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技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

概要/ 本書について
  HP BladeSystem インターコネクト/Exchange のバックアップおよびリストア方法/バックアップ先のテスト
  テープへのバックアップ
  仮想ライブラリへのバックアップ
  ディスクへのバックアップ
  まとめ/詳細情報

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HP BladeSystem における Microsoft Exchange Server 2003のバックアップとリストア

テープへのバックアップ

  テープは、Exchangeデータベースとログのバックアップで一般的に使用されるメディアです。ラックマウント型サーバやタワー型サーバでは、テープドライブは内蔵SCSI カードで直接接続しますが、HP BladeSystemサーバにはPCIスロットがないため、テープ ドライブの直接接続はサポートされません。HP BladeSystemサーバでは、テープドライブは、エンクロージャのファイバチャネルインターコネクトかイーサネットインターコネクトを使って接続する必要があります。本書では、この両方のオプションについて説明します。  

従来のバックアップ ソリューション

HP BladeSystemソリューションについて考える前に、図3に示すような従来型のバックアップソリューションを見てみましょう。このテープアーキテクチャは、タワー型またはラックマウント型サーバで一般的に実装されているもので、PCIベースのファイバチャネルHBAを使用しています。
図3.ラックマウント型またはタワー型サーバで一般的なファイバチャネル接続のテープ ソリューション
図3.ラックマウント型またはタワー型サーバで一般的なファイバチャネル接続のテープソリューション

図3では、HBA1とHBA2はプライマリディスクストレージへのアクセス、HBA3はSANのテープデバイスへのアクセスにゾーン分けされています。
注記: SANアクセスのパーティションには、ゾーニングが使用されます。異なるゾーンのデバイス同士が、通信することはできません。

図3では、1つのHBAがテープデバイスにアクセスしています。必要であれば、帯域幅の要件に応じてHBAを追加できます。

別のHBAを使ってSCSIPortドライバ経由でディスクとテープにアクセス
別のHBAを使ってプライマリディスク ストレージとテープデバイスにアクセスする方法は、Microsoftのサポート技術情報(Knowledge Base) 「どんな場合にWindowsサーバークラスタにバックアップソリューションを使うのか検討する要件」 (KB887017)に記載されています。KB887017はMicrosoft Windows® クラスタを中心にした内容で、別のHBAを使ってSCSIPortドライバ経由でSANディスクストレージやテープデバイスにアクセスする内容の関連情報があります。

HPは、SCSIPortドライバを使用し、同じ共有HBAにあるテープとディスクストレージに対応する認定バックアップソリューションを提供しています (HP StorageWorks エンタープライズバックアップソリューションサイトhttp://h50146.www5.hp.com/products/storage/solution/backup/index.html
(http://www.hp.com/go/ebs (英語)) に説明が掲載されています)。HPは、この共有HBAソリューションを提案してはいますが、バックアップおよびリストアソリューションのプランニングでは、Microsoft のサポートの問題を検討する必要があります。

Storport ドライバ モデル
Windows Server 2003では、Storportという新しいストレージドライバ モデルが採用されています。これにより、テープとディスクストレージ用に別のHBAを使用する必要がなくなります。詳細は、
http://www.microsoft.com/windowsserver2003/technologies/storage/storport/default.mspx (英語) を参照してください。

HP ProLiantサーバブレードでサポート可能なHBAは最大2つなので、図3のHBAを3つ使用する構成は、HP BladeSystem環境では実現できません。HBAポートを2つ備え、ファイバチャネルSAN上にディスクストレージとテープデバイスを両方配備する完全にサポートされたSANソリューションを導入するには、Storport HBAドライバが必要です。

図4では、HP BladeSystemサーバで使用できるHBAドライバ一覧の一部を紹介しています。
図4.HP ProLiant BL25p と BL45p サーバ ブレードで提供されている Storport および SCSIport HBA ドライバ
図4.HP ProLiant BL25p と BL45pサーバブレードで提供されている
Storportおよび SCSIport HBAドライバ

ディスクストレージとテープ デバイスが同じ HBA を共有する構成は Storport ドライバではサポートされていますが、SANでは、ディスクストレージとテープデバイスに異なるゾーンを設定する必要があります。各サーバにある2つのHBAポートは、複数のゾーンのメンバとして使用できます。

