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技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

概要 / はじめに /
設備計画
  電源についての基本考慮事項
    サーバ電源の問題
    電力の供給
  一般的なコンポーネント
  電源プランニング
  結論 / 関連情報 / 実施要領

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データセンターの効率的な電力供給 ベストプラクティス


電源についての基本考慮事項

 
設置を計画する場合、お客様は電力供給に関するいくつかの決定を行うとともに、既知の電源問題を認識している必要があります。
 

サーバ電源の問題

電源の入力電圧、力率、突入電流、漏れ電流は、データセンター設備に安全で効率的な電力を供給するために検討しなければならない事項です。全てのProLiantサーバのパワーサプライには、力率補正が標準装備されています。これにより、上記のいずれかの問題を解消し、効率的な操作を実現します。

【入力電圧の選択】

世界のほとんどの国や地域では入力電圧を選択することはできませんが、適切な入力電圧の選択は、北米式の商用配線システムに準拠する米国およびその他の地域では非常に重要な問題です。低電圧(LV)動作と高電圧(HV)動作のどちらを選ぶかによって、電源の出力容量、電力変換効率、電源の動作温度に影響するだけでなく、最終的には電源装置の信頼性に影響を及ぼします。

HPでは、低電圧(LV)を100〜120 VAC、高電圧(HV)を200〜240 VACと定義しています。日本では、100 Vまたは200 Vで商用電源がサーバに供給されています。現在、すべてのHPサーバには、自動検知機能付きの入力回路が搭載されており、入力電圧に合わせて自動調整します。高電圧動作のみに対応したHPデバイスは例外です。デバイスを配電システムに接続する前に、必ずデバイスの入力仕様を確認してください。

一部のProLiantサーバには、高電圧入力電源に接続したとき高出力を持つパワーサプライを装備したモデルもあります。負荷が高くなる場合、これらの製品は、完全な冗長化構成を行うために、高電圧動作に対応したり、電源を増設することが必要なことがあります。主な違いは、パワーサプライに内蔵されている入力デバイスに制限があることです。入力コンセント、入力ヒューズなどのコンポーネント、および入力フィルタコンポーネントは、多くの場合、最大入力電流が10 Aに制限されています。任意の出力の場合、低電圧で効率的に動作する電源の入力電流は、高電圧で動作する場合に比べ、2倍になります。低電圧で最大出力を得るには、入力電流が定格入力電流を超えることになります。

電源は、高電圧で動作する場合、より効率的に動作します。一般的なサーバのスイッチモードパワーサプライの定格効率は65%〜80%です。一部の特殊用途向け製品には、90%の効率に達するものもあります。低電圧で動作すると、電源はこの範囲の下限で動作することになります。65%の効率では、商用電源から100 W引き込むごとに35 Wが電源装置によって無駄になります。大規模なデータセンターでは、こうした低効率によって何kW/時もの無駄遣いになりかねません。これでは、電気代が跳ね上がるだけで何の利益にもなりません。実際、他にも多くの悪影響があります。

電源の動作温度も入力電圧の選択による影響を受けます。前述した入力コンポーネントが実際に低電圧入力で動作する場合、さらに高温になります。これは、入力電力がほぼ2倍になることが原因です。コンポーネントが生成する熱は、I2 x R の公式で求められます。I は入力電流、R はコンポーネントの抵抗を表します。したがって、入力電流が2倍になると、任意のコンポーネントが生成した熱は4倍上昇することになります。コンポーネントが高温で連続動作する場合、その寿命は著しく短くなります。したがって、電源の平均寿命に全体的な影響を及ぼします。


【突入電流】

ソリッドステートパワーサプライを内蔵する電子デバイスでは、初期起動時に動作電流の数倍の入力電流が流れます。起動時の高サージ電流は突入電流と呼ばれ、ヒューズやサーキットブレーカを不必要に作動させることで電気系統に影響を及ぼす可能性があります。

突入電流は、理論上の最悪条件下の測定値を使って判断します。サーバの許容する突入電流の量はサーバ仕様によって指定されています。たとえば、ProLiant DL380 G2サーバの仕様は、電源1台につき最大2ミリ秒(ms)間に50アンペア(Aまたはamp)となっています。現実的に発生する突入電流の量は2 ms未満が一般的です。個々のサーバの突入電流は問題になりませんが、それらが加算され、また複数のサーバが実装された場合には、非常に短い時間間隔であっても容易に50 Aを上回ります。

データセンタのサーバ台数を考慮すると、パワーサプライはサージ保護機能を内蔵し、起動時に流入するサージ電流から保護する必要があります。電源にサージ電流保護機能を使用しない場合、リレーとヒューズは可能性のあるサージ電流よりも高い定格にしなければなりません。現在HPが提供しているサーバ電源は、アクティブな突入電流を制限する機能を提供しています。電源のフロントエンドの回路は、交流(AC)電圧を印加した場合に最初に電源に流入する電流の量を制限します。

