Jump to content 日本-日本語
製品  >  HP ProLiant サーバ  >  技術情報  >  White Paper

whitepaper

技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

概要
  はじめに
  クラスタ通信パスの構成
  ProLiantネットワーク チーミングのインストールと設定
  まとめ / 詳細情報 / フィードバック

PDFファイル ダウンロード

このホワイトペーパーのPDFファイルをこちらからダウンロードしてご覧下さい。
(PDFファイル、173KB)
コンテンツに進む

ベスト プラクティス チェックリスト - Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Edition高可用性サーバ クラスタのネットワーク フォールト トレランスの向上


はじめに

 

通信パスの障害に対応するために使用できるテクノロジについて考える前に、障害の主要原因を把握する必要があります。次の項は、Microsoft Windowsサーバ クラスタを構成する各種通信パスおよびそのさまざまな障害ポイントを理解するのに役立ちます。また、このホワイト ペーパーでは、ProLiantネットワーク チーミング ユーティリティの設定および関連するネットワーク接続のTCP/IPプロパティについても詳しく説明します。

Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Editionは、お客様の満足度を高め、全体的な使いやすさと配備を改善するために開発された、Microsoft Windows 2000オペレーティング システム環境を拡張したものです。
Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Editionでは、次のようにクラスタ機能が強化されています。

  • クラスタ規模の拡大 - Enterprise Editionは、最大8ノードをサポートしています。
  • クラスタ インストレーション ウィザードの強化 - 基本コンポーネントがクラスタ対応かどうかを検査する機能を内蔵しています。
  • インストール - オペレーティング システムのインストール中に、クラスタ バイナリが自動的にコピーされます。
  • マルチノードの追加 - 複数のノードを、一度に1つずつではなく、1回の操作で追加できます。
  • Active Directoryの統合 - 「仮想」コンピュータ オブジェクト、Kerberos認証、サービス コントロール ポイントを公開するためのデフォルトのサービス位置など、統合性が向上しています。ユーザは、他のWindowsサーバと同じように仮想サーバにアクセスできます。
 

クラスタ通信の種類


クラスタには、次の2種類のインターコネクトがあり、クラスタ通信の可用性に直接かつ多大な影響を及ぼします。

 
  • クラスタ間通信
  • クラスタ-LAN間通信
  クラスタ間通信とは、クラスタ ノード間の情報のやり取りです。この通信は、専用インターコネクト(クラスタ ハートビート インターコネクト)経由で行われます。クラスタ間通信は、次の目的でインターコネクト データ パスを使用します。
 
  • 個々のリソースおよびクラスタ全体のステータスについて情報を伝達する。
  • クラスタ ハートビート信号を送受信する。
  • システムのレジストリ情報を更新する。
  クラスタ-LAN間通信は、クラスタ ノードとネットワーク クライアント間での要求と応答で構成されます。スタンドアロン サーバの場合と同じように、主要なネットワーク コンポーネントに障害が発生すると、ネットワーク クライアントはクラスタ ノードと通信ができなくなります。可用性は重要な要素ですが、クラスタ環境で動作している場合には特に大切です。ネットワーク クライアントがそのクラスタ化されたアプリケーションおよびデータに確実にアクセスできるかどうかは、クラスタ-LAN間通信パスの可用性により左右されます。

クラスタ通信パスの重要性


これらの通信メカニズムはクラスタ環境で稼動するものであるため、こうしたメカニズムの重要性を説明する前に、クラスタにおける障害の説明に用いられる用語を理解しておく必要があります。ProLiantクラスタは、高い可用性を備えていますが、停止することなく常に使用できるものではありません。このため、システム全体の中で障害に対して脆弱な部分を把握しておくことが大切です。ある1つのハードウェアまたはソフトウェア コンポーネントに障害が発生した場合に、どのコンポーネントもその動作を引き継ぐことができないのであれば、そのコンポーネントは、single point of failure(SPoF。単一機器の障害がシステム全体の障害となる機器)です。このようにSPoFはクラスタに対する影響がきわめて大きいため、クラスタの設計では、できる限りSPoFを取り除くようにする必要があります。

