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技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

はじめに
  電源を同時に復旧するとクラスタに問題が起きるのはなぜか
  電源を入れる手順のベスト プラクティス
  Microsoft Windows製品のOSの起動を遅らせる
  Microsoft製品の起動を遅らせる手順
  Linuxの起動を遅らせる手順
  Novell製品の起動を遅らせる手順
  まとめ
  詳細情報

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ベスト プラクティス チェックリスト―突然の停電からの回復に備えてHP ProLiantクラスタを事前に構成する


要約

 
本書は、突然の停電からHP ProLiantクラスタを適切に回復させるための、クラスタの事前構成のベスト プラクティスについて書かれています。本書の内容は、『ProLiant クラスタ アドミニストレータ ガイド』などProLiantクラスタに関する文書に対する補足です。
 

はじめに


今日のコンピュータ環境では、あらゆるレベルでハイ アベイラビリティ(高可用性)の技術が使われています。電源の供給もその1つです。クラスタサーバ、ストレージ、インターコネクトへの電源の供給が冗長化されたことで、停電のリスクは大きく減りました。しかし、クラスタを構成する各要素に対して電源の供給を冗長化しても、もしそれらが同じ電力網に属していてかつ無停電電源装置(UPS)もない場合には、突然停電が起きれば問題が発生します。

サーバ、外部ストレージ、ネットワーク機器やSANスイッチ装置等の電源が同時に復旧した場合、外部ストレージに取り付けられたクラスタは、起動しても使用可能な状態にならないことがあります。これが起きるのは、外部ストレージが初期化されるより先に、サーバが外部ストレージのデータにアクセスしようとしたときです。これはクラスタがファイバベースであってもSCSIベースであっても同じです。


電源を同時に復旧するとクラスタに問題が起きるのはなぜか


この問題がMSA500ベースのProLiant DL380パッケージ クラスタにどう影響するか?

Smartアレイコントローラのファームウェアバージョンが2.4x以降でない場合、サーバとMSA500に同時に電源を入れると、サーバ内部のSmartアレイ コントローラは、外部に接続されたMSA500の準備が整う前に確認しようとします。サーバ内のSmartアレイ コントローラのファームウェアは、SCSIバスに取り付けられた外部ストレージ エンクロージャは検知しますが、SCSIバス上のストレージ ドライブは検知できません。この為、OSはストレージ ドライブを見つけることができず、クラスタがうまく動作しません。しかし、Smartアレイコントローラのファームウェアバージョンが2.4x以降であれば、サーバとストレージに同時に電源を入れてもシステム起動プロセスに問題は起きません。

Smartアレイコントローラのファームウェアバージョンが2.4x以降にしていれば、クラスタへの電源復旧は簡単です。Smartアレイコントローラのバージョン2.4x以降のファームウェアは、起動時に外部ストレージ装置の準備が整うまで待機します。サーバに電源を入れたとき、すでにMSA500の初期化が終了している場合は、待機しません。


MSA1000等、ファイバベースのクラスタへはどう影響するか?

ファイバ べースのクラスタ サーバは、OSの起動プロセス中にファイバ チャネル ホスト バス アダプタ(FCA)ドライバをロードした後、外部ストレージにアクセスしようとします。FCAドライバをロードする前にファイバ ストレージ コントローラが初期化されていない場合、クラスタはうまく動作しないことがあります。FCAドライバをロードし、ファイバ ストレージ コントローラが初期化されたとしても、新たに見つけたデバイスに必要なドライバを求めるポップアップ メッセージがOSに表示されることもあります。原因は、新しいデバイスでないにもかかわらず、電源を入れる手順が不適切なために新しいデバイスとして認識されてしまうことです。


電源を入れる手順のベスト プラクティス


クラスタ ソリューションに電源を入れる最良の順序は、まずネットワーク機器やSANスイッチ装置等、次に共有ストレージ、最後にクラスタ ノードという順序です。どの構成要素にも初期化の時間が必要であり、次の装置の電源を入れるのは初期化の終了後でなければなりません。正しい手順として、まずネットワーク機器やSANスイッチ装置等に電源を入れます。ネットワーク機器やSANスイッチ装置等のインジゲータやモニタを見て初期化プロセスが終わったことを確かめます。ネットワーク機器やSANスイッチ装置等の初期化が終わったら、次は共有ストレージの起動です。メイン コントローラに取り付けられたすべてのストレージ エンクロージャの電源を入れます。ネットワーク機器やSANスイッチ装置等と共有ストレージの電源が入ったら、最後にクラスタ ノードを起動(プライマリノードとセカンダリノードで、15秒以上間隔を空ける)します。以上の手順で電源を入れる以外に、以下に示すような、OSの起動を遅らせるよう設定するという方法もあります。


