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HP Tech Power Club 2014レポート 基調講演(後編)“The Machine”というイノベーション

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“The Machine”というイノベーション

HP Tech Power Club 2014レポート 基調講演(後編)
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2014年7月2日
続いて「HP Tech Power Club 2014」基調講演に登壇したのは、HPサーバー部門の最高技術責任者Keith McAuliffeである。McAuliffeは「サーバーテクノロジーの今と未来 〜The Machineで世界を変えるエンジニアへ」と題した講演で、“情報爆発の時代”に適応する、まったく新しいコンピューティングアーキテクチャー『The Machine』を解説した。 Keith McAuliffe
ヒューレット・パッカードカンパニー
バイスプレジデント
HPサーバー最高技術責任者
HPサーバーズグローバルビジネスユニット
Keith McAuliffe

爆発的なデータ増大、そして電力消費という問題

「世界中のデータが爆発的に増大しています。2020年に世界のデータ量は40ZB(40億TB)になるという予測がありますが、その時になってみればこれが“控えめな数字”であったことに気づくでしょう」とMcAuliffeは語り始めた。
スマートフォン、自動車、家庭にある様々な機器からデータが生成され収集されている。いわゆるIoT(Internet of Things)が加速しており、この膨大なデータを管理し利用できる形に処理する必要がある。

「爆発的なデータの増大に対して、従来型のOLTPではいずれ対応できなくなるだろうと考えています。しかも、コンピューターもデータセンターも世界中で増え続けています。パブリッククラウドのデータセンターが消費する電力量は、国別の年間消費電力との比較で米・中・露・日に続いて第5位のポジションに相当します。つまり私たちは、いかに膨大なデータを処理するかという問題だけでなく、いかに電力消費を抑制するかという問題にも同時に取り組まなければならないのです」
McAuliffeは、目前に迫る危機に対して「HPが現在開発を進めている3つのテクノロジーが活かされると確信している」と話す。

(1)Energy and Algorithm Optimized Systems on Chip(以下、SoC)
(2)Universal Memory(ユニバーサルメモリ)
(3)Photonics and Fabrics(フォトニクス)

この3つが、まったく新しいコンピューティングアーキテクチャー「The Machine」を実現する中核テクノロジーとなる。HPは、「The Machine」の実現に向けたプロジェクトの過程で、既存のサーバー製品にもこれらのテクノロジーを取り込んでいく考えだ。


用途別に最適化した「SoC」により性能向上と省電力を達成

SoC(Systems on Chip)は、スマートフォンなどのモバイルデバイスで採用され急速な進化を遂げてきた。音声処理など特定の演算処理に役割を絞り込むことで、汎用プロセッサーのおよそ1,000倍という処理能力を実現し、かつ電力消費を大幅に抑制することに成功している。

「複数の機能を担うサブシステムを同一チップ内に実装するSoCは、サーバーシステムでも間違いなく有効です。問題は、モバイルでバイスに採用されているテクノロジーを、いかにデータセンタースケールで展開するかということです」(McAuliffe)

その具体例として、McAuliffeは「HP Moonshot System」を紹介した。
「HP Moonshot Systemでは、特定のワークロードに対して最適なSoCを選択してサーバーシステムを構成します。HP Moonshot Systemへの取り組みはまだ始まったばかり。今後さらに拡充し進化させていきます」(McAuliffe)

Server SoCs Bringing Disruptive Value

“CPU−メモリ−ストレージ”の既存アーキテクチャーを一新

Keith McAuliffe
(Keith McAuliffe)
続いてMcAuliffeが紹介した「ユニバーサルメモリ」は、その名が示す通り、高速性・高集積性・ 不揮発性すべての特長を兼ね備えた記憶媒体である。HDDやSSDより高速で、DRAMより安価という性格を持つ。HPは、二酸化チタニウムを使った受動素子「memristor」の開発で業界をリードしてきた。

「NAND型フラッシュメモリは素晴らしい技術ですが、DRAMよりも遅く書き込みによるセルの消耗という課題もあります。HPが開発を進めている『ユニバーサルメモリ』は、HDDと同等の容量、DRAMに匹敵するパフォーマンスの実現を目指しています。CPUはメモリやストレージの階層間でデータを移動させる処理から解放され、システム全体の処理性能は劇的に向上することになります」(McAuliffe)

CPUの高速化に追従できないHDDベースのストレージ環境を一新するだけではない。現在の主流である“CPU−メモリ−ストレージ”というアーキテクチャーを変え、“CPU−ユニバーサルメモリ”というシンプルかつ高性能なシステムデザインが可能になる。

“フォトニクスネットワーキング”を様々な領域に適用

次に紹介されたのは「フォトニクス」、すなわち光ベースのネットワークである。
「これまで『フォトニクス』の用途は、巨大な帯域幅や長距離伝送が求められる領域に限られてきました。光と電子の変換に多くの電力を消費すること、コストが高いという課題があったのです。ですが、今後シリコンフォトニクスの進展によりコストは2ケタ下がり、電力の問題も解決に向かうでしょう」とMcAuliffeは見通しを示す。

これにより、データセンター内でのシステム間接続、ラック内のサーバーノード間接続にもフォトニクスよる巨大な帯域幅が利用可能になるという。

「1つのワークロードを処理するために数千台規模のサーバーを接続するような環境では、まさに不可欠なテクノロジーとなります。また、サーバー内部でフォトニクスが利用されると、CPUがより直接的かつ高速にメモリアクセスできるようになるわけです」(McAuliffe)

データセンターネットワークからラック内のサーバー間インターコネクト、サーバー内、SoC上にまで「フォトニクス」の利用が広がっていくとMcAuliffeは予見する。

Photonice-connected computing

究極のコンピューティングアーキテクチャー「The Machine」

「SoC、ユニバーサルメモリ、フォトニクスは独立した進化を遂げ、それぞれのテクノロジーが成熟した段階で、HPサーバー製品に組み込んでいきます。HPは、究極的にはこれらのテクノロジーを統合して利用可能にします。私たちは、このまったく新しいコンピューティングアーキテクチャーを『The Machine』と呼んでいます」とMcAuliffeは語る。

これらの技術が連携することで、いずれ業界が直面する「超巨大データ処理」「超省電力化」への対応が可能になる。

「The Machineにはいくつかの形態が考えられます。たとえば、CPU/メモリをリソースプールとし、高速インターコネクトによって複数のワークロードを割り振る構成があります。大規模データを対象とする複雑なリアルタイム処理に威力を発揮するでしょう」とMcAuliffeは自信を示す。

Technologies Working Together - The Machine

「あるいは『The Machine』を携帯電話の基地局に配置して、M2Mなどのビッグデータのリアルタイム処理を実行し、メタデータを複数のThe Machine間で共有するようなモデルも考えられます」(McAuliffe)

Distributed use case : the smart cell tower

SoC、ユニバーサルメモリ、フォトニクス――これらのテクノロジーは、すべて「The Machine」の実現に向けて着実に開発が進んでいる。

「私たちは、SoCをいち早く実用化したHP Moonshot Systemを更に進化させるとともに、革新的なインメモリ処理のプラットフォーム『DragonHawk』など、様々なサーバー製品を開発し提供していきます。そしてHPは、The Machineの戦略を着実に推進していきます。それは、お客様にとって最も価値のあるアプローチだと確信しているからです」とMcAuliffeは結んだ。


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