クラスタの動作を中断する障害には、SPoFでないものもあります。クラスタが障害から復旧できる場合は、復旧プロセスが完了すると、データ、アプリケーション、およびネットワーク クライアントは、ただちに通常の動作に戻ります。ただし、復旧プロセスの実行にかかる時間は、計画外のダウン時間とみなされます。復旧が行われている間、ネットワーク クライアントは、そのクラスタ グループにアクセスすることはできません。SPoFほどは致命的ではありませんが、設計の際には、このタイプの中断も避けダウン時間を低減するような方法を採用する必要があります。
クラスタ通信に関しては、クラスタの動作に影響を及ぼす2つの問題があります。

 
  • 1番目の問題は、フェールオーバおよびフェールバック イベントに関わるダウン時間の問題です。Microsoft Cluster Serviceは、クラスタ グループの動作に影響を及ぼすエラーを検出すると、クラスタ グループを1つのノードから別のノードにフェールオーバします。クラスタは、クラスタ ノードの動作に影響を及ぼすエラーを検出すると、そのノードで実行されているすべてのクラスタ グループを別のノードにフェールオーバします。クラスタ グループのフェールオーバには時間がかかり、正常に動作しているノードでは、転送されたデータを確認しなければなりません。これらすべての操作が行われている間、ネットワーク クライアントは、クラスタ グループにアクセスできません。ただし、クラスタ間の通信パスを冗長化すると、このような障害により発生するダウン時間を、低コストで簡単に短縮できます。
  • 2番目の問題は、ネットワーク クライアントがそのクラスタ化されたアプリケーションにアクセスできるかどうかの問題です。クラスタ ノード間のクラスタ間通信が中断されると、このようなエラーが発生します。クラスタ構成にクラスタ間のネットワーク接続が1つしかない場合、クラスタ間のネットワーク接続に障害が発生するたびに、Cluster Serviceは、いずれかのノード上ですべてのクラスタ グループをオフラインにして、利用できるノードにフェールオーバします。

通信の障害ポイント


クラスタ-LAN間およびクラスタ間通信パスの物理ネットワークは、複数のコンポーネントで構成されます。これらのコンポーネントのいずれかで障害が発生すると、パス全体が機能しなくなり、結果として、前項で説明した問題が発生します。通信パスに冗長構成が組み込まれていない場合、コンポーネントの障害により、フェールオーバ イベントが発生するかまたは特定のクラスタ グループに完全にアクセスできなくなります。

クラスタ間パスおよびクラスタ-LAN間データ パスで、これらの各コンポーネントがどのような役割を果たしているかについて理解しておけば、このホワイト ペーパーで説明する各解決策を理解しやすくなります。クラスタ システムの主要な障害ポイントは、次に示す5つのハードウェア コンポーネントです。

 
  • マルチポートNICのポート(クライアントまたはクラスタ間)
  • NIC(クライアントまたはクラスタ間)
  • ネットワーク ケーブル
  • ネットワーク スイッチまたはハブのポート
  • ネットワーク スイッチまたはハブ(次の注を参照)
 
注: ネットワーク スイッチやハブはsingle point of failureです。ただし、スイッチやハブは、大規模ネットワークの構成要素とみなされます。これらの構成要素の可用性については、クラスタ環境で動作している場合でもスタンドアロン サーバ環境で動作している場合でも、注意しておく必要があります。ネットワーク スイッチやハブの障害は、場合によっては、single point of failureと判断されます。このホワイト ペーパーでは、スイッチやハブの障害が及ぼす影響に対応する方法については説明しません。図1に、通信の障害が発生するポイントとなる可能性のある各ハードウェアを示します。
 