さらに、HPのラックマウント型PDU(パワーディストリビューションユニット)の分岐回路は、短絡電流と過負荷電流の影響を最小限にするようにサイズを調整できます。通常の動作条件では、分岐回路ブレーカで漏電を分離し、PDUに接続された負荷全体が落ちないようにする必要があります。数百アンペアの突入電流に耐えられるブレーカは、通常の動作条件で必要とされる保護機能は提供しません。したがって、漏電はそのままメインのAC配電システムに渡され、関連するラックだけでなく、それ以外に影響する恐れがあります。ただし、ブレーカは極めて短い時間間隔で比較的多くの電流を通します。

HPは、突入電流の影響を軽減するために、次の2つの方法を推奨します。

各ラックにPDUを増設し、ラックに電圧を印加したときの突入電流の影響を分散し、軽減します。増設したPDUに給電するサーキットブレーカの定格が実際の突入電流に対して適切であることを確認します。欧州連合(EU)のほとんどの地域では、タイプDブレーカを使用することをお勧めします。
電源を復旧した場合、ラック内の装置の一部にのみ電圧が印加される規則的なシャットダウンと起動手順を使用します。最初の負荷に電圧を加えると、ラック内の残りの負荷も印加されます。この手順は、負荷の一部につながる電源コードを抜く、またはPDU上のいずれかの分岐回路ブレーカを開放することで実行できます。

【漏れ電流】

接地漏れ電流は、一次回路と一次接地線(アース)間、続いてコンピュータのシャーシ間に位置するフィルタ コンデンサによって発生します。電流は、各位相と中性線に戻る装置のアクセス可能な部分で測定します。通常の動作条件では、漏れ電流によって危険が生じることはありません。複数の装置が同じ電源(たとえば、無停電電源装置またはPDU)に一度に接続された場合の電流は加算され、漏れ電流がただちに潜在的に危険なレベルに達する可能性があります。一次接地線またはアースが何らかの理由で開放されると、装置のすべての導体(金属)表面上に漏れ電流と電位が発生します。万が一、装置のシャーシに接触した場合、感電する可能性があります。

残留接地電流の漏電検出器を取り付けることが建物の設置条件となっている場合、漏れ電流が問題となる可能性があります。これらのデバイスは、漏れ電流があらかじめ決められたレベルを超えるとサーキットブレーカが開放されるように設定されています。この点が問題になる地域として、英国があります。

正しい操作と安全のため、装置を適切に接地する必要があります。日本の場合は、電気設備技術基準に従って装置を設定してください。米国の場合は、米国防火協会(NFPA) 70-1999 米国電気記号体系(NEC) 第250条、ならびに国および地域の建築条例に従って装置を設置してください。カナダの場合は、カナダ規格協会、CSA C22.1、Canadian Electrical Codeに従って装置を設置してください。上記以外の国では、国際電気標準会議(IEC) 364 第1〜7部などの国または地域の電気配線規約に従って装置を設置してください。さらに、設置に使用するすべての配電装置(分岐配線およびコンセントなど)は、リストに指定された、または認証された接地タイプになっていることを確認します。

同じ電源に複数のサーバが接続されることによって多量の接地漏れ電流が発生することから、システムに印加する前に信頼性のある接地(アース)接続を行うことが重要です。HPは建物の分岐回路に永久的に配線されているPDU、または工業用プラグに配線される切り離し不可能なコードが装着されたPDUを使用することをお勧めします。米国電気工業会(NEMA)仕様プラグまたはIEC 60309(JIS J60309-1)に準拠するプラグは、この目的に適合していると見なされます。


【力率補正】

コンピューティングおよびストレージ デバイスが電力を消費できるようにするには、入力電源から供給される交流(AC)を電源装置で直流(DC)に変換しなければなりません。「電力」とは、中央演算装置(CPU)を動作させたり、冷却ファンを回転させるなど、電気が仕事する力の比率のことです。電気が供給する電力(皮相電力)は、電圧と電流の積であり、ボルト アンペア(VA)で表記されます。

デバイスに供給される電力と実際にデバイスが消費する電力には差がありますが、これは、デバイスが持つ入力時の蓄電性が電流の流れを遅らせるためです。負荷によって消費される実際の電力はワットで測定されます。

デバイスの力率(PF)は、皮相電力(VA)と実際の電力(W)の割合を表す0と1の間の数値です。すなわち、電流が有効に変換された比率のことです。PFが1.0の電源装置は、電圧と電流がともにピークになることを示し、これがデバイスで最も有効な負荷になります。

通常、サーバのパワーサプライは、力率を「補正」するための回路を内蔵しています(すなわち、入力電流と電圧を同相に変換します)。力率補正によって、入力電流は連続して流れることが可能になり、また入力ピーク電流と電源のエネルギー損失を軽減し、動作効率を高めます。力率補正(PFC)電源は、力率がほぼ一定(~1)にされ、したがって効率性が高くなっています。無停電電源装置(UPS)を含むエネルギー効率のよいPFCデバイスを使用すると、かなりの費用を節約できます。


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