HP BladeSystemソリューション

図5は、StorportドライバモデルをベースにしたHP BladeSystem構成の例であり、SANスイッチを使って次の接続を行っています。

  • ゾーン1
    サーバHBAとHP StorageWorks 1500cs Modular Smart Array
  • ゾーン2
    サーバHBA とHP StorageWorks Network Storage Router M2402
  この構成では、サーバHBAポートは両方のゾーンのメンバです。
図5.HP BladeSystem の共有 HBA
図5.HP BladeSystem の共有 HBA

各サーバとSANスイッチはエンクロージャ内部で接続されているので見えません。

クラスタリングのサポート

この環境ではクラスタを使用していませんが、MSA30エンクロージャの1つには、クラスタリングをサポートする容量が割り当てられています。

ストレージ グループとデータベースのバックアップ

Exchange Server では、最大4つのストレージグループ(SG)を使用でき、1つのSGは最大5つのデータベース(DB)から構成されます。SGとDBのストリーミングバックアップでは、次の点を考慮します。

  • SGバックアップは、シーケンシャルまたは並列で実行できます。
  • SGは、4つをすべて同時にバックアップできますが、SG内のバックアップはシーケンシャルです。SG内のDB は、一度に1つしかバックアップできません。
  • SGのバックアップでは、SGに含まれる DB のバックアップが順番に実行され、SG内のすべてのDB がバックアップされます。
  図5で示すように、テスト環境では、Exchange SGとDBはMSA1500上に構成されています。

互換性

図5で示すソリューションは、HP BladeSystemサーバと、Storportドライバを使ったHP StorageWorksディスクアレイおよびテープ デバイスの構成例の1つです。詳細は、http://www.hp.com/go/ebs (英語) の『HP StorageWorks Enterprise Backup Solution Example Configurations』 (Technical Documentation リンク)を参照してください。

バックアップソリューションのプランニングでは、互換性のあるソフトウェア、ファームウェア、ドライバを選択することが重要です。互換性は、上記WebサイトのEBS Compatibility matrix ンクから『HP StorageWorks Enterprise Backup Solution (EBS) Hardware/Software Compatibility Matrix 』1 で確認してください。

Storportドライバ モデルのバージョン

Storportドライバ モデルの中核となるのが、Microsoftがコアオペレーティングシステムの一部として提供している storport.sys です。Microsoftは、定期的にstorport.sys を更新しているので、正しいバージョンを実装することが重要です。

現在の最小バージョンは KB891793、推奨バージョンはKB903081に含まれています。最小バージョンと推奨バージョンに関する詳細は、http://support.microsoft.com を参照してください。ページ左にあるナレッジベースの [search] ダイアログフィールドにKB名を入力してください。

HPが最近テストと認定を行ったstorport.sys のバージョンは、上記の互換性リストに記載されています。

まとめ

HP BladeSystemのバックアップおよびリストアソリューションのプランニングでは、次のような点を考慮してください。
  • ファイバチャネルHBAの導入には、Storportドライバを使用する
  • 完全にサポートされているSAN構成を使用し、正しいバージョンのHBAドライバ、storport.sys、その他ソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントを使用する
1 この一覧表では、ディスクアレイ、テープ ライブラリ、ファイバチャネルスイッチ、HBA など幅広い製品でテストを実施し、サポート対象となっているソフトウェア、ファームウェア、ドライバのバージョンを参照できます。

バックアップ デバイスでの同時実行レベルの設定

Data Protectorでは、バックアップデバイスごとに同時実行レベルを設定できます。この設定により、バックアップ エージェントから各デバイスで実行できるデータストリームの数を制御できます。デフォルト値は2なので、バックアップエージェントがデバイスに対して実行できるデータストリーミングはわずか2つということになります。

図6は、Data Protectorインタフェースを使って同時実行レベルを設定する方法を示しています。
図6.同時実行レベルを 2 に設定し、2 つのバックアップ エージェントからのデータ ストリームをデバイスで実行
図6.同時実行レベルを2に設定し、2つのバックアップエージェントからの
データストリームをデバイスで実行

同時実行レベルを2以上の数値に設定すると、バックアップ デバイスの帯域幅を有効に活用できます。たとえば、HP StorageWorks Ultrium 960テープ ドライブは、2:1圧縮時に 576 GB/hの最大転送速度を発揮します。1 つのバックアップエージェントではこの転送速度を維持できない場合があるため、バックアップエージェントを追加してテープ ドライブへの並列書き込みを行うことにより、デバイスの使用率を最適化できます。同時実行レベルを2以上に設定する場合、エージェントのバランスを調整すると、各バックアップエージェントのスループットが低下することはありません。ただし、バックアップメディアのデータセットの密度が低くなることがあり、リストアに時間がかかる場合があります。

