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技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

概要 / はじめに /
設備計画
  電源についての基本考慮事項
    サーバ電源の問題
    電力の供給
  一般的なコンポーネント
  電源プランニング
  結論 / 関連情報 / 実施要領

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データセンターの効率的な電力供給 ベストプラクティス


電力の供給

ProLiantサーバは、元々PCサーバから発展した製品であるため、従来はデータセンターのあらゆる機器に対して100 V、10 Aの電源コードで十分な電力を供給することが想定されていましたが、現在、このような前提は通用しなくなっています。

また、小切手帳の白地小切手と同様に、未使用のコンセントがあれば無制限に電力が利用できるというわけではありません。白地小切手があれば無制限に資金を供給できるわけではないのと同様、未使用のコンセントは無制限の電源を示すわけではありません。たとえば、24 AのPDUに32個のコンセントが装備されていても、ProLiant DL580 G2サーバ1台あたり8 A必要になるので、計3台にしか電源を供給できません。

ラックに効率良く電力を供給するためには、15 A〜20 Aの分岐を使用することを超える方法を考えることが必要です。北米では、これが標準的な分岐回路であり、電気技術者が主配電盤から分岐させます。オプションとして30 A分岐と三相分岐がありますが、これらは、急速に標準化され、普及しつつあります。


【ハードウェア】
電力が大きくなると、より大きなハードウェアが必要になります。そして、プラグとケーブルをPCのラインコードから変更する必要があります。図1はHP製品で一般的な2つのプラグを示し、図2はこれらのプラグを使った大容量配線の拡大断面図です。
図1.一般的なプラグ 図2.一般的なプラグで使われる大容量ケーブル
EMA L6-30P,208 V, 30 A, 3 w NEMA L6-30P,
208 V, 30 A, 3 w
一般的なプラグで使われる大容量ケーブル 大容量銅線ケーブル
SJ/SO 3 x 10awg
SJ/SO 4 x 10awの断面(拡大)
NEMA L15-30P,208 V, 30 A 三相, 4 w NEMA L15-30P,
208 V, 30 A 三相, 4 w
 
業界では2つの主要コネクタ規格であるNEMAとIECが使用されています。
北米では、NEMA規格が使用されます。最初のLは、ロックまたはツイストロック接続を示しています。Lが表示されていない場合は、標準の差し込みプラグを示します。その後に続く5または6は、プラグの定格電圧です。5は最大定格125 V、6は最大定格250 Vを表します。15、20または30はアンペアで表した定格電流です。PとRはそれぞれプラグとコンセントを表します。図1の左上に示した一般的なプラグの場合、NEMA L6-30Pの指定は最大定格が250 Vおよび30 Aのロックプラグであることを示します。
もう1つの主要規格がIEC規格です。IECは、スイスのジュネーブに本部を置く電子・電気分野の標準化団体であり、最も一般的なコネクタ、すなわちIEC 320汎用家庭用コネクタとIEC 309工業用コネクタのを定義しています。C13/C14コネクタは、HPの装置の90パーセントで使用されている10 A電源コネクタです。すべてのIEC 320コネクタでは、メス(コンセント)には奇数が、オス(プラグ)には偶数が表示されています。C19/C20コネクタは定格が16 Aです。入力が10 Aの範囲を超える場合、大容量出力または大型デバイスには、C19/C20コネクタが必要な場合があります。一例としてProLiant DL580 G2サーバがあります。
ラックの内部は、配電用に2つのコネクタだけが使 われています。これらは、低電圧、100 V、アプリケ
図3.IEC 309ピンおよびスリーブ付きコネクタ
IEC 309ピンおよびスリーブ付きコネクタ
ー ション用のNEMA 5-15、およびIEC 320、C13/C14です。
IEC 309ピンおよびスリーブ付きコネクタは、世界的にみてPDU、サーバ、ストレージデバイスで一般的に使用されていますが、北米でも使われ始めています(日本では使用されていません)。図3は、3つのタイプのIEC 309ピンおよびスリーブ付きコネクタを示しています。いずれも定格250Vのもので、米国では一般的になってきています。
・ 16 A 単相
・ 32 A 単相
・ 32 A 三相

【出力密度】

電源供給の観点から、サーバをフル装備したラックを配備することが問題になることがあります。ラックの合計負荷は問題ではありません。むしろ、問題は配電の方法、すなわちラインコードと配電コンセントの間の関係と制約にあります。たとえば、定格250Vのプラグとは、それ自体の最大電圧であり、内蔵回路の定格ではありません。表1は、北米で一般的な各タイプの分岐回路に関連する電力制限を示しています。

表1.北米の商用分岐回路
分岐電圧 分岐回路のサイズ NEC規格の最大負荷80% 最大有効電力
120V 20A 16A 1920VA
120V 30A 24A 2880VA
208V 20A 16A 3328VA
208V 30A 24A 4992VA
208V 20A 3Ø 27A 576 VA
208V 30A 3Ø 42A 8650VA

北米では、データセンターへの標準的な電力配分は208Vです。北米の商用配電系では、220/221 V (230/240 V と呼ばれることもあります)の配電は発生しません。すべてが208 Vで流れることから、208 Vを220 Vに変圧するための変圧器を設置する必要はありません。

表1に示すように、120 V、30 A回路は、約3,000 VAまたは3,000ワット未満の電力に制限されています。208 V、30 Aで同サイズのケーブルはほぼ5,000ワット、または5,000VAを供給できます。ただし、非常に負荷の高いラックの場合は、5,000 VAでも限界になります。現在の出力密度は、120 Vインフラストラクチャを残したまま、複数の208 V、30 Aでの給電を使用し、密度要求に合わせて三相電源を使用する方向に期待が持たれています。


