この度は、次世代を見据えたテクノロジーイノベーションのアイデアを募集したHPE Tech Power Club イノベーションチャレンジ2016 へたくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

本年の特別賞受賞者は、ミッションクリティカル分野でHPE Integrity NonStop サーバーでの検証を行われた 日本電気株式会社 松友 進一郎 様 でした。 早速、お約束しておりました受賞者のレポート公開をさせて頂きます。

HPE Integrity NonStop サーバーをご存知の方は勿論、ご存知でない方にも、製品を問わず技術者として検証という観点で勉強になる部分がたくさん詰まったレポートでした。


是非ご一読ください!
※ 検証レポートは、ページの一番下にあるリンクよりダウンロードが行えます。




NEC 先端SI技術開発センター
エキスパート
松友 進一郎 様

特別賞受賞者

日本電気株式会社 松友 進一郎 様


応募分野

ミッションクリティカル


タイトル

「Java AP実行基盤としてのHPE Integrity NonStopサーバーの真のミッションクリティカル優位性」


検証レポート概要

高性能領域で存在するHA(Oracle,RHEL)とのトレードオフを無くすために、NonStop Xの投入によるXeon化やInfiniBand化などHWによる性能向上に加え、高性能領域でボトルネック改善を図るSWモジュール強化に向けたPoC (Proof of Concept)で関連プロダクトの能力を最大現に引き出すことに成功。あわせて、NonStopによるJava AP実行基盤の「標準化と差別化の両立」によるコモディティ領域侵食に向けJBossに対するNSASJ優位性を徹底的にベンチマークし、NonStopの真のミッションクリティカル優位性を導出した。

技術的な特徴・先進性

NonStopによる基幹系システムがNonStop Xの投入によってさらに高性能を求められる領域へと伸張し、さらにNSASJとの組み合わせでこれまでx86ハイエンドサーバが担ってきているJavaによる基幹系オープンシステム領域への適用が期待される中、当該領域におけるNonStopの真のミッションクリティカル優位性を以下の通り実現・導出した。

先ず、NonStop iでの高性能領域で存在しているHA(Oracle,RHEL)とのトレードオフを排除するために、NECの十数年に渡るOMCS(Open Mission Critical System)のノウハウと実績を活用した基幹系大規模オンライントランザクション領域におけるNonStopXのPoCを実施した。PoCでは、ATCはじめHPEの全面的な協力のもと、NECのOMCS SI技術・ノウハウを活かし、秒間1万トランザクションレベルの性能性・可用性検証の手法の適用で高性能領域におけるNonStopの構造上のボトルネック排除やアーキテクチャ改善を施すモジュール改修を行った。その結果、スループット向上(SQL/MXで3倍、NSASJで2.5倍)、DB同時接続数増大(nodeあたり15,000コネクション)、HW障害時切替性能改善(10秒以下)、Java APマルチスレッド実装強化(JVMのpreemptive対応)、その他機能拡張など、合計15の改善を図ることに成功し、大規模・高性能領域においてx86ハイエンドサーバと遜色のないJava AP実行基盤の実力を得た。




次に、NonStop XとNSASJの台頭が既存のx86ハイエンドサーバとLinuxベースのコモディティ製品との競合を加速させることを見通し、JBoss APサーバとNSAJをSI観点から徹底的なベンチマークを実施した。ベンチマークでは、技術観点として、業界標準に準拠しつつもHPEが独自に強化・拡張したNonStopサーバーとNSASJによる無停止Javaアプリケーション実行環境の優位性を一般的なIAサーバーとJBossによる環境にて比較し、業務無停止の実現に向け最も重要な、一般的なIAサーバーとJBossの組合せでは実現が困難な3つの優位性と、NonStop適用領域のさらなる伸長に向けた、性能性・拡張性、その他の観点から7つの優位性を導出した。加えて、コモディティ製品・OSS製品とは一概に比較が困難な費用観点においても、NonStop(FT)と同等レベルの可用性をJBoss(HA)で実現する場合のFTとHAのギャップを「保守・サポート」「技術対処」「運用対処」で補完するコスト構造を分析し、NonStopの初期費用は相対的に高いが、JBossの超MC領域への適用に向けた追加コストと合わせHA構成で回避できない障害による運用リカバリが発生した場合はNSASJより高コスト化する可能性を示し、NSASJのコスト妥当性を示した。

エンジニアとして苦労した点・チャレンジを感じた点

弊社は、弊社がこれまでに培ってきたBest of BreedによるHAベースのOMCSから、よりシンプルで強固な高可用基盤アーキテクチャを求め2014年3月からNonStopのホワイトボックス化に着手した。今回の論文で示す、PoCによる課題抽出から製品改修とそれら結果を踏まえた優位性の導出をわずか1年半という時間軸で完遂するためには、十数年に渡る大規模・高性能領域におけるOMCS SI経験・ノウハウに加え何より環境面・技術面・ビジネス面でのHPE社の全面的な協力が不可欠であったが、以下に弊社の立場・視点から成功要因を挙げる。


(1) 大規模・高性能領域での、ボトルネック抽出と改善

NonStopの超並列Shared Nothingアーキテクチャに対し構造上のボトルネック抽出に向けOMCSの大規模・高性能領域での性能測定ならびに分析手法を導入。実機で毎秒1万TXレベルの性能測定シミュレータと分析手法を用いてボトルネック分析を行い、それら排除のための情報採取・分析を両社で行うことで新たにボトルネックを抽出し改善した。


(2) PoC抽出課題と改善内容に関する合意形成と、短納期での製品改修の実現

PoC抽出課題に対して、弊社が今後NonStopで目指したい姿や技術改善案を示しながら両社にとってのゴールとフィジビリティをテレカンやF2Fのミーティングを通じてお互いが理解し合えるまで議論し、両社が納得のいく課題定義・解決策の合意から両社の事情を鑑みた優先度コントロールまでをきめ細かく行うことで短期間での製品改修を実現した。


(3) 相反する、標準への準拠と優位性を出すことの同時訴求

コモディティ化・標準化を図るNonStop XならびにNSASJだが、標準準拠性をうたいながら、一方でコモディティHW製品やOSS製品に対する優位性を同時に訴求することは一般に極めて難しい。今回、OMCS視点で弊社のHA領域でのSI実績・ノウハウを注いだJBossと、PoCでボトルネック改善されたNSASJを、FT領域で求められる評価軸からのベンチマークを行うことでNonStopの真のミッションクリティカル性を導出した。

検証に取り組んだ感想

短期間でNonStopのポテンシャルを最大限引き出すことに成功したのは、そもそもNonStopがもつアーキテクチャが洗練され優れていること、ならびにHPEのNonStopエンジニアの高い技術力と誠実な人柄によるものであると確信しています。自身のエンジニアとしてのスキル・経験にも大いに影響を受けました。ありがとうございました。

HPE Tech Power Clubへの今後の期待

本論文が、これからさらにNonStopの仲間を増やしていくために、社内外問わず関係のみなさまに広くご活用いただけるよう期待します。

検証レポートは、右のリンクからダウンロードが行えます。  PDF (7.41MB)
※提出いただいたレポートから、一部価格情報や性能数値等、関係者外秘の情報は削除・加工しております。何卒ご了承ください。