表1は、HPが実施したテストの結果であり、同時実行レベルが転送速度に与える影響を示しています。

表1. 同時実行レベルがバックアップおよびリカバリ速度に与える影響
同時実行レベル バックアップ速度 (GB/h) リストア速度 (GB/h)
1 160 154
2 194 80

表1から、同時実行レベルの値が大きくなると、テープデバイスのバックアップスループットは増大しますが、データセットあたりのリカバリ速度は低下することがわかります。この関連性は、テープとディスクのバックアップのいずれにも当てはまります。

同時実行レベルが最適な値に設定されているように見えても、バックアップ ウィンドウ、ターゲットバックアップデバイスの使用率、リストア時間など、他の要因も検討する必要があります。

データストリームのバランス調整

本書で説明する Exchangeバックアップ ソリューションのプランニングでは、HBAとファイバチャネル間を流れるデータストリームのバランスを調整することが重要です。図5では、NSR(Network Storage Router)が2 つのファイバチャネル接続を提供し、これを介してテープ ドライブがサーバに接続されています。すべてのドライブが1つのファイバチャネル ポートで接続されている場合、全体的なスループットは最適なレベルにはなりません。

また、バランスは、サーバ上でも調整する必要があります。テープドライブが単一のHBAに接続されていると、スループットは低下します。

テスト環境では、スループットのバランスを調整するために、テープドライブを均等に2つのポートに分割する設定をNSRで行い、各テープ ドライブをそれぞれのHBAポートに明示的に割り当てました。

ベースライン テスト

HPは、バックアップ先として使用するテープドライブで、次のベースラインテストを実行しました。

  • 書き込みテスト
    HPは、HPTapePerfツールを使って、テープドライブに対して書き込みテストを実行しました。HPTapePerf の複数のインスタンスを使用して、単一のサーバ上で複数のテープドライブをテストできます。このツールを入手するには、http://www.hp.com (英語)で「HPTapePerf」を検索してください。
  • 読み出しテスト
    H は、HP StorageWorks L & TT(Library and Tape Tool)を使って読み出しテストを実行しました。このツールでは、各サーバで一度に1つのインスタンスしか実行できません。 このツールは、
    http://h50146.www5.hp.com/products/storage/tape/ltt/index.html
    (http://h18004.www1.hp.com/products/storageworks/ltt/index.html (英語))で入手できます。
  以下にテスト結果を示します。

ベースライン書き込みテスト

表2は、4つの並列テープドライブでベースライン書き込みテストを行った結果のまとめです。

表2. HPTapePerfツールによるベースライン書き込みテストの結果
並列テープ ドライブ 圧縮 MB/s GB/h (シングル デバイス) GB/h (累積)
1 2:1 62 217 217
3:1 90 318 318
2 2:1 62 217 434
3:1 90 318 636
4 2:1 62 217 868
3:1 70 240 960

表2から、3:1の圧縮の場合、並列ドライブが2から4に増えると、書き込みパフォーマンスが低下することがわかります。
注記: Exchangeデータベースバックアップでの圧縮率は、データベースのコンテンツによって変動します。たとえば、データベースの内容が、グラフィックやビデオなど既に圧縮されているファイルや圧縮不能なファイルの場合よりも、テキストメッセージの方が圧縮率は高くなります。

ベースライン読み出しテスト

1台のサーバで実行できるL&TTインスタンスは1つだけなので、表3は、サーバ2台を使用して実行したテストの結果です。

表3. L&TTによるベースライン読み出しおよび書き込みテストの結果
並列テープ ドライブ 読み出し/
書き込み
圧縮 MB/s GB/h
(シングル デバイス)
GB/h(合計)
2 書き込み 1.6:1
48
168
336
2:1 62 217 434
読み出し 1.6:1
48
168
336
2:1 56 196 392

バックアップ テスト

これで、テスト環境でのベースライン書き込みとベースライン読み出しの転送速度を確認できたので、次に Data Protectorでバックアップテストを実行しました。