Microsoft Windows製品のOSの起動を遅らせる


Microsoft WindowsにAdministrator権限でログインすれば、図1に示すシステムのプロパティの設定を変更することにより、簡単にOSの起動を遅らせるよう調節できます。本項では、Microsoft環境での各ストレージ ボックスに必要な遅延時間と、起動を遅らせる手順を示します。

図1. 起動オプションと[起動と回復]のページ図1. 起動オプションと[起動と回復]のページ

遅延時間はストレージのプラットフォームによって異なります。それぞれのファイバ ストレージ プラットフォームでの一般的な基準を、以下のパラグラフで説明します。

注: 以下に述べるストレージ プラットフォームは、ファイバ コントローラとドライブのエンクロージャ2台を備えた2ノード クラスタを想定しています。

MSA1000

MSA1000でのOSの起動遅延時間は、使う環境にもよりますが、Microsoft製品のデフォルトである30秒よりも長くする必要があります。一般的な値としては、ノード1を60秒、ノード2を75秒と構成します。

注: ノードあたりの遅延時間は、システムを構成するサーバ数、サーバ間の違い、スイッチ数、ストレージ ボックス数、ドライブ数により異なります。しかし、サーバ間の遅延時間に15秒の差を設ければ、クラスタの「スプリットブレーン」の問題を回避することが可能です。

MA8000/ EVA

HSG/HSVストレージ プラットフォームは複雑な構造であるため、起動遅延時間をより長くする必要があります。使う環境にもよりますが、起動遅延時間が8分あればストレージを正しく初期化するには十分です。2台のコントローラと2台のディスク エンクロージャからなる一般的なHSVコントローラならば、8分以内で初期化できます。構成が大きくなるほど、遅延時間も長くする必要があります。コントローラとディスク エンクロージャとを同時に起動する上で大きな問題となるのは、遅延時間の有無はともかく、ディスク エンクロージャを初期化するよりも前にコントローラを初期化してしまうことです。この場合、コントローラはディスク エンクロージャを見つけることができず、その結果ドライブを認識できずにハングアップすることがあります。HSG/HSVストレージ プラットフォームを使う場合は、システム停止時にシャットダウン処理が必要になることもありUPSを使用することを強くお勧めします。


Microsoft製品の起動を遅らせる手順


以下の表は、各ノードのOSの起動遅延時間を設定する手順を示したチェックリストです。各手順を終えるたびに、4角形の中にチェックマーク( チェックマーク )を記入してください。

 

OSの起動遅延設定

ノード1で、[スタート][設定][コントロール パネル][システム]を選択します。

[システムのプロパティ]ウィンドウで[詳細設定]タブを選択します。(図2を参照)

図2. システムのプロパティ図2. システムのプロパティ
[詳細設定]タブで、[起動と回復]セクションの[設定]ボタンを選択します。(図2を参照)

[起動と回復]ウィンドウ(図3)で、[オペレーティング システムの一覧を表示する時間]に表示されているシステムの起動遅延時間を変更します。この数値は、OSが起動プロセスを遅らせる秒数です。

図3. 起動と回復図3. 起動と回復

ノード2について上記の手順を行います。必ず、2番目のノードは起動遅延時間を最低でも15秒以上長くしてください。この例の場合、ノード2の遅延時間は75秒以上とします。

Linuxの起動を遅らせる手順


以下の表は、ブートローダとしてLiloを使ったLinuxシステムでOSの起動を遅らせる手順のチェックリストです。各手順を終えるたびに、4角形の中にチェックマーク( チェックマーク )を記入してください。

 

Linux OSの起動遅延設定(Lilo)