図1:障害ポイント

図1:障害ポイント

通信パス冗長化のビルディング ブロック


ここまでは、通信パスにおける障害の主要原因を確認しました。次に、これらの障害ポイントに対応するために使用できるテクノロジについて説明します。次の項で説明するように、ハードウェアおよびソフトウェア テクノロジを統合することにより、冗長構成を実現できます。この統合により、クラスタ通信の復元力と、クラスタ化されたアプリケーションおよびデータの全体的な可用性の両方が向上します。

ProLiantネットワーク アダプタのフォールト トレランス機能


ネットワーク フォールト トレランス(NFT)は、ProLiantネットワーク アダプタ チーミングの最も基本的な機能です。このモードでは、2〜8枚の物理ネットワーク アダプタがチームとしてまとめられ、1つの仮想ネットワーク アダプタに編成されます。ただし、送受信に使用される物理ネットワーク アダプタ(プライマリ アダプタと呼ばれます)は1枚だけです。それ以外の物理アダプタは、スタンバイ アダプタ(セカンダリ アダプタと呼ばれます)とみなされ、プライマリ アダプタで障害が発生するまではアイドル状態を保ちます。この機能は、Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Edition用のHP Support Packに入っているProLiantチーミングおよびコンフィギュレーション ユーティリティを使用して有効にします。
 
注: Microsoft Windows Server 2003, Enterprise Edition用のHP Support Softwareは、SmartStart 6.20以上に収録されています。
このホワイト ペーパーでは、この機能について簡単に説明します。ProLiantネットワーク アダプタ チーミング製品について詳しくは、ホワイト ペーパー『コンパック ネットワーク アダプタのチーミング テクノロジー』(162M-0102A-WWEN)を参照してください。このホワイト ペーパーは、HPのWebサイト http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/whitepaper/compaq/whitepaper184.pdf に掲載されています。

リダンダント ネットワーク インタフェース コントローラ


冗長化のレベルを最大限に高めるために、一部のProLiantネットワーク製品について提供されるProLiantネットワーク アダプタ チーミングNFT機能を使用して、クライアント ネットワーク接続を冗長化することができます。この機能により、各サーバで、一方がもう一方のオンライン スペアとして機能する2枚のNICを使用することができます。プライマリNICに障害が発生すると、セカンダリNICが故障したプライマリNICのIPアドレスおよび機能を引き継ぎます。また、この機能は、Systems Insight Managerと密接に統合されており、プライマリNICの障害発生時には、予防的な通知が行われます。

NICの冗長化は、ProLiantチーミングおよびコンフィギュレーション ユーティリティを使用して実現します。このユーティリティは、次のProLiant NICで使用できます。

 
  • ProLiant Fast Ethernet NC31xx
  • ProLiantファイバGigabit NC61xx
  • ProLiant銅線Gigabit NC71xxおよびNC77xx
 
注: ホワイト ペーパー『What's New in ProLiant Network Teaming』(5981-5768EN)には、ネットワーク アダプタごとのクロスリファレンス チャートが掲載されており、このチャートで、チーム編成できるネットワーク アダプタを確認できます。このホワイト ペーパーは、HPのftpサイト ftp://ftp.compaq.com/pub/products/servers/networking/WhatsNewInProLiantNetworkTeaming.pdf (英語)に掲載されています。
  ProLiant NICのネットワーク アダプタ チーミング機能を使用することにより、ProLiant NICをPCIスロットに追加して、クラスタ-LAN間接続用のリダンダント ペアを作成できます。
注: ネットワーク アダプタ チーミングは、クラスタ間の専用通信パスでは使用できません。Microsoft社のWebサイト http://support.microsoft.com/japan/ に掲載されているMicrosoft Knowledge BaseのArticle 258750および254101を参照してください。

