオーバーを数分〜数時間で実現するメカニズムである(図2)。

  図2:DTクラスタ
図2:DTクラスタ
  以前の特集でも説明したとおり、HAクラスタの特徴は「プライマリ・ノードとセカンダリ・ノードでディスクを共有すること」だ。ローカル・クラスタの場合、プライマリとセカンダリを同じ共有ディスクに接続することで、セカンダリ側では最新のデータをもとに業務を継続できる。一方、サイトとサイトが遠く離れているDTクラスタでは、サイト間を結ぶ広帯域ネットワークが重要な役割を果たす。この点についてサワーズ氏は、「ここ数年でネットワーク技術は大きく様変わりした。とりわけDWDMは、DTクラスタを実現する手段として理想的なテクノロジーだ」と強調する。

DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)とは、「高密度波長分割多重方式」の略である。これは、波長の異なる数10本の光信号を1本のファイバーケーブルに束ねることで、数10〜数100Gbpsの長距離広帯域伝送を可能にする技術である(図3)。

  図3:DWDMの原理
図3:DWDMの原理
  このDWDMによりサイト間を接続すれば、それぞれに設置された2台のストレージ間で、あたかも同じサイト内であるかのような高速・大容量のミラーリングが可能になる。これにより、フェイルオーバー先の遠隔サイトでも最新データによる業務継続が実現する仕組みだ。

3種類のDTクラスタ


HPでは、こうしたDTクラスタを実現するソリューションとして、クラスタウェアHP Serviceguardをベースとした3種類の製品を提供している。いずれも、前出のサワーズ氏が中心となって開発されたものだ。

<表:3種類のDTクラスタ・ソリューション>
 

Extended Campus Cluster

Metrocluster

Continentalclusters

サイト間距離 〜100km 〜200km 無制限
サイト間ネットワーク DWDM DWDM WAN
クラスタ構成 1クラスタ 1クラスタ 2クラスタ
ミラーリング方式 ソフトウェアによるミラーリング ストレージによるミラーリング ストレージによるミラーリング
フェイルオーバー 自動 自動 手動

そこで以下、この3つのソリューションにクローズアップし、DTクラスタの技術的な特徴を説明しよう。

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