Lilo.confファイルを編集し実行するために、ターミナル セッションを開きます。
プロンプトにcd /etcと入力し[Enter]キーを押すことによって、etcディレクトリに移動します。
vi lilo.confと入力し[Enter]キーを押すことによって、lilo.confファイルを開きます。
iと入力し[Enter]キーを押すことによって、ファイルを編集モードにします。
promptコマンドがlilo.confファイルの先頭にあること確認します。リストされていない場合、promptと入力します。
promptコマンドのすぐ下に、timeout=xxxと表示されていることを確認します。(xxxは起動プロセスを遅らせる時間の秒数です)。必要な秒数になるよう編集します。
[ESC]キーを押すことによって、編集モードを終了します。
[Shift]キーと[:]キー(コロン)とを同時に押します。
wqと入力して[Enter]キーを押すことによって、変更を記録してエディタを終了します。
cd /sbinと入力し[Enter]キーを押すことによって、sbinディレクトリに移動します。
liloと入力し[Enter]キーを押すことによって、lilo.confファイルを実行します。
exitと入力し[Enter]キーを押すことによって、ターミナル セッションを終了します。
システムを再起動し、起動が遅延されたことをOSのブート ローダーのプロンプトで確認します。遅延時間は先ほど指定したタイムアウト時間と同じになります。
他のクラスタノードについても上記の手順を行います。

以下の表は、ブートローダとしてGRUBを使ったLinuxシステムでOSの起動を遅らせる手順のチェックリストです。各手順を終えるたびに、4角形の中にチェックマーク( チェックマーク )を記入してください。

 

Linux OSの起動遅延設定(GRUB)

grub.conf ファイルを編集し、実行するために、ターミナルセッションを開きます。
プロンプトにcd /etcと入力し[Enter]キーを押すことによって、etcディレクトリに移動します。
vi grub.conf と入力し [Enter] キーを押すことによって、grub.confファイルを開きます。
/timeout と入力し [Enter] キーを押すことによって、timeoutと表示されている行に移動します。
wを2回押して、=の右辺(数字の先頭)に移動します。
cwと入力して、ファイルを編集モードにします。必要な秒数を入力します。
[ESC] キーを押すことによって、編集モードを終了します。
:wqと入力して [Enter] キーを押すことによって、変更を記録してエディタを終了します。
システムを再起動し、起動が遅延されたことをOSのブートローダーのプロンプトで確認します。
遅延時間は先ほど指定したタイムアウト時間と同じになります。
他のクラスタノードについても上記の手順を行います。

Novell製品の起動を遅らせる手順


NovellのOSにはシステムの起動を遅らせる機能がありません。しかしその代わりとなる2つの方法があります。1つはWait.exeプログラムを使うという方法であり、もう1つは他社のツールを使うという方法です。ほとんどの場合、Wait.exeを使えば必要な遅延時間を設定できます。Wait.exeプログラムは以下のWebサイトにあります。
http://www.novell.com/coolsolutions/tools/1218.html

このプログラムはNetWare Server用の起動遅延プログラムとして数年前に作られましたが、サーバの起動を遅らせる機能を備えています。プロセッサが速くなるにつれ、最近はその必要がますます高まっています。

Wait.exeプログラムには、待機する秒数を扱うパラメータが1つあります。パラメータの範囲は5〜60であり、それ以外の数字を指定するとデフォルトの30秒に戻ります。パラメータを指定しなかったり、指定が無効なときは、デフォルトの30秒になります。[Ctrl-C]および[Ctrl-Break]を押すと、数値を確認できます。その他のキーを押すとタイマーが停止し、状況に応じてエラー レベルが設定され、サーバの通常の起動手順が回避されます。これらすべての機能が、上記WebサイトにあるAutoexec.batファイルに備わっています。


まとめ


クラスタの各構成要素へのUPS等による遅延制御が出来ないとき、電源を入れる手順を誤ると正常にクラスタが起動しない場合があります。今日のコンピュータ環境では、プロセッサとOSの速度が上がるのに伴って、サーバの起動もますます速くなっています。したがって、サーバと外部ストレージに同時に電源を入れるときは、OSの起動を遅らせることによって、ストレージ装置の初期化が終了するまでストレージ装置にアクセスさせないようにする必要があります。OSの起動を遅らせることとファームウェアをアップグレードすることで、ほぼすべての状況に対応できます。

詳細情報


HPのハイ アベイラビリティおよびProLiantクラスタについての詳細は、以下のウェブサイトを参照してください。
http://www.hp.com/jp/proliant_ha

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mailto:hawebserver@hp.com (英語)


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