注記: Data Protectorによるバックアップでは、これまでに説明したストリーミングAPIのバックアップを使ってExchangeデータベースからデータを読み出し、次にターゲット ドライブにデータを書き込みます。

NULデバイスとテープデバイスの使用

Data Protectorには、NULデバイスをバックアップ先として使用する機能があるので、パフォーマンスベースラインを作成する場合に便利です。この機能は、バックアップデバイスとバックアップデバイスへのデータパスを除いて、運用環境でのバックアップに必要な全コンポーネントで実行できます。

NULデバイスをバックアップ先としてテストすることにより、ソースのデータ速度とストレージ環境に合わせて物理的なバックアップデバイスをサイジングできます。

HPは、NULデバイスを Exchangeサーバ上に作成し、Data Protectorがバックアップデータをテープ ドライブではなくローカルNULデバイスに書き込めるようにしました。これにより、バックアップエージェントと、Exchangeデータベースボリュームおよびログ ボリュームからの読み出し速度をテストできます。次に、NULデバイスの代わりにテープドライブを使って同様のバックアップ テストを実行し、NULデバイスでは実行できなかったリストアテストを行いました。

テスト結果

表4は、NULデバイスとテープ ドライブを使ったバックアップテストの結果の比較です。
注記: NULデバイスを使ったテストでは、各SGを異なるNULデバイスにバックアップし、専用のSG/NULデバイスペアを作成しました。

表4.Data Protectorによるバックアップテストの結果
アレイ 並列デバイスの数 操作 データ速度 (GB/h)
NUL テープ
MSA1500 2 バックアップ 326 320
リストア 適用不可 300
EVA 2 バックアップ 506 376
1 リストア 適用不可 150
4 バックアップ 720 600
リストア 適用不可 480
注記: 表4および後の表で示すデータ速度は、各行で示したデバイスの数を合計した速度です。たとえば、5 行目の720GB/hは、4つのNULデバイスのデータ速度の合計です。

NULデバイスとテープデバイスでのバックアップ データ速度に相違がある場合は、ボトルネックが存在することを示しています。NULデバイスへの書き込みの方が高速の場合は、テープ ドライブまたはテープドライブへのパスにボトルネックの原因があります。しかしながら、書き込み速度が同等であれば、データベースからの書き込み速度の制約の可能性があります。

バランスが取れていない状態

Data Protectorのデフォルト設定では、すべての Exchangeデータベース(この場合は 20)がバックアップに選択されているので、ディスク ストレージサブシステムとバックアップデバイス間のデータストリームはバランスが取れておらず、バックアップ時間が増大する可能性があります。

図5で示すテスト構成の主な特徴を思い出してみましょう。

  • SG1とSG2は1つのMSA30エンクロージャにあるシングルアレイ上に格納され、SG3とSG4は別のエンクロージャの別のアレイに格納されています。
  • データは、各SGから別々にストリーミングできます。
  • バックアップデバイスは2つあります。同時実行レベルは1なので、一度にアクセスできるSGは2つに限定されます。
  HPは、4つのSGと両方のバックアップデバイスを含むバックアップ ジョブを 1つ作成しました。Data Protector は、各SGのDBを順番に実行していきます。SG1とSG2の最初のDBのバックアップが完了したら、SG3 と SG4 の最初のDBに進み、バックアップデバイスのストリーミングを実行します。

このジョブは、ストレージアーキテクチャを効率的に使用できません。どちらか一方のMSA30エンクロージャに負荷がかかりすぎ、もう一方はアイドル状態になるので、データ転送は最適化されていません。このジョブの実行時間は 130 分であり、有効データ転送送度は 100GB/h でした。

複数のジョブによるスループットの向上

ストレージ使用率のバランスを調整するために、HPはバックアップジョブを2つ作成しました。1つのジョブで SG1とSG2をテープデバイスにバックアップし、2番目のジョブでSG3とSG4を別のテープドライブにバックアップします。ジョブを2つ実行するテスト シナリオでは、MSA30エンクロージャを特定のバックアップ デバイスに割り当てることができ、各エンクロージャのストリームだけを各デバイスに並列に書き込むことができます。このシナリオでは、バックアップ時間が65分に短縮され、有効データ転送速度は 165 GB/hでした。

まとめ

構成によってバックアップデータ速度は異なりますが、全体のスループットを最適化するには、バックアップジョブ全体に渡って読み出し処理のバランスを調整することを推奨します。

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