デュアルポート ネットワーク インタフェース コントローラ


ほとんどのNICは、ポートを1つだけ装備しネットワーク ケーブルを1本だけ接続するようになっています。通常、1台のサーバから2つの独立したネットワーク接続パスを構成する必要がある場合、2個の拡張バス スロットを使用してサーバにNICを2枚装着します。一方、デュアルポートNICには2つのポートがあり、各ポートが独自のネットワーク接続をサポートします。このため、使用するPCI拡張スロットは1個だけになります。HPは、さまざまなデュアルポートNICを提供しています。詳しくは、HPのWebサイト http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/options/nic.html を参照してください。

前の項では、2枚の独立したネットワーク コントローラを使用すればリダンダントNICを構成できると説明しました。ProLiantチーミングおよびコンフィギュレーション ユーティリティには、デュアルポートNICの両方のポートを設定する機能もあります。この構成では、NICポートの一方がもう一方のホット バックアップとして設定されます。プライマリ ポートは、通常どおり動作し、データを送受信します。一方、セカンダリ ポートは、プライマリ ポートで障害が発生するまでは、スタンバイの状態を維持します。プライマリ ポートで障害が発生すると、スタンバイ ポートがそのデータ フローを引き継ぎます。このため、データ フローが中断することはありません。

また、NICの構成(シングルポート、デュアルポート、またはその混合)に左右されることなく、ProLiantネットワーク アダプタの機能を、任意の2枚のNICを用いて使用することができます。たとえば、ノード1にデュアルポートNICとシングルポートNICが搭載されている場合、デュアルポートNICの一方のポートをアクティブ ポートとして使用し、シングルポートNICのポートをスタンバイ ポートとして使用して、リダンダントNIC構成を構築することができます。

 
注: ネットワーク アダプタの一覧について詳しくは、HPのftpサイト ftp://ftp.compaq.com/pub/products/servers/networking/WhatsNewInProLiantNetworkTeaming.pdf(英語)に掲載されているホワイト ペーパー『What's New in ProLiant Network Teaming』(5981-5768EN)を参照してください。

クラスタ間通信のパス


クラスタ通信のパスに冗長性を組み込むには、クラスタ間通信について理解しておく必要があります。プライベート インターコネクトを構築するには、物理的に2つの方法があります。

1番目は、クロスオーバ ケーブルを用いて各クラスタ ノードのネットワーク アダプタを直接接続するという方法です。この方法は、2ノード クラスタでのみ使用できます。クロスオーバ ケーブルを各アダプタに直接接続するだけで、アダプタ間の通信を行うことができるため、ネットワーク スイッチやハブは不要です。

 
注: クロスオーバ ケーブルを用いてネットワーク アダプタを正しくセットアップする方法については、Microsoft社のWebサイト http://support.microsoft.com/japan/ に掲載されているMicrosoft Knowledge BaseのArticle 258750および174812を参照してください。
  2番目の方法では、ネットワーク スイッチを使用します。この場合、複数のスイッチやリピータを組み合わせて使用することもできます。クラスタ ノード間の距離が離れている場合や、ノード数が2つを超える場合は、この方法を使用する必要があります。すべてのインターコネクト アダプタが同じIPネットワークに所属する限り、ネットワーク デバイスの組み合わせに左右されることなく、クラスタ間通信を行うことができます。
 
注: クラスタ-LAN間の通信パスをクラスタ間通信のプライマリ パスとして使用することはおすすめしません。この通信パスのトラフィックは重くなることがあり、クラスタ間通信を妨害する可能性があるからです。ただし、専用インターコネクトをプライマリ パスとして構築した上で、パブリック インターコネクトをクラスタ間通信のリダンダント パスとして設定することはおすすめします。

前のページへ 次のページへ
PDFファイルをご覧いただくには、Adobe® Reader® が必要です。
アドビシステムズ社のウェブサイト より、ダウンロード(無料)の上ご覧ください。
印刷用画面へ印刷用画面へ
プライバシー ご利用条件・免責事項