【配電盤効率】

配電盤は重要です。すなわち、配電盤のパネルから電力を引き込む方法によって、電力がいかに効率的に使用されるかが決まります。ほとんどの場合、フロアで使用される電力よりも多くの電力がパネルに残ります。

問題は、電極またはパネルの接触ポイントの数です。データセンター向けの標準的な配電盤は、84極でおよそ150,000 VAを提供します。208 Vの配電には2極必要ですが、これによって配電盤から42の2極位置ができます。その結果、豊富な電力が得られます。実際には、配電上の制限により、パネル内に電力が残ります。

たとえば、21台のProLiant DL380 G2サーバがキャビネットにフル装備された場合、動作時に8,560 VAが必要です。動作電圧が208 Vの24 A PDUは、約5,000 VAに制限されます。そのため、負荷は少なくとも2台の24 A PDUが必要です。冗長化には4台のPDUが必要です。各PDUが208 Vを得るには配電盤から2つの電極が必要なため、各キャビネットは4つのブレーカと8つの電極が必要です。以上の要件により、現在の配電方法では、84極の配電盤によって、10台のキャビネットと210台のサーバをサポートする電源の冗長化構成が実現します。10キャビネットの実装では、配電盤から得られる150,000 VAのうち、86,000 VAが使用されるだけです。追加電力を引き込むのに十分な電極がないため、使用可能な電力合計に対して40パーセント以上が配電盤に残されています。


【電源容量を増やす】

大容量の電流密度のPDUを設置しても問題の解決にはなりません。30A以上の費用対効果の高いプラグ規格が欠如していることから、大容量の単相PDUをデータセンターに配線するのは電気技術者にとって困難な作業です。

現在、唯一可能性のあるソリューションは、三相配電に移行することです。NEMA L15-30Pは、三相電源に一般的に使用されるプラグです。


【三相電源】

あらゆる電気は商用電源によって三相ACとして生成され、通常150,000 V以上の電圧で配電されます。電力がデータセンターに届くまでに、その電圧は480 V以下にステップダウンします。

三相電流は、3つの独立した単相電流で表すことができます。各相の電圧は、正弦波で表され、60サイクル/秒(cps)の周波数または50 cpsの周波数で、正と負の値の間を交互に変動します(図4参照)。各相の電流は、同じ周波数で同様の波形になります。

図4.三相電流の正弦波電圧波形と対応する変圧器の相巻線 三相電流の正弦波電圧波形と対応する変圧器の相巻線

ほとんどのコンピュータ装置は単相電流で動作します。コンピュータ装置などの単相負荷は、変圧器のいずれかの相巻線と中性線に接続されます。データセンター環境対応システムを含む、より多くの電力を必要とする装置は、三相電流で動作します。空調設備などの三相負荷は、変圧器の3本の巻線すべてに接続されます。
大規模システムは、大容量化または三相電源に移行中です。現在、多くのエンタープライズクラスのマシンでは三相電源が使われており、すでにほとんどのデータセンターには三相配線が行われています。密度の高いデータセンターに一般的で経済的な方法で電力を供給する方法として、高電圧AC電源として知られている200 Vの三相システムを使用します。システムは任意の2本の変圧器巻線の間を200 Vで動作し、100 Vを中性点に供給します(図 5)。

図5.高電圧AC電源高電圧AC電源

一般的に、三相電源は、単相電力が供給する最大有効電力の150%以上を供給することから、単相電力よりも効率が高いとされています。さらに、三相電源は、より小型化された回路を使ってより多くの電力を供給します。この回路によって、顧客側のより細いケーブルに合わせた変換が可能です。出力密度の範囲は5,000 VA〜8,600 VA、25 A〜43 Aであることから、全体的にパネル位置の少ないラックの実装ができます。また三相電源は、3つの電圧波形を持ち、ほとんどの時間、ピーク電圧を示すことから、単相電力よりも安定しています。表2は、単相、三相の電力配分について比較し、三相電源の効率が高くなることを示しています。

表2.ProLiant DL380 G2サーバの場合のラックパネル使用率
PDUモデル 24A 単相PDU, 100 V 24A 単相PDU, 200 V 24A 三相PDU, 200 V
PDU1台当たりのVA 2400 4800 8317
ProLiant DL380 G2サーバ21台当たりのPDU数 8 4 2
ラック当たりのブレーカ分岐数 8 (各PDUにつき1分岐) 8 (各PDUにつき1分岐) 6 (各PDUにつき3分岐)
84電極配電盤1台当たりのラック数配電盤 10 10 14
パネルから使用できる合計VA 74,550 83,394 116,751

データセンターアプリケーションにとっての最善の構成は、特定の設備要件に依存していますが、HPは、次の理由から、高電圧で動作するためにラックが最適化されている装置を設置することをお勧めします。

単一のキャビネットで大容量を提供できます。同一規模の回路の場合、高電圧電源は低電圧電源に比べ、ほぼ2倍の電力をラックに供給できます。たとえば、100 V、30 Aの分岐回路は、2,400 VAをラックに供給できるのに対し、200 V、30 Aの分岐回路は4,800 VAをラックに供給できます。
インフラストラクチャの規模(たとえば、PDUの数、パネルから引く回路の数)を半分にできます。
一部の製品は、最大定格出力で動作するために200 V〜240 Vの入力が必要です。
電源の効率は高電圧動作時に高くなり、エネルギーの無駄を少なくします。高電圧入力では力率も高くなります。
高電圧入力では電源の動作温度が下がるため、電源寿命が延び、全体的な可用性が向上します。

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